shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Bossa n' Stones

2008-11-11 | Cover Songs
 我々アナログLP世代のロック・ファンにとって、ストーンズの「スティッキー・フィンガーズ」といえば中身よりもまず「あぁ、アンディー・ウォーホールがデザインした、あのジッパーが付いてるジャケットのヤツね!」というぐらいユニークなジャケット・デザインで有名な盤なのだが、インパクトの強さで本家を遥かに凌ぐパロジャケ盤が登場した。それがここでご紹介する「ボッサ・ン・ストーンズ」である。この「ボッサン」シリーズ、他にも「ボッサ・ン・ローゼズ」(ガンズ・アンド・ローゼズのカヴァーで、皮のビキニに薔薇のタトゥー)や「ボッサ・ン・マーリィ」(ボブ・マーリィのカヴァーで、ジャマイカの国旗柄のビキニにラスタマンのタトゥー)、そして「友達紹介するわ」的なノリの続編「ボッサ・ン・ストーンズ2」があり、そのパロディー・センスが大いに笑えるのだが、これらはすべてアルゼンチンの Music Brokers という、エレクトロ・ボッサを中心に扱うレーベルが仕掛けた一種の企画盤なのだ。要するに大物アーティストの曲を超脱力系女性ヴォーカルでボサノヴァ風にカヴァーし、セクシーなジャケットに収めて一丁あがり(笑)、というわけである。普通こういった企画モノはナンジャラホイ盤が非常に多いのだが、このシリーズは違う。中身の方もジャケットに負けず劣らず素晴らしいのだ。あの毒気の強い「悪魔を憐れむ歌」が、「夜をぶっとばせ!」が、セクシーなウィスパー・ヴォイスによって見事に換骨堕胎され、癒し系エレクトロ・ボッサに生まれ変わっている。「素晴らしいカヴァーとは原曲を破壊することなく新しい生命を吹き込むこと」を信条とする私にとって、この盤はその基準を軽くクリアしており、Vol.2と共に愛聴盤になっている。特にVol.1の「アウト・オブ・タイム」やVol.2の「アイム・フリー」なんかはストーンズのオリジナルよりもこっちのヴァージョンの方が気に入っている。困ったものだ(笑) このシリーズはHMVやアメリカのアマゾンで試聴できるし、YouTubeにもライヴ映像(現地では凄い人気らしい...)がアップされてるので興味を持たれた方はどうぞ(^_^) 尚、未確認情報ながら、どうやら「ボッサンU2」(笑)というのも出たらしい。え?U2までボッサにすんの?まったく油断も隙もあったもんじゃない。カヴァー・ソング・ハンターに休みはないのである。

Bossa n' Stones - Let's Spend The Night Together