shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

This is Miki Hirayama / 平山みき

2008-11-23 | 昭和歌謡
 最近平山みきにハマッている。たまたまネットでこの盤を見つけて試聴したのをきっかけに彼女の素晴らしさを再認識し、毎日聴きまくっているのだ。彼女の一番の魅力はその「声」である。決して美声とはいえない。良く言えば「小悪魔ヴォイス」だが、「ニューハーフみたいな声」ともいえる。歌い方もどこか投げやりで感情を込めないスタイルだ。しかし、昭和歌謡、ジャズ、ロック、ディスコと、どんなタイプの曲であっても彼女の一声で一気に「平山みきワールド」に染め上げてしまう。これは凄いことである。ジャンルも性別も違うが、例えるならボブ・ディランのような、圧倒的な存在感を持った個性的なシンガーなのだ。2年前に出たこのCDは、コロムビア、ソニー時代の彼女の代表曲をニュー・アレンジでセルフ・カヴァーしたもので、昔に比べて声が少し低くなったものの逆に歌は巧くなった感じ、まさに円熟のヴォーカルを聴かせてくれる。弘田三枝子に感じが少し似ているといえるかもしれない。このCDの1曲目を飾る彼女の代表曲①「真夏の出来事」、私が持っているだけでも6ヴァージョン(!)存在するのだが、この盤のテイクがダントツに素晴らしい。何と山下達郎みたいなアカペラ・コーラスのみをバックに無伴奏で歌っているのだ!その見事な歌いっぷりとテンポのいいコーラス・アレンジに思わず聴き惚れてしまう。これが「音楽のちから」というものだろう。彼女のデビュー曲③「ビューティフル・ヨコハマ」では、まるでスティングの「ブルー・タートルの夢」を思わせるようなジャジーな演奏をバックにスイングするミキティーがカッコ良すぎ!!! 彼女の歌の上手さが際立つヴァージョンに仕上がっている。④「マンダリンパレス」もジャジーな歌と演奏で、中森明菜みたいな打ち込みサウンドだったオリジナル・ヴァージョンよりも断然こっちの方が好きだ。そして①と並ぶ私的ベスト・トラックが⑥「恋のダウンタウン」。まるでボニー・タイラーの「ヒーロー」が憑依したかのような疾走感がたまらないバリバリのガールズ・ロックだ。一転、肩の力の抜けた歌い方とリラクセイション溢れる軽快な演奏が極上の雰囲気を醸し出す⑦「黄昏のビギン」もたまらない。とにかく歌、演奏、バックコーラスと、どれをとっても文句のつけようのないくらいカッコ良いこのアルバム、ミキティー入門に最適の1枚だ。

真夏の出来事

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