shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Presenting The Fabulous Ronettes

2008-11-01 | Wall Of Sound
 ガール・グループと聞いてまず頭に浮かぶのがこのロネッツである。ロネッツといえばフィル・スペクター抜きには語れない。特に63年に作られたこのアルバムこそまさに究極のスペクター・サウンドであり、「悲しき雨音」みたいな効果音で始まるA①「Walking In The Rain」からいきなりウォール・オブ・サウンドが全開だ。A②「Do I Love You?」は典型的な60'sポップスをウォール・オブ・サウンドでコーティングしたような曲。大瀧詠一も泣いて喜びそうなナイアガラ・サウンドだ。スペクター版ブリル・ビルディング風ポップスのA③「So Young」に続くのはブライアン・ウィルソンがそのコーラス・アレンジをまるごとパクッたA④「Breaking Up」、まるでビーチ・ボーイズがバック・コーラスで参加しているかのような(?)サウンドだ。A面のベスト曲といえるA⑤「I Wonder」は、ガール・グループかくあるべしという感じのキャッチーなメロディーといい、きらびやかなコーラス・ハーモニーといい、すべてが素晴らしい! A⑥「What'd I Say」はスタジオ録音に歓声をかぶせたライブ仕立てヴァージョンだ。
Do I Love You- The Ronettes- 1964

The Ronettes-I Wonder


 B①「Be My Baby」はもう何の説明も要らない、スペクター・サウンドの、いや、オールディーズ・ポップスの代名詞といっていい程の大ヒット曲。 “完璧な” とはまさにこの曲のためにある言葉だろう。イキそうでイカない不思議な展開のB②「You Baby」、3分間芸術の極みB③「Baby, I Love You」、 打楽器のリズムが印象に残るB④「How Does It Feel?」、テディ・ベアーズの「会ったとたんに一目惚れ」をロネッツで再現したかのようなB⑤「When I Saw You」と怒涛の展開が続き、アルバムラストを飾るB⑥「Chapel Of Love」、しかしさすがにここまでやると残響音がキツすぎてまるで風呂場で聴いているような感じがする。過ぎたるは何とやらで、この曲に関しては有名なディキシー・カップスのヴァージョンの方が優れていると思う。
 何やらスペクター・サウンドの話ばかりになってしまったが、やはりロネッツの一番の魅力はロニーの歌声、これに尽きる。1986年、エディー・マネーのヒット曲「Take Me Home Tonight」に参加した彼女の「ウォッ、オッ、オッ、オー」という声を聴いただけでノックアウトされたのは私だけではないだろう。尚、このアルバムは今現在単独では CD 化されておらず、青レーベルのオリジナル盤は5万円を下らない。全曲が不滅のガール・グループ・クラシックスといえる、フィレス・レコードの最高傑作だ。
The Ronettes - Be My Baby (Shindig 1965)

BABY I LOVE YOU (ORIGINAL SINGLE VERSION) - THE RONETTES
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