shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

【爆音】「A Hard Day’s Night」イスラエル盤

2021-10-28 | The Beatles
 前回書いた「Help!」イスラエル盤を買いに行った時、同じイスラエルの「A Hard Day’s Night」の珍しいディフ・ジャケ2ndプレス盤がエサ箱に入っているのを見つけた。その商品説明ポップに “これはスゴイ音!! 音はかなり鮮烈! すばらしい音です!!” と書いてあったので、壁面に飾ってある1stプレス盤(←一体イスラエル盤何枚あるねん...笑)の方にはない “鮮烈” というパワー・ワードが気になった私がSさんに “この1stプレスと2ndプレスの音って違うんですか?” と尋ねると “1stプレスの方も十分エエ音してるんですが、2ndプレスの方が凄いです。” とのこと。興味を引かれた私は2枚の「Help!」に続いてこのディフ・ジャケ2ndプレス盤も聴かせていただくことにした。

 私:(A①「A Hard Day’s Night」の“ジャーン!” を聴くやいなや...)おぉ、何じゃこれは~(゜o゜)
 Sさん:(ニコニコしながら私の反応を楽しんでおられる...)
 私:ぶっ飛びますね、この音。爆音ですやん!
 Sさん:UKマザーなんですけどね。
 私:この音はヤバいですよ。
 Sさん:これ、ヘタなUK盤の5倍くらい良い音です。
 私:音にターボ・ブーストをかけたみたいな感じですね。
 Sさん:上手いこと言わはりますね。
 私:何か風圧で身体に浴びるようなサウンドです。
 Sさん:ちょっと音を下げさせて下さい。苦情来るレベルです。
 私:ハハハ... こんなん B-SELS 始まって以来じゃないスか?
 Sさん:A③「If I Fell」、ほぼ完璧でしょ?
 私:言うことないです。圧倒されますね。
 Sさん:A⑤「And I Love Her」の低音が凄いです。
 私:聴いてしまいますねぇ、この響き。
 Sさん:並みのUK盤では相手になりませんね。
 私:UKのスタンパー1G盤と勝負してもエエくらい凄い音ですよ、これは。
 Sさん:1stプレス盤にはこの “LN” の刻印が無いので、それがこの音の秘密やと思います。
 私:へぇ、そうなんですか。
 Sさん:さっきの「Help!」にもこの前の「Rubber Soul」にもこの “LN” 刻印があるんですよ。
 私:ちょっと前に「With The Beatles」のイスラエル盤買ったんですけど、ごくごく普通の音やったんです。あれには “LN” の刻印なんて無かった気がします。
 Sさん:この凄い音を生み出す “LN” 刻印は「A Hard Day’s Night」の2ndプレス以降に見られるみたいなんです。
 私:なるほど。それですべての辻褄が合いますね。大いに納得がいきました。
 Sさん:じゃあB面いきます。
 私:(B①「Any Time At All」の “バン!” を聴いて...)うわぁ...(と絶句) これに勝とうと思ったら盤質 EX以上の 1G盤持ってこんと無理ちゃいますか?
 Sさん:もう一度ヴォリューム絞らせて下さい。苦情来るレベルです(笑)
 私:どーぞどーぞ。下げても十分すぎるくらいエグい音ですよ。盤質の良さが効いてますね。
 Sさん:そうそう、盤質めちゃくちゃ良いんですよ。
 私:(商品説明ポップを指さしながら)Sさんの使われる形容詞、ブログで私が分析した通りですね。
 Sさん:ウソ書いてないでしょ?(笑)
 私:いやぁ、これは参りました。これも頂きます。
 Sさん:ありがとうございます。しかし「Help!」のステレオとか、この「A Hard Day's Night」にまで手ぇ出さはるとは思いませんでしたわ。
 私:こんな凄い音の盤、のがしてたまりますかいな! 帰ったらイスラエル盤祭りしますわ。
 Sさん:それにしてもイスラエル盤が一気に3枚も売れるとは... エエお客さんですわ(笑)

【轟音】「Help!」イスラエル盤モノ&ステレオを一気買い(^o^)丿

2021-10-23 | The Beatles
 これまで何度も書いてきたように、私はSさんも呆れるくらいのラウドカット原理主義者である。そんな私に衝撃を与えたのがB-SELSで買った2枚のイスラエル盤「Rubber Soul」と「Abbey Road」で、“すべてのレコードをラウドカットの爆音で聴くのが夢” な私は早速イスラエル盤蒐集を開始、送料が安いのをいいことに前回取り上げた「With The Beatles」を始め、ソロも含めるとこの1ヶ月で10枚以上買いまくったのだが、どこをどう探しても出てこないタイトルがいくつかあって、「Help!」もそんな難関タイトルの1つだった。
 そんな折も折、B-SELSの「日記」にイスラエル盤「Help!」が登場したのだからコーフンするなというのが無理な話。内容を読んでみると、“「最高の」 とは言わないが、かなり「理想的」で、「迫力」もあり、そして「スゴイ」音だと思う。” とこれでもかとばかりに煽り文句が並んでいる。しかし一番の決め手は “UKマザー盤をイスラエルでプレスすると、どうしてこういうキレッキレの音になるのだろう?” の “キレッキレ” というパワー・ワード。もうこれだけで音が聞こえてきそうだ(笑) 私はATMで下ろしたての諭吉さんを握りしめてB-SELSへと向かった。
 お店に入ると「You've Got To Hide Your Love Away」が流れていた。一瞬 “おぉ、何たる偶然!”と思ったが、よくよく聴くとステレオである。しかし盤質はめっちゃ良いし、タイトに引き締まった低音が実に魅力的だ。回転しているセンター・レーベルを見ると黄パロだが、これは一体...???と思っていると奥からSさんがひょこりと顔を出された。

 私:まいど! 「日記」に書かれていたイスラエルの「Help!」聴かせてもらいに来たんですけど、その前にこのレコードはどこの盤ですか?
 Sさん:イスラエルのステレオ盤ですよ。
 私:え~っ、ネットでも滅多に出てこない希少なイスラエル盤の「Help!」をこれほどの盤質で、しかもモノとステレオ両方在庫してるって、ホンマにおっそろしい店ですねぇ...
 Sさん:ハハハ...
 私:じゃあとりあえず「日記」に書かれていたモノ盤の “キレッキレの音” とやらを聴かせて下さい。
 Sさん:どうぞどうぞ。(レコードを取り替えてモノ盤に針を落とす...)どうですか?
 私:(A①「Help!」が爆裂...)おぉ、これは! いきなり往復ビンタを食らったような衝撃です。
 Sさん:眠くないUKマザーのモノラル「Help!」って貴重でしょ?
 私:音の隅々まで力が漲ってますね。はち切れんばかりのパワーに圧倒されます。
 Sさん:いきなりイスラエル盤らしさが出てますね。
 私:それにしても凄い低音やなぁ...
 Sさん:そのへんのUK盤よりベースがよぉ出てますね。
 私:UKモノ特有の眠たさなんて微塵もないですね。う~ん... これは良い「Help!」(笑)
 Sさん:アハハ...
 私:このA⑦「Ticket To Ride」、ちょっと言葉に出来ないくらい凄いです。まるで重戦車みたい...
 Sさん:これぞヘビー・メタル!っていう感じの音ですね。
 私:“俺は今モノラルのレコードを聴いてるんや...”っていう喜びに浸れる音ですよ。めっちゃボディ・ブロー効いてます。
 Sさん:B面も良いでしょ?
 私:ホンマにキレッキレですね。特にこのB③「You Like Me Too Much」、ダイナミックというか、豪快そのものの音です。例の超高音質イタリア盤もこの曲が凄かったんですよ。存在自体は地味な曲ですが、アルバムの音を判断する試金石的なトラックやと思います。この曲のノリが凄かったら“当たり”ですよ。
 Sさん:どうですか、このB⑥「Yesterday」?
 私:いやぁ、もう笑うしかないですね。何ですの、これ!
 Sさん:凄いなぁ... 何回聴いても。
 私:モノラルでこれほどまでの「Yesterday」が聴けるとは思わなんだですわ。この1曲だけでもお金を払う価値があります。
 Sさん:私もこの盤で「Yesterday」がこれだけ鳴るとは正直思ってもみませんでした。
 私:これやったらUKのエクスポート用シングルとタイマン張れますやろ。盤質が良いのでクリアーな音でごっつい「Yesterday」が聴けるっちゅーのがエエですね。
 Sさん:ジャケットがこんなボロボロなんで値付けに迷ったんですけど、この「Yesterday」だけで価値があると思いまして...
 私:確かにジャケットボロボロやし、何か可愛らしいステッカーも貼ってありますけど、私こーゆーのあんまり気にならんのですわ。それにこのステッカーも所有者のビートルズ愛が伝わってきて微笑ましいですし... これ頂きます。
 Sさん:ありがとうございます。
 私:ついでにさっきのステレオ盤も聴かせていただけますか?
 Sさん:もちろんです。このステレオ盤、デッドワックス部分にモノ盤にもあった “LN” に加えて “I2” っていう刻印が新たに増えてます。(ステレオ盤のA①「Help!」が店内に鳴り響く...)どうですか?
 私:これもエエですねぇ。実にパワフルなステレオ・サウンドです。ステレオなのにPMCっていうのが紛らわしいですけど...
 Sさん:そうですね。盤質はさっきのモノ盤よりもこっちの方が良いんですよ。
 私:モノ盤も十分盤質良かったですが、コレは更にその上を行ってますね。NMですよ。
 Sさん:良いでしょ?
 私:めちゃくちゃ良いですよ! A⑦「Ticket To Ride」はこっちの方が聴きやすいですね。さっきのモノ盤のは脂汗が出そうなくらい凄かったですから(笑)
 Sさん:じゃあB面行きます。
 私:B①「Act Naturally」、メリハリのある良い音ですね。音が艶々してます。
 Sさん:盤質の良さも一因でしょうね。
 私:(Bラスまで聴き終えて)いやぁ... 今日は「Help!」を堪能しました。
 Sさん:喜んでいただけてよかったです(^.^)
 私:これ、両方買うっていうのはアリですか?
 Sさん:え~っ、いいんですか?
 私:もちろん! ここで買うとかんかったら一生後悔しますわ。

「With The Beatles」イスラエル盤vsペルー盤

2021-10-17 | The Beatles
 私がレコードを買う時の決め手は “自分好みの音が楽しめるかどうか” の一点に尽きる。レア度とかジャケットの状態とかインナースリーヴ付属云々とかはハッキリ言ってどうでもいいので、自分では “コレクター” というよりはむしろ “ビニール・ジャンキー” の部類に入ると思っているのだが、だからこそ、色んな各国盤を “聴き比べる” のが楽しくてしかたないのだ。
 そんな私も各国盤初心者のうちは王道と言えるUK盤とフランス・イタリア・ドイツといった西ヨーロッパの盤とを聴き比べて一喜一憂していたが、一旦その面白さにハマるとインド、ブラジル、ウルグアイ、トルコと蒐集対象はどんどんマイナーになっていき、気が付けば後戻り出来なくなっていた。というワケで、一般ピープルの目には “ほとんどビョーキ”(笑)レベルの奇行に映りかねない辺境盤蒐集の道を驀進中の私はこの1か月ほどペルーとイスラエルの盤ばかり集中的に買っているのだが、たまたま「With The Beatles」のペルー盤とイスラエル盤が同じ日に届いたので、今回はその2枚を聴き比べてみることにした。
 まずイスラエル盤の方だが、これはB-SELSで買った「Rubber Soul」と「Abbey Road」の2枚がえげつないくらい豪快な音だったことに感銘を受け、“2度あることは3度ある” と信じてイスラエル盤をネットで手当たり次第に検索したところ、「With The Beatles」マト7Nの黄パロ盤を発見。盤質 VG+ で$60ならまぁリーズナブルなお値段だと思うし、送料が$13と南米の半額以下というのもめっちゃ嬉しい。
 イスラエルのビートルズ関連盤は、「Please Please Me」から「Sgt.Pepper’s」までがイエロー・パーロフォン、「White Album」から「Let It Be」までがグリーン・アップル、70年代初めがシルバー・パーロフォン、70年代半ばがレッド・パーロフォン、そして70年代後半以降はポートレイト・レーベルが1stプレスなので、“黄パロやったらきっとごっつい音するやろ...” という期待を込めて購入を決めた。
 もう一方のペルー盤「With The Beatles」の方もイスラエル盤と同じ7Nマトで、“ペルーのビートルズ完全制覇” を目指してガンガン買いまくっている中でゲットしたものだ。2ndプレスの電波レーベルながら$40というお買い得価格(←ただし送料が$30もしたけど...)で購入したもので盤質もEXと申し分ない。
 話は少し逸れるが、ペルーの「With The Beatles」は黒オデオン・レーベル(64年プレス)が1stプレスで、私の買った電波レーベル(66年プレス)と音がどれくらい違うんやろ?と前々から興味津々だったのだが、先日運よくB-SELSに黒レーベル盤が入荷した時にSさんにお願いして聴き比べをさせていただくという僥倖に恵まれた。両者を立て続けに聴かせていただいた結果、私の駄耳では違いはほとんどわからなかったので、コスパを考えればめちゃくちゃ良い買い物をしたのではないかと喜んでいる。
 話をイスラエルvsペルー(←何かワールドカップみたいやな...)に戻そう。まずイスラエル盤に針を落として「Rubber Soul」や「Abbey Road」の時のようにラウドカットと間違えるような爆音が炸裂するかと身構えていると、何のことはない、マト通りの7Nらしいバランスの取れた端正なサウンドでA①「It Won’t Be Long」が鳴り始めた。良くも悪くもノーマルなサウンドで、これを聴く限りではイスラエルの「Rubber Soul」や「Abbey Road」は突然変異的なものだったのかと思ってしまう。この件に関しては後日B-SELSのSさんによってその謎が解明されるのだが、それはまた別のはなし...
 イスラエル盤を聴き終え、続けてペルー盤をターンテーブルに乗せて針を落とすと、今度は7Nとは思えないようなジョンのヤクザなヴォーカルが部屋中に響きわたってビックリ(゜o゜)  イスラエル盤の直後だけに余計にそう感じたのかもしれないが、明らかに演奏の熱量が上がったように感じられ、ワイルドそのものの「It Won’t Be Long」がスピーカーから飛び出してきたのだ。 おぉ、これがペルー・マジックなのか... めっちゃエエやん(^.^)  やっぱりビートルズのロックンロールにはアグレッシヴなサウンドがよく似合う。
 特にヤバいのはA⑥「Till There Was You」のようなスローな曲でさえ音の隅々にまで力が漲っていることで、先に聴いたイスラエル盤が霞んでしまうくらい強烈だったし、B①「Roll Over Beethoven」のイントロのギターもキレッキレでたまらんたまらん(≧▽≦)  さすがにUKのラウドカットには負けるが、7Nでこれくらい豪快な音が楽しめれば御の字だ。
 ということで今回の「With The Beatles」対決はペルー盤に軍配が上がったが、実を言うとイスラエル盤の凄いヤツを昨日B-SELSで手に入れたので、そのうちこのブログにも書こうと思う。まぁ何にせよ、ペルー&イスラエル祭りで年内いっぱいは楽しめそうだ(^.^)

「Double Fantasy」ペルー盤

2021-10-11 | John Lennon
 最近B-SELSで買ったレコードのことばかり書いているような気がするが、Discogs はセンター・レーベルの違いすら分からないアホバカ・セラー(←マトリクスやスタンパーの話が通じない...)が跋扈するロシアン・ルーレット状態だし、eBay もここのところコレ!というような魅力のあるブツが中々出てこず、売れ残ったしょーもない盤の見本市と化している。そんな中で私の好みを見透かしたかのようにSさんがペルー盤をガンガン出してくるものだから、私のレコード購入記録であるこのブログもついつい B-SELS 専になってしまうのだ。
 この前もポールの「Wings Greatest」の激レア・ペルー盤を B-SELS の「日記」で取り上げられた翌日にゲットしてその骨太なサウンドを満喫していたのも束の間、今度は激レア度では引けを取らないジョンの「Double Fantasy」のペルー盤が出品されたのだ。やはり秘密の南米コネクションでも持っておられるのだろうか...(笑) 私は “うわぁ、又ペルー盤かよ... ” と嬉しい悲鳴を上げながらSさんの説明を読んだ。
 まず “超レア! ペルー盤のスゴイ音” というタイトルに注目。本文にも “1曲目の STARTING OVER からベースの音が腹にズドンと突き刺さる。これもスゴイ音だ。” とべた褒めだ。Sさんが使われる形容詞にはいくつかのパターンがあり、その中でも私が最上位と考えているのが “最高の” “理想的な” “大迫力”、そして “スゴイ” なんである。ペルー盤の音で聴くジョンのヴォーカルの凄さは前回の「Rock And Roll」で思い知らされたばかり。盤質も “B4にコキズ、B6-B7の内周に少しサーノイズが出る。いずれもヨーコさんの曲だ。ジョンの曲はすこぶる良い。” とのことで、ヨーコのトラックなど一切聴かない私にとってはまさに理想的なレコードと言える。これは是が非でも手に入れたい... と思った私は早速その翌日に B-SELS に直行した。

 私:今日は聴きたいレコードが一杯あるんですが、まず最初に「Double Fantasy」のペルー盤を聴かせて下さい。
 Sさん:わかりました。
 私:わがまま言って申し訳ないんですけど、ヨーコは飛ばしてジョンの曲だけ聴かせてもらえます?
 Sさん:(笑いながら)いいですよ。(A①「Just Like Starting Over」がかかる...)どうですか?
 私:うわぁ、音が飛び出してきますねぇ!!!
 Sさん:期待を裏切りませんでしたか?
 私:いやいや、期待以上ですよ。ペルー盤で聴くジョンの声は絶品です。“水も滴る” とはこういう声をいうんですね。
 Sさん:確かに。こないだの「Rock And Roll」もそうでしたけど、ペルーとジョンの相性は抜群ですね。A③「Cleanup Time」がこれまたエエんですよ。
 私:グイグイきますね。まるで「Double Fantasy」のラウドカットを聴いてるかのようですよ、これ。
 Sさん:引き締まった音ですね。
 私:実にパワフルで骨太な音作りです。ユンケルとかレッドブルみたいなエナジー・ドリンクを飲んで力が漲ってる、そんな感じですね。
 Sさん:ハハハ...
 私:このB③「Woman」めっちゃいい... (≧▽≦)
 Sさん:リズムがカッコ良いんですよね。
 私:リズムが要所要所をキリリと引き締めてるんで決して甘さに流れないですね。
 Sさん:そうですね。
 私:バックの力強い演奏がジョンの声を引き立ててます。これはタマランですよ。
 Sさん:気に入っていただけて良かったです。
 私:これ、いただきます。
 Sさん:ありがとうございます。
 私:ジョンのペルー盤ってホンマに出てこないんですよ。今日はエエ日になりましたわ(^.^)

「Rock And Roll」ペルー盤

2021-10-07 | John Lennon
 ジョンの「Rock And Roll」のペルー盤を手に入れた。ビートルズのペルー盤というのは中々市場に出てこないので集めるのは結構骨が折れるのだが、それがメンバーのソロとなると入手はさらに難しく、特にポール以外の3人のソロは激レアと言ってもいい。だからこのレコードをわずか$20で見つけた時は大コーフンして即買いを決めた。
 各国盤が届いたらまずは盤面チェック、続いてデッドワックスのマトリクスを確認するのだが、この「Rock And Roll」は手書きの独自マトでペルーならではのユニークな音作りが楽しめそうだ。実際にレコードに針を落とすといきなりA①「Be-Bop-A-Lula」の “ウェ~♪” から明らかにUK盤やUS盤とは違う濃厚な音がスピーカーから飛び出してきて思わずのけぞってしまった(≧▽≦)  これは是非ともSさんに聴いていただかねばならない。何といっても私にペルー盤の素晴らしさを教えて下さった(or ペルー盤地獄に引きずり込んだ???)張本人なのだから...

 私:今日はSさんに是非ともお聞かせしたいレコードを持ってきましたで。
 Sさん:何ですか?
 私:当ててみて下さい。
 Sさん:えぇ... 何やろ? ひょっとして又ペルー盤ですか?
 私:はい、その “ひょっとして” です(笑)
 Sさん:何かなぁ... 「Revolver」ですか?
 私:ハズレです。これですよ。
 Sさん:えぇ~、ペルー盤の「Rock And Roll」ですやん。こんなんもう最高でしょ!
 私:では早速お願いします。
 Sさん:(A①「Be-Bop-A-Lula」が店内に響きわたる...)これは凄いですね!
 私:でしょ?
 Sさん:真空管の音ですね。もう鳴り方が全然違います。カッティングと「Rock And Roll」の曲がばっちり合ってるんですね。ペルーのカッティング・エンジニアがまさしくこのアルバムのための音作りをしたという感じです。
 私:チューブ・カッティングで聴くジョンの声ってホンマにゾクゾクしますね。
 Sさん:ペルーは凄いなぁ...(としみじみ)
 私:この音はヤバいです。
 Sさん:(A面を聴き終えて)フフフ... (^.^)
 私:笑っちゃうでしょ?
 Sさん:何かこう、チカラで押し切っているような感じですね。
 私:これぞまさしく “ペルーの音” ですよ。
 Sさん:向かうところ敵なしな音です。
 私:B面はA面より盤質が落ちて VG+ なんですが、そんなハンデをものともせずにサーフェス・ノイズを蹴散らすような豪快な音で鳴ってます。古き良きロックンロールはやっぱりこういう音で聴きたいですね。
 Sさん:UK盤の 1U も良い音なんですけど、これはまさに “このレコードのためにペルー盤がある” みたいな、そんなカッティングです。
 私:この「Rock And Roll」というアルバムとペルー盤の音作りの相性が抜群だということですね。これは自分史上最高の「Rock And Roll」ですわ。

【ド迫力】「Abbey Road」イスラエル盤【無慈悲】

2021-10-03 | The Beatles
 最近 B-SELSの勢いがハンパない。特に先月なんか私が今ハマっているペルー盤を立て続けに出品されて全く油断も隙もあったもんじゃないが、Sさんのペルー盤攻勢を何とか凌ぎ切って(笑)一息ついた私は久々にペルー盤以外の盤も聴かせてもらおうと思い、前々から気になっていた「Abbey Road」のイスラエル盤の試聴をさせていただいた。

 私:今日はコレを聴かせて下さい。
 Sさん:「Abbey Road」のイスラエル盤ですか...(いつもと違って何となく歯切れが悪い...)
 私:えっ、何か問題でも?  この前こちらでいただいたイスラエルの「Rubber Soul」がめちゃくちゃ良かったんで、イスラエル盤に興味が湧きましてん...
 Sさん:そうですか。まぁとりあえず聴いてみて下さい... UKマザーで低音がよぉ出るんです。
 私:(A①「Come Together」が店内に鳴り響く...)おぉ、コレは凄い!
 Sさん:何故かベースがよぉ出るんですよ。
 私:巨大な音の壁が津波のように押し寄せてくる感じですね。
 Sさん:良いでしょう?
 私:仰るようにベースの押し出し感がエグいですね。それと、リンゴがオラついてる...(笑)
 Sさん:音がUKマザーっぽくないんですよ。
 私:こんな「Abbey Road」があったとは驚きですねー 。もうキレッキレですやん(≧▽≦)
 Sさん:UK盤よりもこっちの方が音大きいですよね。
 私:UKマザーなのに、ホンマに不思議です。
 Sさん:イスラエルだけ、超合金のプレス機を使ってるとか...(笑)
 私:それにしてもA⑥「I Want You」の圧がスゴイですね。音の奔流に飲み込まれる感じです。
 Sさん:仰る通りですね。
 私:これをお店に出さはった頃はトルコ盤集めるのに忙しくって、で、その後ペルーでしょ? ずーっと気になってたんですよ。でもこんな凄い音やのに、よぉ売れんと残ってましたね。
 Sさん:実はあるお客さんに聴いていただいたんですが、“こんなん毎日よぉ聴かん!” って言われまして...
 私: ハッハッハッ(大爆笑)
 Sさん:別のお客さんには “これは僕の求めてる「Abbey Road」と違う...” と言われたんですよ。
 私:何となくわかる気がします、その気持ち(笑) 例えるなら一般ピープルが通勤の足にフェラーリやランボルギーニをあてがわれるようなモンですからね。さすがにちょっと身が持たない...
 Sさん:ハハハ、確かに。お客さんの中にも “ラウド・カットはやかましすぎてちょっと...” っていう方、結構おられるんですよ。このレコードは今まで何人ものお客さんに聴いてもらってみんな同じ反応やったんで、shiotchさんが試聴したいって仰った時にちょっと複雑な気持ちやったんです。
 私:なるほどね。
 Sさん:一言で言うと “優雅さ” が無いんですよ。
 私:このB①「Here Comes The Sun」なんかジョージまでオラついてますもんね。肩で風切って歩いてますよ(笑)
 Sさん:めっちゃ攻撃的でしょ? 何か “ケンカ売っとんのか!” みたいな(笑)  優雅にB①を聴くというのはこのレコードでは無理ですわ。
 私:B③「You Never Give Me Your Money」にロック魂を感じますね。初めてですよ、こんなの(笑)
 Sさん:UKマザーをイスラエルでプレスしたら単に音がデカくなるだけじゃなくて力が入りますね。
 私:B⑥「Polythene Pam」~B⑦「She Came In Through The Bathroom Window」もめっちゃアグレッシヴやなぁ... これはジョージ・マーティンの音やないですね。まるでマット・ラングやブルース・フェアバーンがプロデュースしたかのような “ロックな” アビー・ロードになってます。
 Sさん:B⑩「The End」、このギター、ホンマにスタジオでバトルしてますね(笑)
 私:マジでバトルしてますやん(笑) リンゴのドラム・セットも前にせり出してくる感じです。聴くのにめっちゃ体力いりますね。
 Sさん:最後のB⑪「Her Majesty」まで存在感バッチリです。
 私:確かに普通の人やったらこれを毎日聴くのはキツいでしょうね。でも私の感覚は普通じゃないんで... これ、いただきますわ!
 Sさん:えっ、ホントに?
 私:もちろん! ブログにも “世に出てるすべてのレコードをラウド・カットで聴きたい!” って書いたでしょ? ロックなアビー・ロードって最高じゃないスか(^.^)

【追記】後日、手持ちの各国盤「Abbey Road」のセンター・レーベルをチェックして「Her Majesty」表記の有無を調べていた時のこと、このイスラエル盤は「有り」だったのだが、それより何よりその前曲のタイトルが「The End」ではなく「Ending」となっているのに気付いてビックリ。各国盤って色々発見があって面白いですな。