shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Out There Japan 2013 [SBD] / Paul McCartney

2014-04-27 | Paul McCartney
 やっぱり買ってしまった。何を?って、もちろんポールの日本公演SBD音源CDである。例のスカパー放送から1週間も経たないうちに “プロショット映像のブルーレイ/DVD” や “アビーロード・スタジオでマスタリングされたSBD音源収録のCD” が雨後のタケノコのように色んなレーベルからリリースされ始めたが、私としてはハードディスクからCDレコーダーに直接録音したらエエわいと余裕をかましていた。しかし4月に入って仕事がめちゃくちゃ忙しくなり、2FリスニングルームにあるCDレコーダーの配線を全部外して1Fリビングルームにあるブルーレイレコーダーに繋いで CD-R を作るヒマすらなく、“GWに入ったら何とかしよ...” と自分に言い聞かせながら悶々と過ごす毎日だった。
 それにしてもこの怒涛のリリース・ラッシュは何なのだろう? 著作権にうるさいはずのスカパーが何のリアクションも起こさずにただ指をくわえて見ているだけというのも不思議だが、それをいいことに有象無象の各種レーベルから明らかにスカパーが大元と思われるSBD音源CDが出るわ出るわのワンコソバ状態だ。代表的なモノを挙げてみると、
【CD】
 ①Out There Japan 2013 (Picadilly Circus) 6,500円
 ②Tokyo Dome 2013 HD (No Label) 3,700円
 ③Out There Japan Tour 2013 -Red Light Entertainment- (Broad Disc Network) 2,400円
 ④Out There Japan 2013 (Green Apple) 1,000円
【CD-R】
 ⑤The Final Show Out There Complete Live (Beatfile) 3,400円
 これらのうち、まず CD-R盤の⑤は除外しよう。遥かに安い値段でプレスCDが手に入るというのに何が悲しゅうてCD-Rに3,400円も出さなアカンのか。6,500円というボッタクリ価格のピカデリー盤①も論外だ。オープニングのDJミックスや他公演のSBDの断片をかき集めただけのボーナスディスクに3,000円分の付加価値を見出すことは私には出来ない。
 “最高級ルビジウム・システムを用いて制作された特製プリマスターにより、レンジの広さ、歌や各楽器の定位と分離の改善に伴うクッキリと抜けた音の良さ等々、原音の質感と輝きを最大限に活かしたピュア・サウンドにてCD化” という謳い文句の②は更に “1080HDプロショットを1080HDのまま完全収録したFree Bonus BD-R付き” ということで、 “ルビジウム” とか “1080HD” といった “ワケがわからんけど何となくハイテクっぽくてカッコイイ” 専門用語(笑)に魅かれてしまう。CDとBD-Rの両方欲しい人にはコレが一番良さそうだ。
 Red Light Entertainment(赤い光のおもてなし)というふざけた副題が笑える③も2,000円台という良心的(?)な値段で中々やりよるなぁと思っていたところ、Green Apple (←以前取り上げた「A Super DJ Sampler」や「Picaso's Last Words - Getting Closer」などを出している私のお気に入りレーベル)から衝撃的な1,000円という超低価格のSBD音源盤④がリリースされた。ダスティン・ホフマンとの「ピカソの遺言」も1,000円だったが、アレはあくまでも4曲入りブート・シングル。今回は約157分のコンサート丸ごとSBD収録で1,000円というのだから凄まじい価格破壊だ(≧▽≦)  これは間違いなく “買い” である。
 届いた盤は当然ながらちゃーんとした作りのプレスCDで手抜き感は一切なし。ジャケット写真は例のバンザイ・ポールだが、手持ちの日本公演ブートはどれもこれも “バンザイ” ばっかりでさすがに飽きてきたし、ピンク色がバックでほとんど同じジャケット・デザインのブートレッグを他にも持っているので紛らわしいことこの上ない。試しにジャケットの裏を見ると私が大好きなワインレッドのフロックコートを着てヴァイオリン・ベースを弾くポールである。タイトルも入っているのでリバーシブル・ジャケットっぽい。これは絶対にこっちの方がカッコエエわいということで(←前回の生協のチラシと同じ写真ですが...笑)、今はジャケットを裏返しにして入れている(^.^) 
 気になる音質の方だが、細かい楽器の音までバッチリ聞き取れるし、重低音もズンズン響いてくるしで、1,000円というのが申し訳ないくらいの高音質SBD盤だ。ウチの大型スピーカーでヴォリュームを上げて聴くと、高音がややキツく感じられエコーも少し強いように思われるが、価格を考えれば文句は言えない。リビングのAVシステムや車の中で聴くとちょうど良い感じなので、多分そういう用途を想定したマスタリングなのだろう。シルフの2002年ポール・ライヴの音が好みの人なら一発で気に入りそうな迫力満点のドンシャリ・サウンドだ。A面ラストの「オール・トゥゲザー・ナウ」が終わった後のフェイドアウト処理が下手くそなところだけが玉にキズだが...(>_<)
 そういえばスカパー放送では「アンド・アイ・ラヴ・ハー」と「ブラックバード」の間で少しエディットされていたが、このCD音源は完全ノーカットっぽいので(←他のレーベルのCDはどうなんやろ?)、少なくとも放送音源をそのままCD化したものではなさそうだ。それと、開演前にポールが歌ってた例の “ウリウリウリウリ~♪” は入ってませんので念のため(笑)
Eight Days A Week SBD
コメント (16)

ポール公演チケット入手奮戦記

2014-04-19 | Paul McCartney
 確か先週の木曜日のことだったと思うが、ポールのチケット先行予約抽選に連続落選してすっかり凹んでいた私がたまたまジャパンツアー公式サイトを開くとそこには VIP パッケージの案内が出ていた。サウンドチェックに参加出来て、しかも本公演チケットの超優良席まで付いているというプレミアチケットである。しかしそのお値段の方も凄まじく、VIP PACKAGE 1がステージ両側の最前ブロック1列目の席で9万3千円、VIP PACKAGE 2がステージ正面最前ブロックの3列目〜7列目の席で8万3千円だ。この額を聞けば二の足を踏むのが常識的な神経の持ち主というものだろう。しかしポールに関する限り、私に常識は通用しない。ましてや私は落選続きで焦っていた。精神的に追い詰められていた。確かに10万円近い出費はめちゃくちゃキツイが数ヶ月節約すれば何とかなる金額だ。私は一発逆転を狙って83,000円の VIP PACKAGE 2 に賭けてみることにした。
 この VIP PACKAGE の申し込み受付は4月17日の木曜午前10時からで、ウェブ又は電話での先着順。平日の午前中って、これはモロに勤務時間中である。私の仕事には非番の時間帯があるのですぐにスケジュールを確認した。するとラッキーなことに木曜の10時前後はキレイに空いているではないか! 単純な私は “ひょっとするとこれまで落選してきたのもすべてこの VIP PACKAGE を取るためやったんかも...” と自分に都合の良いように解釈して(笑)急にテンションが上がってきた。
 しかしポールの VIP なら激しい争奪戦になることは必至である。ハッキリ言って自分一人では心もとない。そこで一計を案じた私は仲の良い同僚に “来週の木曜10時頃仕事空いてる???” と聞いて回り、何とか3人を確保した。私を含めた計4人が片手でパソコンF5連打、片手でケータイのスピードダイヤルをかけまくるという作戦だ。事情を話すと大笑いされたが3人とも快く引き受けてくれた。持つべきものは友である。 “これで繋がる確率が4倍に増えたわい(^.^)” と私は自分のアイデアにすっかり有頂天になり、既に VIP を取ったような気になっていた。
 そして運命の4月17日、約束通り3人がケータイ片手にやってきてくれた。いよいよ作戦開始である。9時59分50秒を過ぎ、私の号令と共に我々の一室はコールセンターへと早変わりした。だがしかし、駄菓子菓子、ウェブは回線は混み合って一向に繋がらないし、電話の方も何度かけても話し中である。時間は無情にも刻一刻と経過し、とうとう10時20分を過ぎてしまった。あと10分したら仕事に戻らねばならない...(>_<)
 もはやこれまでか... と諦めかけた矢先、T君が “あっ、ネット繋がったみたいです! ID とパスワードを入れろって出てますよ!” と叫んだ。 ID とパスワード??? 何じゃそりゃ? 慌てて彼のパソコン画面を覗くと “キョードー東京メンバーズ” とやらのID とパスワードが必要らしい。そんなもん知らんがな! 私はイライラしながら “新規入会の方はこちら” をクリックするも中々ページが切り替わらず、挙句の果てに “このページは表示できません” って... ナメとんのかヽ(`Д´)ノ ホンマにこのシステムはムカつくわ。キョードー東京なんて潰れてしまえ!!!
 ワラにもすがる思いで再度VIP申し込みページを表示すると、そこには無情にも “空席なし” を示す×が3つ並んでいた。呆然とする4人... T君「悔しいです!」 Y君「まさかこんなに凄いとは思いませんでした...」 K氏と私は無言。やり場のない虚脱感が部屋を包み込む。ケータイを見ると発信回数は181回を数えていた...
 私は “取れへんかったけど、みんなよぉやってくれたわ。ホンマにありがとうな...” と言って祝勝会用に用意しておいた(←アホやなぁ...)シュークリームを配り労をねぎらった。結果はどうあれ、貴重な休憩時間を犠牲にして協力してくれた彼らにはいくら感謝しても足りない。やがて10時半になり仕事に戻ろうとすると、入れ替わりに部屋に入ってきた別の同僚女性2人から “どうでした???” と聞かれ、“アカンかってん...(*_*)” と答えると“エーッ、そんなー” と2人とも絶句。まるで我が事のように落ち込んでいる彼ら彼女らを見ていると、 VIPチケットが取れなかったことよりも周りの同僚たちを思いっきり巻き込んでガッカリさせたことの方が申し訳なくて、そっちの方が辛かった。
 ほとんど放心状態で午前中の仕事をすませてお昼ご飯を食べに部屋へ戻ると、これまた仲良しのH姐さんが “shiotch7さん残念やったなぁ。気ぃ落とさんときや。実は昨日入ってた奈良コープ(生協)のチラシにポール公演が載ってたんで、もしもの時用に持ってきてんけど、訊いたげよか?” と声をかけて下さった。 “エエんですか? ぜひお願いしますっ!!!” と大声をあげる私。目の前で電話してもらうとコープ・サービス受付のオネーさんの “はい、承りました。” の一言であっさりとS席が取れたのだ。この2週間の大騒ぎは一体何やったんやろ...?と拍子抜けしてしまったが、VIPではないにせよとりあえずチケットが取れて一安心だ。
 姐さんが電話を切り、私がガッツポーズをするとその場に居た同僚たちがみんな拍手をして喜んでくれた。ホンマにエエ職場やなぁ...(^o^)丿 今は念願のポール公演のチケットをゲット出来てホッとしているというのが正直なところだが、それ以上に今回の一件でこれだけたくさんの同僚に気にかけてもらって自分はホンマに幸せ者やと思う。まさに With A Great Help From My Friends である(^.^)  これでこのブログもようやく “アウトゼア・ジャパン2014前夜祭” に突入だ。イクゼー、オーサカ!!!
5月に再来日公演が決定したポール・マッカートニーから、日本のファンの皆さんにメッセージが到着!
コメント (16)

Picaso's Last Words - Getting Closer / Paul McCartney with Dustin Hoffman

2014-04-14 | Paul McCartney
 最近面白いブツを入手した。前回取り上げた「A Super DJ Sampler」と同じ greenAPPLE から出た「Picaso's Last Words / Paul McCartney with Dustin Hoffman」という CD(←ピカソの綴りが間違ってるのはご愛嬌...)がそれで、ブートレッグとしては珍しいシングル盤でのリリース(1,000円!)だ。「ピカソの遺言」は言わずと知れた「バンド・オン・ザ・ラン」収録の名曲で、ここに収録されているのはそのデモ音源なのだが、この曲の誕生にまつわるエピソードがメーカー・インフォにわかりやすく書いてあるのでここにそのまま引用してみたい:
 “・・・そう、あの時は休暇でジャマイカにいたんだ、、、モンテゴ湾の外側にある小さな家さ。THE DAILY GLEANERという地元紙を読んでいると、ダスティン・ホフマンとスティーヴ・マックイーンが町に居て「PAPILLON」って映画を撮影しているって書いてあったんだ。彼らは沿岸に滞在していてさ、リンダと一緒にダスティンと夕食でも取れたら良いなあって話になったんだよ。そしたらリンダがダスティンの奥さんに電話してくれて、夕食に誘うと彼らも乗り気でね。彼らもジャマイカには馴染めず退屈していたみたい。それで彼らの家にお邪魔したんだ。すぐに仲良くなって、おしゃべりしてたんだ。ふと曲作りの話題になって、ダスティンが「色んなことについて曲作りできるなんて、すごい才能だね!」って言うんだ。そう考える人は多いみたいだけど、僕にしてみたらそれも色々ある才能と同じだと思うんだよ。だってダスティンが色んな役を演じることができるのと一緒さ。監督が「スタート!」って言えば、君はすぐにその役になるんだよ。君は意識してないかもしれないけど、君はそれを自然と出来るんだよ。その才能を君は持って生まれたんだよ。だからそれは僕と同じさ。曲は空気みたいに有るんだよ。いくつかのコードを弾けば、メロディーが出てくるんだよ、、、そのメロディーが前に聴いたことのないものであれば、僕はそれを覚えておくんだ。するとダスティンは「じゃあ、今、それが出来るってわけ?」って言うんだ。可愛い奴だよね、ダスティンは念を押すように「出来るの?」って言うから僕は出来るよって言ったんだ。数日後また同じ話になって、彼は雑誌 TIME に載ってたピカソの記事を考えていたって言うんだ。TIME のほんの小さな記事なんだけど、その記事が僕にはとても詩的に思えてね。音楽になると思ったんだ。彼は死に際に「DRINK TO ME. DRINK TO MY HEALTH. YOU KNOW I CAN’T DRINK ANYMORE」ってつぶやいたらしいんだ。ピカソはその後ちょっと絵を書きに行って、それから夜中の3時に寝たんだ。そして翌朝死んでたんだって。ダスティンは「DRINK TO ME. DRINK TO MY HEALTH. YOU KNOW I CAN’T DRINK ANYMORE.」は死ぬ間際の言葉としちゃ最高だね、まさにピカソの遺言だね。それでダスティンはこのネタで曲を書いてくれって言うんだ。そのとき偶然ギターを持ってきていてね。ちょっとギターをさわって、「わかったよ。もちろん、書けるよ」って言ったんだ。コードをいくつか弾きながら DRINK TO ME. DRINK TO MY HEALTH って歌い始めたんだ。すると彼はイスから立ち上がって「アニー!アニー!」って奥さんを呼んで、「すごいことが起きたぞ! ポールが曲を書いている! 今ここで!」ダスティンったら立ったり座ったり、、、まるで映画みたいに。彼があまりに喜ぶもんだからびっくりしたよ・・・
 すてきなお話ですね。名曲の裏に隠れているキラキラと輝くエピソード。これを知らなくても良い曲なのですが、知った後ではもっとステキな曲に生まれ変わっているはずです。前置きが長くなりましたが、今回の音源はその曲を作っているまさに「その時」の音源なのです! この歴史的な一場面が目の前に浮かぶような、プライベート感があふれるホーム・レコーディング。多くの人にこのステキなエピソードを知ってもらいたい。音楽、俳優、芸術の天才三人が関わった名曲が生まれた瞬間を聴いてください。” とのこと。
 いやー、これ以上何を言えばいいのだろう? 名曲誕生の瞬間を目の当たりにして大コーフンしているダスティン・ホフマンの様子が目に浮かぶようだ。それと、「ピカソの遺言」に続いて「ゲッティング・クローサー」が歌われているのにもビックリ。1979年発表のこの曲の原型が既に1973年に出来上がっていたというのが凄いし、このラフなアコースティック・ナンバーをじっくりと煮詰めてシャープなロック・チューンへと昇華させ、他でもない「バック・トゥ・ジ・エッグ」に入れたポールのセンスに脱帽だ。
paul mccartney futzing around on his guitar in 1973, picasso's last words/getting closer

Picaso's Last Words Wings Live 1975


 トラック2はマザー・グースの中の「バー・バー・ブラック・シープ」というナーサリー・ライム(日本流に言えばわらべ歌?)から始まるメドレーで、幼い娘たちに “メエメエ、黒ひつじさん、毛糸はありますか...” と優しく歌いかけるポールに思わず頬が緩む。更にここから「ハンズ・オブ・ラブ」~「ゲッティング・クローサー」~「ペギー・スー」と、寛いだ雰囲気の中で意表を突いた展開が楽しめるところも◎だ。
 タイトル曲の「ピカソの遺言」、そしてこの「メェメェ黒ヒツジさん」それぞれオリジナル音源とリマスタリング音源(←オリジナルのヒスノイズが少し低減されて聴きやすくなってる...)の2種を収録した4トラック入り(計23分8秒)のこのブート・シングル、ポール・ファンなら聴いて損はない逸品だと思う。
paul mccartney and family... baa baa black sheep, hands of love, peggy sue
コメント (2)

A Super DJ Sampler / Paul McCartney & Wings [Bootleg CD]

2014-04-10 | Paul McCartney
 ポール再来日公演までいよいよ50日を切った。初の屋外コンサートということで天気やら座席やら気になることは色々あるが(←チケット良い席取れますよーに... 神様お願い!!!)、私の一番の関心事はやはりセットリストである。前回の来日から半年しか経っていないし、「ヘイ・ジュード」の大合唱や「リヴ・アンド・レット・ダイ」の超大型打ち上げ花火のようにポールのライヴに必要不可欠な要素の曲も多いので、一体どれくらい変えてくるのか興味深いところだが、ポールの場合シングルヒット以外にも名曲が目白押しなのでファンとしては非常に楽しみだ。私的にはこれまでの日本公演で演っていない70年代の曲をもっと聴いてみたいなぁと思っている。ということで今日はちょっと趣向を変えて70年代ポールの特集だ。
 70年代のベスト盤としてはオフィシャルの「ウイングス・グレイテスト」が真っ先に思い浮かぶが、たったの12曲で70'sポールの一体何がわかるっちゅーねん!と言いたくなるような中途半端な存在であることは否めない。そのせいもあってかマニアの間で高い人気を誇っているのが日本の東芝EMIが独自に編集した宣伝用見本盤「ポール・マッカートニー/ウイングス – ア・スーパー・DJ・サンプラー」という非売品LPだ。
 ディスコグラフィーによるとこの盤は1978年2月のリリースということで、当時の最新シングル「夢の旅人 / ガールズ・スクール」をそれぞれ両面トップに配し、それ以外は70年代ポールのシングル曲をほぼ時系列に沿う形で完全収録しており、曲数も「ウイングス・グレイテスト」の12曲に対し、こちらはアナログAB面各9曲の計18曲を収録、ラジオ局にとっては当時アルバム未収録のシングル・ヒットが多かったポールの特集を組んだりする時に非常に重宝したものと思われる。DJサンプラーということで当然プレス枚数も限られており、ポールのアナログ盤コレクターにとっては垂涎の激レア盤(←さっき確認したらヤフオクでは22,000円、eBayでも$300で出品されている...)というワケだ。
 そんな激レア・コレクターズ・アイテムを完全復刻したのが greenAPPLE からリリースされたこのCDで、ジャケットの特殊蛍光ピンクも綺麗に再現されているし、ヘビメタ教祖の伊藤政則氏による裏面の曲解説(←今にして思えば不思議な人選やね...)まで丁寧に復刻した紙ジャケ・レプリカ仕様のプレス盤だ。私は日本盤まで集めるようなコレクターではないので上記のアナログ盤は持っていないが、このCDはアナログ通りの曲順でありながらその内容は別テイク、別ミックス、別ヴァージョン満載という珍品で、レア・ヴァージョン好きの私は迷わずゲット、これだけの内容で2,800円ならお買い得だ。
 実際に聴いてみてまず驚いたのがその音の良さである。私は頭の古い人間なので未だに “ブートレッグ=音が良くない” という偏見・先入観が拭いきれないのだが、このCDはポールの歌声の質感といい、アコギの繊細な響きといい、ベースの重低音といい、オフィシャルに比肩する高音質。少なくとも手持ちの「ウイングス・グレイテスト」旧規格CDなど足元にも及ばないハイ・クオリティ・サウンドだ。
 収録されている各曲も、①「夢の旅人」のモノラル・ミックスに始まり、④「メアリーの小羊」のアーリー・テイクに⑦「死ぬのは奴らだ」のオリジナル・サウンドトラック・ヴァージョン、⑧「愛しのヘレン」のハイハット・イントロ付きロックバンド・ヴァージョンなど、ミックス違いのレア・トラックが目白押しで、ポール・マニアなら思わずニンマリすること間違いなしの面白さだ。コスパを考えれば、ウン万円もするオリジナル・アナログ・サンプラーLPよりも、その1/10以下の値段で買えるこのブートCDの方が遥かにお買い得だと思う。
Paul McCartney & Wings - Mull Of Kintyre (Mono Edit Remaster)

Wings-Mary Had A Little Lamb-RARE LONG VERSION!

007 Live and Let Die Opening Title Sequence - Paul McCartney - 1973 - Full Video Song

愛しのヘレン(RockBand) / PaulMcCartney
コメント (4)

Out There Japan Tour 2013 [Blu-ray] / Paul McCartney

2014-04-05 | Paul McCartney
 先月スカパーで放送されたポール最終公演の模様が早くも複数のメーカーからブートDVD / BD-R としてリリースされ始めた。chusanさん情報によると画面右上のスカチャン・ロゴはボカシを入れて消してあるとのことだが、商魂たくましいというか、ホンマによーやるわという感じである。私は当日の放送をHDDに永久保存版として残せたが、万が一に備えて5/6の再放送分をBD-Rに焼いて残そうと思っている。
 ポールの日本公演を収録したDVDとしては、ピカデリーのCDに付属していた福岡公演や同じピカデリーから単体リリースされた東京初日公演、ノーザンディスクがそれぞれの公演別にYouTube映像を寄せ集めてリリースしたシリーズなどがあり、ポールの思い出に浸りたい私は手当たり次第に買いまくって楽しんできたが、年が明けてスカパー放送視聴のめどがつくと、 “美麗プロショット映像+SBD音源の最強セットに勝るモノ無し” ということでポールの日本公演関係のオーディエンス・ショットDVDは買い控えるようになった。EVから1月末にリリースされたこの「アウト・ゼア・ジャパン・ツアー 2013」も “スカパーがあるから” ということでとりあえず見送りにしていた1枚だ。
 で、実際にスカパー放送を見てその凄さに改めて感動したことは前にも書いたが、ファン心理とは不思議なもので、 “スカパーのプロショット映像に敵うワケないけど、EVから出たブルーレイもオーディエンス・ショットとはいえかなりの高画質らしいしやっぱり買っとこ...” という衝動に駆られ、インフルエンザの快気祝い(?)として速攻でゲットした。
 この「アウト・ゼア・ジャパン・ツアー 2013」はBD-RとプレスDVDという2種類のフォーマットがセットになった商品なのだが、画質を比較するとBD-Rの圧勝で、これやったらプレスDVDは要らんからその分安うせぇよ!と思ってしまう。それほどこのBD-Rの画質は美しい。
 内容は11/18と11/21の2日間のコンサート映像を組み合わせてほぼセットリストに再現しており、オープニングの「エイト・デイズ・ア・ウイーク」~「NEW」までと、アンコール1回目の「デイ・トリッパー」~ラストの「ジ・エンド」までが11/21公演から、中盤の「クイーニー・アイ」~「ヘイ・ジュード」までが11/18公演からの映像だ。
 11/21の映像はアリーナ中央やや左側から望遠を駆使してポールの上半身を大きく捉えたもの、11/18の方はほぼ真正面からやはりポールのアップをクリアーに捉えたもので、思わずプロショットと見間違えるくらいのハイ・クオリティな映像にビックリ(゜o゜)  手ブレもほほ無いに等しく、音の方も例のCDボックスの音源を使ってあるのでクリアー&パワフル。特に「死ぬのは奴らだ」なんかは迫力満点で実に良い絵が撮れていると思う。
 とまぁこのように画質と音質は申し分のない素晴らしさなのだが、一つ大きな大きな不満がある。編集が最低最悪なのだ。具体的に言うと曲間の映像処理が大問題で、曲が終わるたびに画面にデカデカと PAUL McCARTNEY TOKYO DOME, TOKYO JAPAN, NOVEMBER 21,2013 EVSDというテロップが出る箇所が少なくない。これはひょっとするとコピー業者対策なのかもしれないが、もしそうだとしたら何で業者間のエゴのためにわざわざ不完全にされた商品をつかまされなならんのか!本末転倒も甚だしいとはこのことだ。
 まぁ百歩譲ってテロップ挿入はまだ許せるにしても、コンサートに何の関係も無い例のバンザイ・ポールのピンク色の静止画が急に画面に大写しになるのは許容できない。ハッキリ言ってライヴの雰囲気ぶち壊しである。手持ちのノーザンディスクDVDにも同様の曲間処理がされているモノがあり、あんまり鬱陶しいので静止画像部分をすべてカットしてDVD-Rに再編集してやったが、EVといい、NDといい、ブート業者って無神経なアホばっかりなんか...(>_<) 
 中でも特にひどかったのが「エヴリバディ・アウト・ゼア」で、曲間どころか何と1曲の大半が静止画像なのだ。メーカー・インフォには “18日と21日をコンバインしてセットリスト通りの大満足のアーカイヴとなりました。” と書かれているが、大満足が聞いて呆れる。しかも言うに事欠いて “誇大広告で騙されたあなた! 信じて下さい! 最高の映像です!”って...(>_<) 確かに映像は最高かもしれんけど、編集は最低だ。とりあえず今は静止画像が出てくるたびにCMスキップボタンを連打して不要箇所をスッ飛ばして観るようにしている。
 ということでこの「アウト・ゼア・ジャパン・ツアー 2013」BD-R、上記のような欠点に目をつぶれるのなら、現存する日本公演オーディエンス・ショットの中ではベストな映像と言えるだろう。私としては前回のCDボックスといい、このBD-Rといい、Empress Valleyというメーカーはイマイチ信用できないところがあるので眉に唾をつけて見てしまうが、画質や音質が素晴らしいだけに残念なことだと思う。このEV、次は大阪公演の映像を出すらしいという噂があるが、ぜひともマトモで良心的な商品を出してファンを納得させてほしいものだ。
コメント (7)