shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

4・21ポール@京セラドーム (Pt. 5) ~マタ アイマショウ~

2015-04-27 | Paul McCartney
 アンコール2曲目は「ハイ・ハイ・ハイ」だ。前回も感じたことだが「USAライヴ」での火の出るような演奏に比べ、かなりテンポを落としたアレンジなので迫力的にはいま一つといった感じ。もうちょっとテンポを上げて疾走してくれたら大喜びなのだが...
 アンコール・パート1の最後の曲は予想通り「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」だ。ファンとしては自分のセトリ予想が当たると嬉しいものだが、この曲は多くの人が予想していたのではないだろうか。ここで今回のセトリ変更を整理してみると、
 (1) 「エイト・デイズ・ア・ウイーク」→「マジカル・ミステリー・ツアー」
 (3) 「オール・マイ・ラヴィング」  →「キャント・バイ・ミー・ラヴ」
 (4) 「あの娘におせっかい」     →「ジェット」
 (22) 「エヴリバディー・アウト・ゼア」→(14)「ホープ・フォー・ザ・フューチャー」
 (34) 「ゲット・バック」       →「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」
という結果になった。この5曲の中で自分の予想に最も自信があったのが前回東京2日目に演った「ジェット」と「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」で、特に後者は福岡公演でも演っていたこともあり、90%以上の確率でセットインすると思っていた。逆に完全に予想外だったのが「キャント・バイ・ミー・ラヴ」で、私はてっきりこの2月にNYで行われたバレンタイン・コンサートで演った「ワン・アフター・909」か「マッチボックス」あたりがくるものと思っていたので、これはもう参りましたという他ない。まぁ何にせよ、今回の来日公演では我々ファンは事前のセトリ予想であーでもないこーでもないと大いに夢を見させてもらったという感じがする。
 と、ここまで書いてきてふと思ったのだが、ポールのライヴって、例えるならディズニーランドみたいなものではないか。私の知り合いの中にはディズニーランドのリピーターが何人もいて、私は常々 “同じテーマパークに何回も通って一体どこがオモロイねん?” と不思議に思っていたのだが、アウト・ゼア・ツアー2度目の参戦を果たした今になって彼女らの気持ちが痛いほどよくわかった。スプラッシュ・マウンテンやスター・ツアーズは何度乗っても楽しいように、ポールの曲も何十回何百回聴いても楽しめる珠玉の名曲揃いだ。セトリの曲入れ替えは、新しいアトラクションの導入みたいなものだろう。つまり我々はみんな、ポール・マッカートニーという史上最高のエンターテイナーのリピーターなのだ。だからたとえセトリが同じであっても心底楽しめるのである。他のアーティストでは絶対にこうはいかない。
20150421 京セラドーム Osaka Paul McCartney


 アンコール・パート2の最初の曲は「イエスタデイ」だ。これまで何千回とそうしてきたように、アコギ1本で淡々とこの名曲を歌うポール。万感胸に迫るとでも言えばいいのか、ジワジワと感動が押し寄せてくる。周りを見回すとオーディエンスの一人一人がそれぞれの想いを込めて、ポールと共にこの名曲を口ずさんでいる。いや~、これはホンマに心に沁みますなぁ...
 「イエスタデイ」の後、いつものようにジョン・ハメルとの絡みで(←もう一発ハードなロックをキメてこい!とばかりにベースを渡されて煽られる例のパフォーマンス)オーディエンスを湧かせ、「ヘルター・スケルター」へとなだれ込む。ただ、この曲はリズムが複雑なせいか、周りのオーディエンスはどう乗っていけばいいのか戸惑っていたみたいで、曲に合わせて頭だけを振っている人が多かったように思う。同じハードロック系なら「バースデー」みたいなノリの良い曲の方がアンコールには合っているかもしれない。
ポールマッカートニー 京セラ 2015/4/21 Yesterday


 さて、ピアノの前に移動したポールが “モウ カエル ジカンデス” と、この夢のようなショーの終わりが近づいていることを告げるとオーディエンスは “え~ (>_<)” というこれまたお約束のレスポンス。私はと言えば “モウ...” よりも前回の “ソロソロ...” の方が据わりが良かったなぁ... などとアホなことを考えているうちに「アビー・ロード・メドレー」が始まる。泣いても笑ってもこの曲で最後だ。私は脚の痛みも忘れて声を限りに歌いまくった。曲が終わると全身の力がスーッと抜けていくのを感じたが、ポールの “マタ アイマショウ、オーサカ! ホナマタ! See you next time!!!” という言葉を聞いて、これはひょっとするとまた来てくれるかもしれない... と未来への希望が湧いてきた。この分なら本当に “次” があるかも... (^.^)
ポール・マッカートニー 京セラ 2015・4・21ゴールデンスランバー


 ということで前回と同じ全37曲、2時間45分に及ぶライヴが終わった。開演前はしつこいぐらいに規制退場を言われていたのだが、実際に終わってみるとみんなそそくさと出口に向かっている。今回はアリーナということで記念に例の紙吹雪を拾って帰ろうと目論んでいたのだが、残念なことに私のいたDブロックから遥か彼方のA~Bブロックあたりまで行かないと手に入らない。痛い脚を引きずり、出口に向かう人々の流れに逆らってまで紙吹雪を拾いに行く根性が無かった私はそのまま隊列に加わってアリーナを後にした。
 ドームの外に出るとめっちゃ寒くて思わず上着を羽織る。時刻はちょうど午後10時を回ったところだ。私はそのまま帰路に着き、家に着いたのは午後11時過ぎだった。戦利品のキャップをかぶり、上機嫌で “ただいま~” と家に入ると母親がそんな私を見て大笑い(^o^)丿 母が言うには50を過ぎたオッサンの私がまるで子供のように嬉しそうな表情でひょこっと顔を出したのが面白くてたまらなかったらしく、 “アンタがそんな顔するなんて、ポールってホンマに凄い人なんやなぁ...” としきりに感心していた。
 その日の晩はコーフンしていてとても眠れる状態ではなく、日付が変わってからも去年のスカパー放送を観たりビートルズの武道館ライヴDVDを観たりして、結局寝たのは朝の4時半過ぎだった。翌日の仕事は睡眠不足と筋肉痛でボロボロだったが、終始ニコニコヘラヘラしていたらしく、仲の良い同僚たちから “そんなに夢中になれるモンがあるなんてエエですねー” と羨ましがられたり、上司のK部長から “お金はそういう使い方するのが一番エエねんで。” と言っていただいたりした。去年のチケット騒動の時にも書いたが、こんな素晴らしい仲間に恵まれて幸せだ。
 今回のポールのライヴ、チケット代:18,600円、ツアー・グッズ代:14,500円、そしてかけがえのない思い出:priceless... (≧▽≦)  雨後のタケノコのように次から次へとリリースされそうなブートレッグの購入でまたまた散財するかもしれないが、ポールの “マタ アイマショウ” の言葉を信じて、コツコツと地道にお金を貯めるとしよう。 -完-
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4・21ポール@京セラドーム (Pt. 4) ~ホナ イクデ~

2015-04-26 | Paul McCartney
 ゆったり・まったり感横溢の「サムシング」が終わるとポールは再びヴァイオリン・ベースに持ち替え、“イッショニ ウタッ テヤー!” とオーディエンスを煽る。曲はもちろん「オブラディ・オブラダ」だ。ショーが始まってから約90分が過ぎたこのあたりからアップテンポの曲を並べて後半へ向けて一気に加速していくという実に考え抜かれたセトリだなぁと感心させられるが、その緩急の妙を際立たせるアッパー系チューンの先鋒としてはみんなで歌えるこの曲以上のナンバーはないだろう。オーディエンスの大合唱にポールも “Very good!!!”“Awesome!!!” とご満悦(^.^)  アリーナなのに一人だけずーっと座って聴いていた前列の年配の男性がついにこの曲で立ち上がって手拍子をし始めたのが印象的だった。
ポールマッカートニー 京セラ 2015・4・21⑬オブラディオブラダ・バンドオンザラン


 「バンド・オン・ザ・ラン」に続く「バック・イン・ザ・USSR」では、ジェット音に続くイントロの入りの部分で鉄壁を誇るバンド・アンサンブルに綻びが見え、何となくドサクサで始まったような感じが面白かった。そんなこんなでノリの良い曲が続いた後、ポールはピアノの前に座り「レット・イット・ビー」を歌い始める。オーディエンスも大コーフン状態から一旦クールダウンし、切々と歌い上げるポールの歌声に聴き入っているようだ。
Back in the USSR - Paul McCartney at Osaka Dome 2015


 「レット・イット・ビー」が終わると幻想的な照明とスモークの中、ドラムのエイブがシンバルをシャカシャカやって何やら怪しげなムードに... “一体何が始まるんや???” と身構えていたらいきなり「リヴ・アンド・レット・ダイ」のイントロを弾き始めるポール。セトリは同じでもアレンジ面で色々と新しい試みを取り入れてファンを楽しませようとするポールのプロフェッショナリズムに頭が下がる。アリーナ席ということでドッカンドッカンと立ち昇る火柱も、目も眩むようなレーザー光線乱舞も、そしてお約束の “倒れ込むラスティ” もしっかり楽しめた。去年もし長居スタジアム公演が実現していたら屋外ということで火薬の量とかもっと凄いことになってたんやろなぁ... という思いもちらっと脳裏を横切ったが、まぁそれは次回のお楽しみに取っておこう(^.^)
Paul McCartney - Live And Let Die Live in Osaka


 もはや伝統芸能とでもいうべき “マグネシウム大爆発→耳を塞ぎ心臓に手を当ててよろけるしぐさのポール” を堪能した後はいよいよお待ちかねの「ヘイ・ジュード」コーラス大会だ。前回は確か “ダンセイ ダケ”“ジョセイ ダケ” という言い方だったが、今回は何と “ウタッテ ジョシ” “OK カモン ダンシ!” とエエ歳したオバチャン・オッチャンを女子・男子呼ばわり(笑)  前回はスタンド席ということで座ったまま合唱したが、この大コーラス大会はやっぱりアリーナ席で立ったまま歌う方が断然気持ち良い。ずーっと立ちっぱなしで脚はかなり痛かったけど、そんな痛みも忘れさせるぐらい幸せな気分になれた「ヘイ・ジュード」だった。
ポールマッカートニー 京セラ 2015・4・21⑰ヘイジュード


 アンコール・ナンバーの前には恒例の国旗振りパフォーマンスが行われたが、今回は日の丸、ユニオンジャックに加えて星条旗も登場、ステージ上で3本の国旗がゆらめく様はなかなか壮観だった。話は逸れるが、私は政治には無関心なのでこれまで日の丸に対しては賛成派でも反対派でもなかったが、日の丸を振るポールの姿を見て国旗に対する敬意というものを教わった気がした。
 ここでポールは再びヴァイオリン・ベースを手にして拳を突き上げ、“サイコォー!” “ホナ イクデ!” とオーディエンスを煽りまくる。コンサートも終盤に差し掛かり、カタコト日本語の勘を取り戻しつつあるようだ。ソリッドなギター・リフをバックにギンギンにロックするポールのヴォーカルが圧巻だ。 (つづく)
ポールマッカートニー 京セラ 2015/4/21 day tripper
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4・21ポール@京セラドーム (Pt. 3) ~ノットルカイ?~

2015-04-25 | Paul McCartney
 「ジェット」が終わると恒例の “ワードローブ・チェンジ” で上着を脱ぎ、ベースを例の派手なレスポールに持ち替える。そう、「レット・ミー・ロール・イット」だ。袖をまくるのに少し手間取った後、おなじみのイントロがドームに響き渡る。ジョンの「コールド・ターキー」を彷彿とさせるアグレッシヴなリフが気持ちいい。この曲はポールの超お気に入りナンバーで、ライヴでも数えきれないぐらい演奏されてきているが、演奏のパワーが年々力強くなっているように感じられるのは気のせいか。
 続いては “60年代と同じギターだよ” の「ペイパーバック・ライター」、 “奥さんナンシーのため”の「マイ・ヴァレンタイン」、“ウイングス・ファンのため” の「1985」と、前回と同じMC、同じ曲順で予定調和の世界に突入。更に「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」に「メイビー・アイム・アメイズド」と、アウト・ゼア・ツアーにおける不動のセトリが続くが、どれもみな好きな曲なので全然OK。何度聴いても良いモノは良いのだ。
 私にとってポールのライヴの楽しみの一つは彼のカタコト日本語MCだ。前回の日本公演でも “モット キキタイ?” “ホナ イコカ” “カエッテ キタバイ” “カキマシター” “チョー サイコー” など、持ち前のサービス精神を発揮してファンの記憶に残る数々の珍MCで楽しませてくれたポールだったが、今回の大阪初日でもやってくれました! 日本公演初日ということでコンサート前半の日本語はまだ少したどたどしさも感じられたのだが、そんな中でも「アイヴ・ジャスト・シーン・ア・フェイス」に入る前の “ノットルカイ?” には場内大爆笑。自分の日本語がウケたと思ってご機嫌なポールのドヤ顔に萌えてしまう(≧▽≦)
ポールマッカートニー 京セラ 2015・4・21④ 夢の人 ウィキャンワークイットアウト


 「ウィー・キャン・ワーク・イット・アウト」、「アナザー・デイ」の後、ポールの “ツギハ セカイ ハツ コカイ” というMCに大歓声が上がる。アコースティック・ナンバーで世界初公開となるともうあれしかない。そう、新曲の「ホープ・フォー・ザ・フューチャー」だ。生涯現役を旨とするポールは新曲を出せばセトリに入れる傾向がるので、昨年12月に出たばかりのこの曲は演るかもしれないと思い事前に予習をしておいたのだが、自分が行った大阪公演が世界初公開だなんて、何かめっちゃうれしいなぁ...(^.^)  キャッチーなビートルズ・ナンバーの中にあってはスロー・テンポでやや地味な印象の曲だが、何度も聴くうちに心に染みわたってくる典型的なスルメ・チューンだ。paulmccartney.comで延々リピート再生しているので、今後参戦予定の方はグッズのチェックでもしながら聴いてみてください。
Paul McCartney - Hope For The Future Live in Osaka


 「エヴリバディー・アウト・ゼア」に代わってセット・インしたこの新曲を挟んで「アンド・アイ・ラヴ・ハー」、「ブラックバード」、「ヒア・トゥデイ」というおなじみのアコースティック・セット、そして例のマジック・ピアノの前に座って「ニュー」、「クイーニー・アイ」と、前回公演と全く同じ展開でショーは進行、ずっと立ちっぱなしでそろそろ脚が辛くなってきていたが、超愛聴曲「レディー・マドンナ」では我を忘れて歌い踊ってしまった。
 “次の曲は「サージェント・ペパーズ」アルバムから... じゃなかった... うそです... 本当は「イエロー・サブマリン」アルバムから... まぁ近いでしょ?” というMCで笑わせておいて、「オール・トゥゲザー・ナウ」がスタート。バックのスクリーンに映し出されるチビ・モンスターは何度見ても可愛いなぁ...(^o^)丿
Paul McCartney - All Together Now (Out There Tour Japan, Osaka, April 21st 2015)


 “今度こそ本当に「サージェント・ペパーズ」からの曲です” というMCで「ラヴリー・リタ」、“ストリングスを見事に再現してくれたウィックスに感謝!” の「エリナー・リグビー」を挟んで “これも「サージェント・ペパーズ」からの曲” と「ミスター・カイト」。このあたりは中期ビートルズの名曲コーナーといった感じだ。ついでに大好きな「ペニー・レイン」あたりも演ってくれたら嬉しいのだが、そうしたら「ニュー」とキャラが被ってしまうか…(>_<)
 次にポールはベースをウクレレに持ち替え、 “ツギハ ジョージニ ササゲマス” ということで定番の「サムシング」だ。前回のコンサートではドーム全体に響き渡るユッタリしたテンポの手拍子が非常に心地良かったので今回率先して手拍子してみたところ、周りのオーディエンスもついてきてくれて手拍子が大きな輪になっていく。まさに “ポール・マッカートニー & 4万人のハンド・クラッピング・リズム・セクション” である。このドーム独特の残響音とウクレレの軽やかな音色が絶妙に溶け合って醸し出されるマッタリ感がたまらんのよねぇ... (-。-)y-゜゜゜ (つづく)
Something Out There Japan Tour 2015 04 21
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4・21 ポール@京セラドーム (Pt. 2) ~カエッテ キタヨ!~

2015-04-24 | Paul McCartney
 今回のポール日本公演の最大の関心事はやはりそのセットリストだろう。まぁ前回来日時と同じタイトルを冠したアウト・ゼア・ツアーということで、セトリの変更は数曲あるかないか程度のはず。例えば2013年8月のゴールデンゲート・パークと2014年8月のキャンドルスティック・パークという同じサンフランシスコでのコンサートのセトリを比較してみても変更は5曲のみで、オープニング・ナンバーも1年前と全く同じ「エイト・デイズ・ア・ウイーク」だった。問題なのは、基本的には37曲中30曲以上がその曲順も含めて不変の、まさに鉄板と言える “アウト・ゼア・セトリ” の中からどの曲が落ちて、どの曲が入るかということだ。
 特にコンサートのオープニング・ナンバーというのは例えるならレコードのジャケットみたいなもので、たとえ中身、すなわち残りの曲がまったく同じであってもコンサートが違う曲でスタートすればそれだけで全体の印象が変わってくる。だから日本中のポール・ファンは1曲目にどの曲を持って来るかをあれこれ予想しながら今回の公演を迎えたワケだが、私の知る限りではネット上のファンの声としては “1曲目は「エイト・デイズ・ア・ウイーク」以外がいいな...” という空気が充満していた。
 それにしても何と不憫な「エイト・デイズ・ア・ウイーク」... 前回の来日公演が後世に語り継がれるぐらいの大成功を収めた伝説的コンサートとなり、たまたまそのオープニング・ナンバーだったというだけでニュースにスカパーにブート盤にと色んな所に駆り出されて目のまわるような強制労働を強いられた挙句、今度は露出過多のために飽きられてしまったという感じ。「エイト・デイズ・ア・ウイーク」自体に罪は無い。
 しかしかく言う私もオープニング・ナンバー予想としては「マジカル・ミステリー・ツアー」と「エイト・デイズ・ア・ウイーク」が6対4で、内心は前回聴けなかった「マジカル・ミステリー・ツアー」がいいな... と思っていた。ごめんね、「エイト・デイズ・ア・ウイーク」m(__)m
 で、話は4・21京セラドームへと飛ぶ。大歓声の中、ブルーグレーのジャケットを着たポールがオーディエンスに手を振りながらステージに登場、 “うわぁ、1年半ぶりの生ポールやぁ... ク~ッ、タマラン(≧▽≦)” と大コーフンしている私の耳に飛び込んできたイントロは「マジカル・ミステリー・ツアー」!!! う~ん、やっぱりそうきたか... と納得のオープニング・ナンバーである。バックの巨大スクリーンの映像もサイケでポップでめっちゃエエ感じだ。
Paul McCartney - Magical Mystery Tour at Osaka Dome 2015


 2曲目は前回と同じ「セイヴ・アス」。「マジカル・ミステリー・ツアー」と同じイケイケのアッパー系チューンということで曲の流れとしては今回の方が良い感じ。ノリノリの「セイヴ・アス」が終わり、“マイド、オーサーカ! カエッテ キタヨ!” “コンバン マタ ニホンゴ ガンバリマス!” とサービス精神溢れるMCで大喝采を浴びるポール。私も含め、ファンはこういうお茶目なポールを愛しているのだ。
 続く3曲目は何と「キャント・バイ・ミー・ラヴ」だ!!! 実を言うと今回新たにセット・インした5曲の中で唯一全く予想していなかったのが他でもないこの曲で、ニホンゴMCの次は「オール・マイ・ラヴィング」がくるな、と思っていたので完全に意表を突かれてしまった形なのだが、1,2曲目に続く疾走系チューン3連発に我を忘れて歌い、踊り狂う私(笑)  まだ3曲目だというのに私のテンションはもうMAX状態だ(^o^)丿
Can't Buy Me Love /Paul McCartney Live in Osaka Japan 2015.4.21 ポール・マッカートニー 大阪


 続く4曲目は「あの娘におせっかい」に変わって「ジェット」だ。これは完全に予想通りで、前回の6公演中東京2日目にだけセット・インしていたこの曲は、セトリ代替曲の最有力候補として絶対に来ると思っていたのだ。私は「ヴィーナス・アンド・マース~ロック・ショウ~ジェット」の “神メドレー” が死ぬほど好きなので、今回ついに生「ジェット」が聴けただけでもう大満足。それにしてもオープニングから最初の4曲のうち3曲までもが前回と違う曲というのは予想だにしなかったが、このあたりにも日本のファンに喜んでもらおうというポールの心意気が表れているように思う。 (つづく)
ポールマッカートニー 京セラ 2015・4・21② JET
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4・21 ポール@京セラドーム (Pt. 1) ~ポール・ファンはグッズがお好き~

2015-04-23 | Paul McCartney
 昨日ポールの大阪公演に行ってきた。前回はドームに着くのが夕方になりグッズを買うのが大変だった(←開演3時間前なら余裕やと思ってた...)という反省を踏まえ、今回は1日有休を取って万全の態勢での参戦だ。午後2時から販売開始とのことなのでその前に着けばまぁ大丈夫やろうと、お昼前に起きて遅い朝食を取り、午後1時過ぎに阪神ドーム前駅に到着。
 前日の大雨がウソのようにカラッと晴れ上がった青空を見上げ、天気が1日ずれてたら悲惨やったやろなぁ... などとボンヤリ考えながらドーム前の階段を上っていく。さすがにこの時間帯はまだ人少ないわ... と思いながら “グッズ販売所” の矢印の方に目をやった私は我が目を疑った。見渡す限り果てしなく続く人、人、人の列。何じゃコレは... (゜o゜)  アンタら平日やっちゅーのに仕事はどないしたんや(←オマエがいうな!)と焦りながら行列の最後尾(←14ゲート前ですぜ!)に並ぶ。前回よりも若い人の数が増えたように感じるのは気のせいか。結局1時間以上並び、やっとグッズが買えたのは午後3時頃だった。




 戦利品は大阪限定Tシャツ(4,000円)、コズメティック・バッグ(3,500円)、ローズガーデン・トートバッグ(2,500円)、エナメル・キーチェーン(1,000円)の4点で、計11,000円也。今後色んなレーベルからポンポン出てくるであろうブート盤のことを考えるとここで散財するワケにはいかない。
 とりあえず販売所を出てドーム周辺をブラブラして時間をつぶし、4時半頃に戻ってくるとさっきとは比べ物にならないくらい大勢の人達でごった返している。その中で見かけた何人ものファンの人が黒いポール・キャップをかぶっていてこれがめちゃくちゃカッコイイのだ。あれって確かグッズ売り場で売ってたヤツや... あまり帽子というものをかぶらない私にとっては対象外のアイテムだったのでさっきはスルーしてしまったが、あのキャップは欲しいぞ(≧▽≦) どないしよーと考えていたその時、キョードーの係員から開場が30分ほど遅れるとのアナウンスがあり、私はこれ幸いと再びグッズ販売の列に並んだ(笑) 欲しいと思ったら万難を排して手に入れるのが私のポリシーだ。結局1時間10分ほど並んでキャップ(3,500円)をゲットした。かぶり心地も最高で、これは買って大正解だった(^.^)
 因みにこの時点で例の大阪限定TシャツはSサイズを除いて完売で、私の後ろに並んでいた女性が “うわーショック! こーなったら意地でも痩せてSサイズ着たるわ!” と言っているのを聞いて笑ってしまった。それとビックリしたのが1万円もするアウトゼア・バックパックが売り切れてたこと。あれってそんなに人気商品なんか... 東京参戦組でバックパックを狙ってる方は早目に行かれることをオススメします。
 さて、無事買い物を済ませていよいよ入場だ。ゲートに向かうと何と入り口で持ち物検査をやっているではないか! 前回そんなのあったっけ? 私は念のために持参したデジカメをさっき買ったコズメ・バッグに入れ、それを更にTシャツにくるんで(笑)トートバッグに入れ、涼しい顔で係員にバッグを広げて見せると “オマエの買い物なんかに興味はない” とでも言わんばかりにスルーされて無事入場。どうやら狙いはもっと大きなプロ用の録音・撮影機器のようで、デジカメ類はOKらしい。
 アリーナ入口と書いてある通路を下りていくと目の前がパッと開けた。おお、これがアリーナ席か... 前回観たスタンド席は左後方はるか彼方だ。私の席はD14ブロック2列8番という、かなり右端の席でステージからはかなり遠いが、右側の巨大スクリーンは見やすそうだ。開演予定時刻を過ぎた6時40分頃から例のオープニング・フィルムが映し出され、「ベサメ・ムーチョ」に大歓声が上がる。リミックス・メドレーが「テンポラリー・セクレタリー」に差し掛かったあたりからドームは異様な興奮に包まれ、「ジ・エンド」が流れる中、スクリーンに例のヴァイオリン・ベースが映し出されると会場のヴォルテージは最高潮に達した。いよいよ待ちに待ったポールの登場だ。 (つづく)


【4・23追記】東京の方もなんか凄いことになってますな...
グッズに超長蛇の列! ジャパンツアー2015 ポールマッカートニー アウトゼアー (東京ドーム) PAUL McCARTNEY OUT THERE JAPAN TOUR 2015
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Out There US Tour 2014 - Live in Kansas City Film - / Paul McCartney

2015-04-19 | Paul McCartney
 待ちに待ったポール大阪公演があさってに迫ってきた。風邪はもうすっかり治ったし、今回は丸1日有休を取ったので準備万端という感じで、あとはポールが万全の体調で来日してくれることを祈るのみ。4月に入ってから目が回るくらい忙しかった仕事の方もようやく一段落し、最近は前回のポール来日公演のDVDを取っ替え引っ替え観まくる日だ。
 ポールのアウト・ゼア・ツアーのブート盤で私が持っているのはほとんどが2013年のもので、昨年の来日公演中止以降のものはキャンドルスティック・パーク公演やサン・パウロ公演など、数えるほどしかない。しかし通販でよく利用しているブート屋Kentが今回の来日に合わせて期間限定で Empress Valley レーベルの “2014ポールUSツアー・シリーズ” のCDとDVDの大幅値下げキャンペーンをやっているのを知り、いてもたってもいられなくなった。
 このシリーズは去年の7月に行われたポール復活直後のUSツアーから 7/9シカゴ公演、7/12ファーゴ公演、7/14リンカーン公演、7/16カンザスシティ公演の模様を日本のブート・レーベルであるEmpress Valley のスタッフがはるばるアメリカまで遠征して収録してきたもので、去年の秋にリリースされた時は “おおっ!” と色めきたったが、1公演につきCDが6,800円でBD-R&DVDのセットが9,800円というボッタクリ価格に二の足を踏んで購入を見送っていたのだ。いくら他レーベルに比べて音質が少々優れていようともCDに6,800円というのは決して安くはないし、同内容のBD-RとDVDをセットにして9,800円という抱き合わせ販売的な売り方にはどうしても抵抗を覚えてしまう。そもそも同内容のライヴをブルーレイとDVDの両方で欲しいファンなんているのだろうか?
 そんなこんなで心の片隅で気にしながらも一旦はスルーしたポールの2014 US公演関連のブート盤が、6,800円のCDも9,800円のDVDも期間限定ながら3,800円で買えるというのだからこれはエライコッチャである。無意味な帯を付けたり不要なDVDを付けたりして値段を釣り上げるこのレーベルの売り方は大嫌いだが、商品そのもののクオリティは抜群に高いからだ。で、上記4公演のうちどれを買うかだが、1つ選ぶとすればやはり他公演では聴けないご当地ソング「カンザス・シティ」を演っている7/16カンザスシティ公演がいい。で、CDもDVDも同価格とくれば当然映像付きのブルーレイ盤をチョイス。車の中で聴きたければCDレコーダーにつないで音声だけを取り出してCD-R化すればいいだけの話だ。
 届いた商品をチェックしてみたところ、予想通りブルーレイの非圧縮映像はめちゃくちゃ綺麗で、当然ながらこれを見た後でDVDを見るとその差は歴然。別々に売ってその分値段を安くしてくれればいいのに...(>_<)  シューティング・ポジションはアリーナ中央のそれもかなり前の方という理想的なもので、手ブレもほぼ皆無という安定感抜群の撮影も相まって、アウト・ゼア・ツアーのオーディエンス・ショットとしては私の知る限りでは最高の作品に仕上がっている。
 ただ残念だったのはアンコールの「デイ・トリッパー」あたりから画面の左半分ほどが前の観客(←めっちゃ背の高いメガネのオッサン)に遮られがちになることで、楽しみにしていた「カンザス・シティ」なんかそのオッサンの頭の影から時々ポールがチラチラ見えるという有様(*_*)  「イエスタデイ」や「ヘルター・スケルター」なんかもう、そのオッサンの頭が邪魔で邪魔でポールがほとんど見えない。又、メッセージ・ボードを掲げる連中も後ろの観客からしたら迷惑以外の何物でもない。あさっては京セラドームのアリーナ席初体験なのだが、果たしてどーなることやら...(-。-)y-゜゜゜
 それと、コピー業者対策なのだろうが、画面右上に大きくEVSDの文字がデカデカと(←ヴァイオリン・ベースと同じくらいの大きさですぜ!!!)映し出されているというのもめっちゃウザい。去年購入した東京ドームのヤツは確か左下に小さく例のロゴが映っていただけだったので、これは改悪そのものではないか。EVSDの映像作品はそのうち画面中央にロゴを出すようになるかもしれない(笑)
 音質面はもう完璧と言ってもいい素晴らしさで、不快な奇声も一切なく、サウンドボード録音と間違えるくらいのクリアーでド迫力なサウンドが炸裂(≧▽≦) いや~、これはホンマに凄いですわ。これなら音だけでも3,800円払う価値は十分にあると思う。
 ステージ進行に関してはほとんど日本公演と変わらないが、オープニングでポールが着ているジャケットがライトグレーだったりとか、日本公演とは違うMCネタだとか(←ロシアの政府高官から “We've learned English from Beatles' records... Hello, Goodbye.” って言われたっていうエピソードがめっちゃウケてた...)、ファンとしては見所聴き所が満載だ。
 4月に入ってから考えることと言えば今回のポール公演がどんな内容になるのかという妄想ばかり(笑) オープニングはやっぱり「エイト・デイズ・ア・ウイーク」~「セイヴ・アス」のままか、それとも「マジカル・ミステリー・ツアー」~「ジュニアズ・ファーム」あたりに変えてくるのかな? 「ジェット」や「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」あたりはセットインするのかな? 今回は武道館に因んで「シーズ・ア・ウーマン」や「アイム・ダウン」とかを演ってくれるのかな? 今回はどんな大阪弁を披露してくれるのかな?...etc。 あと2日でそれらの答えが出るワケだが、たとえ前回公演と全く同じセトリであっても私は全く驚かないし何の不満もない。 “マタ アイマショウ!!!” という約束を果たしに大阪まで来てくれるポールに会えるだけで私は十分幸せだ(^.^)
Paul McCartney Eight Days a Week Sprint Center Kansas City 7/16/2014

Paul McCartney - Kansas City and I Saw her Standing There 07/16/2014 @ Sprint Center Kansas City MO


【4/20追記】コンサートグッズ情報キタ━━━━━━(≧∀≦)ノ━━━━━━!!!!!
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マッシュアップ・ビートルズ特集2015

2015-04-11 | Mashup
 ポールの大阪公演まであと10日となった今日、クラウドサージで取ったチケットがキョードー東京からクロネコ便で届いた。実は4月に入ってから目のまわるような忙しさで疲労困憊していたところに昨日あたりから風邪気味で今日は一日グッタリしていたのだが、これは何としても来週までに治さなければいけない。こんな時は何も考えずに笑えるネタが一番だ。ということで今日は久々にマッシュアップ特集をやりたいと思う。

①「A Hard Day's Night」+「Girls Girls Girls」(Motley Crue)
 常にクオリティーの高いマッシュアップ作品を生み出し続けているオーストラリアのマッシュアップ・アーティスト、Wax Audioの新作がこれ。以前取り上げたメタリカもそうだったが、マッシュアップにおけるビートルズとヘビメタの相性は抜群で、この作品でも違和感を感じさせない音声ミキシングと映像処理で大いに楽しませてくれる。リンゴの爆裂ドラミングやポールのヘッドバンギング(笑)のシーンも良く出来ていて感心してしまったが、何と言ってもモトリーのラウドなメタル・サウンドを向こうに回して一歩も引かずに圧倒的な存在感を示すジョン・レノンの歌声が一番の聴きどころ。ジョンの歌声は史上最強だ。
A Hard Girls' Night (The Beatles + Motley Crue Mashup by Wax Audio)


②「Twist And Shout」+「La Bamba」(Ritchie Valens)
 残念なことにこの作品は音声ミックスのみだが、映像無しのハンデを補って余りある見事なマッシュアップだ。耳に馴染んだ「ラ・バンバ」のイントロに続いていきなりジョンの “ウェ シェケナベイベ ナウ~♪” が炸裂する瞬間の快感を何と表現しよう? バック・コーラスを始めとして細部に至るまで「ラ・バンバ」と「ツイスト・アンド・シャウト」が信じられないくらい見事に一体化し、理屈を超えたロックンロールの躍動感を伴って迫ってくるのだからたまらない(≧▽≦) これはホンマに凄いわ!
The Beatles Vs. Ritchie Valens - La Twist And Bamba (Cabox MashUp)


③「Come Together」+「I Love Rock 'n' Roll」(Joan Jett)
 2つの楽曲を組み合わせて一つの作品を作るだけでも大変なことだと思うのだが、これは何と5組ものアーティストの楽曲を絶妙にミックスして実にクールでカッコ良いマッシュアップ作品にに仕上げてあるのだからその音楽的センスはもう見事という他ない。サイプレス・ヒル、ハウス・オブ・ペイン、レイジ・アゲインスト・ザ・マシンという3組のアーティストは全然知らないのだが(←ヒップホップっぽいサウンドとかかな?)、私的にはジョーン・ジェット姐さん一世一代の名曲「アイ・ラヴ・ロックンロール」の名リフをバックにジョンが歌う「カム・トゥゲザー」が聴けるだけで鳥肌モノだ。ちょいちょい挿入される “ロック・ショウ” ポールの映像もファンとしては嬉しい。
The Beatles vs. Joan Jett vs. Cypress Hill vs. House Of Pain vs. Rage Against The Machine Mashup


④「Rock 'n' Roll Music」+「Rock 'n' Roll」(Led Zeppelin)
 ビートルズの「ロックンロール・ミュージック」とレッド・ゼッペリンの「ロックンロール」を組み合わせるという、今までありそうでなかったマッシュアップがこれ。ボンゾの爆裂ドラミングから始まる例のイントロに続いて “ジャスレッミィァ サマザ ロックンロールミュージック~♪” というジョンのヴォーカルが炸裂する前半25秒間がこの作品のすべてと言ってもいいだろう。中盤以降はあらかさまな手抜きでほとんどゼップの「ロックンロール」一辺倒なのが惜しまれるが、後半3分4秒の所でプラントとジョンのヴォーカルが交差する瞬間はめっちゃカッコいい。取って付けたようなエンディングは笑えますな。
Led Zeppelin vs The Beatles - Rock and Roll Music


⑤「Honey Pie」+「I'm Coming Virginia」(Django Reinhardt, Sidney Bechet, Barbara Lea)
 最後はちょっと趣を変えてビートルズとスウィング・ジャズの融合だ。接着剤はジャンゴ・ラインハルトが奏でるマヌーシュ・ギターのリズム。「ハニー・パイ」という曲は元々オールド・ジャズのパロディーとしてポールが書いたものなのでこのマッシュアップは当然の帰結と言えるものだが、それにしても曲全体をキリリと引き締めているドラムのビートといい、後半部に絶妙のタイミングで挿入されるバーバラ・リーのヴォーカルといい、入念に作り込まれた逸品だと思う。
The Beatles (Feat. Django Reinhardt, Sidney Bechet) - Honey Pie (Grant Lazlo Mashup)
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キュートな女性ヴォーカルで聴く「ビー・マイ・ベイビー」カヴァー特集

2015-04-04 | Wall Of Sound
①Rachel Sweet
 女性シンガーの声質と曲調、そしてそのサウンド・プロダクションとの相性というのは非常に重要なファクターだと思うのだが、レイチェル・スウィートの文字通り甘~いロリータ・ヴァイスはフィル・スペクターのウォール・オブ・サウンドにピッタリだ。彼女がパット・ベネターばりに黒の皮ジャンに身を包んで歌ったプレスリー・カヴァー「ベイビー・レッツ・プレイ・ハウス」なんかは気持ちばかりが先走った余裕のない歌い方で観ていて痛々しかったが、「ゼン・ヒー・キスド・ミー」とのメドレーで聴かせるこの「ビー・マイ・ベイビー」では一転して水を得た魚のように活き活きとした歌声を聴かせてくれる。やっぱり選曲って大事やねー。彼女に合ったミディアム・スロー・テンポ曲2連発ということも相まって、そのキュートな魅力全開で音壁ファンのハートを撃ち抜く必殺のスペクター・メドレーだ。
Rachel Sweet - Then He Kiss Me (Be My Baby) 1981


②Sandy Posey
 歌手の中にはオリジナル作品はイマイチ面白くないのにカヴァー曲になると俄然魅力を発揮する人達がいる。要するに実力はあるのに良い曲に恵まれなかったということなのだろうが、このサンディー・ポゥジィという人もそんな不運な女性シンガーの一人だろう。彼女の持ち味であるカントリー・テイスト溢れるそのキュートなポップ・ヴォーカルは「シングル・ガール」や「ボーン・ア・ウーマン」といった旋律性の薄いオリジナル曲よりもキャッチーなアメリカン・ポップスのカヴァーの方が断然合っている。
 そんな彼女のカヴァー曲を中心に選曲された超お宝CDがこの「シングル・ガール」で、「ビー・マイ・ベイビー」を始めとして、クリスタルズの「ゼン・ヒー・キスド・ミー」、リトル・ペギー・マーチの「アイ・ウィル・フォロー・ヒム」、シフォンズの「ヒーズ・ソー・ファイン」「ワン・ファイン・デイ」(←何故か 'Till I Kissed You と誤植されてる...)、シュレルズの「ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ」、パリス・シスターズの「アイ・ラヴ・ハウ・ユー・ラヴ・ミー」といった私の大好きなガール・ポップ・クラシックスが満載だ(^o^)丿 特に彼女と歌い方が似ているコニー・フランシスの「フーズ・ソリー・ナウ」「エヴリバディーズ・サムバディーズ・フール」「マイ・ハピネス」の3曲なんかもう絶品と言える素晴らしさだし、エヴァリー・ブラザーズの「オール・アイ・ハヴ・トゥ・ドゥ・イズ・ドリーム」「ホェン・ウィル・アイ・ビー・ラヴド」(←リンロンのカヴァーでも有名ですね)も鳥肌モノの名唱だ。このCDは今ではかなり入手困難なようだが、サンディー・ポゥジィを聴くならまずはこの1枚から!と言いたくなるオールディーズ・ファン必携盤だ。
Sandy Posey - Be My Baby


③Maggie Roberts
 このマギー・ロバーツという女性シンガーのことは「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーを集めていた時に初めて知った。今はネットを駆使すれば大抵の情報は手に入るものだが、この人はよっぽどマイナーな歌手だったのか、色々調べてみても顔写真1枚すら出てこず、結局1963~64年頃に Cannon や Crossbow といったイギリスの超マイナー・レーベルから出されたカヴァー曲コンピレーションEPの中でレスリー・ゴーアの「イッツ・マイ・パーティ」やスプリームズの「恋はどこへ行ったの」、ロネッツの「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」なんかをカヴァーしていたということぐらいしか分からなかった。当時はヒット曲カヴァー専門のシンガーがたくさんいたので、ひょっとすると彼女もそんな1人かもしれない。
 彼女の「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーは63年にイギリスでリリースされた6曲入りEPの中に入っていたものだが、私が買ったのは翌64年にイタリアの Variety というこれまた未知のレーベルから出された2曲入りシングルのプロモ盤。以前取り上げたジョージェッツと同じく歌も演奏もオリジナルに忠実にカヴァーするというこの手の企画の鉄則通りの内容で、この曲に特別な思い入れのない人にとっては取り立ててどうということのないレコードかもしれないが、私にとってはそのキュートなヴォーカルとVariety というレーベルの神秘性で結構愛着のある1枚なのだ。
Maggie Roberts - Be My Baby
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