ビートルズは私の音楽人生の出発点である。中1の時に友人から借りたこの The Beatles 1962-1966、通称「赤盤」を初めて聴いた時の衝撃は言葉に出来ないほど強烈なものだった。それまで音楽とはほとんど無縁の生活を送ってきた私にとって、この「赤盤」との出会いがその後の人生を決定づけたと言っても過言ではない。星の数ほどいるバンドの中でビートルズの一体何が特別だったのか... メロディーが覚えやすいとか、リズムが乗りやすいとか、コーラス・ハーモニーがすごいとか、そういう次元を超越して、彼らの音楽はとにかくエネルギーに満ち溢れていた。理屈を超えて心に迫ってくるものがあった。そういう意味では借りたのが「青盤」でなくてラッキーだったのかもしれない。確かに Let It Be もHey Jude も名曲だとは思うが、それは頭で考えての結果。やっぱり私は初期から中期にかけての「エネルギッシュに突っ走るロックンロールバンド」としてのビートルズにより魅かれる。 She Loves You の「♪ヤァー・ヤァー・ヤァー♪」を聴いて熱い衝動がこみ上げ、All My Loving のリズムギター三連符にのけぞり、A Hard Day's Night のイントロ「ジャーン!」でぶっ飛び、Help!(今でもこの曲が一番好き!)の疾走するようなスピード感にKOされたのだ。
巷ではビートルズの公式ベスト盤は「1」ということになってるらしいが、とんでもない話だ。あんなもの、英米で1位になった曲を寄せ集めただけで選曲や曲の配置に何のポリシーも工夫も見識もない「エセ・ベスト盤」に過ぎない。そもそも世紀を揺るがす大傑作「ラバー・ソウル」から1曲も入ってないベスト盤なんてちゃんちゃらおかしい。その点この「赤盤」には「ラバー・ソウル」からちゃーんと6曲入ってるし、2枚組LPのA面からD面まで、選ばれるべくして選ばれた珠玉の名曲名演の数々がまさに「ここしかない!」という位置に置かれ、まるでトータル・アルバムのような大きな流れを生み出している。選曲したのはジョージ・ハリスン、見事としか言いようがない。
今でも昨日のことのようにハッキリと覚えている。「たった一度の再放送!」と銘打って日本公演が放送された時の、羽田から都内へ向かうビートルズの車の映像のバックで、先導するパトカーのサイレン音がフッと途切れて一瞬無音状態になった後、静寂を破るように響き渡った「ミスタァ~ァァ、ムゥンラァァイ!」っていうフレーズを。ビートルズは今も昔も最高のロックンロール・バンドなのである。
The Beatles - Help
巷ではビートルズの公式ベスト盤は「1」ということになってるらしいが、とんでもない話だ。あんなもの、英米で1位になった曲を寄せ集めただけで選曲や曲の配置に何のポリシーも工夫も見識もない「エセ・ベスト盤」に過ぎない。そもそも世紀を揺るがす大傑作「ラバー・ソウル」から1曲も入ってないベスト盤なんてちゃんちゃらおかしい。その点この「赤盤」には「ラバー・ソウル」からちゃーんと6曲入ってるし、2枚組LPのA面からD面まで、選ばれるべくして選ばれた珠玉の名曲名演の数々がまさに「ここしかない!」という位置に置かれ、まるでトータル・アルバムのような大きな流れを生み出している。選曲したのはジョージ・ハリスン、見事としか言いようがない。
今でも昨日のことのようにハッキリと覚えている。「たった一度の再放送!」と銘打って日本公演が放送された時の、羽田から都内へ向かうビートルズの車の映像のバックで、先導するパトカーのサイレン音がフッと途切れて一瞬無音状態になった後、静寂を破るように響き渡った「ミスタァ~ァァ、ムゥンラァァイ!」っていうフレーズを。ビートルズは今も昔も最高のロックンロール・バンドなのである。
The Beatles - Help