shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ケネディセンター名誉賞受賞 トリビュート・パフォーマンス ~めっちゃ感動的な「天国への階段」~

2012-12-30 | Led Zeppelin
 「祭典の日」をリリースしたばかりのレッド・ゼッペリンが先日、 “アメリカの文化向上に貢献した” としてケネディ・センター名誉賞を受賞した。イギリスならさしずめナイトの称号、日本なら文化勲章に相当するもので、2年前にはポール・マッカートニーも受賞した名誉ある賞である。12月2日にホワイトハウスで開催された祝賀セレモニーには3人揃ってタキシードに蝶ネクタイという姿で出席、彼らのファンでもあるオバマ大統領からその偉業を称えられた。 YouTube にその時の大統領のスピーチがアップされているのでちょっとご紹介;
 “彼らはロックンロールのライフスタイルを再定義しました。ビデオはありませんが、昔は行く先々でホテルの部屋をメチャクチャに破壊して騒ぎを起こしていたそうです。ですからホワイトハウスのこの部屋は今日の式典を行うのにピッタリでしょう。窓ガラスは厚さ3インチですし、シークレット・サービスも大勢いますからね。[ツェッペリンのメンバー達に向かって] そういうことだから君たち、大人しくしているように...(笑)。ここの絵は高いんだよ。ハハハハ...”
どーです、中々面白いでしょ? この人、ホンマにスピーチ上手いわ...
OBAMA POKES FUN AT ZEPPELIN'S PAST PARTYING LIFESTYLE


 これに先立って同センターで行われた授賞式ではアンとナンシーのウィルソン姉妹が「天国への階段」をトリビュート演奏、リード・ギターがシェイン・フォンテインでドラムスは何とあのジェイソン・ボーナムだ!!! 彼女らはレッド・ゼッペリンの大ファンで、これまで「階段」を始め「ロックンロール」や「移民の歌」などのゼップ・ナンバーをカヴァーしてきているのだが、本家ゼッペリンのメンバーを前にしての演奏は感無量だったに違いない。
KENNEDY CENTER HONORS HEART LED ZEPPELIN TOUGH STAIRWAY TASK, TONIGHT


 ステージはアン&ナンシー姉妹にオーケストラ、聖歌隊まで加わっての超豪華版。更に後半の大盛り上がりのパートでステージ後部からコーラス隊が現れて大合唱という演出が圧巻だ。終始にこやかな表情でステージを見つめていたジミーやジョーンジーもこれには大喜びで、プラントの目は潤んでいるようにも見える。
 とにかくプラントでなくてもコレを見て感涙しないゼップ・ファンはいないのではないか? 私なんかこの2日間でもう20回ぐらい見ているが(←アップされてわずか3日で何と150万回再生です!)、何度見ても感動でウルウルきてしまう(≧▽≦)  私の知る限り史上最高の「階段」カヴァーである。一年の最後にこんなエエもん見れてホンマに幸せだ。
Heart - Stairway to Heaven Led Zeppelin - Kennedy Center Honors


ということで今年のエントリーはこれにて終了。1年間お付き合いいただいた皆さん、どうもありがとうございました。良いお年をお迎えください(^.^)
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Reunion Collection DVD / Led Zeppelin (Pt. 2)

2012-12-28 | Led Zeppelin
(2) Atlantic Records 40th Anniversary [05/14/1988]
 ①Kashmir
 ②Heartbreaker
 ③Whole Lotta Love
 ④Misty Mountain Hop
 ⑤Stairway To Heaven
 ライヴ・エイドから3年後の1988年にアトランティック・レコードの40周年を祝うコンサートがニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで開かれたのだが、一番の目玉は当然レッド・ゼッペリンの再々結成(?)だ。今回はボンゾの息子、ジェイソン・ボーナムがドラムスを担当、父親譲りのパワフルなプレイでジョーンジーと共に曲のグルーヴを根底から支えおり、ドラマーの人選ミスで不満の残る出来だったライヴ・エイドの時よりも遥かに “レッド・ゼッペリンを感じさせる” 演奏になっている。
 プラントも前回より調子が良さそうで、1曲目の「カシミール」で歌詞を忘れたのか歌ってるふりしてるけど声が聞こえない所があったり(←3分20秒あたり)4曲目の「ミスティ・マウンテン・ホップ」で歌の出だしを間違えたり(←1分13秒あたり)とか細かいミスはあるものの、その堂々たる歌いっぷりはスーパースターのオーラがみなぎっている。
 ペイジのギター・ワークは結構ヘロヘロで、そのたどたどしい指の動きはファンである自分が見てもちょっとビックリだったが、それでも腐っても鯛と言うべきか(←失礼!)、その音色・フレージングには聴き手を惹きつける独特な味わいがあり、音楽というのはテクニックだけで測れるものじゃないということを改めて実感させられた。更に私が弱いのはギブソンのダブルネックを弾くその姿で、仮に弾いているのが「禁じられた遊び」であっても(←弾くかそんなもん!)ファンとしてはフニャフニャと腰砕け状態になってしまう。
 日本ではまたまたフジテレビで放送されたのだが、さすがに苦情が殺到した前回のライヴ・エイド特番で懲りたのか、実際に現地で見てきた音楽評論家の福田一郎氏の解説で結構マトモな番組になっており、今回は落ち着いて見ることが出来た。ミーハー丸出しの長野智子アナも微笑ましかったな...(^.^)
Atlantic Records 40th Anniversary - Led Zeppelin - Kashmir

Led Zeppelin- Atlantic Anniversary 40th Heartbreaker / Whole Lotta Love 1988 HQ 3D

Led Zeppelin - Misty Mountain Hop (Live)

Led Zeppelin - Stairway To Heaven - Atlantic Records 1988


(3)Rock And Roll Hall Of Fame [01/12/1995]
 ①Bring It On Home
 ②Long Distance Call Blues
 ③Baby Please Don't Go
 ④When The Levee Breaks / For What It's Worth
 1995年にマンハッタンにある超高級ホテル、ウォルドルフ・アストリアで行われた “ロックの殿堂” 式典で彼らは3度目の再結成。「ブリング・イット・オン・ホーム」や「ホェン・ザ・レヴィー・ブレイクス」といった渋~いナンバーが選ばれているのだが、どちらも私の超愛聴曲なのでこの選曲はめちゃくちゃ嬉しい。ホスト役のスティーヴン・タイラー&ジョー・ペリー(←こいつらのスピーチ、めっちゃオモロイわ...)や同じ年に殿堂入りしたニール・ヤングとの共演ということで、他流試合でみっともないところは見せられないと気合いが入ったのか、かなりカッチリとまとまった演奏になっている。
 中でもプラントは絶好調で、「ブリング・イット・オン・ホーム」ではスティーヴン・タイラーのお株を奪うかのようにクルクル回るパフォーマンスを披露(←1分10秒あたり)するなどもうノリノリである。又、ライヴ・エイドやアトランティック40thではほとんど目立ってなかったジョーンジーが結構映っているのにも注目だ。そういえば当時活動中だったペイジ&プラントのプロジェクトに声が掛からなかったことに対し、受賞スピーチでにこやかに “やっと電話番号を思い出してくれた友人たちに感謝したい。” とやんわり皮肉っていたのが笑えた。
カッコイイ煽りVTRとエアロの面白スピーチ

メンバーの受賞スピーチ

Led Zeppelin and Aerosmith - Bring It On Home - Rare Rock n Roll Hall Of Fame Performance - HD

Led Zeppelin perform Rock and Roll Hall of Fame inductions 1995

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Reunion Collection DVD / Led Zeppelin (Pt. 1)

2012-12-26 | Led Zeppelin
 今年も残すところあとわずか... 2012年を振り返ってみると相も変わらずCD、LP、DVDを買いまくった1年だったが、そんな中で私にとっての “今年のベスト・バイ” は文句なしにレッド・ゼッペリンの再結成ステージの模様を収録した「セレブレイション・デイ」である。ちょうど11月の3連休の頃に届いたのだが、それ以来DVDもCDもスーパーウルトラヘビーローテーション状態だ。
 レッド・ゼッペリンはジョン・ボーナムの死により1980年に解散し2007年にロンドンのO2アリーナで奇跡の復活を遂げるまで計3回再結成している。ということで「セレブレイション・デイ」に行く前に、まずは解散してからこの記念すべき “祭典の日” に至る3回のステージを簡単に振り返ってみたい。

(1)Live Aid [07/13/1985]
 ①Rock And Roll
 ②Whole Lotta Love
 ③Stairway To Heaven
 “80年代のウッドストック” と呼ばれた大イベントであるライヴ・エイドの見所の一つが5年ぶりに再結成したレッド・ゼッペリンのステージだった。YouTube のなかった当時はテレビで好きなバンドのライヴ映像を見れるだけでも大喜びで、ギブソンのダブルネック・ギターで「天国への階段」を奏でるペイジは何度見てもカッコエエなぁ...(^o^)丿と大コーフンしながらブラウン管にかじりついて見たのを今でもハッキリと覚えている。
 まぁ私にとっては同じステージにペイジとプラントが立っている... というだけで大感激だったのだが、フィル・コリンズとトニー・トンプソンのツイン・ドラムス勢はバカスカ叩きまくるだけで曲を全く理解しておらずゼッペリン独特のグルーヴが全く感じられなかったのが玉にキズで、特に「ホール・ロッタ・ラヴ」なんかペイジはかなり弾きづらそうに見えた。ペイジとプラントの息もイマイチ合っておらず、ライヴ・エイドへの参加が決まったのが本番1週間前ということもあって、リハーサル不足が響いたのだろう。
 実際、後になってプラントは “リハ不足で俺は声が出なかった。生涯最悪のパフォーマンスだった。” と嘆いていたし、ジョーンジーも “俺たちの曲を知らないドラマーと演ってしまった...” と後悔しており、彼らはこの再結成を完全な失敗と見なしていたようだ。「ライヴ・エイド」のオフィシャルDVDにゼッペリンのステージが収録されていないのはそのせいだろう。
 このライヴは日本ではフジテレビが中継したのだが、ゲストが入れ代わり立ち代わり登場してぺちゃくちゃ喋りまくるという深夜のヴァラエティー番組みたいなアホバカ演出(←進行役の南こうせつも鬱陶しかった...)のせいで肝心のステージがコマ切れ状態で放送されるわ、何の関係もないJ-ロック・アーティストのスタジオ・ライヴが挿入されるわで、テレビを見ながらめちゃくちゃ腹が立ったのを覚えている。同時通訳も素人同然で、フィル・コリンズによるメンバー紹介を “ロバート・パワーズとジョン・トンプソンです!” (←誰やそれ???)とはホンマに情けない。せめてメンバーの名前ぐらい知ってる奴雇えよ... と呆れたものだったし、ステージに出てきていきなり “ちょっと休憩したいと思います...” にもクソワロタ。本当は “モニターちゃんとセットアップする間ちょっと待っててね...” って言ってるのだが...(>_<) そういえばF1地上波放送も一時期ホンマに酷かったし、フジテレビのプロデューサーってアホばっかりなんか??? こういう世界的なイベントは小賢しい策を弄さずにコンテンツそのものをそのままストレートに放送してほしかった。 (つづく)
Led Zeppelin - Rock And Roll - Live Aid - 07/13/1985

Led Zeppelin - Whole Lotta Love - Live Aid 7/13/1985 (HQ Audio & Video)

Led Zeppelin Live Aid 1985 3 Stairway to Heaven Stereo
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A Twisted Christmas / Twisted Sister

2012-12-23 | Hard Rock
 クリスマスにはクリスマス・ソングを取り上げるのが音楽ブログのお約束である(←ホンマかいな?)。基本的にヒネリの効いたカヴァーが大好きな私はこれまでもその時々の気分で “ビートルズ風クリスマス” や “ラモーンズ風クリスマス” といったアルバムを取り上げてきたので、今年はヘドバンにピッタリのメタルなクリスマス・アルバムでいってみよう。
 トゥイステッド・シスターといえばハードロック好きでなくても MTV 世代の80's洋楽ファンなら “懐かしい~(≧▽≦)” と思い出す人も少なくないと思うが、そのノーテンキなまでの明るくキャッチーなメロディーは鼻歌で歌えそうな親しみやすさで、 “重厚なヘビメタ” というよりはむしろ “元気が出るロックンロール” と言った方がいいかも。ともすれば、ケバケバしいメイク(←ダンプカーに轢かれた南斗紅鶴拳のユダみたい...)とド派手な衣装のインパクトが強烈な超個性派ヴォーカリスト、ディー・スナイダーが髪を振り乱して大暴れ... というキワモノ的なイメージが先行しがちなバンドだが、見た目とは裏腹にサウンド面ではアメリカン・ハードロックの王道を行く正統派で、何よりも曲が良いのが彼らの強みだろう。例えるなら “ニューヨーク・ドールズっぽい雰囲気でスレイドみたいな大騒ぎ系ロックンロールをブチかますバンド” といった感じか。
 そんな彼らの代表曲と言えば1984年のスマッシュ・ヒット「ウィアー・ノット・ゴナ・テイク・イット」にトドメを刺す。この曲は何と言ってもプロモ・ビデオが最高で、父親が息子に説教するシーンがメチャクチャ面白い。ちょっと書き出してみると...
 All right Mister, what do you think you're doing? オマエ、自分が何をやっていると思ってるんだ?
 You call this a room? This is a pigsty!     これが部屋と呼べるのか? ブタ小屋だ!
 I want you to straighten up this area now! 今すぐこの場所を片付けろ!
 You are a disgusting slub!         オマエはクソ野郎だ!
 Stand up straight, tuck in that shirt     まっすぐ立て、シャツを入れろ
 Adjust that belt buckle, tie those shoes!  ベルトを締めて、靴の紐を結べ!
 Twisted Sister? What is THAT?       トゥイステッドシスター? 何だこりゃ?
 Wipe that smile off your face        ヘラヘラ笑うのをやめろ
 Do you understand?            分かってるのか!
 What is that?               何なんだ?
 A twisted siter pin on your uniform! その制服につけてるトゥイステッド・シスター・ピンは!
 What kind of a man are you?        オマエは一体どういう人間なんだ?
 You're worthless and weak          オマエは役立たずの腰抜けだ
 You're doing nothin', you're nothin'      オマエは何もせず、ただのろくでなしで
 You sit in here all day             ここに一日中座って
 and play that sick repulsive electric twanger. その胸クソ悪いエレキギターを弾いてるんだ
 I carried an M-16              俺が手にしていたのはM-16銃だったが
 and you, you carry that, that, that guitar!オマエときたら、ギターばかり弾いてるじゃないか!
 Who are you? Where do you come from?   オマエは誰だ? どこから来たんだ?
 Are you listening to me?           聞いているのか?
 What do you want to do with your life?    オマエは人生で一体何がしたいんだ?
 I wanna rock!                 ロックだ!
とまぁこういうやり取りなのだが、このベタなコントみたいなシーンはホンマに何回見てもオモロイわ(^.^)  曲の方もクワイエット・ライオットのスレイド・カヴァー「カモン・フィール・ザ・ノイズ」を想わせるイントロのドラムから一気に突っ走るノリノリのロックンロールで、思わず一緒に大合唱したくなるサビの盛り上がりは最高だ。
We're Not Gonna Take It [Extended Version]


 彼らはその後ヒット曲に恵まれず1987年に解散してしまうのだが、21世紀に入って再結成し2006年にリリースしたのがこのクリスマス・アルバムで、タイトルもズバリ「トゥイステッド・クリスマス」ときたもんだ。これは1988年にボブ・リヴァースが出したクリスマス・パロディー・アルバムのタイトルをそのままパクッたもので、アルバム・タイトルだけでなく “有名なクリスマス・ソングを○○風アレンジで” というコンセプトもそっくりだ。
 全10曲の中で私が一番気に入っているのが②「オー・カム・オール・ヤ・フェイスフル」で、何とメロディーからリフ、そしてギター・ソロに至るまで上の「ウィアー・ノット・ゴナ・テイク・イット」そのまんま(゜o゜)  80's洋楽ファンならこの “ほとんど替え歌状態” アレンジのセルフ・パロディーにニヤリとさせられること間違いなしだ。彼らの最大の魅力は大合唱したくなるようなサビのコーラスの掛け合いにあると思うので、そういう意味でも合唱系クリスマス・ソングとは相性が良いのだろう。
 そしトゥイステッド・シスターで忘れてならないのがプロモ・ビデオだ。今回登場するのは “父と子” ではなくて “新婚カップル” なのだが、この二人のやり取りがもうめちゃくちゃ笑えるのだ。
 Merry first christmas, dear         2人で迎える初めてのクリスマスね
 Oh! Coaster...              あっ、それはコースターに...
 A gift! How thoughtful of you!       プレゼント? まぁ、何て優しい人なの!
 Tuck in your shirt, dear          シャツはちゃんと入れてね
 Fix your tie               ネクタイも直して、と
 A Twisted Christmas?           トゥイステッド・クリスマス?
 You call this a present?          これがプレゼントだって言うの?
 What is that?               何なの、これ?
 Well, wipe that smile off your face    ヘラヘラ笑うのやめてちょうだい!
 Who are you?             あなたは何なの?
 Where do you come from?       どこから来たのよ?
 Are you listening to me?        ちゃんと聞いてる?
 What kind of a man are you anyway?  一体何て人なの?
もうお気付きのように、女性のセリフは「We're Not Gonna Take It」ビデオに出てくる父親のセリフの見事なパロディーになっており、私なんか本編の曲よりもこのシーン目当てで YouTube を見てしまうほどだ。こういうユーモアのセンス、ホンマに好っきゃわぁ...(^.^) 
Twisted Sister - "Oh Come All Ye Faithful"


 この②以外にも、“Ho ho ho, let's go!” という掛け声で一気に盛り上がるラモーンズ風①「ハヴ・ユアセルフ・ア・メリー・リトル・クリスマス」、サンタさんやトナカイさんもヘッドバンギングしそうな③「ホワイト・クリスマス」、 AC/DC の「プロブレム・チャイルド」そっくりなリフの波状攻撃が快感を呼ぶ⑤「シルヴァー・ベルズ」(←続編ビデオも笑えます...)、ジューダス・プリーストばりのヘヴィーなリフがメロディーと絶妙なマッチングを見せる⑥「ママがサンタにキッスした」、シン・リジィみたいなノリでガンガン突っ走るストレートアヘッドなロックンロール⑦「レット・イット・スノー、レット・イット・スノー、レット・イット・スノー」と、ハードロック好きにはたまらない内容になっている。メル・トーメやナット・キング・コールが聞いたら腰を抜かしそうな80'sメタル版⑨「ザ・クリスマス・ソング」にも大爆笑(^o^)丿  誰もが知っているクリスマス・ソングの数々が見事なメタル・アレンジを施されてノリノリのロック・ナンバーとして転生し、“トゥイステッド・シスターの曲” に昇華されているところが凄いのだ。それにしてもこのバンド、20年経っても芸風全然変わってへんなぁ...(^.^)

Twisted Sister - White Christmas

Twisted Sister - I Saw Mommy Kissing Santa Claus

Twisted Sister - Silver Bells
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Live At River Plate / AC/DC

2012-12-18 | Hard Rock
 私は新譜情報にめちゃくちゃ疎いので、好きなアーティストのアルバムが出ているのを全く知らずにネットで偶然見つけて “うわー、こんなん出てたんや...(゜o゜)” とビックリすることが少なくない。この前も USアマゾンのトップ・ページを開くと、いきなり真っ赤な AC/DC のロゴと頭に角を立てるポーズをするアンガス・ヤングの雄姿が目に飛び込んできた。 AC/DC がニュー・アルバムを出しとったんか... それもライヴ・アルバムとは... これはエライコッチャである。これを聴かずして年は越せない(←何でやねん!)、ということで私は即、買いを決めた。
 この「ライヴ・アット・リヴァー・プレート」は2009年のワールド・ツアーの中から3日間で20万人を動員したアルゼンチンのブエノスアイレス公演の模様を収録したもので、彼らにとっては1992年の「ライヴ」以来20年ぶりのライヴ・アルバムということになる。全19曲中、この前作ライヴとは収録曲が13曲かぶっているのだが(←何十年経とうがライヴ定番曲は絶対に外せへんもんね...)、様々な公演の中からベスト・テイクを寄せ集めて1曲1曲がフェイドイン・フェイドアウトという独立した形で編集されていた前作が “ライヴ音源によるベスト盤” 的色彩が強かったのに対し、今回の盤は一公演丸ごと収録という形を取っており、ライヴの熱気をそのまま真空パックしたような感じで臨場感がハンパない。やはりライヴ盤はこうでなくっちゃ(^o^)丿
 AC/DCの曲は基本的に全部好きだが、ディスク1で特に気に入っているのが70's AC/DC屈指の名曲⑤「ダーティ・ディーズ・ダン・ダート・チープ」だ。私がこの曲を初めて聞いたのはジョーン・ジェットによるカヴァーでそれもかなりカッコ良かったが、さすがに本家のノリは凄まじい。キャッチーなサビに合わせて “ダン、ダッ、チー♪” と口ずさんでしまうこの曲はライヴで異様に盛り上がる定番曲だ。
AC/DC - Dirty Deeds Done Dirt Cheap [HD] Live at River Plate (Argentina)


 高揚感を煽るように切っ先鋭く切り込んでくるギターがインパクト絶大なあのイントロだけで大歓声が沸き起こる⑦「サンダーストラック」もめっちゃ好き。この曲はロックのプリミティヴな初期衝動を強烈に感じさせる問答無用のヘッドバンギング・ソングで、その圧倒的なグルーヴ感がめちゃくちゃ気持ちいい(^_^) コーラスに合わせて “サンダー!!!” と叫びながら拳を突き上げたくなる(?)のは私だけではないだろう。
ACDC - Thunderstruck - Live At River Plate [HD] Legendado


 ディスク2ではまず何といっても④「ユー・シュック・ミー・オール・ナイト・ロング」である。さすがは南米の国だけあってオーディエンスの熱狂ぶりは凄まじく、スタジアムを埋め尽くした大観衆がサビを大合唱しながらうねりまくる様は筆舌に尽くしがたい。曲のグルーヴを根底から支えるフィル・ラッドの堅実にしてツボを心得たドラミングはアンガスのリフとの相性も抜群で、彼こそがAC/DCの骨太サウンドの影の立役者なのだと改めて実感させられる。セット・リストの曲のほとんどがフィル・ラッド在籍時のものというのも偶然ではないだろう。
AC/DC - You Shook Me All Night Long [HD] Live at River Plate (Argentina)


 そしてそんな④に負けず劣らず凄いのが⑥「ホール・ロッタ・ロジー」だ。イントロの “デケデ デケデケ♪ アンガス!” というお約束のアンガス・コールからノリノリで疾走するこの曲のカッコ良さを何と表現しよう? とにかくこの骨太なリフ、最高ではないか! この1曲にロックンロールの様々なエッセンスが凝縮されていると言っても過言ではないだろう。ロックンロール・トレインにまたがった巨大なバルーンのロジーが登場するというド派手な演出に煽られて会場のボルテージもまさに最高潮(^o^)丿 リフの鬼神、アンガス・ヤングの真骨頂が思う存分堪能できるスリリングなナンバーだ。
AC/DC - Whole Lotta Rosie [HD] Live at River Plate (Argentina)


 いよいよコンサートも佳境に入り、⑧「ハイウェイ・トゥ・ヘル」のあの耳慣れたギター・リフが響き渡ると同時に湧き起る大歓声... そして7万人の大合唱だ。この異様なまでの盛り上がりはあの伝説のドニントン・ライヴさえも凌駕しているように思う。とにかく理屈抜きに身体が揺れる原始的なタテノリ・グルーヴが圧巻だ。やっぱりAC/DCはエエのう... (≧▽≦)
AC - DC- Highway To Hell- Live At River Plate HD 2009


夜のアルバム / 八代亜紀

2012-12-13 | Jazz Vocal
 今日は久々に八代亜紀だ。今年の夏は音壁→さらシベ→小林旭→坂本冬ミン→八代亜紀という流れで一時期演歌ブログ化していたのだが、そんな彼女がこの10月にリリースしたばかりの本格的なジャズ・アルバムがこの「夜のアルバム」である。「八代亜紀と素敵な紳士の音楽会 ~LIVE IN QUEST~」のところでも書いたように、彼女はそのルーツにブルースやジャズが混じっているせいもあって有象無象の正統派演歌歌手とは激しく一線を画す存在で、その唯一無比なハスキー・ヴォイスはまさにジャズ・ヴォーカルにうってつけなので、こういう企画は私としては大歓迎(^o^)丿 CD発売前から YouTube にアップされた「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を聴いて大いに盛り上がっていたのだが、一つだけ引っ掛かることがあった。プロデューサーがよりにもよって私の大キライな小西康陽なのだ。八代亜紀の大ファンである私にとってコレは由々しき問題である。
 森丘祥子タンの「夢逢え」の時にも彼の事をボロクソに書いたが、とにかく私は彼の作るピント外れで押しつけがましいサウンドが生理的に無理。音楽ファンなら誰でも “こいつの作る音はどうしても好きになれへんな...” というプロデューサーが一人や二人はいると思うが、私の場合は彼がまさにその天敵なのであり、よりにもよって亜紀姐さんのアルバムに関わっているとは...(>_<)  ということで私は期待半分不安半分の複雑な気持ちでこのCDを購入した。
 まず目を引くのはそのジャケットだ。中央に大きく写った真空管マイクといい、右上に配された EmArcy のドラマー・ロゴといい、ジャズ・ヴァーカル史上屈指の大名盤「ヘレン・メリル・ウィズ・クリフォード・ブラウン」のパロディーであることは一目瞭然である。モノクロのジャケットというのも強烈にジャズを感じさせるし、女囚さそりみたいな表情(?)で佇む姐さんも雰囲気抜群だ。ただ、ここまでやるならヘレン・メリルみたいに苦悶の表情を浮かべて大口を開けて歌っている姿をフィーチャーして欲しかったところ。めっちゃ絵になると思うねんけどなぁ...
 アルバムの1曲目を飾るのは①「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」だ。ジャズ・スタンダードの中で一番の得意曲をトップに持ってきたわけだが、彼女がこれまで歌い慣れてきたジュリー・ロンドン・ヴァージョンの高速アレンジとは趣きをガラリと変え、テンポをグッと落としてダブルベースとフィンガースナップをバックに渋~い歌声を聴かせてくれる。コレ、めちゃくちゃカッコエエわ(^o^)丿 ブルージーな味わいを醸し出すハスキー・ヴォイスが曲にバッチリ合っているし、演歌歌手とは思えない抜群のリズム感にも唸ってしまう。ただ、0分45秒から彼女のヴォーカルに覆いかぶさるようにまとわりついてくるアルト、いくら何でも歌伴でこの入り方はないわ(>_<) ハッキリ言って邪魔である。間奏のアルト・ソロまで待てんかったんか...
八代亜紀 - フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン (short clip)


 この後は②「クライ・ミー・ア・リヴァー」、③「ジャニー・ギター」、④「五木の子守唄~いそしぎ」、⑤「サマータイム」、⑥「枯葉」と暗~い雰囲気のスロー曲が続くのだが、いくら「夜のアルバム」というタイトルでも、こんなネクラな曲を立て続けに5曲も聴かされたらウンザリしてしまう。以前音聴き会G3で「ラウンド・ミッドナイト」の名演を探せ!と題して各自持ち寄った音源を9曲連続で聴いてゲンナリした覚えがあるのだが、まさにあの時と同じような感覚だ。とにかく一体何なん、この単調な流れは??? いっその事、お香でもたいてチーンと鐘でも鳴らしたろかと思ってしまうようなアホバカ選曲配列だ。
 おそらくジュリー・ロンドンの代表曲②、ペギー・リーの代表曲③、更にヘレン・メリルの「シングス・フォーク」に入ってた「五木の子守唄」と松尾和子の「夜のためいき」(←アルバム・コンセプトの元ネタか???)の1曲目に入ってた「いししぎ」のメロディーが何となく似てるから強引にくっつけてメドレー④に仕立て上げ(←取って付けた様なイントロとアウトロの安っぽいストリングス・アレンジが最悪...)、後は超有名スタンダードの⑤⑥と並べてA面一丁上がり、という感じなのかもしれないが、もしそうだとしたら小西はリスナーをナメてるとしか思えない。亜紀姐さんの出来が良いだけにプロデューサーの人選ミスが本当に悔やまれる。
 しかし、ジュリー・ロンドンの「ラテン・イン・ア・サテン・ムード」に入っていた隠れ名曲⑦「スウェイ」でこのアルバムは一気に生気を取り戻す。八代亜紀とラテンっていうのも意外な組み合わせだが、これがもう相性抜群でめっちゃエエ感じなのだ。まぁ彼女はマーティ・フリードマンとヘビメタ共演してしまうほどの懐の深さを持った偉大なシンガーなのだから驚くにはあたらないのかもしれないが、それにしてもコンガをフィーチャーしたバックの演奏にのってしなやかにスイングする姐さんは最高にクールでカッコイイ(^o^)丿


 ⑦と並ぶ最愛聴トラックがりりィのカヴァー⑧「私は泣いています」だ。アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズやホレス・シルバー・クインテットのような往年のファンキー・ジャズを想わせるイントロ、ドスドスと大股で切り込んでくる剛音ベース、絶妙なタイミングでヴォーカルに絡みつくオブリガートと、まさにいいことずくめの1曲なのだ。彼女のヴォーカルも強烈にスイングしており、これが八代亜紀のジャズだ!と啖呵の一つでも切りたくなるようなキラー・チューンになっている。ジャズ・ファンは陰々滅々たるスロー曲を飛ばして①→⑦→⑧の順で聴くと幸せな気分になれること請け合いだ。


 ⑨「ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー」は小西お得意のサバービアなアレンジが鼻につくが、この昭和歌謡屈指の名曲を水を得た魚のようにスイングさせる姐さんのヴォーカルが痛快だ。青江三奈のアルバム「グッド・ナイト」収録ヴァージョンとのハスキー比べも楽しい。⑩「再会」はさっき書いたようにアルバム・コンセプトを拝借した松尾和子へのオマージュだろう。ところで今気付いたのだが、B面(?)に入って昭和歌謡の名曲が続くのは由紀さおり&ピンク・マルティーニの「1969」を意識してのことだろうか? 笠井紀美子のボッサ歌謡⑪「ただそれだけのこと」は完全に換骨奪胎され、グルーヴ感溢れる “八代亜紀のジャズ” になっているところがいい。聴く者の心にビンビン響くその歌声はまさに “ザ・ワン・アンド・オンリー” だ。そして“歌謡サイド(?)” のシメは何故か⑫「虹の彼方に」という、最後まで迷走しまくりの選曲だが、そんなハンデをものともせずに貫禄のヴォーカルを聴かせる姐さんはもうさすがという他ない。
 今回のアルバムは私にとって愛憎相半ばする1枚になってしまったが、次は是非ともジャズ・ヴォーカルの何たるかを熟知したマトモなプロデューサー / アレンジャーを起用して “本物の” ジャズ・ヴォーカル・アルバムを作って欲しい。ニューヨーク録音で、本場のクリスプなピアノトリオをバックに縦横無尽にスイングする八代亜紀を聴いてみたいものだ。
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ジョン・レノンのギター・ソロ名演特集

2012-12-08 | The Beatles
 ジョージのスライド・ギター名演特集に続いて今日はギタリストとしてのジョン・レノンに注目、よく引き合いに出される「オール・マイ・ラヴィング」の三連符カッティングを始めとするリズム・ギターではなく(←ひねくれ者!)、数少ないながらも印象的なギター・ソロの中から名演をピックアップしてみました。

①Get Back
 私がまだビートルズ初心者だった頃、初めてルーフトップ・セッションの映像を見た時に “何でジョンがリードでジョージがリズム・ギターなんやろ???” と不思議に思ったものだった。 “トゥイッケンナム・スタジオでのリハーサルでジョージがブチ切れてスタジオを出て行ってしまい、ジョージ不在のままジョンがリード・ギターを弾いてこの曲のプリプロダクションを進めたために、ジョージが復帰してからもジョンがリード・ギターを担当しジョージはサイドにまわった” というのが事の顛末らしいのだが、後にジョンはインタビューで “ポールはA面の大部分を自分が取ってしまって申し訳なく思ってソロをくれたんだ。” と言っている。まあどちらにしろ、そういった偶然がすべてプラスに働くのがビートルズの凄いところで、ジョンのドライヴ感溢れるソロといい、ジョージの正確無比なストロークといい、まさに後期ビートルズを代表するロックンロール・ナンバーである。
Get Back (''Let It Be Sessions'' [Reprise]) - The Beatles

The Beatles - Rooftop Concert 1969 (Part 1/2)


②The End
 私にとって「アビー・ロード」最大の聴き所は「ジ・エンド」における3人のギター・ソロ回しに尽きると言っても過言ではない。以前このブログでもソロの順番に関して色んな角度から考察したが、やはり “ポール→ジョージ→ジョンの順で3回” と考えるのが妥当だろう。オーソドックスなフレーズをアグレッシヴにキメるポール、滑らかなチョーキングがめちゃくちゃカッコ良いジョージ、リズム・ギター的解釈の荒々しいプレイが圧巻のジョンと、まさに三者三様の面白さなのだが、B面の大半を占めるシンフォニックな流れの最後にこのギター・バトルを配したところに彼らのロックンロール・バンドとしての意地を見る思いがする。
Rock Band : The Beatles - The End Expert Guitar 100% FC


③And Your Bird Can Sing
 「リヴォルヴァー」は加速度級数的に洗練の度合いを高めていくポールとサイケ路線まっしぐらで不気味なくらい生々しい歌声を聴かせるジョンという対比の構図で二人の天才が実にユニークな音世界を作り出しているアルバムだが、この「アンド・ユア・バード・キャン・シング」もポールの「グッド・デイ・サンシャイン」と「フォー・ノー・ワン」に挟まれながら圧倒的な存在感を誇っている。特にジョンとジョージのギラギラしたツイン・リード・ギターはいつ聴いてもゾクゾクさせられるカッコ良さだ。
The Beatles Rock Band And Your Bird Can Sing Outfit #2 (Budokan)


④Yer Blues
 「ホワイト・アルバム」収録のこの「ヤー・ブルース」は歪んだ音でのたうち回るように唸りを上げる荒々しいギター・ソロが “淋しくてもう死んでしまいたい!” という苦悶の歌詞に拍車をかけ、ブルージーな苦しみを巧く演出している。まさに “フィーリング一発!” を身上とするジョンならではのプレイと言えるだろう。尚、この曲はエリック・クラプトンをフィーチャーした「ロックンロール・サーカス」(←キース・リチャーズがベース弾いてます...)や「ライヴ・ピース・イン・トロント'69」でもやっているので聴き比べてみるのも一興だ。
The Beatles - Yer Blues (2009 Stereo Remaster)

Old Clapton rare with John & Mike old joke


⑤For You Blue
 スライド・ギターはソロになってからのジョージの十八番だが、この曲でジョンはラップ・スティール・ギター(←膝の上に乗せてスライド・バーで弦を押さえて弾くタイプのギターのこと)を使ってブルージーな伴奏を付けており、味わい深いプレイでこの曲に絶妙な彩りを添えている。間奏部分でジョージが “エルモア・ジェイムズ(←50年代に活躍したブルース・ギタリストでスライド・ギターの名手)のコピーじゃないぜ” と笑いながら歌うなど、リラックスした雰囲気が伝わってきてゆったり気分で楽しめるところがいい。因みに私はこのラップ・スティール・ギターというものを映画「レット・イット・ビー」で初めて見て興味を持ち、万年筆を使って(笑)ビートルズ好きの友達とよく “フォー・ユー・ブルーごっこ” をして遊んだものだ。
The Beatles - For You Blue(subtitulado al espaool)

Elmore James - Shake Your Money Maker (with lyrics)
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ジョージ・ハリスンのスライド・ギター隠れ名演特集

2012-12-04 | George・Ringo
 今日も前回に引き続き、ジョージ・ハリスンのゲスト参加作品の中から個人的に愛聴している隠れ名演を選りすぐってご紹介します。

①Theme For Something Really Important / Duane Eddy
 グゥイ~ンと深くリヴァーヴをかけた独特の低音が魅力の “トゥワンギー・ギター” でサーフ・インストの基礎を築いたデュアン・エディは大きなヒット曲に恵まれなかったせいもあって日本での知名度はイマイチだが、欧米では多くのミュージシャン達から絶大なるリスペクトを受けているギター・ヒーローだ。その影響力は絶大で、ビーチ・ボーイズの「サーフィンUSA」のイントロは彼の「ムーヴィン・グルーヴィン」からアダプトしたものだし、スプリングスティーンの「明日なき暴走」が “ボブ・ディランのような詩、フィル・スペクターのようなサウンド、ロイ・オービソンのような歌唱、そしてデュアン・エディのようなギターを目指した” というのは有名な話だ。
 ジョージも彼の信奉者の一人で、1987年にリリースされた彼の復帰作「ヒズ・トゥワンギー・ギター・アンド・ザ・レベルズ」に参加、「テーマ・フォー・サムシング・リアリー・インポータント」におけるツボを心得た味わい深いスライド・ギターはもう人間国宝級の名人芸と言っていいだろう。ジェフ・リンのプロデュースということもあるだろうが、このリラクセイション溢れる “トラベリング・ウィルベリー” な雰囲気がたまらんたまらん(≧▽≦)  尚、このアルバムにはポールも参加しており「ロッケストラのテーマ」のカヴァーでベースを弾いているので、ビートルズ・ファンは要チェックだ。
Duane Eddy plays "Theme For Something Really Important" 1987


②That Kind Of Woman / Gary Moore
 80年代に鬼神の如く弾きまくる “マシンガン・ピッキング” と聴く者の魂を揺さぶる “泣きのチョーキング” を武器にハードロック路線でブイブイいわしていたゲイリー・ムーアは私の大好きなギタリストの一人。彼は後にトラベリング・ウィルベリーズの「Vol.3」にゲストとして参加したり、ジョージにとって最後のステージとなった92年ロンドン・ロイヤル・アルバート・ホール公演のアンコールに飛び入りで「ホワイル・マイ・ギター」のソロを弾いたりと、ジョージとはかなり仲が良かったらしい。
 そんなゲイリーが突如自らのルーツであるブルースに回帰したアルバム「スティル・ガット・ザ・ブルース」(1990年)にジョージが提供した曲がこの「ザット・カインド・オブ・ウーマン」だ。ジョージは演奏にも参加しており、ゲイリー入魂のパワフルなプレイに歌心溢れるスライド・ギターで絶妙なアクセントを付けている。ジョージとゲイリーという名手二人の寛ぎに満ちたプレイが楽しめる、隠れ名演の最右翼に挙げたい1曲だ。
GARY MOORE - THAT KIND OF WOMAN


③Bluest Blues / Alvin Lee
 アルヴィン・リーはあのウッドストックにも出演してジミヘンばりのプレイを聴かせた知る人ぞ知るギター・ジャイアント。彼のバンド、テン・イヤーズ・アフターはジミヘンのエクスペリエンスみたいなモンだろう。ジョージは彼のアルバムに何度か参加しているが、中でも一番気に入っているのが「1994」というアルバムで、ビートルズのカヴァー「アイ・ウォント・ユー(シーズ・ソー・ヘヴィー)」とこの「ブルーエスト・ブルース」の2曲でスライド・ギターを弾いており、哀愁舞い散るソロを聴かせてくれる。ジョージの音色はブルース系のギタリストとの相性が抜群ですな。他の曲もスティーヴィー・レイ・ヴォーンを想わせるブルージーなプレイが満載で、噛めば噛むほど味が出るスルメのような好盤だ。ただ、アルバム・アート・ワークが内容の素晴らしさを台無しにするような悪趣味極まりないものなので、この曲を聴くならジャケットがめちゃくちゃカッコ良いベスト盤「ピュア・ブルース」の方が断然オススメです(^.^)
Ten Years After -Alvin Lee - The Bluest Blues


④The Last Time / Hall & Oates
 80年代に「ヴォイシズ」→「プライベート・アイズ」→「H2O」で大ブレイクする以前のホール&オーツが1978年にリリースした「アロング・ザ・レッド・レッジ」(邦題:「赤い断層」)のプロデューサーであるデヴィッド・フォスターがダーク・ホース・レーベルに所属していた関係でアルバム中の1曲「ザ・ラスト・タイム」(←ビー・マイ・ベイビーなイントロが笑えます...)にジョージが参加、変幻自在なスライド奏法で曲に彩りを添えている。一聴してわかるこの音色こそ70年代のジョージそのものだ。
Hall & Oates ; THE LAST TIME


⑤Day After Day / Badfinger
 バッドフィンガーの3rdアルバム「ストレート・アップ」からシングル・カットされて彼ら最大のヒットになった「デイ・アフター・デイ」でジョージはプロデュースだけでなく演奏にも参加、まさに妙技と呼べる素晴らしいスライド・ギターを披露している。クラプトンに “楽曲に最適な音色で最適なフレーズを弾くギタリスト” と言わしめたジョージの真骨頂が聴ける名演だ。
デイ・アフター・デイDay After Day/バッドフィンガーBadfinger
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