shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Helen Merrill with Clifford Brown」のオランダ盤

2024-06-23 | Jazz Vocal

 「Helen Merrill with Clifford Brown」のOZ盤を首尾よく手に入れた私は勢いに乗ってオランダ盤もゲットしてやろうとネット上を色々探しまわった。まずはDiscogsだが、イタリアのセラーからVG盤3万円、ドイツのセラーからNM盤7万円と2枚出品されていたが、私の希望購入価格の上限は1万円台後半であり、まかり間違っても2万円以上は出したくないのでアウト。そもそもDiscogsは出品しているセラーにいい加減なのが多いので(←ビートルズのスペイン盤で懲りました...)余程のことがない限りここでは買いたくないというのが正直なところ。今の自分にとって Discogsはレコードを買うところではなく、価格相場を知るための情報源に過ぎない。
 ところが頼みの綱とでも言うべき eBayには出品されておらず(←オランダ盤も Holland, Dutch, Netherlands, NL, NLD と色んな表示方法があるので面倒くさい...)、レア度をPopsikeで調べてみると過去20年間で4枚しか売れてないというスーパーウルトラ稀少盤だとわかってビックリ(゜o゜) こんな時、灯台下暗しでヤフオクなんかにしれっと出てたりすることがあるのだが今回はそれもない。
 よくよく考えてみるとプレス枚数が段違いに多いビートルズですらオランダ盤はあまり出てこないのに、ビートルズの100分の1、いや1000分の1ぐらいしかプレスされなかったであろうヘレン・メリルのレコードがそう簡単に見つかるわけがないのだ。しゃあないなぁ、 オランダ盤は諦めるか... と思い始めた時にあるレコード販売サイトのことが頭に浮かんだ。これまで何度かこのブログにも書いた「CD and LP」である。
 海外からレコードを買うとなると “Discogsで調べてeBayで買う” というのが私の定番パターンなので、ついついこの CD and LP というサイトの存在を忘れてしまいがちなのだが、フランスに本部を置くこのサイトは基本的にヨーロッパ盤に強く、これまでも何度かめちゃくちゃおいしい思いをさせてもらってきたことを思い出し、あわよくばと思って「Helen Merrill with Clifford Brown」のオランダ盤を検索してみると、ラッキーなことに1枚出品されていた。それもVG+コンディションで €120(約2万円)である。送料を入れると少し予算オ―バーになってしまうが、稀少度を知ってしまった今となっては 3,000円程度の誤差など問題にならない。このサイトはストック・フォトを載せていることが多いので(←これホンマに要注意です!)念のために写真画像を送ってもらったところ、盤面もジャケットもキレイなものだったので、私は嬉々としてOrder をクリックした。
 OZ盤が期待ハズレだったので今回はあまり期待せずにいたのだが、届いた盤はフラット・エッジで重さ158g、見た目はピカピカで申し分ない。ジャケットの状態も良く、裏ジャケはUS 1st/2ndプレスと同じブルーバックなのだが、悲しいことに写真画質のクオリティーの低さは一目瞭然で、その鮮明度は明らかに粗いコピー画質のレベルだ。
 さて、一番肝心な音についてだが、独自マトによるヨーロッパらしいキメ細やかな音作りであり、US盤とは又違った端正で整ったクリアーなサウンドでヘレン・メリルの最高傑作が楽しめる。どちらが好みかと問われれば私は迷うことなくUSオリジナル盤の濃厚で鮮烈な音に軍配を上げるが、このオランダ盤の音もこれはこれで捨て難い魅力がある。こういう楽しみ方があるから各国盤はやめられないのだ。
 ということで「Helen Merrill with Clifford Brown」に関しては、US 1stプレス盤、US 2ndプレス盤、オランダ盤、オーストラリア盤、日本盤という5枚のLPに加えて例のEP盤3枚を揃え、まさに絶世の美女を何人も侍らせまくったハーレム状態を満喫しながら “今日はどの女性とデート...じゃなかった、どのレコードを聴こうかな...” と矯めつ眇めつする今日この頃だ。
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