shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Sgt. Hetfield's Motorbreath Pub Band / Beatallica

2008-11-21 | Beatles Tribute
 とんでもないバンドが現れた。メタリカそっくりのサウンドでビートルズ・ナンバーをことごとくヘビメタ・カヴァーしていく、その名も「ビータリカ」である。ビートルズ・ナンバーをカヴァーするハード・ロック/ヘヴィー・メタル・バンドはこれまでにも数多く存在したが、ビータリカの場合は単なるカヴァーとは次元が違う。サウンド的にはヴォーカルの声質と独特な歌い方、たたみかけるようなギター・リフ、重戦車のようなドラム、と何処を取っても完璧なまでにメタリカだ。しかも曲のタイトルから歌詞、そしてアレンジの細部に至るまで徹底的にビートルズとメタリカをパロッている。そう、これは完全なるパロディー、それも音楽的に非常に高度なパロディーなのだ。
 アルバム・タイトルはビートルズの「サージェント・ペパーズ」にメタリカのヴォーカリストの名前をもじって「サージェント・ヘットフィールズ・モーターブレス・パブ・バンド」(ヘットフィールド軍曹のビール大好き酒飲みバンド)、曲名もメタリカとビートルズの曲名やアルバム名を上手く組み合わせたものが多く、両方のバンドを知っている人なら面白すぎて大笑いするだろう。仮にメタリカを知らない人が聴いても、③「ブラッケンド・ザ・USSR」、⑥「ア・ガレージ・デイズ・ナイト」、⑧「レパー・マドンナ」、⑩「フォー・ホースメン」、⑬「アンド・ジャスティス・フォー・オール・マイ・ラヴィング」etc は単純に「ハードロック・トリビュート・トゥ・ザ・ビートルズ」としても楽しめる懐の深さを兼ね備えている。
 それと、このCDには入ってないのだが、彼らの最高傑作といえる曲を YouTube で見つけた。タイトルを「アイ・ウォント・トゥ・チョーク・ユア・バンド(首しめたい)」といって、「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド(抱きしめたい)」のパロディーだ。ルックス先行型のポップ・メタル・バンドであるホワイト・ライオン、ウォレント、そしてCC(ポイズンのギタリスト)を槍玉に上げ、「お前のバンドを絞め殺したい」(笑)という内容の歌詞で、いきなり「オゥー、イェー、アー」からメタリカ節が全開だ。もうアホらしすぎて笑いが止まらない!あのウィアード・アル・ヤンコヴィックの「今夜もイート・イット」に比肩する、アメリカ音楽史上最強のパロディー盤だ。とにかくその高い音楽性と抜群のセンスで聴く者を飽きさせない、笑撃のケッサクである。

Beatallicanimation


Garage Dayz Nite - Beatallica