901さん:じゃあ僕は珍しいアルゼンチンのレコードを。
私:それって欧米で出てるレコードのアルゼンチン版ってことですか? それともアルゼンチン人ミュージシャンが演ってる現地のレコードですか?
901さん:アルフレッド・リーマスっていう人のリーダー作で全員アルゼンチン人ですわ。
私:へぇ~、そんなレコード、一体どーやって知らはったん?
901さん:実は僕がいつも見てるジャズのブログで激賞されててね。それでイーベイで探してみたらあったんで買いましてん。
私:高かったですか?
901さん:いやいや、タダみたいなもんでしたわ(笑)
私:で、どーでした?
901さん:ちょっとノイズは出るけど、エエね。このテナーの人、ジョー・ファレルなんかより上手いんちゃうかなぁ... 今ではCDなんかも出てるみたい。
私:へぇ~、そうなんですか。じゃあ僕はピアノトリオでマーティン・ハアク。
901さん:このジャケット、どっかで見たことあるなぁ...
私:これ、自分的にはめっちゃ掘り出し物でした。
901さん:「アローン・アゲイン」か... ジャズでは珍しいねぇ... 澤野さんも同じようなピアノトリオばっかりやのうて、こういうの出せばよかったのにねぇ...
私:そうですね。
901さん:これどこ国の人?
私:オランダやったかな?
901さん:カルテットをKWARTETって綴るんか... 面白いねぇ...
私:これは日本橋の EAST で佐藤さんに教えてもらいましてん。“Shiotchさん、こんなん好きでしょ?” って言われて(笑) もうドストライクでしたわ!
901さん:こんなん誰も知らんのちゃうかなぁ。ピアノもめっちゃ上手いねぇ。
私:コンガも効いてるでしょ?
901さん:そうそう、コンガが入ってなかったらあかんよね。とにかく選曲とコンガの使い方が見事やわ。
私:そう言ってもらえると嬉しいです。
901さん:じゃあ次はクラリネットで。ウラニアのジミー・ハミルトン。
私:うわ、渋っ!
901さん:この人モダンやね。デフランコなんかと変わらへんわ。ブラインドしてもみんなデフランコと間違うんとちゃうかなぁ...
私:ホンマですね。僕、この人のイメージって “しみじみ系” やったんですけど、いい意味で予想を裏切られましたわ。
901さん:しみじみどころか、他に「チャーリーパーカーに捧ぐ」っていう曲もやってるんよ。
私:ジミー・ハミルトンがパーカーですか? ぜひ聴かせてください。【♪~】
901さん:ね? バディ・デフランコと変わらんでしょ? とにかくモダンな演奏やわ。
私:この人のこんな演奏って珍しいですね。
901さん:他のレコードはみんなホンワカ系やのに、これだけ何でかバップやってるんよ。面白いねぇ。
私:じゃあ次は男性ボーカルでエディー・ドーレンボスっていう人を。
901さん:見たことないなぁ... こんなんどこで見つけやはったん?
私:これも EAST です。あのお店にはホンマにエエ盤いっぱい教えてもらいましたわ。ある意味、僕のジャズの師匠的な存在ですね。
901さん:レーベルは?
私:Papagayo... パパガヨって書いてあります。
901さん:へぇ~、こんなん持ってはるの、Shiotchさんぐらいやで...(笑)
私:軽快にスイングするエエ男性ボーカルでしょ?
901さん:ホンマやねぇ... 佐藤さん、こんなん一体どうやって見つけてきやはったんやろね。
私:ポータブル・プレイヤー片手にヨーロッパ中の色んなレコード屋を廻って、自分の耳で聴いて気に入ったもんを買うてはったみたいです。
901さん:へぇ~、それは凄いねぇ。じゃあ最後はB級中のB級で。さて問題です... B級テナーといえば?
私:え~っと... セルダン・パウエル?
901さん:違う!
私:エディー・ロックジョー・デイビス?
901さん:ちょっと近くなった(笑)
私:う~ん、いっぱいおるなぁ... やっぱりテキサス・テナーですか?
901さん:ヒントはブルーノート。
私:ということは4000番台の後半以降か...
901さん:4162番! スタンレー・タレンタインですわ。
私:おぉ、そうきましたか。
901さん:このレコードで「家路」やってますねん。ここにも入ってるバレルやけど、この前の年に「ボサノバ・ソウル・サンバ」でこの曲やって、気に入ったからここでもやろうってなったんとちゃうかなぁ...
私:なるほど。
901さん:それにしてもシンバルの音がキレイに入ってるねぇ...
私:ホンマですね。
901さん:これはシンバルを聴くレコードやね!
私:出ました、名言!
901さん:このオーティス・フィンチっていう人、他で名前聞いたことないけどシンバルの名手やね。
私:じゃあ最後は女性ボーカルで。実は2枚候補があって、どっちにするかまだ迷ってるんですけど... ギター・バックでアップテンポなのと、サックス・バックでスローなのとどっちが今の気分ですか?
901さん:じゃあアップテンポのヤツを。
私:だったらこっちですね。サラ・ラザレスっていう人です。
901さん:ジャケットにジプシー・プロジェクトって書いてあるけど...
私:実はバックがビレリ・ラグレーンなんですよ。
901さん:【♪~】おぉ、これは当たりやねぇ。めちゃくちゃエエねぇ。
私:気に入っていただけてよかったです。
901さん:今日もいっぱい聴いたなぁ... 特にインパルスの話は盛り上がったねぇ...
私:そうですね。自分は好き嫌いがハッキリしてるんで、そういう意味でインパルスの “怖い系” と “怖くない系” の対比は面白かったです。
901さん:コルトレーンとかアイラーとか、本気で好きな人なんてそんなおらんのちゃうかなぁ。ただ僕らの世代ってどうしても評論家の言うことが気になってしもうて、あんなに褒めてはるんやからやっぱり聴かなアカンのちゃうかとか思っちゃうわけよ。
私:そういう時代背景、何となくわかる気がします。ただ、僕はその真逆で、どこの誰がどう褒めようと、自分の感性で受け入れられへんもんは絶対に拒絶するタイプなんですよ。音を楽しむのが音楽やのに、何で不快な思いしてまで聴かなあかんねん、っていう感じですかね。
901さん:なるほど。話は音楽から逸れるけど、「第三の男」っていう映画ありますやろ? あれ、ほとんどの評論家が大絶賛してるんやけど、僕は何回観ても一体これのどこがエエんやろ?と思うんよ。あれは悩んだなぁ...
私:へぇ~、そうなんですか。でもそういうのって絶対にありますよね。僕の場合はビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」がそれですわ。あのレコードって評論家もファンもみんながみんな褒めちぎってて、世間では「サージェント・ペパーズ」と並ぶ大名盤って言われてるんですけど、僕にしたらどこがエエのかサッパリわからんのですよ。あんなエネルギー感に乏しい軟弱な音楽よりも理屈抜きで楽しめる「サーフィンUSA」や「ファン・ファン・ファン」の方が何十倍何百倍もエエやん!って思うんですけどね。
901さん:なるほどねぇ... 僕の「第三の男」と同じやね。
私:一応CDは持ってるんでちょっと聴いてみましょうか...【♪~】う~ん、やっぱり無理! 「Sloop John B」以外は全然心に響かへん。901さんはどう思われます?
901さん:う~ん、少なくともロックじゃないねぇ... Shiotchさんの言わはることもわかる気がするわ。
私:まぁ音楽も映画も個人の好みの問題なんで、最終的には “合う合わん” ということでしょうね。
901さん:それにしても「渋レコ」で始まって、最後は「第三の男」と「ペット・サウンズ」で盛り上がるって、やっぱりこの会は面白いねぇ... (おわり)
私:それって欧米で出てるレコードのアルゼンチン版ってことですか? それともアルゼンチン人ミュージシャンが演ってる現地のレコードですか?
901さん:アルフレッド・リーマスっていう人のリーダー作で全員アルゼンチン人ですわ。
私:へぇ~、そんなレコード、一体どーやって知らはったん?
901さん:実は僕がいつも見てるジャズのブログで激賞されててね。それでイーベイで探してみたらあったんで買いましてん。
私:高かったですか?
901さん:いやいや、タダみたいなもんでしたわ(笑)
私:で、どーでした?
901さん:ちょっとノイズは出るけど、エエね。このテナーの人、ジョー・ファレルなんかより上手いんちゃうかなぁ... 今ではCDなんかも出てるみたい。
私:へぇ~、そうなんですか。じゃあ僕はピアノトリオでマーティン・ハアク。
901さん:このジャケット、どっかで見たことあるなぁ...
私:これ、自分的にはめっちゃ掘り出し物でした。
901さん:「アローン・アゲイン」か... ジャズでは珍しいねぇ... 澤野さんも同じようなピアノトリオばっかりやのうて、こういうの出せばよかったのにねぇ...
私:そうですね。
901さん:これどこ国の人?
私:オランダやったかな?
901さん:カルテットをKWARTETって綴るんか... 面白いねぇ...
私:これは日本橋の EAST で佐藤さんに教えてもらいましてん。“Shiotchさん、こんなん好きでしょ?” って言われて(笑) もうドストライクでしたわ!
901さん:こんなん誰も知らんのちゃうかなぁ。ピアノもめっちゃ上手いねぇ。
私:コンガも効いてるでしょ?
901さん:そうそう、コンガが入ってなかったらあかんよね。とにかく選曲とコンガの使い方が見事やわ。
私:そう言ってもらえると嬉しいです。
901さん:じゃあ次はクラリネットで。ウラニアのジミー・ハミルトン。
私:うわ、渋っ!
901さん:この人モダンやね。デフランコなんかと変わらへんわ。ブラインドしてもみんなデフランコと間違うんとちゃうかなぁ...
私:ホンマですね。僕、この人のイメージって “しみじみ系” やったんですけど、いい意味で予想を裏切られましたわ。
901さん:しみじみどころか、他に「チャーリーパーカーに捧ぐ」っていう曲もやってるんよ。
私:ジミー・ハミルトンがパーカーですか? ぜひ聴かせてください。【♪~】
901さん:ね? バディ・デフランコと変わらんでしょ? とにかくモダンな演奏やわ。
私:この人のこんな演奏って珍しいですね。
901さん:他のレコードはみんなホンワカ系やのに、これだけ何でかバップやってるんよ。面白いねぇ。
私:じゃあ次は男性ボーカルでエディー・ドーレンボスっていう人を。
901さん:見たことないなぁ... こんなんどこで見つけやはったん?
私:これも EAST です。あのお店にはホンマにエエ盤いっぱい教えてもらいましたわ。ある意味、僕のジャズの師匠的な存在ですね。
901さん:レーベルは?
私:Papagayo... パパガヨって書いてあります。
901さん:へぇ~、こんなん持ってはるの、Shiotchさんぐらいやで...(笑)
私:軽快にスイングするエエ男性ボーカルでしょ?
901さん:ホンマやねぇ... 佐藤さん、こんなん一体どうやって見つけてきやはったんやろね。
私:ポータブル・プレイヤー片手にヨーロッパ中の色んなレコード屋を廻って、自分の耳で聴いて気に入ったもんを買うてはったみたいです。
901さん:へぇ~、それは凄いねぇ。じゃあ最後はB級中のB級で。さて問題です... B級テナーといえば?
私:え~っと... セルダン・パウエル?
901さん:違う!
私:エディー・ロックジョー・デイビス?
901さん:ちょっと近くなった(笑)
私:う~ん、いっぱいおるなぁ... やっぱりテキサス・テナーですか?
901さん:ヒントはブルーノート。
私:ということは4000番台の後半以降か...
901さん:4162番! スタンレー・タレンタインですわ。
私:おぉ、そうきましたか。
901さん:このレコードで「家路」やってますねん。ここにも入ってるバレルやけど、この前の年に「ボサノバ・ソウル・サンバ」でこの曲やって、気に入ったからここでもやろうってなったんとちゃうかなぁ...
私:なるほど。
901さん:それにしてもシンバルの音がキレイに入ってるねぇ...
私:ホンマですね。
901さん:これはシンバルを聴くレコードやね!
私:出ました、名言!
901さん:このオーティス・フィンチっていう人、他で名前聞いたことないけどシンバルの名手やね。
私:じゃあ最後は女性ボーカルで。実は2枚候補があって、どっちにするかまだ迷ってるんですけど... ギター・バックでアップテンポなのと、サックス・バックでスローなのとどっちが今の気分ですか?
901さん:じゃあアップテンポのヤツを。
私:だったらこっちですね。サラ・ラザレスっていう人です。
901さん:ジャケットにジプシー・プロジェクトって書いてあるけど...
私:実はバックがビレリ・ラグレーンなんですよ。
901さん:【♪~】おぉ、これは当たりやねぇ。めちゃくちゃエエねぇ。
私:気に入っていただけてよかったです。
901さん:今日もいっぱい聴いたなぁ... 特にインパルスの話は盛り上がったねぇ...
私:そうですね。自分は好き嫌いがハッキリしてるんで、そういう意味でインパルスの “怖い系” と “怖くない系” の対比は面白かったです。
901さん:コルトレーンとかアイラーとか、本気で好きな人なんてそんなおらんのちゃうかなぁ。ただ僕らの世代ってどうしても評論家の言うことが気になってしもうて、あんなに褒めてはるんやからやっぱり聴かなアカンのちゃうかとか思っちゃうわけよ。
私:そういう時代背景、何となくわかる気がします。ただ、僕はその真逆で、どこの誰がどう褒めようと、自分の感性で受け入れられへんもんは絶対に拒絶するタイプなんですよ。音を楽しむのが音楽やのに、何で不快な思いしてまで聴かなあかんねん、っていう感じですかね。
901さん:なるほど。話は音楽から逸れるけど、「第三の男」っていう映画ありますやろ? あれ、ほとんどの評論家が大絶賛してるんやけど、僕は何回観ても一体これのどこがエエんやろ?と思うんよ。あれは悩んだなぁ...
私:へぇ~、そうなんですか。でもそういうのって絶対にありますよね。僕の場合はビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」がそれですわ。あのレコードって評論家もファンもみんながみんな褒めちぎってて、世間では「サージェント・ペパーズ」と並ぶ大名盤って言われてるんですけど、僕にしたらどこがエエのかサッパリわからんのですよ。あんなエネルギー感に乏しい軟弱な音楽よりも理屈抜きで楽しめる「サーフィンUSA」や「ファン・ファン・ファン」の方が何十倍何百倍もエエやん!って思うんですけどね。
901さん:なるほどねぇ... 僕の「第三の男」と同じやね。
私:一応CDは持ってるんでちょっと聴いてみましょうか...【♪~】う~ん、やっぱり無理! 「Sloop John B」以外は全然心に響かへん。901さんはどう思われます?
901さん:う~ん、少なくともロックじゃないねぇ... Shiotchさんの言わはることもわかる気がするわ。
私:まぁ音楽も映画も個人の好みの問題なんで、最終的には “合う合わん” ということでしょうね。
901さん:それにしても「渋レコ」で始まって、最後は「第三の男」と「ペット・サウンズ」で盛り上がるって、やっぱりこの会は面白いねぇ... (おわり)