shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Jambalaya - Bossa Americana - / 小野リサ

2008-11-29 | World Music
 日本でボサノヴァといえば小野リサである。彼女の歌はとってもナチュラルでリラクセイションに溢れており、まったりしたサウンドをバックにした彼女のウィスパー・ヴォイスは何を歌っても「小野リサ・ワールド」に染め上げてしまう不思議な魅力がある。この盤のタイトルは「ジャンバラヤ - ボッサ・アメリカーナ」で、ぶっちゃけて言えば「ボサノヴァ・ミーツ・アメリカン・トラディショナル」である。カントリー色のせいか普通のボサノヴァよりも明るいノリで、アメリカン・フォークあり、カントリーあり、民謡ありというバラエティーに富んだ内容になっている。①「ジャンバラヤ」は私の場合中学の時にカーペンターズのヴァージョンで刷り込みが完了しており、大人数で明るく楽しい野外パーティーといった感じのカーペンターズに比べると、小野リサ・ヴァージョンは親しい者が少人数で集まっての優雅な食事、といった趣きである。ボサノヴァの特徴はその抑えた歌い方にあり、メロディーがあまり動かずハーモニーが絶えず変化して動いていくのでかえって心にスーッと入ってくるのだろう。②「カントリー・ロード」は私の世代なら絶対オリビア・ニュートン・ジョンなのだが、小野リサのヴォーカルはあくまで自然体で、そのささやくような歌声で歌われると耳ダコのはずのあのメロディーが実に新鮮に響く。バックのソプラノ・サックスもでしゃばらずにエエ仕事してますな。③「ステイ・オール・ナイト」はギターとクラリネットが活躍する古き良きスイング・スタイルで演奏されており、ボサノヴァとの相性もバッチリだ。ロリンズも演っていた⑤「俺は老カウボーイ」は心地良いフルートがとっても印象的なナンバー。これめっちゃエエなぁ…(≧▽≦) ビートルズ・ナンバーの中でも5指に入る名曲⑧「夢の人」は流れるようなリズムに乗って必殺のウィスパー・ヴォイスが炸裂するキラー・チューン。CD後半は、優しく爪弾かれるギターと爽やかなヴォーカル・コーラスが快感を呼ぶ⑨「オールド・ファッションド・ラヴ~ユー・アー・マイ・サンシャイン」、軽快なリズムでウキウキするような⑩「リトル・キャビン・ホーム・オン・ザ・ヒル」、彼女の声で歌われて名曲度が更にアップした感じの⑪「黄色いリボン」と、ハッピー・ソング3連発に続く⑫「ダニー・ボーイ」が心に染み入ってくるニクイ演出。ナラ・レオンのコピーだという奴もいるが、それがどーしたの完成度がここにあるのだ。

小野リサ Take Me Home Country Roads