shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Beatles USB Box ①【USBボックス衝動買い篇】

2018-01-28 | The Beatles
 ついに買ってしまったビートルズのUSBボックス... いわゆるひとつのハイレゾである。発売は2009年で、例のリマスター音源を24 bitの高音質で聴けるということでかなり話題になっていたアイテムだが、 ハイレゾといってもFLACとかWAVとかALACとかDSDとか色々ありすぎて何がどう違うのかが全く理解できず、曲を収録したUSBメモリーを手持ちのオーディオシステムでどうやって再生すればいいのかサッパリ分からなかった私は “ハイレゾで聴くビートルズ” に興味を引かれながらもこの数年間ずーっとスルーしてきたのだった。
 ところが先日、ネットオークション検索でたまたまUSBボックスを見かけたので興味本位に値段を見てみると何と発売当初の2倍近いプレミア価格になっている。そういえば全世界3万個限定(←ホンマかいな?)とかやったっけ... これは早いこと買うとかなヤバイんちゃうか?と焦った私は早速ネットでチェック。アマゾンは日米英すべて5~7万円というボッタクリ価格で全くの問題外だったし、eBayでも送料込みで$300オーバーのものがほとんどだった。
 最後の砦であるヤフオクを見ると、ラッキーなことに1万円台後半という超お買い得価格で出品されているのを発見。灯台下暗しとはこのことだ。セラーの評価があまりよくないせいか、〆切まであと1日なのに0ビッド。私は海のモノとも山のモノとも知れないハイレゾに大金を使いたくなかったのでコレを逃す手はないと入札を敢行、ライバル2人を蹴散らして結局20,500円でゲットすることが出来た。
 しかし本当の問題はここからで、USBメモリーが届いてもどうやって鳴らせばいいのか全く分からない。そこで早速“ハイレゾ、パソコン、オーディオに繋ぐ”でググってみたところ、「PCを使ってハイレゾ音源を再生するには?」という記事を発見、読んでみると実に分かりやすく解説されており、PCオーディオ・ド素人の私にでも何とか理解できる内容だ(^.^)  記事によると私が準備しなければならないのは USB DAC という装置だけで、それを介してパソコンとアンプを繋げばウチの巨大スピーカーで超解像度のハイレゾ再生が楽しめるらしい。
 その記事の中でハイレゾ入門用オススメ機種として挙げられていた DAC をいくつかアマゾンでチェックすると、中古品なら2万円台後半からありそうだ。私は最終的に KORG DS-DAC-100 と DENON DA-300USB の2機種に絞り、値段が5,000円ほど安い KORG の方に気持ちが傾きかけていたのだが、“ギャップレス再生機能(←曲間に無音部分を挿入せず継ぎ目なく連続的に再生する機能)が無いと「アビー・ロード」のメドレーは悲惨” というアマゾンのレビューを思い出し、念のために確認すると KORG に付属のソフトウェア「Audio Gate 3」はギャップレス再生に対応していないという。あ~危なかった(>_<)  今回のUSBボックスだけでなく今まで宝の持ち腐れだった「ウイングス・オーヴァー・アメリカ」のハイレゾ音源もやっと聴けるようになるというのに、もうちょっとでライヴの臨場感が台無しになるところだった(汗)
 ということでアマゾン・マーケットプレイスで目を付けておいた DENON の中古品を買おうと再び商品ページを開いてみたら、何とさっきまであった商品が無い!!! 最安値で尚且つ “非常に良い” の表示があったブツがタッチの差で売れてしまっていたのだ。う~ん、ショック...(>_<) 他の商品は “可” 表示だったり何千円も高かったりでどうしても買う気になれない。私は仕方なく即決を諦め、しばらく様子を見て良い出物が出品されるのを待つことにした。
 しかしその翌日のこと、仕事の休み時間にダメ元でマーケットプレイスを覗いてみると、何と私が逃したのよりも更に安い23,000円のブツが新たに出品されているではないか! しかも “非常に良い” 表示のAランク(美品)で付属品完備ときたモンだ。私はその場で即決し、結局アマゾンの5,000ポイントを差し引いた 18,000円で USB DAC を手に入れることが出来た。 (つづく)

ノルウェー盤で聴く「ノルウェーの森」

2018-01-21 | The Beatles
 洋楽の邦題には誤訳と呼べるものが少なくないが、そんな中でも特に恥ずかしい間違いがビートルズの「ノルウェーの森」だろう。中学生の時に買った国内盤(EAS)の歌詞対訳(by 山本安見)には、女性の部屋に案内されたくだりで “Isn't it good, Norwegian wood” を「ノールウェイの森みたいにシャレた部屋さ」と訳してあり(←「ノールウェイ」って何やねん...)、壁に鹿の剥製みたいなのが飾ってある暖炉付きの部屋みたいなのを勝手に想像していたのだが、それ以外の部分の訳にも意味不明な箇所がいくつかあってイマイチ腑に落ちないまま聴いていた。
 やがて大学生になり、音楽を通じて仲良くなったアメリカ人にこの歌の内容について尋ねたところ、“wood は「森」じゃなくて「木材」。Isn't it good は主人公ではなく彼女が言った言葉で、「素敵でしょ、ノルウェー産の木材を使ったインテリアよ。」という意味。” なのだという。ラストの部分はフラれた腹いせに彼女の部屋に火をつけた主人公が彼女の言葉を引用して「確かに彼女の言う通り、ノルウェー産の木材はよく燃えていいねぇ...」というシュールなオチなのだと教えてもらい、やっとこの歌の内容が理解できたのだった。
 しかしその後シンコ―ミュージックから出た「ビートルズ全詩集」(by 内田久美子)というハードカバーの豪華本にも “いいじゃないか、ノルウェーの森” というワケのわからん訳が載っているのを見て呆れてしまったが、逆に言えばそれだけ「ノルウェーの森」という邦題のインパクトが強かったということだろう。完全な誤訳とはいえ、村上春樹氏にインスピレーションを与えたことでも明らかなように、言葉の響き自体はカッコ良くてセンス抜群だ。この邦題を付けたのは担当ディレクターの高嶋弘之氏だが、彼の頭の中には「ラバー・ソウル」のジャケットでビートルズのバックに写っている鬱蒼とした森のイメージがあったのではないか。そしてシタールの神秘的な響きを耳にして天啓的に「ノルウェーの森」という邦題を思いついたのではないかと勝手に想像しているのだが、果たして真相は如何に???
 で、いよいよココからが本題だ。音楽ファンなら誰しも “一度は聴いてみたい” レコードが1枚や2枚はあると思う。私の場合はそれが “ノルウェー盤で聴く「ノルウェーの森」”で、かなり昔から “もしあったら聴いてみたいなぁ...” と思っていたが、その当時はまさか自分が将来各国盤にハマるなどとは夢にも思わず、自分でも一種の “ないものねだり” 的なレコードとして捉えていた。
 しかし半年ほど前に見つけた“The Beatles Bible”というサイトの Discographies というページでノルウェー盤の項目を発見、“まぁどーせEP盤ばっかりやろ...” と思いながらも一応覗いてみると、何と「ハード・デイズ・ナイト」から「レット・イット・ビー」までの8枚のアルバム(←何故か「ホワイト・アルバム」は載ってなかった...)が出ているではないか! その中には当然「ノルウェーの森」が入ったアルバム「ラバー・ソウル」も含まれており、“え~、ホンマに実在するんや!!!” と驚きながらも次の瞬間には “一度は聴いてみたい” というレコード・マニアならではの好奇心にスイッチが入ってしまった。
 私はこれまで検索したことすらなかった“Beatles / Rubber Soul / Norway” をeBay で探してみたが1枚も出ていない。Discogs で調べてみると確かにそのレコードの存在は確認できたものの、当然ながら1枚も出品されていないどころか、200を超える“ほしい”エントリーを見て自分の甘さを思い知るハメに...(*_*)  一体どれほどレアなのだろうと popsike で過去の販売実績を調べてみると、何とこの10年間でたったの5枚! つまり2年に1枚出るか出ないかのメガレア盤ということだ。€150(20,000円)~£250(36,000円)という落札価格からも競争の激しさが伝わってくる。私は “まぁ生きてるうちに聴けたら御の字やな...” と半ば諦め気分でパソコンを閉じた。
 しかし2ヶ月ほど前にドイツ原盤の輸出仕様レコードをイーベイのドイツ国内向けローカル・オークション・サイトで調べていた時に(←最近このパターン多いよな...)関連アイテムの中に「ラバー・ソウル」のノルウェー盤が出品されているのを偶然発見。これはエライコッチャである。ドイツ盤なんぞに構っている場合ではない。
 とにかく黒々としたオールド・タイプのパーロフォン・レーベルは風格すら感じさせるカッコ良さし、値段もBUY IT NOW €100という超お買い得価格で、更にオファー(値下げ交渉)も可能だという。eBay.deの商品説明は基本的にすべてドイツ語なので翻訳サイトにかけてみると“Cover has a crack, disk is running well by.”(カヴァーに裂けあり。盤は針飛びなし。)とのこと。写真で見る限りジャケットの裂けはそんなに酷くなさそうだし、ジョージの鼻っ柱の部分にステッカー剥がし跡があるがその程度のことを気にしてこの千載一遇のチャンスを逃すわけにはいかないので、試しに €90でオファーしてみたところすんなりOKが出て即落札。まさかこんなにあっけなくノルウェー盤「ラバー・ソウル」が手に入るなんて夢にも思わなかったが、とにかく嬉しくて嬉しくて、レコードが届くのを一日千秋の思いで待った。
 届いた盤の状態はVG++といったところで所々でポップノイズが入るが気にならないレベル。UKマザーでマト枝番は -4/-4 だが、プレス枚数が極端に少なくてスタンパーの劣化が少ないのか、非常に生々しい音が愉しめる。ただ、このレコードは中低音域がスベッたとか高音域がコロンだとかいう風に分析的に聴くのではなく、“自分は今、ノルウェー盤で「ノルウェーの森」を聴いてるんや...(^.^)” という自己満足(笑)に浸りながら聴くのが正しい。まさに “思い入れ一発で聴くレコード” なんである。それにしてもこの曲ってこれまでに何百回何千回聴いたかわからないが、聴けば聴くほど味わいと深みが増すエエ曲やなぁ...(≧▽≦)
 そういうワケでついに聴くことが出来たノルウェー盤の「ノルウェーの森」。送料を€14も水増し請求されたのは気分が悪いが(←ホンマにドイツ人はやることがセコイわ!)それを含めても長年の垂涎盤を14,000円で入手できたので私としては大満足だ。「ミッシェル」のフランス盤も手に入れたし、次は「オブラディ・オブラダ」のナイジェリア盤でも探すかな...(笑)
Rock Band The Beatles - Norwegian Wood (R.C.C)

Jimmy Jones Trio

2018-01-14 | Jazz
 私にとっての2017年はビートルズ一色に染まった感があるが、当然ながらジャズや昭和歌謡といった他ジャンルの音楽も細々と聴いていた。正月ヒマだったので数えてみたところ、去年1年間に買ったアナログ盤のうちビートルズ関連が全体の70%以上を占めていたのに対し、ジャズはわずか10%にすぎなかったが、欲しい盤はほぼ買い尽くした感のあるジャズに関してはひたすら超大物盤狙いに徹し、先のヘレン・メリル盤のようにこれまで手が出なかったメガレア盤を1枚また1枚という感じで手に入れては喜んでいた。
 今回取り上げるジミー・ジョーンズという人はサラ・ヴォーンやアニタ・オデイ、ビヴァリー・ケニーといった女性ヴォーカリスト達の歌伴ピアニストとして知られているが、私が彼のプレイを初めて耳にしたのも前回取り上げたヘレン・メリル盤で、変幻自在なソロを聴かせるクリフォード・ブラウンのバックに回ってしっかりと引き立て役に徹するそのいぶし銀的なプレイを聴いて“この人、派手さはないけどめっちゃ巧いなぁ...”と感心したものだった。
 それからだいぶ経ってから、彼のリーダー作が1枚だけフランスのスウィング・レーベルから10インチ盤で出ているのを知ったのだが、色々調べてみると超のつくレア盤らしく、901さんの情報によると20万円(!)で取り引きされているというのだからディープなコレクターの世界は恐ろしい。20万円っていくら何でも盛り過ぎやろーって思った人がいるかもしれないが、ディスクユニオンのJazz Vintage Vinyl Want List Vol. 5 に載っている買い取り価格が8万円なので、実際に店頭に並ぶ時の値段(←買い取り額の3倍というのが相場らしい...)はだいたいそんなところだと思う。そういうワケで、このレコードに関してはオリジナル盤を手に入れようなどという大それた考えは微塵もなく、紙ジャケ復刻されたCDで十分満足していた。
 で、1ヶ月ほど前のことになるが、ビートルズのフランス盤をイーベイのフランス国内向けローカル・オークション・サイトである eBay.frで一通り調べ終わった後、 “フランス・ローカルなんやから、ひょっとするとインターナショナル・オークション・サイトに出てけぇへんようなフランス盤も出品されとるんちゃうか???” という素朴な疑問が浮かび、ほんの好奇心からデューク・ジョーダンのヴォーグ盤やらジョルジュ・アルヴァニタスのピリオド盤やらを検索して遊んでいた。
 その時ふと頭に浮かんだのがこのジミー・ジョーンズ・トリオである。どーせBMGビクターの日本盤しか出てけぇへんやろ... と思いながら検索してみると、案の定ビクター盤が我が物顔でバッコしていたのだが、有象無象の再発盤に混じって1枚だけ、いかにも年代モノという感じの風格を漂わせている薄汚れたレコードが出品されていた。ジャケットの上下左の縁はセロテープで補修されており、色合いも再発盤とは明らかに違う。何かめっちゃ本物っぽいけれど、VG++コンディションの盤がスタート価格€40で〆切があと1日というのに入札が無いなんてどう考えてもおかしい。不審に思ってこのレコードの再発歴を色々と調べてみたが、こんな超マイナー盤をアナログ復刻しているのは世界広しと言えども日本くらいのモンで、これが偽物である可能性は非常に低そうだ。“さては入札締め切り直前にビッドが集中して一気に €1,000超えとか十分あるな...(>_<)”などと考えながら迎えた〆切当日... しかし1時間を切ったというのに未だに入札ゼロだ。
 いつものように〆切10秒前からカウントダウンを開始し、“誰も来んなよ来んなよ...”と祈るような気持ちでスナイプしたところ、結局ライバルは1人も現れず、スタート価格の€40で落札。“来んなよ...” と言っておきながらいざ誰も来んかったら来んかったで “えっ? 何で誰も来ぇへんの? おかしいやん!” と不安になってくる。だから無競争落札に拍子抜けしながらも、稀少盤を超格安で買えた嬉しさが半分、ひょっとしてやっぱりニセモンちゃうんか???という疑いの念が半分というのが正直な気持ちで、レコードが届くまでの日々は仕事が手につかないぐらい不安だった。
 そんな私の気持ちが天に通じたのか、レコードはフランスからわずか6日で到着。はやる気持ちで梱包を解いてすぐに盤をチェックしたところ、センター・レーベルには50年代プレスの証しとも言うべきディープ・グルーヴ(DG)がちゃーんと刻まれている。おぉ、溝あるやんけ!と大コーフンしながらレコードに針を落とすと論より証拠、聞こえてきたのはまごうことなきオリジナル盤の生々しいサウンドで、A①「イージー・トゥ・ラヴ」なんかもうロイ・ヘインズの生々しいブラッシュの音にのけぞりそうになるし、腹にズシーンと響くジョー・ベンジャミンのベースもめっちゃ気持ちいい(^.^)  やっぱりピアノトリオはドラムとベースがスインギーに躍動するのが最高だ。そんなリズム隊に乗せられたのか、穏健派(?)のジミー・ジョーンズにしては珍しく時折り力強いブロックコードを織り交ぜながらコロコロと玉を転がすようなプレイで小気味よくスイングしており、例えるなら “ユンケルを飲んでパワーアップしたアーマッド・ジャマル”とでも言えばいいのか。この1曲だけで軽く元は取れたと言える、そんな名曲名演だ。
Easy to Love


 これに続くA②「リトル・ガール・ブルー」とA③「ラッシュ・ライフ」は原曲がスロー・バラッドということもあってカクテル・ピアニストっぽいプレイに終始しているが、B①「スクイーズ・ミー」ではロイ・ヘインズの瀟洒なブラッシュに乗ってこの人の真髄とでも言うべき歌心溢れるピアノ・プレイが楽しめる。しかし一番の聴き物はジョー・ベンジャミンのウォーキング・ベースだろう。極論を言えば、ピアノトリオはベース良ければすべて良しなのだ。
 B②「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」とB③「グッドモーニング・ハートエイク」の2曲はまたまたスロー・バラッドということであまり好みではないが、私としてはAB両面1曲目に配置された “軽やかにスイングする小粋なピアノトリオ・ジャズ” がオリジナル盤の轟音で聴けただけでもう大満足なのだ。
Jimmy Jones Trio - Just Squeeze Me

【追悼】フランス・ギャル特集

2018-01-08 | European Pops
 昨日の晩、いつものようにオークション・チェックをしようとパソコンを開いて何気なくヤフー・ニュース欄を見ると “フランスギャルさんが死去” というショッキングなニュースが目に飛び込んできた。えー、ウソやろ...(*_*)  私は今から十数年ほど前に901さんに「夢見るシャンソン人形」のシングル盤を聴かせていただいて、その昭和歌謡にも相通ずる哀愁のメロディーに一発KOされて彼女の大ファンになり、仏オリジナルLPやらEPやら(←60年代に活躍したフレンチ・ポップスの歌手はLPよりもむしろ4曲入りEP盤の方がメインという人が多かった...)を狂ったように集めまくったものだった。わざわざ仏和辞典を買ってフランス人のセラーとメールで交渉してようやく手に入れた彼女のレコードの数々は私の大切な宝物だ。今日はそんなレコードの中から選りすぐりの愛聴曲をピックアップして(←「夢見るシャンソン人形」はカヴァー曲も含めてこれまで何度も取り上げているので今回は除きます)彼女の早過ぎる死を悼もうと思う。

①Laisse tomber les filles(邦題「娘たちにかまわないで」)
フランス版ズンドコ節(?)みたいなリフが耳に残るこの曲は「夢見るシャンソン人形」と並ぶフランス・ギャルの代表曲で、様々なアーティストによってカヴァーされているイエイエの代名詞的なナンバーだ。ダンサブルなイエイエ・ビートに乗ってグルーヴするギャルが最高にカッコイイ(^o^)丿
France Gall - Laisse Tomber Les Filles (1964) HD 1080p Interactive.mp4


②N'écoute pas les idoles(邦題「アイドルばかり聞かないで」)
 上記①の三軒隣りに住んでいるようなこの②も印象的なリフが支配するイエイエ・ナンバーで、こちらはゲンスブール版「恋の片道切符」という感じ。アイドルであるギャルに「アイドルばかり聞かないで♪」と歌わせてしまうあたりがいかにも曲者のゲンスブールらしい。
France Gall - 1965 - N'écoute pas les idoles (Stéréo)


③Dis a ton capitaine(邦題「あなたのキャプテンに言いなさい」)
 心の琴線をビンビン刺激するマイナー調のメロディーを舌っ足らずでキュートなギャルの萌え萌えヴォーカルで楽しめるというキラー・チューンがコレ。それにしてもこのこっ恥ずかしい直訳邦題はもーちょっと何とかならんかったんか...
France Gall --Dis a Ton Capitaine


④Le temps de la rentrée(邦題「恋の家路(新学期)」)
 “ベンチャーズ歌謡”的な雰囲気を持ったこの曲は軽快なリズムに乗って炸裂するギャルのウィスパー・ヴォイスがたまらない。ダブル・トラック処理されたヴォーカルによるギャルの“一人二重唱” が曲の魅力を更に引き立てている。
France Gall "Le temps de la rentrée" | Archive INA


⑤Polichinelle(邦題「恋のためいき」)
 私が好きなフランス・ギャルの曲は昭和歌謡を想わせるマイナー調のナンバーが多いが、この「ポリシネル」という曲なんかもうその典型と言っていいだろう。鼻歌でも歌うかのように“ル~ル~ル~ル~♪” とハミングする彼女に絡みつくフルートが実に良い味を出している。
France Gall - Polichinelle


⑥Attens ou va t'en(邦題「涙のシャンソン日記」)
 昔ホンダCR-XのCMソングに使われたこともあるこの曲は哀愁舞い散るハーモニカのイントロからセンチメンタルなムードが横溢、2拍子のリズムに乗ってギャルが切々と歌うというまさに絵に描いたような名曲名演だ。そのアレンジの見事さにはもう脱帽するしかない。
France Gall. "Attens ou va t'en"


⑦La guerre des chansons(邦題「シャンソン戦争」)
 フランス・ギャルを舌っ足らずでキュートなだけのカワイコチャン歌手だと誤解している人はこの曲を聴けば彼女のヴォーカルのキメ細やかな表現力を実感できるだろう。オルガンを上手く使ったゲンスブールの器楽アレンジの妙も聴き所だ。
France Gall La guerre des chansons 1966


⑧Pense à moi(邦題「パンス・ア・モア」)
 フランス・ギャルの “裏の顔” とでも言うべき魅力が炸裂しているのがこの曲だ。デイヴ・ブルーベックの「テイク・ファイヴ」を裏返しにした様なこのジャジーなナンバーをも楽々と歌いこなしてしまう懐の深いシンガーがフランス・ギャルなのだ。
France Gall - Pense à moi (1963) (Restaurée)


⑨Jazz à go go(邦題「ジャズ・ア・ゴー・ゴー」)
 「ジャズ・ア・ゴー・ゴー」という曲名からも明らかなようにバリバリのジャズサウンドをバックに堂々たるスキャットを聴かせるフランス・ギャルにビックリ。「夢見るシャンソン人形」と同一人物とは思えないクールなヴォーカルがめちゃくちゃカッコイイ。
FRANCE GALL JAZZ A GO GO (1964)


⑩Boom Boom(邦題「ブーム・ブーム」)
この「ブーム・ブーム」は彼女の数多い隠れ名曲の中でも三指に入る名演で、ジャジーなイントロ、瀟洒なブラッシュ、雰囲気抜群のサックス、そしてアンニュイなギャルの歌声と、ソフィスティケーションの極みとでも言うべきメロウなポップスに仕上がっている。やっぱりフランス・ギャルはエエなぁ...
France Gall - Boom boom

ヘレン・メリルのEP3枚ついにゲット!!! ②

2018-01-03 | Jazz Vocal
 3枚セットで10万円というニンピニン価格を見て “いくら何でもEP3枚でそれはないやろ...” と一旦は諦めたものの、心のどこかに “でもやっぱり欲しいなぁ... 何とかならんかなぁ...” という未練を残していたのも事実。そんな焼け木杭に火がついたのが今から数年前のことで、これらのEPが紙ジャケ3枚組の限定CDボックスで復刻され私は迷うことなく購入したのだが、精巧に復刻された紙ジャケを眺めているうちに “やっぱりコレはオリジナルの本物で手に入れたいなぁ...” という思いが沸々と湧き上がってきた。ドアーズじゃないが、まさにハートに火がついてしまったのだ。
 それからというもの、ネットを駆使してヘレン・メリルのEPを探す日々が始まった。ジャズのEPということでプレス枚数がめちゃくちゃ少なかったせいもあって見つけるのにかなり時間がかかったが、まず最初に手に入れたのが EP-1-6105(What's New / Born To Be Blue収録)で、Discogsでフランスのセラーからわずか €20で購入。盤質はG+ でちょっとヤバイかなとも思ったが一番大事なジャケットは一応VGだし、 “Permanent background noise. Scotch tape along edges. Please ask for details and pictures.” とあったので写真を送ってもらうと全然問題なさそうだったので即買いしたというワケだ。1週間ほどで届いたレコードはテープ跡も特に気にならないし盤質もG+どころかEXレベルで大喜び\(^o^)/  これが€20やなんてホンマにエエんかいな。
Helen Merrill with Quincy Jones Sextet - What's New?


 次に手に入れたのが EP-1-6103(You'd Be So Nice To Come Home To, 'S Wonderful / Don't Explain収録)で、「ユード・ビー・ソー...」が入っているせいか、あるいは身をよじるように歌うヘレンを捉えたジャケ写の風格ゆえか、これはさすがにeBayでビッドが殺到... 不退転の決意で $200つけたところ、何とか $175で手に入れることができた。嬉しいことに届いたレコードは盤もジャケットもNM状態で、ヘレンの魅惑のジャケットを見ながらブラウニーの “スピーカーから勢いよく飛び出す” トランペットを満喫している。Who can wish for more??? (^o^)丿
'S Wonderful- (Helen Merrill)


 3枚セットの中でも最難関と思われるEP-1-6103 をゲットし、いよいよ残すところあと1枚。ターゲットはもちろん EP-1-6104(Yesterdays / Falling In Love With Love)である。ビートルズ各国盤祭りの真っ只中にもかかわらず、私は最後の1枚であるこのEPをトップ・プライオリティー扱いとし、来る日も来る日も探し続けた。その甲斐あってか2ヶ月ほど経ってついにeBayで発見、盤質はVG+ だったがスリーヴの上下共に完全スプリット状態ということもあってジャケット・コンディションはGランクだ。正面から見て問題なければ上下が裂けていようが気にならないので強気の$120で入札したところ、呆気なく$79で落札。半年ほど前に落札された時の値段が $237だったことを考えると笑いが止まらない(^.^)  待てば海路の日和あり、とはこのことだ。
Helen Merrill with Quincy Jones Septet - Falling in Love with Love


 ということで夢にまでみたヘレン・メリルのEP盤3枚セットをようやく手に入れることができてめっちゃ嬉しい。3万円ちょっとで揃えることが出来たので私としては大勝利と言っていい。一昨年あたりから大物狙いに徹して私的垂涎盤を1枚また1枚とゲットしてきたが、果たして今年はどんなレコードに出会えるのか... 日課となったネット・オークション・チェックが楽しみでしようがない今日この頃だ(^.^)

ヘレン・メリルのEP3枚ついにゲット!!! ①

2018-01-01 | Jazz Vocal
 新年あけましておめでとうございます。このブログを始めたのが2008年の10月なので今年でいよいよ10年目に突入ということになるわけですが、何事にも飽きっぽくて長続きしない私が10年も続けてこれたというのはやはり大好きな音楽について書いてきたからだからだと思います。昨年はドイツに始まりフランス、オーストラリア、ニュージーランド、そしてスウェーデンと、ビートルズの各国盤蒐集に明け暮れた1年でしたが、今年は一体どんな1年になるのか、今からとっても楽しみです。まぁ何にハマるにせよ、今年もマイペースで続けていけたらと思いますので、どうぞ宜しくお願い致しますm(__)m

 私はジャズ・ヴォーカルが大好きで、特にハスキー系の女性ヴォーカルには目がない。中でも一番の愛聴盤が「ヘレン・メリルとクリフォード・ブラウン」で、“ニューヨークのため息” と呼ばれるヘレン・メリルのハスキー・ヴォイスに突き抜けるようなクリフォード・ブラウンのトランペット、そしてオシー・ジョンソンの神業ブラッシュ・ワークが愉しめるという、ジャズ・ヴォーカル史上最強の1枚だ。
 全7曲の中で私が断トツに好きなのが「帰ってくれたら嬉しいわ」というこっ恥ずかしい誤訳の邦題(←帰って “きて” くれたら嬉しいのではなく、帰って “いく” のが嬉しいのであって、全くの正反対...)で知られる「ユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ」だ。もちろん曲そのものも大好きなのだが、何と言っても間奏部分でスピーカーから迸り出るクリフォード・ブラウンの歌心溢れるトランペットが最高で、これを全身に浴びたいがためにわざわざレコード・プレイヤーをトーレンスからガラードに買い換えたというぐらいの惚れ込みようなのだ。
 このレコードのもう一つの魅力はそのジャケットで、ヘレン・メリルのドアップにこれまた大写しになったマイクロフォンという構図がインパクト絶大で、眺めているだけで彼女の歌が聞こえてくるようだ。又、バックの鮮やかなブルーも印象的で、ヴィジュアル的にこれほど強烈にジャズを感じさせるヴォーカル・アルバムは他にないのではないかと思う。
Helen Merrill with Clifford Brown / You'd Be So Nice To Come Home To


 この「ヘレン・メリルとクリフォード・ブラウン」、一時期はアナログLPだけでも Big Drummer ロゴの 1stプレス、Small Drummer ロゴの 2nd プレス、そして Mercuryロゴの 3rdプレスの3枚所有していたほどの溺愛盤で(←この 3rdプレスは 1stプレスや 2ndプレスに比べて音が極端に悪かったので中古屋に売りに行ったらたまたま店主が外出中で、バイトの兄チャンが “これ高いヤツですよね!!!” とか言って12,000円で買い取ってくれた... 2,500円ぐらいいけば御の字と思っていたのだが... 一体いくらで店に出したんやろwww)、今でも 1stプレス盤と 2nd プレス盤はレコード棚の特等席に鎮座ましましている。
 そんな私がこの EP盤の存在を知ったのはまだインターネットのイの字も知らずに足繁く大阪京都神戸のレコ屋巡りをしていた頃のことで、大阪日本橋にあった名店 EASTの佐藤さんに見せていただいたのが EP-1-6105 だった。歌唱シーンを別アングルから捉えたジャケット写真はその小さなサイズからは考えられないような圧倒的な存在感を放っており、その魅惑のジャケットを見て私は一目惚れしてしまった。佐藤さんによるとこれはアルバムの音源を3枚の EPに分けてリリースしたうちの1枚で、市場には滅多に出てこない激レア盤なのだという。おいくらですかと訊くと売り物ではないとのことだったので、私はその麗しのジャケットを目に焼き付けてお店を出た。
 それからというもの、行く先々のレコ屋でヘレン・メリルの EP盤を探してはみたものの、関西圏にそんな激レア盤を置いているお店などなかったし、数回に亘る東京遠征でも見つけることができなかった。コレクターズにも、ノスタルジアにも、スリーリーにも、ユニオンにも置いてない...(>_<)  それから何年か経ってインターネットを始め、パソコン画面上で EP盤3枚の存在を確認することはできたものの、3枚セットで10万円(!)という目の玉が飛び出るような高値で取り引きされているのを目の当たりにし、“あぁ、これは自分みたいな貧乏コレクターが手に入れられるような代物じゃないな...” と一旦はギヴアップした。 (つづく)