shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Queen + Adam Lambert 2024 来日公演 LH版CD 聴き比べ

2024-03-31 | Queen
 約1ヶ月にわたって続けてきたクイーン2024来日ブート祭りもいよいよ最終回。映像関連は決着がついたので、今回はライトハウスからリリースされた6枚のCDを聴き比べて “ライヴ・イン・ジャパン№1決定戦” をやってみよう。

①Osaka 2024
 LH恒例のオーディエンス録音シリーズでまず最初に出たのがコレ。この手の第一報版というのはたいてい “とりあえず聴ければいい” レベルの音の遠い録音だったり残響音キツめのスカスカ録音だったりというケースが少なくないのだが、これを聴いた時は良い意味で予想を裏切られた。ガッシリした骨太な音に適度のホール鳴りを伴った良好なバランスのオーディエンス録音で、「東京2日目」や「名古屋」が出るまではこればっかり聴いていた。当然ながらオーディエンス・ノイズも入っているが、アウアウ系の不快なものは皆無で、目立つのは「Bohemian Rhapsody」のイントロに被さるように入っているどっかのオッサンの咳ぐらいだ。
【私的評価】8.5点

②Tokyo 2024
 名古屋も札幌もすっ飛ばして「Osaka 2024」に続く第2弾としてリリースされたのが東京2公演をセットで収録した4枚組の「Tokyo 2024」だ。初日のDisc‐1, 2はオーディエンス録音としては平均的な部類で、残響音もまあまあ許容できるレベル。東京初日に関しては個人的な好みで言えば③よりもこっちが僅差で上回る。2日目のDisc‐3, 4は商品説明に“重低音が凄いド迫力サウンド” とあったので楽しみにしていたが、いくら何でもこれはトゥー・マッチ。確かに「Another One Bites The Dust」なんか聴いてて面白い面もあるが、“面白い音” と “良い音” は違うのだ。カーステかイヤホンで聴くにはちょうど良いのかもしれないが、ウチのマッキン+アルテックの組み合わせではどうにもバランスが悪くてとてもじゃないが2時間も聴いていられない。2~3曲つまみ聴きするのが極意。
【私的評価】初日6.5点、2日目6点

③Tokyo Dome 2024 1st Night
 オーディエンス録音の良し悪しを決める最も重要な要素の一つは “残響音” だと思うが、この「東京初日」盤はいわゆる “ドーム鳴り” と言われる残響音が耳について私は好きにはなれない。もちろん悪名高い(?)東京ドームでの録音なのである程度までは我慢するにしても、さすがにこれはちょっと耐え難い。②のDisc‐1,2 との比較試聴では、ダイナミズムで辛勝し、残響音のしつこさで惨敗した。同時リリースの「東京2日目」の出来が良すぎたので余計に印象が悪いのかもしれないが、私には “ギフト版に毛の生えた程度” にしか聞こえず、LHがこれをプレスしたのには正直びっくりした。
【私的評価】5点

④Tokyo Dome 2024 2nd Night
 宣伝文句に赤字でデカデカと “奇跡的超高音質録音!!” と書いてあったので “ま~たLHの自画自賛インフォが始まったか...” と眉に唾をつけて商品説明を見ていたが、届いた盤を実際に聴いてみると看板に偽りなしの、“本物中の本物” だった。“音は完全鉄壁でケチの付けようがなく” “オフィシャルSBDに生々しい拍手をちょっと付け足したような感じ”で “録音の難所といわれるあの東京ドームで超極太ド密着” な“無条件に鳥肌モノのサウンド” という説明通りの凄い録音。今のF1に例えるなら、1台だけ別カテゴリーと言われる異次元の走りで他を圧倒するレッドブルのフェルスタッペンみたいな “絶対王者サウンド” だ。
【私的評価】10点

⑤Nagoya 2024
 「東京2日目」がレッドブルのフェルスタッペンならこの「名古屋」はさしずめフェラーリのルクレール、つまり断トツの№1から少し離された第2集団のトップで、いわゆる “ベスト・オブ・ザ・レスト” というヤツだ。タッペン... じゃなかった「東京2日目」には及ばないものの、これ単品で聴けばオーディエンス録音としては十分すぎるくらい芯のあるオンな音で、これならティフォシ達も大満足だろう(笑) セトリ面でも唯一「Killer Queen」が入っているし、「Tie Your Mother Down」後のオーディエンスとの即興掛け合いも熱いしで、商品価値は抜群に高いと思う。
【私的評価】9.5点

⑥Sapporo 2024
 この「Sapporo 2024」は④⑤のような超優秀録音盤には敵わないものの、②③のようなイマイチ盤とは激しく一線を画すガッシリしたサウンドで、今のF1で言えばセカンド・グループでの安定した走りが光るアストンマーチンのアロンソ的な立ち位置だ。商品説明にあるように “あくまでホール鳴りも吸い込んだオーディエンスらしいサウンドではあるが、細部の微細部までくっきりハッキリ。芯もシャープで、ディテールが鮮やか。輪郭がキリッと美しく、その上で密度もたっぷりで十分に極太” な音だ。42年ぶりの“生”クイーンということで大盛り上がりの空気感がビンビン伝わってきて微笑ましい気持ちになれるオーディエンス・ノイズは大目に見てあげましょう。
【私的評価】8点

ということで今回の極私的“Queen + AL 2024ライヴ・イン・ジャパン№1決定戦” の結果は ④>⑤>①>⑥>>②>>③ となりました。

Nagoya & Osaka 2024【大阪編】/ Queen + Adam Lambert

2024-03-24 | Queen
 2024クイーン日本公演ブートレッグ祭り映像編の大トリは当然京セラドームである。2020年のラプソディー・ツアーの時は大阪公演だけロクな映像作品がなくてガッカリしたので、今回こそは!と祈るような気持ちで待ち構えていた私が手に入れたのはライトハウスから名古屋とのカップリングで出ている2種類のDVDと、PHOENIX という謎のレーベルから「Japan 2024 Kyocera Dome Osaka」というブルーレイの3枚。しかし残念なことにこのブルーレイというのが4種類の映像ソースの切り替えタイミングが素人レベルで、しかもその内の1つが超高角度からの豆粒映像という論ずるにも値しないアホバカ盤だったので即別室送り。スイッチングがヘタクソなマルチカメラはワンカメに激しく劣るという教訓を得た。

【Early Edition Disc 2(LH)】
 クイーンの京セラ公演の感想をこのブログにアップした時にライヴの動画をYouTubeで探したところ、一つだけ群を抜いて高画質で見やすい全編映像があったのでそれを貼り付け、“ひょっとしてライトハウスがコレをパクって商品化するんちゃうか...” と考えていたら、翌週の新作紹介に “ステージ中央を真っ正面に見据えつつ、超巨大スクリーンを丸ごと捉えた全景ショット” という行があり、“絶対にアレやろな...” と確信。届いた映像を観ると案の定だった。画面左上の表示が “2024.1.7 Wed OSAKA JAPAN” と日付を間違えたまま商品化しているのが笑えるが、その後しばらくして Universal の横やりで消されてしまったので(←ブライアンがインタビューで Universal のそういうやり方に苦言を呈してた...)ライトハウスさん、ディスク化してくれてありがとうだ。
 映像はアリーナ席真ん中あたりのほぼ真正面からステージ全体を捉えており、ほぼ固定アングルでバックの巨大スクリーンに映るステージの様子をまるごと見れるのが嬉しい。右スタンド席の私はステージを斜め目線でしか見れてなかったし、デジカメや双眼鏡や手拍子で忙しかったので(笑)、巨大スクリーンに映し出される迫力満点のマルチカメラ・プロショット映像や様々な工夫を凝らしたCG映像、そして目の覚めるような美しいライティングといった見どころをこの映像でバッチリ楽しめるのだ。例えばアンコールの「We Will Rock You」でスクリーンにロボットがいっぱい出てくるところがあるが、最後のブライアンのギターの轟音に合わせてヘッドの先から光線が出てロボット軍団を蹴散らすという仕掛けは恥ずかしながらこの映像を観て初めて知ったし、他にも“なるほど、そういうことやったんか...” という目からウロコ的な発見があって実に愉しい。画質も良いし(←YouTubeではもっと高画質だった気がするが、DVD化でダウンコンバートされたのかな...)、私的には非常に重宝している1枚だ。
    
    
    
    

【私的評価】
 ・画質:8.5
 ・音質:8
 ・カメラワーク:9
 ・総合満足度:9.5

【Definitive Edition Disc 2(LH)】
 4年前にこのブログでクイーン2020大阪公演のベスト・ブート決定戦というのをやった時に YouTube から “Queen and Adam Lambert, VIP OPERA BOXES VIEW” という映像を見つけてきて貼り付けたのだが(←例によってすぐに消された...)、この Definitive Edition の映像はまさにその全編ヴァージョンという感じのもので、開演直前にステージ上でスタンバイしているメンバーの様子とか、滅多に見られないレアな映像が(→「手をとりあって」の途中でロジャーが休憩からステージに戻ってくる様子もバッチリ!)拝める。メンバーとの距離も激近だし、カメラワークも落ち着いていて非常に見やすい。
 ただ、背面映像って2~3曲なら “おぉ、これは興味深い!” と楽しめるのだが、約2時間も観続けるとさすがに飽きてくるし、クイーンならではの絢爛豪華なライヴの醍醐味を味わうという点では正直物足りない。珍味食材がどう転んでもメイン・ディッシュにはなれないのと同じ理屈だ。有名な「Live Aid」映像の例を挙げるまでもなく、この手の舞台裏映像は正面からのクロース・ショットと上手く組み合わせてサブ映像として使ってこそ初めて活きてくると思うので、これはこれで大いにアリだが、Definitive Edition(決定版)と呼ぶのはちょっと違うだろう。京セラでも名屋編や東京編みたいな正面からの超絶クロース・ショットがあったらよかったのに...
    
    
    
    
【私的評価】
 ・画質:7
 ・音質:7
 ・カメラワーク:9.5
 ・総合満足度:7.5

Nagoya & Osaka 2024【名古屋編】/ Queen + Adam Lambert

2024-03-17 | Queen
 2024クイーン日本公演ブートレッグ祭りの後半戦は西日本の2公演。まずは名古屋からいこうと思うが、最初に出たのが「Nagoya & Osaka 2024」で、その2週間後に出たのが同タイトル別映像の“Definitive Edition”。タイトルからわかるようにどちらも大阪公演とのカップリングで老舗レーベルのライトハウスからリリースされたものだ。
 ツアー初日となるナゴドでのライヴは5回行われた今回の日本公演で唯一「Killer Queen」が演奏されたという点だけでも大変貴重だし、「Fat-Bottomed Girls」や「I Was Born To Love You」のセットリスト内での演奏順序も違っていて、大阪・札幌・東京公演とは又違った雰囲気が楽しめる。それでは早速2種類のナゴドDVDを比べてみよう。

【Early Edition Disc 1】
 「Nagoya & Osaka 2024」のDisc 1に収められた映像は何とアリーナ最前列からのスーパー・クロース・ショットで、“視界には前方客の姿がゼロ。撮影者とステージの間にいるのはセキュリティとカメラクルーのみ。「バンドと自分だけ」感覚は圧倒的で、まるで無観客のリハーサルに同席しているような独り占め感を味わえる...” という説明通りの凄い映像で、“最前列ってこんな見え方するんか...” と感銘を受けるレベル。花道での演奏を捉えたショットはさすがに最前列とはいかないが、それでも激近であることに変わりはなく、「Bicycle Race」でアダムが乗るバイクのリアナンバープレートのQALという文字がクッキリハッキリと読み取れる。カメラワークも抜群で、落ち着き払ってメンバーの動きを追いながらプロショットみたいな映像を連発してくるのだからもう参りましたと平伏すしかない。
 しかし好事魔多しとはよく言ったもので、所々にカットがあって曲の最中に急に数バース飛んでしまうのだ。「Hammer To Fall」で2ヶ所、「Another One Bites The Dust」で1ヶ所飛んでいるし、「Bicycle Race」もイントロの途中から始まっている... といった按配。曲中のカットを極端に嫌う私としては、撮影ポジションもカメラワークも完璧なだけに悩ましいところだ。
   
   
   
   
【私的評価】
 ・画質:9
 ・音質:7.5
 ・カメラワーク:10
 ・総合満足度:9

【Definitive Edition Disc 2】
 ライトハウスでは同じライヴでより優れた作品を後から出す時に “Definitive Edition(決定版)” というタイトルを付けるのがお約束で、こちらの商品説明にもハッキリと “最高峰を更新する新映像” “クオリティも個性も本作の方が強烈” “シンプルに名古屋No.1” と書かれている。撮影者は「SAPPORO 2024(のDisc 1)」や「TOKYO 2024(のDisc 2)」と同じ人物だということだが、撮影ポジションは最前列とはいかないものの、ステージに近いこともあってズームを多用する必要性がないからか非常にスムーズで安定したカメラワークで撮れており、観ていて全くストレスを感じさせない素晴らしい映像になっている。又、一瞬ブルーレイかと見間違うぐらい輝度の高いキレイな画質で、少なくとも映像という点においてはこれ以上を望むことはできないだろう。
 敢えて難を挙げれば音が時々大きくなったり小さくなったりするところがあるが、映像が素晴らしすぎて音量の変化などさして気にはならない。「Bohemian Rhapsody」のイントロが僅かに切れているが、それがなければ完璧な100点満点だっただろう。今回のブート祭りの№1は文句ナシにコレだ。
   
   
   
   
【私的評価】
 ・画質:10
 ・音質:6
 ・カメラワーク:10
 ・総合満足度:9.9

Tokyo 2024 & Sapporo 2024 / Queen + Adam Lambert

2024-03-10 | Queen

 クイーンの日本公演からほぼ1ヶ月が経ってブートレッグの方は一通り出揃った感があるが、今回はライトハウスから出た「Tokyo 2024」と「Sapporo 2024」を取り上げてツアー後半の札幌・東京を総括しようと思う。

①「Tokyo 2024」
 まず東京初日の模様を収めたDisc 1だが、観始めてすぐに前々回に取り上げたMOONSHINERレーベルのブルーレイ盤「Tokyo 2024 First Night」と全く同じ映像であることに気付いた。要するにどちらもネット上に公開された映像をパクって商品化しているということだが、先行ブルーレイ盤の短所だった「Don't Stop Me Now」の映像カット部分は巧妙に編集してあり、音声も別録音をシンクロさせるなどして観ていてあまり気にならないようにしてあるあたりはさすがLHという感じ。映像作品としてもコスパの点でもこちらの方が一枚上だ。
 東京2日目の Disc 2 は商品説明通りの “ステージ中央を真っ正面に見据えたポジションから撮ったプロショット的なド迫力映像” で、他の多くのブートのような “斜めから目線” ではなくド正面からのクロース・ショットが楽しめるところが凄い。惜しむらくはアレもコレも撮ろうとカメラを動かし過ぎて画面がブレる(or 揺れる)ところ。せっかくプロショット並みの真正面からのドアップ映像が撮れているのだから欲張らずにそのままにしていればいいものを、ズームをいじって引いたり寄ったりを繰り返すので、観ている方としてはライヴに集中できないのだ。この位置からDisc 1の撮影者が撮っていたら100点満点のスーパーウルトラ大傑作映像になったかもしれない。
   
   
【私的評価(Disc 2)】
 ・画質:9
 ・音質:8
 ・カメラワーク:7.5
 ・総合満足度:8.5

②「Sapporo 2024」
 異なる撮影者による2種類の札幌ドーム公演映像を収録したのがこの「Sapporo 2024」だ。Disc 1 は上記「Tokyo 2024」Disc 2 と同じ撮影者で、左側のアリーナ席からのズームによるドアップ映像が楽しめるという長所と、落ち着きのない(笑)カメラワークによる画面の揺れという短所も同じ。まぁ目が慣れてくれば画面の揺れは許容範囲内なので貴重な札幌公演のクロース・ショットが堪能できるメリットの方が大きいと言えるだろう。残念なのは、「Somebody To Love」の後半部がフェードアウトしてしまっていることと、「Bohemian Rhapsody」のイントロが切れていること、そして MCの一部も中途半端にカットされていることだ。ライヴのMCって結構重要だと私は考えているので、「Love Of My Life」前のブライアンのMC “サッポロノ ミナサン コンバンワ! オゲンキデスカ? ホントウネ!” をすっ飛ばしていきなり “ウレシイデス!” では ??? となるし、「Under Pressure」の後、アダムの “Roger Taylor, Ladies and Gentlemen” をカットしていきなり “And Brian May!” はどう考えても変。そのあたりの意味不明なカットがマイナスポイントだ。
   
   
【私的評価】
 ・画質:8.5
 ・音質:8
 ・カメラワーク:7
 ・総合満足度:8

 ディスク2はディスク1とは反対側の右のアリーナ席、おそらく前から2~3列目くらいの激近ポジションからの撮影で、前にいる数人の頭や手の影が映り込んでくる以外は余計なものは一切無いという実に羨ましい映像が楽しめる。そのままでも十分近いのでズームを多用する必要が無いせいか安定した観やすい映像になっており、商品説明にあった “現場の体験感をたっぷり味わえるリアル系の傑作” というのは実に上手い表現だと思った。音声の方も現場のリアル感がヒシヒシと伝わってくるオーディエンス録音で、特に「Love Of My Life」と「Teo Toriatte」の合唱(←ほぼ女性の声オンリーなので耳にやさしい...)は感動的。カットされているのはドラムソロ前のヤング・ロジャー(?)の演奏シーンぐらいで、ほぼライヴ全編をストレスなく楽しめるのも良い。1つの公演を全く性格の違う2種類の映像でカップリングして観る人が好きな方を自由に選べるというこの組み合わせの妙はさすが商売上手な LHと唸るしかなく、LH的には Disc 1 の方を “匠の撮影技で捉えたベスト映像” と持ち上げまくっているが、私的には Disc 2 の方が気に入っている。
   
   
【私的評価】
 ・画質:9
 ・音質:9
 ・カメラワーク:9
 ・総合満足度:9.5

Tokyo 2024 Final Night / Queen + Adam Lambert

2024-03-03 | Queen

 クイーンのブートレッグ祭り第2弾は「Tokyo 2024 Final Night」というブルーレイ。前回取り上げた「Tokyo 2024 First Night」と同じセラーから購入した。これはポールの2015 Out There Japan Tour や 2018 Freshen Up Japan Tour のライヴ・ブルーレイ盤で名を馳せた NANKER レーベルから出ているもので、この時点では今後何種類もリリースされるであろうライトハウス系のブートはまだ出ていなかったが、あのライヴの感動を自宅にいながら好きな時に再体験できて、しかも自分が観たアングルとは異なる映像が楽しめるライヴ・ブートは数が多ければ多いほど良いと思い即決した。
 商品説明には 1 Blu-ray-R + 1 DVD-R と書かれていたが、届いた商品を開けてみると4枚組で、“Disc 3 と Disc 4 は GIFT商品です。視界良好固定カメラでご覧になって頂けましたら幸いです。” と書かれた紙が入っていた。何となく得した気分だ。
 ポールのブルーレイでは画面の片隅に常時映し出されている犬のレーベル・マークがウザかったが、この盤ではそのような小細工は無い。商品説明に “2階席最前列から遮る障害物等一切なく、ワンカメ映像ながらスクリーン・ショットを中心に安定感のある極上映像” とあったが、確かに看板に偽りナシの高画質で、先行の「Tokyo 2024 First Night」とは違ってブルーレイならではの艶のある美麗映像が楽しめる。“超高音質音源に差し替えた” という音質は迫力満点で、“動画サイトなどに上がっている映像とは比較にならないハイ・クオリティな仕上がり” という宣伝文句にも納得の逸品だ。
 ライヴ映像作品というのは、ズームを駆使したメンバーのクロース・ショット、バックのスクリーンも含めたステージ全体を捉えたショット、そして大写しの専属プロショットが楽しめるスクリーン・ショットの組み合わせがその良否を左右すると言っても過言ではないが、ここではスクリーン・ショットをメインに据えた編集が見事にハマり、まるでテレビの公式ライヴ番組でも観ているかのような感覚で楽しめる。そういう意味で、このブルーレイは非常に良く出来た映像作品に仕上がっていると思う。ハッキリ言って、曲間のステージ暗転時に画面がふらつく以外には欠点らしい欠点は見いだせないというのが正直な感想だ。
 ギフト・ディスクは本編ディスクとほぼ同位置・同アングルからの固定映像で、バックの巨大スクリーンに映し出されるプロショット映像を存分に堪能したい時にピッタリだ。特に「Hammer To Fall」でのブライアンの一人時間差(?)映像や、「A Kind Of Magic」のゴージャスで煌びやかなスクリーン映像などは一見の価値ありだ。
   
   
   
   

【私的評価】
 ・画質:9
 ・音質:9
 ・カメラワーク:9
 ・総合満足度:9.5