shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Live Alive / Stevie Ray Vaughan & Double Trouble

2008-11-25 | Rock & Pops (80's)
 先週の土曜日にG3の定例会をやった。テーマは「コテコテの黒いジャズ」だったが、901さんが持参されたのはジャズではなく何とブルースのレコードで、その中でも特にバディ・ガイが強烈だった。その真っ黒光りのするような粘っこいフレーズの波状攻撃は凄まじく、あれを聴けばジャズにおけるブルース・フィーリングというのがブラック・ミュージック全体の中で見れば相対的にはそんなに黒くないということがよく分かる。自分の感じたことをストレートにギターや歌に込めるバディ・ガイの演奏スタイルは、私に一人のギタリストを思い起こさせた。18年前に飛行機事故でこの世を去ったスティーヴィー・レイ・ヴォーンである。
 私が初めて彼の音楽に出会ったのは彼が「ベスト・ヒット・USA」に出演した時で、ストラトキャスターのカッティングがめちゃくちゃカッコ良く、それまでハード・ロック・ギターしか知らなかった私に強烈なインパクトを与えた。それ以降彼のアルバムを聴き漁り、すっかり大ファンになってしまった。だから彼の悲報を聞いた時はショックでしばらく何も手につかなかったくらいだ。私が他人の死で活動停止状態に陥ったのは後にも先にもジョン・レノン、アイルトン・セナ、そしてスティーヴィー・レイの3人だけだったと言えばその衝撃の大きさを分かってもらえるだろう。
 この「ライヴ・アライヴ」は86年にリリースされた2枚組ライヴ・アルバムで、一番脂の乗り切った時期のスティーヴィー・レイ・ヴォーン&ダブル・トラブルの演奏が収められている。このアルバムを手に入れたのは10年程前に東京へレコード買い付けに出かけた時で、下北沢のレコファンで700円で見つけた時は手が震えた。ピカピカのオリジナル盤である。もう嬉しくてたまらなかった。
 彼の一番の魅力は何と言ってもその熱いプレイにあるのだが、特に絶妙の間を活かしたリズム・カッティングや、ねっとりしたフレーズでも都会的なカラッとした音色で弾くところなんか他のギタリストには絶対に真似の出来ない芸当だ。彼の骨太でワイルドな、時には唸るようなヴォーカルも実にエエ味を出している。収録曲を見ても、ワン・コード・ブルース、シャッフル・ビート、スロー・ブルース、ノリノリのロックンロールとバラエティーに富んでいて、A面のアタマからD面ラストまでまったくダレることなく一気呵成に聴けてしまう密度の濃いアルバムである。私がジャンルを越えて最も敬愛するギタリスト、スティーヴィー・レイ・ヴォーン... 一度でいいから生で聴いてみたかった。

Stevie Ray Vaughan - Superstition