shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Good Evening New York City (Pt. 3)/ Paul McCartney

2009-12-31 | Paul McCartney
 コンサートも中盤に差しかかり、ここから怒涛のビートルズ・ナンバー6連発だ。“ロックしようぜ!”とポールが叫び天を指すとあのジェット音が響き渡る。⑱「バック・イン・ザ・USSR」だ。ロシアの “赤の広場” で演った時もゾクゾクしたが、ここNYでもやっぱり凄い。 この曲、大好きなんよね(^o^)丿 オーディエンスも大コーフンで踊りまくっている。⑲「アイム・ダウン」は今回収録されたビートルズ・ナンバー21曲の中で唯一44年前のシェア・スタジアム公演で演奏されたナンバーで、過去と現在を結ぶ点としての歴史的意味合いからか、'65シェア映像と現在進行中の'09シティ・フィールド映像がミックスされている。44年前とあまり変わらないくらいエネルギッシュにシャウトしまくるポールってホント凄いし、ジョンの魂が乗り移ったかのようなウィックスのキーボード肘弾きもたまらない。「アイム・ダウン」はこうでなくっちゃ!シェアの過去と現在が交差するこの映像こそ、このDVDのハイライトの一つだろう。尚、未編集のフル・パフォーマンス・ヴァージョンはDVD2に収められているので、両方楽しめる2DVDセットがお買い得だ。
 ポール曰く、シナトラが “レノン=マッカートニーの曲で一番好きだ” と言った(笑)という⑳「サムシング」の前半部ではジョージから貰ったウクレレによるポールの弾き語りに会場からも大合唱が起こる。後半部でバンド演奏へとシフトするが、バックのスクリーンに大写しになるポールとジョージのツー・ショットに涙ちょちょぎれる。曲が終わり、振り返ってスクリーンのジョージを見上げるポールの表情がこれまたたまらない。会場も割れんばかりの大歓声だ(^o^)丿
 (21)「アイヴ・ガッタ・フィーリング」、あまりライヴで取り上げられない曲なので貴重なのだが、中間部の対位法で進行していくパートがメンバーのコーラスというのが物足りない。やはりこのパートはどーしてもジョンの声でないと違和感を感じてしまう。後半部で一転テンポアップしてノリノリのインプロヴィゼイションを展開するところは斬新でエエ感じだ。(22)「ペイパーバック・ライター」は現代風のスマートなロックにアレンジされていてコレはコレでアリなのだが、ちょっと洗練されすぎているように聞こえる。私的にはやはりあのマイク・スタンドがグルグル廻る(笑)日本公演のゴツゴツした武骨な演奏が一番好きだ。ジョンに捧ぐトリビュート・メドレー(23)「ア・デイ・イン・ザ・ライフ~ギヴ・ピース・ア・チャンス」ではまずライヴでの再現が困難な前者を取り上げたポールの意欲を買いたい。後者でオーディエンスの合唱に持って行くところではふと日本公演での「ヘイ・ジュード」を思い出してしまった。これに続く曲は(24)「レット・イット・ビー」だ。この一連の曲の流れ、めっちゃエエなぁ...(^.^) しっかし何回聴いても敬虔な気持ちになれる神曲やね。
 ポールの “パーティーといこう...” の一言で始まる(25)「リヴ・アンド・レット・ダイ」、ステージ上は大花火大会と化し、眩いばかりの閃光が飛び交いオーディエンスも大盛り上がりだ。エンディングにトドメとばかりの大爆発... 想像を絶する爆音にさすがのポールも “コレ、耳と心臓に悪いわ(>_<)” っていうジェスチャーをしている。呼吸を整えて次は(26)「ヘイ・ジュード」、お約束の “ナナナッナァ~♪” コーラス合戦がたまらない。会場全体が一つになって歌うパートは十度と言わず何度でも見たい感動的なシーンだ。(27)「デイ・トリッパー」はビートルズ解散後のライヴでは初お披露目、バンドの演奏もタイトにカチッとまとまっており言うことナシだ。続くは(28)「レディ・マドンナ」、次から次へと繰り出される “必殺の名曲これでもか攻撃” は圧巻の一言だ。(29)「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」ではビリー・ジョエルが飛び入りし、ピアノをガンガン弾きながらポールとのデュエットを聴かせてくれる。やっぱり “ロックンロールが最高” やね、ビリーさん!(笑) 曲が終わるとビリーも含めて全員で手をつないで観客にご挨拶、これでコンサート本編は一旦終了だ。
 アンコール1曲目はポールのアコギ弾き語り(30)「イエスタデイ」... 心に沁みるわぁ(≧▽≦) 世紀の大名曲の余韻に浸っているとポールの “もっと盛り上がりたい気分だろ?” の一言と共に爆裂するギター... (31)「ヘルター・スケルター」だ!何なん、このエネルギッシュな歌声は!ホンマによぉやってくれるわ(^o^)丿 ロックなグルーヴ全開の(32)「ゲット・バック」では曲中でオーディエンスに向って “戻りたいかい?僕は戻りたい!” と叫ぶシーンが印象的だった。さて、いよいよコンサートのエンディング、 “もう帰る時間だよ” と言いながら両手を合わせて眠る仕草をするポールはB4時代と変わらない。(33)「サージェント・ペパーズ~ジ・エンド」では「ペパーズ」が当然アップ・テンポのリプリーズ・ヴァージョンだ。そして間髪を入れず「ジ・エンド」へと続くこの完璧な流れはどうだ!もう言葉では言い表せないくらいの感動が押し寄せる。ポールのライヴDVDは何枚も持っているが、満足度で文句なしにベストの内容だと断言したい!
 世間ではビートルズ・ナンバーが多すぎるとか贅沢を言ってる不届きな輩がいるようだが、寝言は寝て言えと言いたい。67才の老体(←普通なら完全なご隠居さんやんか...)に鞭打ってこれだけのパフォーマンスでファンを楽しませてくれるポールにはいくら感謝しても足りないくらいだ。2009年の掉尾を飾るに相応しい最高のライヴ盤をありがとう、ポール!!! 私はあなたのファンで本当に幸せだ(^.^)

Beatles is back to New York - Im down, Paul McCartney: Good Evening New York City 2009

Good Evening New York City (Pt. 2)/ Paul McCartney

2009-12-30 | Paul McCartney
 DVD1はまず、シェア・スタジアムのステージへと向かうビートルズのモノクロ映像から始まる。“ニューヨーク・シェア・スタジアム 1965年8月15日 歴史に残る音楽イベントが開かれた 世界記録となる55,600の観客を熱狂させたのはザ・ビートルズだった... 2008年7月8日 同スタジアムでの最後のコンサートとなるビリージョエルのコンサートにポールがゲスト出演... 1年後シェアの跡地に建てられたシティ・フィールドでオープニングを飾ったのはポールだった... ビートルズが同じステージに立ってから44年後 再び記憶に残る一夜となった...” と、ナレーションがこれまたカッコイイ(^.^)
 ステージに現れたポールは黒の上下に身を包み、44年前と同じヘフナーのヴァイオリン・ベースを手に颯爽と①「ドライヴ・マイ・カー」を歌う。いきなりのビートルズ・ナンバーに観客も大喜び... つかみはOKである。続く②「ジェット」もノリノリだ。 “ラスト・チャンス、マリー・ミー・ポール!” というプラカードが大写しになる(笑)。この曲を聴くといつも76年の「ロック・ショー」を思い出してしまうが、あれから33年経った今も同じように歌うポールとそれを聴いて感動する自分がいる... 何か感無量である。CDではカットされていたMCもバッチリ入っている。③「オンリー・ママ・ノウズ」の最中で観客のドアップ&喋りを挿入する編集は要らない(>_<) ソリッドな演奏が楽しめる④「フレイミング・パイ」が終わると上着を脱ぎ棄てるポール、エンジンがかかってきたのかシャツの袖をまくりあげる。⑤「ガット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」ではバックの巨大スクリーンに「ロックバンド」のCG映像が映し出されるのが嬉しい。ここでベースからド派手なギターに持ち替えての⑥「レット・ミー・ロール・イット」、最後のパートにジミヘンに捧げる「フォクシー・レディ」を付け加えてハードなギター・ソロを披露、曲が終わった後もペパーズ絡みのジミヘンの思い出話を懐かしそうに語ってくれる。まさに It was more than 40 years agoだ。「ファイアーマン」からの⑦「ハイウェイ」ではバンドが一体となったタイトな演奏が楽しめる。ポールの調子は数年前よりも良さそうに思えるくらいだ。
 ここでピアノの前に座ったポールは⑧「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」、リンダに捧げた⑨「マイ・ラヴ」と、バラッドを2連発。こんな美しいバラッドの名曲を何十曲も書いてるんやからポールは凄い!今度はアコギを手にして“クラシックのモノマネでバッハごっこしてたらこの曲ができたんだ...” と言って歌い出したのが⑩「ブラックバード」... 心に沁み入る歌声だ。MCでさっきの “マリー・ミー...” ボードで笑いを取った後、ジョンに捧げる⑪「ヒア・トゥデイ」だ。途中、1本のマイクでハモるジョンとポールの映像がオーヴァーラップするシーンはビートルズ・ファンなら涙なしには見れない。ポールも時折声を詰まらせながら歌っている。ましてやここはジョンがこよなく愛したニューヨーク、やはり万感胸に迫るものがあるのだろう。
 しんみりした気分を振り払うかのように⑫「ダンス・トゥナイト」ではマンドリンに持ち替えて軽快に歌う。次は⑬「カリコ・スカイズ」だ。アコギとアコーディオンの柔らかい音色のブレンドに心が和む。続いては私の大好きな⑭「ミセス・ヴァンデビルト」、今回のライヴではポール屈指の名作「バンド・オン・ザ・ラン」から4曲と大盤振る舞いだ(^o^)丿 ザッザッというアコギのリズム・カッティングから滑り出す⑮「エリナー・リグビー」のカッコ良さを何と表現しよう(≧▽≦) ハッキリ言って鳥肌モノだ。そして「ファイアーマン」からの⑯「シング・ザ・チェンジズ」は70年代のポールを彷彿とさせるノリの良い曲で、これがまた絶妙な形で⑰「バンド・オン・ザ・ラン」への橋渡しをしているのだ。今回は歴史に残るライヴだけあってセット・リストの曲の流れも実によく考えられている。その「バンド・オン・ザ・ラン」では巨大スクリーンに映ったアルバム・ジャケの撮影シーンをバックにノリノリの演奏を聴かせてくれる。オーディエンスもリズムに合わせて身体を揺すりながら歌っている。まさに老若男女すべてが楽しめるマッカートニー・ミュージックの真髄ここにありと言える素晴らしいライヴだと思う。 (つづく)

Here Today (in remembrance of John Lennon), Paul McCartney: Good Evening New York City 2009

Good Evening New York City (Pt. 1)/ Paul McCartney

2009-12-29 | Paul McCartney
 今年もいよいよ残すところあと2日になってしまったが、ビートルズに明け暮れた2009年の最後はこのアルバムにしようと前から決めていた。ポール・マッカートニーの「グッド・イヴニング・ニューヨーク・シティ」である。これはポールが今年の7月にニューヨークのシェア・スタジアム跡地に建てられたシティ・フィールド・スタジアムで行ったライヴの模様を収録したもので、リマスター・ボックスやロック・バンド発売直前でビートルズ熱がヒートアップしているところへもってきて、伝説のシェア・スタジアム公演から44年の時を経てポールが帰ってきたという話題性も加わって、観客の盛り上がりもハンパではなく、実に充実したライヴになっている。確かにポールの口元なんかを見てると老けたなぁという気がしないでもないし、高音がちょっと苦しいパートもあるが、それ以外は私の知っている昔のポールのまんまなのがたまらなく嬉しい。数万人のオーディエンスを前に2時間半ものステージをこなす67才... まさに生ける伝説である。
 このアルバムのリリースを知ったのはビートルズ・マラソン真っ最中の10月末のことだった。販売フォーマットによって発売日が違い、通常盤が2CD+1DVDで先行発売、初回限定デラックス盤が2CD+2DVDで2週間遅れのリリースという今流行りの2種販売で、自分は当然DVDが1枚分多いデラックス盤狙いだったが、アマゾンで何故か “お取り扱いできません” になっていたり、11/25の発売日がいつの間にか12/2に延期になってたりで、 “一体どないなってんねん...(>_<) ホンマに出るんかいな???” と半信半疑な思いでブツが届くのを待ち続けた。
 しかし待てば海路の日和ありという言葉通り、HMVから無事届いたデラックス盤は重厚な装丁で、これだけでもう嬉しくなってしまう。この超豪華盤はまずライヴのオーディオ・トラックをCD2枚に収め、その映像付きヴァージョンとして全パフォーマンスの様子をDVD1に収録、更にオンリーのDVD2にはこのライヴが行われる2日前にポールがニューヨークで行った変形ルーフトップ・コンサート(?)の模様が収められているのだ。さてどれから聴こう、いや見ようかとワクワクしながらシールドを破り、まずDVD2のディスクををパッケージから取り出そうとするのだが、何コレ?出されへんやん(>_<) 出されへんかったら意味ないやん!一体どこのアホがこんなクソみたいなパッケージを考えたんや!!! 私の知る限り史上最低最悪のパッケージである。四苦八苦してやっとのことで中身を取り出し、別のケースに入れることにした。
 いきなり出鼻をくじかれた感じですっかりテンションが下がってしまったが、気を取り直してDVD1から鑑賞開始。ポールのライヴはDVDで何枚も持っているので “動くポール” の映像を見れただけで大コーフンしていた若い頃のようなありがたみ(笑)は確かに薄れたが、67才にしてなお現役の第一線でバリバリと活躍するポールの姿は感動的だ。しかもビートルズ・ナンバーを中心にウイングス時代やソロ時代のヒット曲も織り交ぜながら2時間35分のコンサート、全33曲を誰もが口ずさめる珠玉の大名曲ばかりで構成できるアーティストって、ポールをおいて他にいないだろう。そして頻繁に映し出されるオーディエンスの幸せそうな顔、顔、顔... みんな本当に心からポールの音楽を楽しんでいるのが伝わってきて見ているこっちも嬉しくなってしまう。やっぱりポールは最高やね(^o^)丿 (つづく)

Paul McCartney Live, Good Evening New York City!

星に願いを / リンダ・ロンシュタット

2009-12-28 | Standard Songs
 私がまだ若かった頃、ディズニー・ソングというとどうしても “お子様向け” というイメージがあって全く眼中になかった。しかし30才を過ぎてジャズを聴き始めると、驚いたことに様々なジャズ・ミュージシャンがディズニー・ソングを取り上げていた。大人の音楽ジャズでディズニー??? 最初はワケが分からなかったが、実際に色々聴いてみるとこれがめっちゃエエ感じなのだ。私が “子供向け” とバカにしていた楽曲は逆に言えば子供でも分かるくらい素直でキャッチーなメロディーを持っており、それがジャズというフォーマットで演奏されることによって見事な “大人の音楽” になっていた。私は先入観で音楽を聴く愚かさを反省し、それ以来 “どんなジャンルでもとにかく実際に自分の耳で聴いてみて判断する” ようになった。今ではディズニーの曲は大好き(←単純!)なのだが、そんな中でも特に私が気に入っているのがこの「星に願いを」である。先月の G3 でディズニー特集をやった時に久々にこの曲をじっくり聴いてそのメロディーの素晴らしさを再認識した次第。ということで今日は「星に願いを」愛聴ヴァージョン5連発です:

①Linda Ronstadt
 私がこの曲にハマるきっかけになったのがリンロン姐さんの “スタンダード三部作” の最後を飾る「フォー・センチメンタル・リーズンズ」の冒頭に収められていたこのヴァージョン。超有名スタンダード・ナンバーを見事に自分のカラーに染め上げてしまうリンロン姐さんの安定した歌いっぷりが一番の聴き所。「ブルー・バイユー」や「ラヴ・ミー・テンダー」と同様、歌詞の一言一言が心に響いてくるヴォーカルの吸引力は圧巻だ。
When You Wish Upon a Star - Linda Ronstadt


②Hilary Duff
 これは先月の G3 でヒラリー・ダフ・マニア(笑)の plinco さんに教えていただいた。1年ほど前にソフトバンクのテレビCMで頻繁に流れていたということだが、全く知らなかった(>_<) この曲はスロー・バラッドで歌われることが多いのだが、このヒラリーちゃんのヴァージョンは意表を突いたノリノリのポップなナンバーになっており、めちゃくちゃ楽しい(^o^)丿 これは絶対に欲しいっ!と思って調べてみると残念なことにCDにはなっていないらしい。何で??? CD化を激しく希望したい1曲だ。
Hilary Duff-When you wish upon a star


③Dave Brubeck
 ジャズのディズニー集アルバムといえば私の場合は真っ先にデイヴ・ブルーベックの「デイヴ・ディグズ・ディズニー」が思い浮かぶ。普段はハードボイルドなブロック・コードの波状攻撃でガンガン弾きまくるブルーベックがしらじらしくも(笑)リリカルな演奏に終始しているところがいい。ポール・デズモンドのアルトの典雅な音色といい、ジョー・モレロの瀟洒なブラッシュの味わいといい、絵に描いたような名曲名演とはこういうのを言うのだろう。
When You Wish Upon A Star


④Dion and the Belmonts
 ディオンって誰?という人でもあの “トンデヘレヘレ♪” の掛け声で有名な「浮気なスー」はどこかで一度は聴いたことがあるかもしれない。そんな彼がベルモンツを従え、白人ドゥーワップ・グループの最高峰としてスタンダード・ナンバーに取り組んだのが「ウイッシュ・アポン・ア・スター」。オールディーズ・ファンなら涙ちょちょぎれそうな、古き良きアメリカが蘇る名唱が堪能できるヴァージョンだ。
DION & BELMONTS = WHEN YOU WISH UPON A STAR ( GREAT VERSION )


⑤Gary Scott
 アドリブがスベッただのインプロヴィゼイションがコロンだだのと、ブヒバヒ吹きまくるだけがジャズではない。ストレートにメロディーを唄い上げて聴く者を感動させる、というのも一流の証だろう。スタン・ゲッツが憑依したかのようなゲイリー・スコットのこのプレイ、夜空を見上げながら聴きたくなるようなロマンチックなムードが横溢しており、この曲の隠れ名演といっていい素晴らしい出来映えだ。
星に願いを
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Good Vibrations: Thirty Years of the Beach Boys

2009-12-27 | Oldies (50's & 60's)
 今日も“阪神レコードCD バーゲン” の続編だ。単品 CD をほぼ見終えてふと目についたのがいわゆるボックス・セットだった。単品CDに関してはそれほどレアな盤はなかったように思うし価格面でも一部の例外(←plinco さんと 901 さんはブルーノートやプレスティッジの国内盤CDの音の良いヤツを1枚480円でそれぞれ十数枚ずつ買われました... 安っ!)を除いてネットで買う方が安いように思うが、ことボックス・セットに関しては時々入手困難盤を見かけるし、送料を考えればネットよりも割安になるケースも多い。今回もビートルズの「キャピトル・ボックス」を始め、ポールの「フラワーズ・イン・ザ・ダート・ワールド・ツアー・パック」、フィル・スペクターの「バック・トゥ・モノ」、ゼッペリンの「4CD BOX」、スプリングスティーンの「ボーン・トゥ・ラン・30th エディション」etc、色んなボックスが並んでいたが、私が目をつけたのは1993年に出たビーチ・ボーイズの「グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス」だ。
 以前このブログでも書いたように私はビーチ・ボーイズに関しては超初心者である。一応62年のデビュー・アルバム「サーフィン・サファリ」から66年の「ペット・サウンズ」までのオリジナル・アルバムは CD で持ってはいるが、一向にそこから先へは進まない。つまり “サーフィンと車と女の子” を歌った初期の曲はめっちゃ好きなのだが、最高傑作の呼び声も高くポールやジョージ・マーティンが絶賛したという「ペット・サウンズ」のどこが良いのかサッパリわからないのだ。これってちょうど “「シー・ラヴズ・ユー」や「抱きしめたい」、「ア・ハード・デイズ・ナイト」といった初期ビートルズの音楽は何も考えなくても身体が動いてしまうけれど、「リヴォルヴァー」や「サージェント・ペパーズ」はストレートなロックンロール色が後退しててイマイチ楽しめない......” って言ってる人と同じ感覚なのかもしれない。
 このように “気にはなってるけど先へ進まない” 状況だった私のBB5だが、以前 moondreams さんのブログでこのボックス・セットが取り上げられているのを見て、それ以来ずーっと心の隅に引っ掛かっていた。それが今、目の前に並んでいるのだ。価格は4,980円... 貧乏性の私はいつもヤフオクやアマゾンで相場を調べてから買うことにしているのだが、5枚組(実際はもう1枚ボーナスCDが入った6枚組だった...)で5,000円を切るならお買い得(セコイけど、ネットで買ったら送料だけで数百円取られるし...)やし、“previously unreleased”、つまり未発表曲が満載やし、自分の持ってる旧規格のCD(←カッティング・レベル低すぎ!)よりも音が良さそうということもあって、迷わずに買いを決めた。
 この「グッド・ヴァイブレーションズ・ボックス」、昨日買ってきたばかりでまだ全部聴き終えていないのだが、これは聴き応え十分だ。Disc-1 は「サーフィンUSA」のデモ・ヴァージョンで始まるが、いきなりのブライアンのピアノ弾き語りにビックリ... まるでビートルズの「アンソロジー」を聴いているようだ。音が良くなったせいか、私の大好きなアップテンポの曲はより躍動感に磨きがかかり輝きを増している。「サーフィンUSA」や「ファン・ファン・ファン」、「アイ・ゲット・アラウンド」といった超有名曲は言うまでもないが、「リトル・ホンダ」や「ダンス・ダンス・ダンス」(←この2曲めっちゃ好き!)の楽しさはBB5の魅力ここに極まれりといった感じだし、「409」や「キャッチ・ア・ウエイヴ」といった隠れ名曲の魅力も再認識させられる。「ホワイ・ドゥー・フールズ・フォール・イン・ラヴ」、「ドゥー・ユー・ウォナ・ダンス」、「ハッシャバイ」といったカヴァー曲もオリジナルを凌駕する圧倒的な素晴らしさだ(^o^)丿
 Disc-2 前半は「カリフォルニア・ガールズ」、「ヘルプ・ミー・ロンダ」、「バーバラ・アン」、「スループ・ジョン・B」と怒涛の名曲名演ラッシュが圧巻だが、心底楽しめるのは「ウドゥント・イット・ビー・ナイス」あたりまでで、やはりアルバム「ペット・サウンズ」の内省的な曲~幻の「スマイル」音源になると難解すぎてちょっと辛い。そんな中で「グッド・ヴァイブレーションズ」はまさに地獄で仏(笑)という感じで、あくまでもポップでありながら実はめちゃくちゃプログレッシヴという、狂気をはらんだ天才ブライアン・ウィルソン渾身の一撃であり、ポップス史上に残る大傑作だと思う。Disc-3 以降は未聴だが、これからゆっくり時間をかけて楽しむとしよう。

The Beach Boys - Dance, Dance, Dance

Elvis '56 / Elvis Presley

2009-12-26 | Oldies (50's & 60's)
 今日は年末恒例の “阪神百貨店 中古廃盤レコードCDセール” に行ってきた。先週末に案内ハガキが届いた時はいまいちテンションが上がらず今回はパスするつもりだったのだが、一昨日 plinco さんからお誘いの電話を頂き “忘年会のノリでどうよ?” と言われ、すっかりその気になって参加を決めた。特に今 “コレが欲しいっ!!!” という盤は無いが、行けば行ったで何か面白い盤に巡り合えるかもしれないし、何よりも会場を出た後 plinco さんや 901 さんと茶をシバキながらそれぞれの獲物を肴にウダウダやるのが最高に楽しい。
 頑張って早起きして大阪に向かう。最近はレコード・CD・DVD の99%をネットで買っており、レコ屋巡りも年に2・3回というテイタラクなのでちょっと歩くだけで息が上がってしまう。毎週大阪京都を歩き回っても平気だった数年前とはエライ違いだ。人間一旦ラクを覚えたらあきまへんな(>_<)
 苦手な人混みをかき分けフーフー言いながら午後1時に会場に到着すると予想通りの暖房地獄... いつも思うのだが冬になると何故どこの店もまるで親の仇でも取るようにガンガン暖房するのだろう?客は厚着をして外出してきてるわけだから、店内に入ると暑くてたまらない。店員は薄着でちょーどエエかもしれないが、こっちは脱いだ分厚い上着を抱えながら買い物しなくてはならず、鬱陶しくてたまらない。これまでも真冬に汗だくで買い物するハメに陥ったことが何度もあったので、今回はエサ箱に向かう前にセーターも脱いで準備万端だ(^.^)。
 どこから取り掛かろうかと会場を見渡してみて気付いたのは前回までとは違い、“ジャズ”、“ロック”、“ソウル”、“クラシック”、“J-Pops”、“演歌”という風に完全にジャンル別にコーナーが分かれていたこと。これまでは参加している店ごとに商品が並べられていたので不便で仕方がなかったのだが、今回はキッチリと棲み分けが出来ていて非常に見やすい。クラシックは当然問題外として、ソウルやJ-Popsにはあまり興味がないし、ジャズも欲しい盤は殆ど入手済みなので、今回は “ロック” と “演歌”(というか “歌謡曲” ですわ...)がメイン・ターゲットだ。まずは買いそびれているうちに廃盤になってしまってそれ以降滅多に見かけなくなってしまったジョージ・ハリスンの「ダーク・ホース」CD(2000年ヴァージョン)を1,470円でゲット、これでようやくジョージの公式盤 CD のコンプリート達成だ。そうこうしているうちに 901 さんから “こんなんあるでぇ~” と会場の一角の書籍コーナーにある「フェラーリ・サウンド DVD & CD BOX」を教えてもらい即決!定価880円のところを新品で330円だ。一言で言えばカーグラ TV の DVD 版みたいなモンだが、DVD-VIDEO では “激走する美しいエンジン音が堪能できる迫力の映像” が楽しめ、DVD-ROM には “パソコンで使えるフェラーリの高画質画像” を収録、更に CD にはフェラーリ各車種のエンジン・サウンドが入っており、私のようなティフォシには堪えられない。ドライヴの BGM には最高だろう(笑)。
 再び音楽コーナーに戻ってエサ箱を引っかき回してエルヴィス・プレスリーの「エルヴィス '56」DVD を発見、昔NHKで放送されたものを録画したビデオ・テープは持っているが、やはり DVD で欲しかったので迷わずゲット、1,800円也。エルヴィスの DVD と言えば映画にもなった「エルヴィス・オン・ステージ」や NBC の「'68 カムバック・スペシャル」が好きでよく取り出して見ているのだが、やはり彼の全盛期は1950年代。そんな彼の若き日々の映像がモノクロながら存分に楽しめるのがこの「エルヴィス '56」なのだ。腰を振りながら歌う彼のスタイルが全米の保守的な大人たちの間で物議を醸し、スティーヴ・アレン・ショーで無理やりタキシードを着せられ、腰も振らず爪先立ちもせず、ただ悲しそうな目で本物の犬に向って「ハウンド・ドッグ」を歌いかけるシーン(下に貼り付けた YouTube では2分50秒あたりから)なんか何度見ても笑えると同時にエルヴィスが気の毒で仕方がない。エド・サリヴァン・ショーでも腰から下は映してもらえなかったという。要はそういう時代だったということだろうが、そういった諸々の事情を含めて実に見事な構成のドキュメンタリー作品であり、エルヴィス・ファンだけでなく全ロック・ファン必見の DVD だと思う。

Elvis '56 Part 4
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竹内まりやのクリスマス・ソング♪

2009-12-25 | J-Rock/Pop
 クリスマス・ソングといえば「ホワイト・クリスマス」や「ウインター・ワンダーランド」といった昔ながらのクリスマス・クラシックスが主流だが、その一方で洋楽邦楽を問わず、クリスマスのニュー・スタンダード・ソングとでも呼べそうな名曲が生まれている。洋楽ではジョンとポールの両巨匠を筆頭に、イーグルス、ワム、マライアetc 枚挙に暇がないし、邦楽でもB'z、達郎、ユーミン、桑田師匠と、これまた大物がズラリと並ぶ。オリジナルのクリスマス・ソングを歌ってそれが大衆に受け入れられるというのはまさに超一流の証なのだ。そんな中で私が一番クリスマスにピッタリ合うと思うシンガーは竹内まりやである。彼女の気品があって温かみのある歌声を聴けば、胸の中にポッと暖かい灯がともり、何となく幸せな気分になれるのだ。ということで、今日は “竹内まりやのクリスマス・ソング♪” 特集です。

①すてきなホリデイ
 何はさておき彼女のクリスマス・ソングといえばケンタッキー・フライド・チキンのCMで有名になったこの曲にトドメを刺す。先日電車の中で女子高生の集団が “この曲を聴くとクリスマスやなぁ~って気になるよなぁ...” と言って盛り上がっていた(笑)が、その気持ち、オッチャンにもよぉ分かるでぇ~ (^.^)  “クーリスマスが今年もやぁってくる~♪” という必殺のフレーズだけでサンタがプレゼントを抱えて現れそうなキラー・チューンだ!
竹内まりや  すてきなホリデイ


②ザ・クリスマス・ソング
 1944年の真夏のある日のこと、ピアニストのボブ・ウェルズがうだるような暑さの中、涼しくなれそうなフレーズを思い浮かべて書いたいくつかのメモをジャズ・シンガーのメル・トーメが見つけて二人で曲に仕上げたというエピソードでも有名なクリスマス・クラシックス。まりや姐さんの歌声が曲想にピッタリ合っていて、私にとってはこの曲の最愛聴ヴァージョンになっている。彼女のかくれ名唱の筆頭に挙げてもいいくらいの素晴らしい出来だと思う。超オススメ!!!
THE CHRISTMAS SONG 竹内まりや


③Special Delivery ~特別航空便~
 これも案外知られていない彼女のクリスマス・ソングだが、ニューヨークで暮らす女性が日本にいる恋人にクリスマス・カードを送るというストーリーを歌ったもので、大傑作アルバム「ポートレイト」の中でも一二を争う名曲だ。曲中に「サンタが街にやってくる」が挿入されており、それがまたコワイぐらいにピタッとハマッているのだから恐れ入る。このノスタルジックな歌声、たまらんなぁ... (≧▽≦)
竹内まりや Special Delivery ~ 特別航空便


④クリスマスは一緒に
 彼女の最新アルバム「DENIM」は派手さはないが聴き込めば聴き込むほど味わいを増すスルメ盤で、この曲も上記3曲に比べてメロディーの覚えやすさという点では一歩譲るが、じっくり聴けばその良さが心にじんわり染み入ってくる渋いナンバーだ。
竹内まりや クリスマスは一緒に


⑤【おまけ】クリスマス・イヴ【フェイク】
 昔、 “レスター・ヤングのLPを45回転で聴くとチャーリー・パーカーに聞こえる” という話をどこかで聞いたことがあるが、まさか達郎がまりやになるとは思わなんだ(>_<) まぁ他の方のコメントにもあるように声質はどっちかというと水前寺清子に近くなるが、何故か雰囲気は竹内まりやっぽい感じがしないでもない。せやけどこんなこと、よぉ思いつくよな...
♪山下達郎のクリスマス・イブのキーを上げると...ユーミンor竹内まりや

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Little Drummer Boy / David Bowie & Bing Crosby

2009-12-24 | Cover Songs
 クリスマス・ソングの定番と言えば何はさておきビング・クロスビーの「ホワイト・クリスマス」である。1942年に発売され、その売り上げは現在までで4,000万枚とも5,000万枚とも言われているからこれはもう凄いという他ない。しかし “クロスビーは「ホワイト・クリスマス」でキマリ!” という風潮には違和感を覚えてしまう。彼のクリスマスCDを聴けばミディアム・テンポで小気味よくスイングする「ウインター・ワンダーランド」や「アイ・ウィッシュ・ユー・ア・メリー・クリスマス」、アンドリュース・シスターズと共演した「サンタ・クロース・イズ・カミン・トゥ・タウン」や「ジングル・ベルズ」、心に響く名唱「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」と、この不世出のクルーナーの心温まる歌声が堪能できる。こんな素晴らしいシンガーを「ホワイト・クリスマス」だけで片付けていては勿体ないことこの上ない。
 そんな名唱揃いのクロスビー・ナンバーの中でも私が特に気に入っているのが「リトル・ドラマー・ボーイ / ピース・オン・アース」である。これは1977年、ビング・クロスビーが亡くなる直前に “ビング・クロスビーズ・メリー・オールド・クリスマス” というテレビ特番でデヴィッド・ボウイと共演した時のデュエットで、「リトル・ドラマー・ボーイ」は元々1958年にアメリカで大ヒットし今ではスタンダード・ソングの仲間入りをしたと言ってもいいくらいのクリスマス・クラシックスなのに対し、「ピース・オン・アース」はこの番組用に書かれたオリジナル曲。この世紀のデュエットはそのあまりの出来の良さから大評判となり、すぐにブートレッグが出回ったこともあって、ついに5年後の1982年にシングル化されて(←ボウイの意向を無視してリリースされたため彼は激怒しRCAを離れてEMIに移籍、「レッツ・ダンス」の大ヒットを飛ばした...)全英第3位にまで昇りつめたのだ。これはつまり、大衆がこのヴァージョンに対しスタンダード物に近い認知を与えていたということに他ならない。
 私が初めてこの曲を聴いたのは “ベスト・ヒット・USA” だったか “MTV ジャパン” だったかでTVスペシャルの映像を見た時のことだった。当時の私はクロスビーといえば「ホワイト・クリスマス」しか知らず、ボウイも「スケアリー・モンスターズ」や「キャット・ピープル」での先鋭的なイメージが強かったので、 “何ちゅーミスマッチな組み合わせやねん...(>_<)” と思いながら見ていたのだが、いざ二人のデュエットが始まってみるとクロスビーの低音とボウイの高音が不思議な感じで溶け合い、対位法を駆使した旋律の交差が実に美しく魅力的に響いてきてテレビに釘付けになってしまった。二人でハモる “ラ パ パン パン~♪” のパートなんかもうゾクゾクするし、神聖な雰囲気の中でボウイが歌う “Peace on Earth... can it be?”(地球の平和はあり得るんだろうか?)というラインが耳にこびりつく。それ以来クリスマスと言えばこの曲の、このヴァージョンの、この映像(←前半のドラマ仕立ての会話もクリスマスらしくてエエ感じ!)を思い出すようになった。
 クリスマスといってもエエ年こいて「ジングル・ベル」や「赤鼻のトナカイ」ではどうも気恥ずかしいし、今さらワムや達郎っちゅーのもなぁ... というご貴兄にオススメの、粋なクリスマス・ソングである。

David Bowie and Bing Crosby - Little Drummer Boy (Ultra High Quality)

Santa Claus Lane / Hilary Duff

2009-12-23 | Cover Songs
 早いもので今年もあと少し、仕事も一段落してホッとしていたらいつの間にかクリスマス目前になっていた。確か去年はブログを開設して間もないこともあり、張り切ってクリスマス・アルバム特集みたいなことをやった覚えがあるが、元々クリスマスにあまり思い入れがないせいか、今年は他の方のブログを見て “あぁもうすぐクリスマスか...” と思い出す程度で、自分のブログ・ネタとしては何も考えていなかった。まぁ何やかんやでクリスマス・アルバムと呼ばれる盤はいっぱい持ってはいるが、実際にアルバム1枚まるごと聴きまくって飽きないのはフィル・スペクターの「クリスマス・ギフト・フォー・ユー」(←人類音楽史上最強のクリスマス盤やと思う...)とファブ・フォーやビートマスのパロディー盤(←ビートルズ・ファンは必聴!)ぐらいで、それ以外は単品、つまりシングル曲がほとんどだ。
 そんな中で最近手に入れて結構気に入っているのがこの「サンタ・クロース・レーン」by ヒラリー・ダフである。私は1990年代以降の洋楽シーンには極端に疎いので、ブリトニー・スピアーズも、ビヨンセも、アヴリル・ラヴィーンも辛うじて名前を聞いたことがあるくらいで曲は全く知らない。このヒラリー・ダフに至っては名前すら知らなかった。確か去年のG3 で plinco さんに教えていただいたのが最初だったと思う。その時 “ヒラリー・ダフってめっちゃカワイイでぇ~(^.^)” とおっしゃったのを聞いてすぐにネットで画像検索し、私もすっかり気に入ってしまったというワケだ。
 彼女のアルバムはそう多くはない。オリジナル・アルバムが3枚で後はベスト盤やらリミックス盤やらが出ているが、それらをネットで試聴してはみたもののイマイチピンとこない。最近のJ-Pops 同様、心に残るメロディーが乏しくどれを聴いてもみな同じに聞こえてしまうのだ。元々歌の上手さや味わいで売る人ではないので曲の良し悪しが重要なポイントになってくる。そこで登場するのが2002年にクリスマス・ソング集としてリリースされた彼女のファースト・アルバム「サンタ・クロース・レーン」なのだ。クリスマス・ソングならハズレは少ないし、実際に試聴してみると中々エエ感じ(^.^) で、いつものようにアマゾンやヤフオクで調べ、エイベックスの日本盤はアホバカCCCDだったのでブエナ・ビスタのUS盤CDをヤフオクでゲット、無競争で500円だった。
 全11曲収録で、アルバムの約半分が③「サンタ・クロース・イズ・カミング・トゥ・タウン」や⑤「ジングル・ベル・ロック」、⑦「スレイ・ライド」といったクリスマスの定番ソングと、ワムの⑨「ラスト・クリスマス」やポール・マッカートニーの⑪「ワンダフル・クリスマスタイム」といったカヴァー・ソングで、残りがこのアルバム用書き下ろしのオリジナル曲という構成だ。カヴァー曲ではハンド・クラッピングを多用したサウンド・プロダクションが楽しい③、聴いてて思わず踊り出したくなるようなノリノリのサウンドにウキウキさせられる⑤、オルゴールのイントロから一転してイケイケのロックンロールで突っ走る単純明快な⑪が気に入った。オリジナル曲ではミディアム調でダブル・トラッキングが効果抜群のアルバム・タイトル曲②「サンタ・クロース・レーン」、クリスティーナ・ミリアンをフィーチャーした④「アイ・ハード・サンタ・オン・ザ・レディオ」、姉のヘイリー・ダフとのデュエット⑩「セイム・オールド・クリスマス」あたりが曲の出来も良くて中々エエ感じだ。
 女性シンガーによるクリスマス・アルバムとしてはマライア・キャリーのものがダントツに素晴らしいと思うし、このアルバムを聴いた後にフィル・スペクター盤を聴いてしまうとスカスカすぎてあまりの差に愕然とさせられる(←そんなもん比べたら塀の中の巨匠に失礼やけど...)が、それでもやっぱりこのアルバムが好きなんである。クリスマスなんやから楽しけりゃそれでエエのだ(笑)。

11. Hilary Duff- Wonderful Christmastime HQ Lyrics
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Led Zeppelin Ⅰ

2009-12-22 | Led Zeppelin
 初めてパソコンを導入した2002年から数年が経ち、海外オークションのeBayでゲットしたLPも1,000枚を超えた。今では欲しい盤は大体手に入れてしまったし、異常なまでのオリジナル盤相場の高騰もあってeBay からしばらく遠のいてセミ・リタイア状態にあったのだが、昔取り損ねた盤は定期的にチェックしてあわよくば間隙をついてゲットしてやろうと狙っている。先月ついに入手した「クリムゾン・キングの宮殿」ピンク i レーベル盤もそんな1枚だが、実はもう1枚ひそかに狙っていた盤があった。それがこの「レッド・ゼッペリンⅠ」UKファースト・プレスの青ロゴ盤である。
 セカンド・プレス以降の盤と一目で違いが分かるジャケットを持ったファースト・プレス盤はプレミアがついてオークションでも特に値がつり上がる傾向がある。ビートルズ関係では「ホワイト・アルバム」のシリアル・ナンバーの桁数と値段は反比例するし、「アビー・ロード」の裏ジャケのアップルが左にズレているもの(通称 misaligned apple)や「レット・イット・ビー」の裏ジャケが赤リンゴのものは競争が激しい。そのうちズレたリンゴや赤いリンゴを見るだけで胸がときめく(笑)ようになってしまう。ゼッペリンのファースト・アルバムも同じで、ジャケット左上隅の “LED ZEPPELIN” の文字と右下隅の “ATLANTIC” のロゴの色がそれ以降の盤(オレンジ色)と一目で違いの分かるターコイズ・ブルーが特徴の英初版は一説によると2,000枚ぐらいしかプレスされなかった(ホンマかいな?)ということでメガレア度もハンパではなくビッドが殺到、結局そのブツは£870.00(日本円で約12万8千円!)で落札されたが、この不況時にジャケットのロゴの色が違うというだけでレコード1枚に13万円近い金なんて出せるかいな! ここはもう手持ちの青ロゴ紙ジャケCDで我慢するしかない(>_<)
 何だかジャケットの話ばかりになってしまったが、中身の方は言わずもがなの大傑作だ。①「グッド・タイムズ・バッド・タイムズ」は彼らのデビュー・シングルで、へヴィーでありながらキャッチーという難題を見事クリアした音作りが素晴らしい。2年前の再結成ステージ(←オフィシャルDVD出ぇへんかな...)でこの曲のイントロが始まった瞬間、背筋がゾクゾクするようなスリルを味わったのは私だけではないだろう。ブリティッシュ・トラッドの薫りが横溢する②「ベイブ・アイム・ゴナ・リーヴ・ユー」、コテコテのブルースにシビレる③「ユー・シュック・ミー」、へヴィーなブルースでありながら途中から一転アップテンポになり全開で飛ばす快感を味わえる④「デイズド・アンド・コンフューズド」、一瞬教会音楽と間違えるような荘厳なイントロがジョーンジー色濃厚な⑤「ユア・タイム・イズ・ゴナ・カム」、アコギとタブラを前面に押し出してブリティッシュ・トラッドとインド音楽の融合を図った⑥「ブラック・マウンテン・サイド」、荒削りながらもそのプリミティヴなパワーと圧倒的なスピード感はパンク・ロックも吹っ飛ぶカッコ良さの⑦「コミュニケイション・ブレイクダウン」、ただひたすらブルージーに迫る⑧「アイ・キャント・クイット・ユー・ベイビー」、うねるようなベース、安定感抜群のドラムス、激しいヴォーカル、そしてスリリングなギターという初期ゼッペリンの魅力をギュッと濃縮還元したようなソリッドな音作りが圧巻の⑨「ハウ・メニー・モア・タイムズ」と、ブルースをベースにしたハードロックの究極と言える演奏が楽しめる。
 このアルバムを初めて聴いてから30年以上経つが、今聴いてもめっちゃスリリングで、凡百のロック・バンドとは次元が違うカッコ良さだ。とてもじゃないが青ロゴのファースト・プレスLPは買えそうもないので、値段は約1/10で音的にはあまり変わらないオレンジ・ロゴのUKオリジナル・セカンド・プレスLP(←2回取り損ねて3度目の正直でゲット!!! 53ドルでした...)を聴きながら紙ジャケCDを眺めては青ロゴの放つオーラ(笑)を楽しんでいる。
Led Zeppelin - Good Times Bad Times (lyrics)

Led Zeppelin- Communication Breakdown

Led Zeppelin - How Many More Times (Studio Version - Best Quality)

MAGIC (DVD) / B'z

2009-12-21 | B'z
 B'z「MAGIC」の初回限定盤には特典として “マジカル・バックステージ・ツアー” (←「マジック」に引っ掛けた「マジカル・ミステリー・ツアー」のパロディやね...)というDVDが付いており、レコーディングの様子に Summer Sonic 09 や Showcase のライブ映像、更にシングル3曲のPVメイキングといった貴重な映像が楽しめる。日本には “再販制度” とかいうワケのわからんシステムがあり原則としてCD新譜は値引きしての販売出来ないのに対し、CD+DVDは再販制度対象外のため値引きしての販売が可能、ということで、アマゾンではDVD付きの初回盤で3,102円、DVDなしの通常盤が2,940円...つまりわずか162円の上乗せでこの内容の濃いDVDが手に入るというワケだ。この特典DVD、去年のNHK特番みたいな感じでB'zのお二人に密着取材、博多→ハワイ→東京と、ニュー・アルバムのレコーディング風景がバッチリ楽しめてまさに “メイキング・オブ・マジック” という塩梅だ。
 アルバムのメイキング映像の中では、ハワイ編が抜群に面白い。松本さんがアコギの弾き語りでタイトル曲「マジック」を “歌のお兄さん” (笑)に歌って聴かせるシーンや「MY LONELY TOWN」のアレンジを練りながら “B'zとして久々の会心の一発、出たよ(^.^)” と饒舌に語る松本さんと稲葉さんのやり取り、「long time no see」で絶叫しながら爆裂ドラミングを聴かせるチャド、「Freedom Train」のコーラス・パートを稲葉さん+シェーン+バリー(←レッド・ゼッペリンのTシャツが目立ってます...)でハモるシーンetc... 中でもバンドのメンバーでプレイバックを聴いてるシーンでジュアンが「DIVE」の “こんなんじゃ いやだもん!” の部分が “Tiny Little Animals” って聞こえると言うシーンでは一同大爆笑!アメリカ版空耳アワーだ(笑)。アメリカで撮った「DIVE」PVのメイキングもめっちゃ面白い。ドラマに出てきそうな砂漠の真ん中にある小さな田舎町での撮影で、特に爆発をバックにバイクでジャンプするシーンなんかもう最高だ。
 東京編では「イチブトゼンブ」のPV撮影の裏側が実に興味深かった。爽やかな青空の下で撮るよりも車が潰されて山積みになっているジャンクヤードで撮った方が曲に深みが出てくるという。そんなモンかねぇ~(>_<) 
 Showcase のリハーサルでは松本さんの “集中しなくていいですから...スルーするだけで...” という言葉に一同大爆笑。実にリラックスした雰囲気がエエ感じだ。セットリストを検討するシーンに続いて「Vampire Woman」のレア映像のイチブが見れる。「Crazy Rendezvous」も懐かしい!歌詞を “ちょっと落ち着いてきたね 岸和田だよ ここは~♪” というように In Your Town な歌詞アレンジもお約束だ。バリーやシェーンの日本語MCもめっちゃ面白い。 「蒼い弾丸」で弾いてるユニークなギターはラウドネスの高崎さんとトレードしたものらしい。
 「MY LONELY TOWN」の軍艦島PV撮影のメイキングを挟んでサマソニのライブ映像が「DIVE」、「MY LONELY TOWN」、「イチブトゼンブ」と3曲連続ノーカットで収録されている。これがまた超高画質でめっちゃ嬉しい。そんなこんなでトータル約67分、見どころ満載のこの特典DVDは大傑作アルバム「MAGIC」を2倍3倍と楽しむのに欠かせない。私の場合は先にCDを聴き込んでからこのDVDを見たので、“へぇ~、この曲はこんな風に作られていったんか!” というシーンが一杯あって面白さもひとしおだった。毎回こんなん付けてくれたらめっちゃ嬉しいなぁ...(≧▽≦)

BMBB 4010 MY LONELY TOWN

MAGIC (Pt. 2) / B'z

2009-12-20 | B'z
 B'z のニュー・アルバム「MAGIC」はこれまにないぐらい曲の配列がしっかりと考え抜かれており、アルバムが単なる曲の集合体以上の輝きを放っている。それを最も感じたのが①→②→③とハイスピード・ロックンロールでたたみかけた直後にやってくる④「MY LONELY TOWN」を聴いた時で、1ヶ月前に曲単体でシングルとして聴いた時は最初少し地味な印象がありその後何度も繰り返し聴くうちにジワジワと良くなってきたのだが、アルバムの中のこの位置に置かれるとそれまで気付かなかった不思議な魅力を発散し始めるのだ。どこがどうと上手く言葉で表現できないのが情けないが、それこそがお二人がこのニュー・アルバムに封じ込めたMAGICなのかもしれない。曲の作りとしてはミスチルの「ニシエヒガシエ」みたいなイントロから徐々に盛り上がっていって後半一気にたたみかけるハードボイルドな展開が圧巻だし、ソリッドな爆裂ギターと効果的に挿入されるストリングスのサジ加減も絶妙だ。とにかくこの「マイロリ」、軍艦島(←B'zのおかげでその存在を初めて知った...)で撮影されたPVもシビレるほどカッコエエし、今では超のつく愛聴曲だ。
 ⑤「long time no see」は私の大好きな隠れ名曲「希望の歌」路線のキャッチーなナンバーで、 “もしB'zが昭和歌謡をやったら...” みたいな感じの森田公一とトップギャランっぽいメロディーがたまらない。これもライブでめっちゃ盛り上がりそうな1曲だ。⑥「イチブトゼンブ」は松本さんがコアなファンだけでなく今時の一般ピープルにまで広くアピールすることを念頭に置いて職業作家に徹して書き上げたようなポップなナンバーで、B'z流のハードロックを巧くコーティングして聴きやすく仕上げたサウンド・プロダクションの妙が素晴らしい。
 ⑦「PRAY」はまさにB'zバラッドの王道といえる1曲で、窪田等さんのナレーションと絡めてF1総集編のエンディング・テーマに使えばぴったりハマりそうな壮大なナンバーだ。彼らのバラッドの中にはたま~に “歌詞はエエねんけどメロディーがやや薄味で面白みに欠ける” ものがあるのも事実だが、この曲は心の琴線を震わせる泣きのメロディーに溢れており、エモーショナルなギター・ソロと相まって大袈裟ではなく魂を激しく揺さぶられる名唱であり名演だと思う。大音量でサウンドの中に身を委ねるような聴き方がオススメだ(^o^)丿
 アルバム・タイトル曲⑧「MAGIC」は松本さんの掻きむしるようなギターに絡む稲葉さんのブルースハープという図式から何となくあの名作「ルース」を思い出してしまうが、この曲はクセになるサムシングを持っている。まさにB'z MAGICと言うしかないが、純度120% B'zの魅力が炸裂するナンバーだ。私的には “とけないままMAGIC~♪” のメロディーが耳について離れないし、稲葉さん渾身の “イェッ!” や “ヘイッ!” という掛け声にもシビレてしまう(≧▽≦) ⑨「Mayday!」はイケイケのカッコイイ曲で、ライブでステージ上を所狭しと走り回るお二人の姿が目に浮かぶ。ライブを念頭に置いた曲作りの典型というか、 “メイデイ!” と叫ぶオーディエンスとの掛け合いなんかめっちゃ盛り上がりそうだ。B'z印のブラスが効いている。⑩「TINY DROPS」はお約束的なバラッドで人によって好き嫌いが分かれそうな曲だと思うが、私的には予定調和すぎるというか他の曲が派手な分、少しインパクトが弱い気もする。
 ⑪「だれにも言えねぇ」はベース・ソロにラウドなギターが絡むイントロに続いていきなりパーカッションの乱れ打ちで、まるで山本リンダが腰を振りながら出てきそうな雰囲気のオラオラ系サウンドにビックリ(゜o゜)... ちょうど21世紀版「太陽のKomachi Angel」みたいな感じの歌って踊れる楽しいナンバーで、その遊び心溢れる作りがたまらなく好きだ。70's昭和歌謡とB'zロックの融合が実に高い次元で結実しており、178さんブログのアルバム曲アンケートでは第2位という人気ぶりだ。
 ⑫「夢の中で逢いましょう」も一度聴いたら忘れられないような切ないメロディー横溢の歌謡ロックで、イントロのギターの音色なんかもうたまらない。この涙ちょちょぎれる感覚はある一定年齢以上の日本人にしか分からないだろう。哀愁のメロディーを素晴らしいロックに昇華させたお二人の感性には脱帽だ。⑬「Freedom Train」はボン・ジョヴィ直系のストレートなロックで、B'zらしさが溢れる1曲。ブラス群のアレンジや中間部に挿入されている語りなんかもどことなく昔のB'zっぽい雰囲気で、アルバムのクロージングとしては文句なしの存在感を誇るナンバーだ。
 これまではニュー・アルバムをしばらく聴き込んだ後は特に気に入った曲ばかりピックアップしてCD-Rに再配列して楽しんだものだったが、このアルバムの収録曲はイチブではなく1枚通してゼンブが大好きで、文句なしにB'zの最高傑作だ。尽きることを知らないお二人の音楽への情熱、そして驚くべき創造性はデビューから20年を過ぎて衰えるどころか更に進化し続け、J-Rock界では前人未到の領域に到達したように思う。B'zの円熟と進化の結晶であるこのアルバムをリアルタイムで体験できて本当に幸せだ。

05 long time no see


12 夢の中で逢いましょう

MAGIC (Pt. 1) / B'z

2009-12-19 | B'z
 アマゾンで予約しておいたB'zのニュー・アルバム「MAGIC」が届いたのがちょうど11月半ばで、とにかくこの1ヶ月というもの、車の中ではこのアルバムばかり聴いているが全く飽きない(^o^)丿 そもそも今回のアルバムは2月にDVD「GLORY DAYS」をリリースして自らの20周年に一区切りをつけたB'zが半年もたたないうちに両A面シングル「イチブトゼンブ / DIVE」(8月)をリリース、その大ヒットの余韻も冷めやらぬうちに最新シングル「MY LONELY TOWN」(10月)や稲葉さんとスラッシュという夢のようなコラボ・シングル「SAHARA」(11月)が次々とリリースされ、ファンとしては嬉しい悲鳴を上げていたところへドッカと届いたのがこの「MAGIC」なのだ。前作「ACTION!」が素晴らしい内容だっただけに期待はいやがおうにも高まったが、実際に聴いてみてB'zは私の予想を遥かに超えて強大だった。
 この「MAGIC」を聴いて感じた事は (1)B'z最大の武器であるアップテンポなロック曲が大勢を占め、アルバム1枚が一気呵成に聴けてしまう、(2)これまでの彼らのアルバムには “穴埋め曲” 的なナンバーが数曲入っていたものだが、このアルバムはすべての楽曲のクオリティーが非常に高く、シングル・ヒットしそうなポテンシャルを持ったナンバーが並んでいる、(3) どこか懐かしさを感じさせる60'sGSや70's昭和歌謡っぽいメロディーが随所に散りばめられている、(4)B'zの原点である80's ハードロックの要素がテンコ盛り、といったところか。
 アルバム冒頭を飾る①「Introduction」から②「DIVE」への流れは完璧だ。①はタイトル曲⑧のサビのメロディーを巧く使って②のオーヴァーチュア風に仕上げてあり、シングル・ヴァージョンにおけるスローなヴァースの部分をカットしていきなりラウドなギター・リフから入りそのまま一気に突っ走る展開はアルバムに絶妙な緊張感をもたらしている。「FRICTION」の流れをくむストレートアヘッドな疾走系ロックンロールが最高に気持ちイイ(^o^)丿
 ③「Time Flies」は初期のモトリー・クルーを彷彿とさせるアグレッシヴなイントロにいきなりKOされる。このへヴィーなリフ攻撃はミック・マーズ降臨という感じだし、そこへリッチー・サンボラが乱入してくるようなセカンド・リフにもゾクゾクする。中間部のギター・ソロに入るタイミングなんか「ビート・イット」のエディー・ヴァン・ヘイレンを思わせるカッコ良さだ。しかもエディーと見せかけておきながら続いて出てくるのはガンズのスラッシュみたいなエモーショナルで骨太なソロというあたり、松本さんの遊び心というか、ギタリストとしての懐の深さがよく分かる。何よりも80'sハードロックを聴いて育ってきた私のような者にはたまらない展開だ。常日頃から思っているのだが、松本さんはテクニックも凄いがそれ以前に音楽家としてのセンスが抜群だと思う。そしてトドメは何と言ってもたたみかけるようなサビのメロディーだ。この “み~つめる キャッツアイ♪” なメロディーが耳に焼き付いて離れないB'zファンは私一人ではないだろう(≧▽≦) “ボクのせいじゃないと 口に出してしまったら そこから先に道はない 自分のせいだと思えばいい そして自分を変えればいい...♪” は稲葉さんの書いたラインの中でも最も優れたもののひとつではないだろうか?星の数ほど存在するB'z関連のHPやブログの中で私が最も信頼しているB'zファン178さんのブログで行われている “アルバム「MAGIC」で一番好きな曲は?” というアンケートでも2位以下を大きく引き離してトップを突っ走るキラー・チューンだ!(つづく)

03 Time Flies


Michael Jackson Live In Munich DVD

2009-12-18 | Rock & Pops (80's)
 マイケル・ジャクソンの「ディス・イズ・イット」はコンサートのリハーサル映像にもかかわらず、というかリハーサルだからこそ彼の人間的な優しさがスクリーンからダイレクトに伝わってきて、私のような昔からのファンはもちろんのこと、あまり彼に関心のなかった人やアホバカ・マスゴミの憶測記事に騙されて彼に対して偏見を抱いていた人に至るまで、本当に多くの人々に感動を与えた素晴らしい映画だった。しかしあれほどクオリティーの高いリハーサルを見せつけられると、もし彼が健在でロンドンで50公演(!)予定されていたコンサートが実際に行われていればさぞかし凄いモノになったであろうことは想像に難くない。そう考えると無性に彼のライブDVDが見たくなってくる。
 彼の大きなライブ・ツアーとしては84年の “ヴィクトリー・ツアー”(ジャクソンズの一員として) 、87年から89年の “バッド・ツアー” 、92年から93年の “デンジャラス・ツアー” 、そして96年から97年の “ヒストリー・ツアー” があり、オフィシャルDVDが発売されているのは92年の「ライブ・イン・ブカレスト」だけなのだが、残念なことに稚拙なカメラ・ワークのために見ていてあまり快適な映像とは言い難い。だから仕方なくブートレッグ、いわゆるひとつのコレクターズDVDで探すことになるのだが、これが中々難しい。まず同じライブが違ったメーカーから何種類も出ていてどれがエエのかサッパリ分からない。製品のインフォには美辞麗句が並んでいるが読んでいて笑けるような誇大広告の嵐である。しかもそのほとんどがDVD-R盤ということで、どんなメディアを使っているのかも分からない(←台湾製メディアやったらいらんしなぁ...)。コレクターズDVDを買うことはハッキリ言ってギャンブル以外の何物でもない。
 世間で出回っているのは“ヒストリー・ツアー” のものが多く、ドイツ・ミュンヘン公演、デンマーク・コペンハーゲン公演、そしてニュージーランド・オークランド公演が代表的なのだが、そのどれもが地元のテレビ局が収録し放送したもので、ブカレストDVDとは違ってカメラ・ワークもバッチリだ。そんな中、私はミュンヘンのオリンピック・スタジアムでのライブDVDのファクトリー・プレス盤を発見、Apocalypse Sound という聞いたこともないメーカーながらラッキーなことに「ディス・イズ・イット」のプロモDVD-Rをオマケで付けてくれるということで即購入、画質もまずまずで不満はない。
 セット・リストのベースとなる部分はオフィシャルのブカレスト公演とそれほど変わってはいないが、97年ということで最新のヒット曲「ブラッド・オン・ザ・ダンス・フロアー」(青い上着が新鮮!)を始め、95年リリースのベスト・アルバム「ヒストリー」から「スクリーム」(やっぱりこれはデュエット曲やなぁ...)や「アース・ソング」(後半の演出はベタやけど泣ける...)なども取り上げられている。又、95年のビルボード・ミュージック・アワードで大喝采を浴びた「デンジャラス」が新たに加えられたのも嬉しい。
 結局その後コペンハーゲンやオークランドのライブも買ってしまった(笑)のだが、どれを見ても “完璧” という言葉が相応しい素晴らしいエンターテイメントが展開されていて画面に釘付けになってしまう。又、随所に「ディス・イズ・イット」のリハーサル・シーンがオーバーラップしてくる場面があり、ファンとしては新たな楽しみが増えたような感じである。とにかくこのDVD、ブートとは思えない必要十分な音質 & 画質で、私としては実に良い買い物だった。現時点で出回っている80年代の “ヴィクトリー・ツアー”(←エディー・ヴァン・ヘイレン飛び入りのダラス公演を激しく希望!)や “バッド・ツアー” のブートDVDは画質が最悪らしいので、出来ればオフィシャルでその辺も出してくれたら絶対買うねんけど... (≧▽≦)

Michael Jackson - Blood on the dance floor live in Munich

This Is It (Pt. 2) / Michael Jackson

2009-12-17 | Rock & Pops (80's)
 今日も昨日に続いてマイケルの映画「ディス・イズ・イット」だ。わずか11才で全米№1になった約40年前と同じ振り付けで「ザ・ラヴ・ユー・セイヴ」を活き活きと歌い踊り、屈指の名曲「アイル・ビー・ゼア」でスーパースターのオーラをまき散らしながら熱唱するマイケルに、客席で見ていたダンサーたちも完全に一ファンに戻って両手を上げて左右に振っている。「アイ・ジャスト・キャント・ストップ・ラヴィング・ユー」でサイーダ・ギャレット役の女性のヴォーカルがやや弱いように感じるが、そのことが逆にマイケルの歌声の芯の強さを浮き彫りにしている。そう、マイケルのヴォーカルは細くて高い声と言うイメージがあるが、あれは声帯に負担をかけないためだそうで、地声は太くて力強いのだ。「スリラー」では毒グモタランチュラの中から登場する新ワザを披露、定番の “スリラー・ダンス” が懐かしいが、何度見ても引き込まれてしまうコリオグラフィーの大傑作だ。ここでもゾンビの役者の一人(←ステージ上ではone of them なのに...)に対して “カメラの方に手を伸ばして!” とアドバイスする完璧主義者ぶりには恐れ入った。
 マイケルがクレーンに乗って登場する「ビート・イット」では新進気鋭の女性ギタリスト、オリアンティに注目だ。この曲の一番のウリは何と言ってもエディー・ヴァン・ヘイレンが全世界に衝撃を与えた例のギター・ソロで、バッド・ツアー、デンジャラス・ツアー、そしてヒストリー・ツアーとマイケルを支えた爆発ヘアーの女性ギタリスト、ジェニファー・バトゥン(←ジェフ・ベックのサポート・ギタリストとして来日してタイマン張ってた凄腕!)の超絶プレイが圧巻だったが、このオリアンティもサンタナが絶賛する腕前だけあって涼しい顔してスリリングなプレイを聴かせてくれる。こんな凄い女性ギタリスト達を次々と見つけてくるマイケルの慧眼には脱帽だ。
 このオリアンティ嬢を始め、パーカッション、キーボード、ベース、そしてドラムスと、主要なバック・ミュージシャンたちが憧れのマイケル・ジャクソンと共にステージに立てる喜びを語るシーンを挟んで、曲は「ブラック・オア・ホワイト」へ。ここでも又々彼女が大活躍で、下から風を受けるシーン(← “30周年記念特番” でのスラッシュを思い出して下さい...)では髪を逆立ててマイケル以上に目立っている(笑)。ただ、マイケルが彼女に “もっと高い音を!” と要求するシーンを見ていて、この点ではジェニファーの超高音に一日の長アリかと思った。ただ、このオリちゃん(笑)は弱冠24才とのことなので、末恐ろしいギタリストには違いないし、この映画がキッカケで世界的にブレイクしそうな勢いだ。
 「アース・ソング」で崩れ逝く地球の映像をバックに絶唱するマイケルとコーラス隊の掛け合いは大げさではなく鳥肌モノ。これはぜひ正規版DVDのハイファイ・サウンドで聴きたい。早速アマゾンで予約せねば...(>_<) あのフレッド・アステアが絶賛し、ムーンウォークで全米にマイケル現象を巻き起こした “モータウン25” 以来何百回見たか分からない「ビリー・ジーン」は人類ダンス史上(?)最高ののパフォーマンスと信じて疑わない。神ワザ・ダンスを披露するマイケルにバック・コーラス隊の目が釘付け(笑)で、曲が終わるとステージ上やステージ下にいたダンサーたちから一斉に大歓声が沸き起こる。それを見たケニー・オルテガ(←製作総指揮)がステージに上がり “Church... church of rock n’ roll !” と呟くシーンがめっちゃ感動的だ(≧▽≦)。
 映画のエンディングでは全員で円陣を組むシーンにグッとくる... コンサートの成功にかけるマイケルの強い意志とファンを想う心、そしてスタッフへの気遣い... 今日のヤフー・ニュースでこの「ディス・イズ・イット」が映画の満足度年間総合ランキングでトップに輝いたという記事を読んだが、マイケルの卓越した歌とダンスの才能が堪能できるだけでなく、その愛に溢れた人間性がビンビン伝わってくる所が見る者を魅きつけてやまないのだと思う。この映画は改めて我々が失ったものの大きさを教えてくれる貴重なドキュメンタリーなのだ。

Orianthi shreds Michael Jackson


【オマケ】↓YouTube で見つけたオモシロ映像。死してなおこの絶対的影響力!まさにKing of Popである。
しかしその場に居合わせた観光客はさぞかしビックリしたやろなぁ...(゜o゜)
[OFFICIAL] Michael Jackson Dance Tribute - STOCKHOLM