shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Abbey Road」各国盤バトルロイヤル② ~北欧ハイレベル対決~

2019-09-28 | The Beatles
 「Abbey Road」のスーパー・デラックス・エディションとそのアナログ盤が届いた。ここのところずーっと「Abbey Road」づくしの日々を過ごしているが、これでまたひとつお楽しみが増えたという感じ(^.^) 感想はいずれまた書こうと思うが、とりあえず今日は「Abbey Road」各国盤聴き比べの第2回ということで、当ブログ恒例の北欧盤によるトリプル・スレッド・マッチ。これまでの盤と同様、今回もハイレベルな超高音質盤対決となりました。

④ノルウェー盤(2/2U, 131g)
 Sさん:ノルウェー盤のB面マトは2Uなんですか... 珍しいですね。
 私:はい、なぜかこれだけ他と違うんです。
 Sさん:すごく良いですね! メリハリがあります。
 私:中々やりよりますやろ?
 Sさん:中々どころか、いきなり優勝候補ですよ。凄い凄い! A③「Maxwell's Silver Hammer」のハンマーの音がものすごくエエ音してます。
 私:今までものすごい数の「Abbey Road」聴いてきはったと思いますが、その中でもかなり上位に来ると。
 Sさん:一番です! とにかく力強いです。A④「Oh, Darling!」のピアノもメリハリがあって力強いですね。
 私:A⑤「Octopus's Garden」のドラムもめっちゃパワフル! リンゴのショットがビシバシきまります。快感ですわ。
 Sさん:A⑥「I Want You」のホワイト・ノイズもすごいですね。いやぁ、素晴らしいです。
 私:じゃあB面いきましょか。届いた時にノイズがあったので木工用ボンドでパックしたらめっちゃエエ音になりました。
 Sさん:2U初めてなんですよ...
 私:どうですか?
 Sさん:マト1と比べてシャープな印象です。
 私:そうそう、マト1の方がふっくらした音ですよね。
 Sさん:B④「Sun King」のS.E.も聞こえ方が少し違うような気がします。
 私:B⑤「Mean Mr. Mustard」のベースなんか明らかに違いますもん。何ていうか、「Abbey Road」B面のイメージが変わりますね。私はこれ大好きです。
 Sさん:マト1に比べてドンシャリ系というか、今まで聴いたこののない音です。いやぁ、素晴らしかったです。

⑤デンマーク盤(2/1, 137g)
 私:次は王者デンマーク盤です。
 Sさん:いやぁ、これも素晴らしいですね。
 私:確かに超ハイレベルの対決になってきました。ノルウェー盤と比べてどうですか?
 Sさん:甲乙つけ難いです。
 私:A②「Something」のドラムもめっちゃ力強いですね。音を聴こうとして知らぬ間に音楽に引きこまれてしまっているという理想的なパターンです。
 Sさん:こっちもホンマに凄いですね。
 私:印象としてはデンマーク盤の方が若干音が大きめで、ノルウェー盤の方が音がクリアーな感じです。
 Sさん:ノルウェー盤は一つ一つの音がハッキリ聞こえますね。デンマーク盤の方はとにかく迫力が凄いです。
 私:B面はどうでしょう? マトが違いますが...
 Sさん:B①「Here Comes The Sun」のベース、まさにマト1の音ですね。
 私:そうそう、聴きなれたマト1の音ですよ。
 Sさん:B④「Sun King」のイントロもキレイですね。
 私:キレのノルウェー盤 vs コクのデンマーク盤とでも言いましょうか... どっちも素晴らしい音やと思います。

⑥スウェーデン盤(2/2U, 115g)
 私:北欧3国の中でもスウェーデンだけはいつも独自性のある音で今回も聴く前から大体予想がつくんですが(笑)実際に聴いてみてどうですか?
 Sさん:う~ん、良い音やとは思いますが、若干軽くなったような感じですね。
 私:そうそう、私も全く同感です。まさしく “スウェーデンの音” ですよ。まぁ3枚の内この盤だけ70年代プレスというのもあるんでしょうけど。
 Sさん:何でこんなに軽くなったんでしょうね? これ単体で聴いたら不満はないんですが、他の2枚の後に聴くとねぇ... ベースのトーンが少し高いです。
 私:確かに... ベースの音が一番わかりやすいですね。
 Sさん:聴きやすいトーンではあるんですけどね。耳触りがいいというか...
 私:意図的にそういう音を狙ったのかもしれませんね。A⑤「Octopus's Garden」なんかすごく楽しげですもん...
 Sさん:ベースの音にもう少し深みが欲しいところです。A⑥みたいにベースが結構重要な曲はどうしても軽く聞こえちゃいますね。
 私:ベースの音が違うと全体の印象がガラッと変わりますね。
 Sさん:B①「Here Comes The Sun」の軽やかさなんかすごく良いですけどね。B②「Because」もすごくキレイです。
 私:こういう曲にはぴったりハマりますね、
 Sさん:B面の方が良いですね。
 私:スウェーデン盤の音作りがB面の曲想に合ってるんでしょう。
 Sさん:B面の方がA面に比べて粘りが出てきた感じです。
 私:B面で少し挽回したところはありますが、やっぱりノルウェーとデンマークが凄すぎましたね。

「Abbey Road」各国盤バトルロイヤル① ~独自マト編~

2019-09-21 | The Beatles
 「Abbey Road」のスーパー・デラックス・エディションの発売までいいいよあと1週間を切り、ワクワク感を抑えきれない。せっかくなのでこの聴き比べシリーズでも一足早く「Abbey Road」を取り上げて勝手に盛り上がっていきたいと思う。まずは独自マト3連発から...

①カナダ盤(148g)
 私:「Abbey Road」はまずカナダ盤からいきましょか。これはDGありのRCAプレスです。
 Sさん:立ち上がりは上々ですね。A①「Come Together」のギターの音がキレイです。
 私:悪くないですね。
 Sさん:A③「Maxwell's Silver Hammer」のキーボードの音もキレイです。非常に優雅な感じですね。
 私:ベースの滑らかさが印象的です。決して太くはないんだけれど...
 Sさん:中域が充実してる音作りですね。A⑤「Octopus's Garden」もやっぱりギターの音がいいです。
 私:めっちゃ凄いというのではないけれど、地味に平均点の高い音やと思います。
 Sさん:おぉ、このB①「Here Comes The Sun」、A⑥「I Want You」の“冬の嵐” が終わった後に春が来た、っていう感じがよく出ています。
 私:何か暖かい日の光が差してきた、という雰囲気ですよね。ただ、演奏に対してヴォーカルがちょっと弱く聞こえるかな...
 Sさん:B面の方が若干ドラムが強めですね。でもギターの音は相変わらずキレイです。
 私:欲を言えばもうちょっと迫力が欲しいですね。

②インド盤(2-1/1-1, 126g)
 私:次はインド盤です。何となく 2ndプレスっぽい盤ですが、カナダ盤とは全然違う音がしますね。
 Sさん: A①「Come Together」、ギターもジョンのヴォーカルも、カナダともUKとも全然違って聞こえます。A②「Something」のジョージの声も違いますよね。
 私:「アナログ・ミステリー・ツアー」の本にも書いてありましたけど、ピッチが明らかにおかしいですよ、これ。A③「Maxwell's Silver Hammer」も速いですね。聴いてて何だかせっつかれてるような感じです。ポールの声も変...
 Sさん:音自体は良いと思うんですけどね。
 私:でもこれじゃあ台なしですよ。A⑤「Octopus's Garden」もサウンドが安っぽく聞こえますね。めっちゃチープなアビーロード...
 Sさん:ウチのシステムはピッチ調節できませんけど、shiotchさんとこのは出来るでしょ。そうやって聴いたら案外エエ線いくんとちゃいますか?
 私:う~ん、でもこれはやっぱりアカンやつですよ。
 Sさん:これ、B面も同じ感じですか?
 私:はい、段々苦痛になってきたのでインド盤はもうこのへんでやめときましょう。

③イタリア盤(12-9-69-1/12-9-69-1, 159g)
 私:次は当たり外れの激しい(笑)イタリア盤です。A①「Come Together」、低音のズンズンくる感じが中々エエでしょ。
 Sさん:はい、すごくベースが大きいですね。いやぁ、めっちゃエエと思います。迫力ありますよね。A②「Something」も凄いベースが鳴ってますね。
 私: 何かベースがうなってる感じです。
 Sさん:A④「Oh Darling」ってベースが命なんで、これだけ鳴ってくれると気持ちがいいですね。ホンマにカッコいいです。
 私:ベースがブンブンうなって気持ちいいですねぇ... 改めてベースって大事やなぁと思いましたよ。
 Sさん:カナダ盤とは全然違いますね。こんな太いベース、ちょっとないですよ。(とコーフン気味に語っていると A⑥「I Want You」でエンディングがフェイド・アウトする...)フフッ(笑)
 私:せっかくエエ音やったのにコレがねぇ...
 Sさん:ひょっとするとイタリアEMIの担当エンジニアがあの唐突に切れるエンディングを理解できずに “これは好きな所でテキトーに切ってくれ” と勝手に解釈したのかもしれませんね(笑)
 私:イタリア人なら十分ありそう...(笑)
 Sさん:でもその “やらかし” を差し引いても凄い音ですよ、これは。B①「Here Comes The Sun」なんか凄いベースですよ。それにギターのリフが活き活きしてるので曲が映えますよね。
 私:イミフなフェイドアウトが無かったら高得点あげたい音ですね。
 Sさん:私はこの音大好きです。
 私:B⑥「Polythene Pam」なんか1つ1つのアタック音がすごく力強いですし、B⑦「She Came In Through The Bathroom Window」もビートルズのロック魂が脈打ってるのが強く感じられます。
 Sさん:(B⑩「The End」を聴き終わって...)う~ん、素晴らしい(≧▽≦) もう1回「Here Comes The Sun」聴いていいですか?
 私:どーぞどーぞ。
 Sさん:イントロのギターがハッキリ聞こえる... この曲ってふつうイントロのギターが小さいんですよ。「Something」ももう1回聴いていいですか?
 私:もちろん!
 Sさん:ジョージのヴォーカルにポールのベースが寄り添うところが最高ですね。
 私:リンゴの一打一打にもめっちゃ気合いがこもってます。
 Sさん:ドラムがカッコ良いですね。まさにロックですね。
 私:いやぁ~、イタリア盤「Abbey Road」凄かったです!

「Rubber Soul」各国盤バトルロイヤル⑤ ~ステレオ盤対決~

2019-09-14 | The Beatles
 4回にわたって続けてきたモノラル盤「Rubber Soul」の聴き比べですが、このアルバムあたりからステレオ盤も結構音が整ってきているので、ついでにステレオ盤対決もやってみました。

⑪インド盤ステレオ(2-T1/2, 142g)
 Sさん:これが噂のインド盤ステレオですか。それにしてもすごい迫力ですね。
 私:はい、例の「アナログ・ミステリー・ツアー」本で湯浅さんが取り上げて以来マニアの間で有名になったやつですわ。あの文章読んだら絶対に聴いてみたくなるでしょ?
 Sさん:確かに...(笑) A面だけローカル・リカットなんですね。
 私:そうなんですよ。で、問題のA②「Norwegian Wood」なんですが、ヴォーカルとシタールが同じくらいの音量で入ってるのが笑えますね。A③「You Won't See Me」も演奏の迫力は凄いんだけど、メイン・ヴォーカルが弱すぎて、バランスがもうめちゃくちゃ(笑)
 Sさん:A面最初の3曲の中ではこれが特に変ですね。
 私:A④「Nowhere Man」なんて、ジョンのヴォーカルとバックのコーラスが右スピーカーの隅っこの方から遠慮がちに聞こえるという摩訶不思議な「Nowhere Man」になってます(笑) やっぱりインドって凄いわ...
 Sさん:A⑤「Think For Yourself」はバランスがまともですね。
 私:バランスが1曲ごとにバラバラで統一性なんか全く無し... でも個々の楽器の音は良いという...
 Sさん:A⑥「The Word」もまともで... と思ったら、あれ?ミドル・パートのジョンのヴォーカルがほとんど聞こえないですね... 何これ?
 私:これ、ほとんどカラオケ状態ですやん! このぶっ飛びっぷりは他ではちょっと聴けません(笑) B面はUKマザーですが、ちょっとは安心して聴けるのかな?
 Sさん: UKマザーやったらいくら何でもA面みたいなことはないでしょう。
 私:B①「What Goes On」、シャープでクリスプな音ですね。
 Sさん:音そのものはすごく良いですね。
 私:それにしてもこういう左右泣き別れミックスを聴いてると、中学時代を思い出しますわ。今でこそオリジナル盤やとかラウドカットやとか言うていっぱしの口を叩いてますけど、私のビートルズ体験の原点はEASの東芝盤ですから。
 Sさん:私もです。この音、懐かしいですね。
 私:でもこれを聴いていると「Rubber Soul」までは迷わずモノラルやなーと改めて思いますね。

⑫デンマーク盤ステレオ(2/2, 163g)
 Sさん:あぁ、このバランスです。これこそが本物のステレオ(笑)
 私:A②「Norwegian Wood」のシタールが控えめですね。さっきのインド盤がものすごく斬新に聞こえます(笑)
 Sさん:インドはものすごく意図のようなものを感じましたね。シタールはヴォーカルよりも目立たせなければならない!って(笑)
 私:こっちは安心して聴けるステレオですね。A③「You Won't See Me」なんてさっきはヴォーカルがほとんど聞こえなかったですもんね。
 Sさん:インドは左スピーカーからものすごい音してましたからね。
 私:左右のバランスがいかに悪いか...(笑)
 Sさん:A⑤「Think For Yourself」は前に聴いたモノ盤のギターの音の方が良かったですね。どうしてもステレオ同士の比較よりもステレオとモノを比べてしまいます。
 私:B②「Girl」を聴いてると“次の曲は「Paperback Writer」” って思ってしまうのもステレオやからかもしれませんね。私は東芝の赤盤を聴いて育ちましたから(笑) モノやったら絶対にそうならないですもん。
 Sさん:なるほど。
 私:それにしてもメリハリのある音ですね。ステレオでもデンマーク盤は迫力があります。
 Sさん:でもさすがにB⑥「If I Needed Someone」のベースはモノみたいに激しくはないですね。
 私:そうそう、ステレオでは絶対に一線を越えませんよね。モノでは思いっ切り荒ぶってましたけど...(笑)
 Sさん:これがステレオの音なんですよね。思い出した思い出した...(笑) B⑦「Run For Your Life」もこのステレオはフォークロックみたいな雰囲気やけどモノはそうじゃなかったですからね。
 私:これでも普通のレコードに比べたらかなりベースが入ってるんですけど、やっぱりモノのド迫力にはかないませんね。
 Sさん:左右泣き別れにするとどうしても力が分散されてしまいますからね。やっぱりモノの方がお得感あります。(と、DK盤の後半はほとんどモノラル・サウンドとの比較に終始してしまった...)

⑬UK盤ステレオ(2/2, 152g)
 Sさん:かなり若いスタンパーですね、これ。ベースがデンマーク盤より大きいです。
 私:グイグイきますね。ステレオなのに音の空間が埋まってるように思います。モノではデンマークに負けましたが、ステレオでは本家UKに一日の長がありますね。一矢報いた感じです。
 Sさん:A③「You Won't See Me」のベースの音がさっきのデンマーク盤よりも大きいですね。同じヴォリュームで聴いてるのに迫力が明らかに違います。
 私:ステレオでこれほど低音が出るとは驚きですね。“ステレオのラウドカット” って言っても言い過ぎではないと思えるほどです。
 Sさん:ステレオでこれは凄いな...
 私:さっきのデンマーク盤は昔を思い出しましたけど、このUK盤はモノを思い出しました。まさに新発見です。
 Sさん:ステレオであることを忘れさせる音ですね。全然違いますわ。
 私:ステレオでこれだけベースが効いてるA⑦「Michelle」は他にないと思いますよ。
 Sさん:B①「What Goes On」も気持ちの良いベースですね。
 私:ドラムの音もシャキッとしてますし。B②「Girl」でもB④「In My Life」でもリンゴのドラミングの上手さが際立ってますね
 Sさん:B⑥「If I Needed Someone」も、他のステレオ盤ではこんなにコーラスが良くは聞こえませんよ。このUKステレオはモノの良さに通じますね。それにしてもジョージの曲でポールはええベース弾くなぁ...
 私:B⑦「Run For Your Life」もベースが一味違いますし、ギターソロの音もよく伸びてます。
 Sさん:モノのラウドカット盤の血を引いてますね。
 私:モノの後に聴いても違和感ないですもんね。さすがはUK!

⑭オーストラリア盤ステレオ(2/2, 151g)
 私:じゃあ最後はOZ盤でしめましょうか。
 Sさん:(曲が始まって数秒で)これも素晴らしい! 非の打ちどころのない音ですね。
 私:UK盤とタイマンを張れるくらいの高音質ですよ、これは。
 Sさん:いやぁ素晴らしい。良いレコードですねぇ...(と感慨深げ)
 私:OZ盤ってハズレが少ないですね。非常にクオリティーが高い。
 Sさん:バナー・ステレオ、良いですねぇ(≧▽≦)
 私:このB⑤「Wait」なんかもう、めっちゃベース出てますよ。で、それが全体の調和をまったく乱してないところが凄いです。レベル高っ!
 Sさん:UKと互角ですね。モノラル派の人もこのベースの鳴りを聴けばステレオを見直すと思いますよ。

ということで、「Rubber Soul」のステレオはUK盤とオーストラリア盤が最高という結論が出ました。めでたしめでたし。

「Rubber Soul」各国盤バトルロイヤル④ ~ラウドカット頂上対決~

2019-09-07 | The Beatles
「Rubber Soul」のモノラル盤もいよいよ残すところあと2枚... 今回はデンマーク盤とUK盤のマト1・ラウドカット対決です。

⑨デンマーク盤(1/1, 166g)
 私:今回はラウドカットの頂上対決と言ってもいい2枚です。まずはデンマーク盤からいきましょか。
 Sさん:ベースが凄いな... (≧▽≦)
 私:ヘビー級ボクサーのボディー・ブローのようにズンズン腹にきますね。
 Sさん:いやぁ、素晴らしいですねぇ... A②「Norwegian Wood」のベースが太いしギターのメリハリも凄いですね。
 私:マト1とマト4のベースの違いをここまで暴き出すお店のスピーカーも凄いですよ。
 Sさん:私が直したんです。shiotchさんの持ってこられるレコードの重低音に耐えられるように(笑)
 私:A④「Nowhere Man」のこのベースの音... 何ですか、これは!(笑) もちろんラウドカットのベース音なんですけど、他の盤よりも明らかに太いですよ。まるで大蛇です(笑) それに一層低いところまで音が鳴ってる感じですね。深い井戸の底からズウゥ~ンと響いてくるような、そんな感じです。
 Sさん:今までこのスピーカーから出たことのない最高の音で鳴ってます。
 私:盤質極上のラウドカット盤にスピーカーが感激したんとちゃいますか(笑)
 Sさん:それにしてもよぉ鳴るなぁ、これ... (≧▽≦)  曲に入るところのベースが何だか待ち構えてたように鳴りますね。
 私:す・さ・ま・じ・い!!!
 Sさん:こんな音がする装置やないのに...(笑)
 私:前回の時点で最高だったインド盤を100点とするとこれは何点くらいでしょう?
 Sさん:125点は軽くいってますね。もう “「Rubber Soul」界のニンバス盤” と言ってもエエんとちゃいますか(笑)
 私:ニンバス杯争奪戦ですか(笑) いやぁ、これは最高の褒め言葉ですね。
 Sさん:A⑦「Michelle」のベースもデカいけど歪んでませんもんね。
 私:「Michelle」であろうと何であろうととにかくこの音でいくんや... という感じの鳴りっぷりですね。
 Sさん:いやぁ、素晴らしい。素晴らしすぎて言葉が出ません。B②「Girl」のジョンの声も凄い生々しさですね。
 私:ジョン、ここに居ますがな!(笑)
 Sさん:B③「I'm Looking Through You」のベースも凄いなぁ。普通の盤やったら鳴らん音が鳴ってる感じです。
 私:これ終わったらスピーカーを労わってやってくださいね(笑)
 Sさん:さっきも言いましたけど、以前shiotchさんが持ってこられたDMM盤をかけた時に音がビリついてたんで直したんですよ。
 私:DMMに入ってる低音って人工的というか、血の通ってないアンドロイドみたいな音で、感心はしても感動はしないんですよ。このDK盤は明らかに低音のクオリティーが違いますね。感動がドバーッと押し寄せてきます。
 Sさん:B④「In My Life」のスネアの音が他とは違いますね。B⑥「If I Needed Someone」のベースもズウゥ~ンと伸びてますし。サステインが全然違います。
 私:B⑦「Run For Your Life」のジョンがめっちゃ元気ですね。ユンケルでも飲んだんちゃうか、っていうくらいキレッキレです。
 Sさん:もう拍手するしかないですね。(2人してパチパチパチ...)

⑩UKマト1盤(1/1, 149g)
 私:いよいよ最後の1枚まできましたね。真打ちUKラウドカット盤です。
 Sさん:これも申し分ないですね。
(2人とも黙って聴き入る... A面が終わって...)
 私:これは甲乙付け難いですね。A面同士、B面同士でもっと細かく聴き比べてみましょうか。
(もう一度 DK盤をかける...)
 私:DKの方がベースが凄いですね。
 Sさん:生々しいですね。ズウゥ~ンと響いてますし、音もクリアーで分離が良いですね。
 私:UK、DKと続けて聴くのは私も初めてなんですけど、こうやって聴き比べるとハッキリと違いが分かりますね。DKおそるべし!
 Sさん:A②「Norwegian Wood」もA④「Nowhere Man」も、ベースが凄いです。もう笑うしかない...
 私:まるで脳ミソにベースのプラグを直結したみたいな感じ...(笑)
 Sさん:これはもう別モンですね。こんなベース、このスピーカーで聴いたことないですよ。
 私:「Rubber Soul」を10枚聴いてきましたけど、ホンマにこれだけですもんね、こんな音は。
 Sさん:突出してますね。A⑤「Think For Yourself」のファズ・ギターがこんなに良い音で聞こえるのはこのレコードだけですよ。他はただ歪ませてるなぁと思うだけで、何でこんな音出してるのかと思ってたんですけど、これを聴くと十分納得の良い音です。
 私:A⑦「Michelle」もヘフナーからこんな音が出るんか... っちゅー感じですね。
 Sさん:この「Michelle」は甘くないですね。ポールは甘口にしたくなかったからこの音でエエんですよ。
 私:「Michelle」のイメージが変わりますね。
 Sさん:では次、UKのB面いってみましょか。おぉ、これはA面より音がデカくなりましたね。これは100点満点の音です。
 私:この聴き比べシリーズを始めてから気が付いたんですけど、大体B面の方が良い音しますよね。なぜなんでしょう?
 Sさん:不思議ですよね。それにしてもこれ以上の音なんて無いんちゃうかと思うくらい良い音で鳴ってますね。
 私:このUKのB面は特に良いですね。これやったらDKとかなり良い勝負できるかも。
 Sさん:B④「In My Life」の音の響きもキレイですし、B⑦「Run For Your Life」のベースラインなんか気持ち良いですよね。
 私:それじゃあ最後にDKのB面をお願いします。(曲が始まる...)う~ん、やっぱり重低音がワンランク違いますね。私なりに点数を付けるとすれば、インドを100点とすると、UK A面105点、UK B面120点、DKは両面とも130点くらいかな。いや、140点かもしれない...
 Sさん:すごい...(と絶句)
 私:何ちゅう力強い「Girl」や...
 Sさん:スネアもすごく効いてますね。「In My Life」のドラムの音もたまりません。
 私:さっきDMMを引き合いに出しましたけど、“笑ってしまう音”と“感動して平伏す音”の違いですね。
 Sさん:これ聴いてるとビートルズの4人の結びつきが伝わってきますよね。「Revolver」ほど実験的じゃないし。
 私:バンドとしての一体感が凄いですよね。
 Sさん:いやぁ、エエもん聴かせてもらいました。
 私:「Rubber Soul」モノラル盤の最高峰はデンマーク盤ということでご異議ございませんか?
 Sさん:ございません!(笑)

「Rubber Soul」各国盤バトルロイヤル③ ~UKマザー・マト4対決~

2019-09-01 | The Beatles
「Rubber Soul」の聴き比べはまだまだ続きます。今回はノルウェー盤とUKの2ndプレス盤というマト4対決です。

⑦ノルウェー盤(4/4, 165g)
 私:このノルウェー盤はUKマザー・マト4です。“ノルウェー盤で「ノルウェーの森」を聴きたい” というほんの思いつきで(笑)2年ほど前に買ったんですが、実はこの盤で初めてマト4の音を聴いたんですよ。あぁ、こんな感じなんか... なるほどね、って感じで。
 Sさん:何と贅沢な!(笑)
 私:すみませんね、根っからのラウドカット大好き人間なもんで...(笑)
 Sさん:これは安心のUKの音ですね。もちろんマト4の音ですけど、やっぱり音質が良いです。
 私:音の粒立ちがすごく良いですね。いかがですか... ノルウェー盤で聴くA②「ノルウェーの森」は?
 Sさん:ハハハハ... 何とコメントしていいのやら...(笑)
 私:マト1とはベース音の太さが違いますが、とてもソリッドな、バランスの良い音ですよね。
 Sさん:A⑦「Michelle」のベースもクッキリハッキリと聞こえますね。
 私:「With The Beatles」の-7N盤みたいな、絶妙なサウンドバランスですよ。万人にオススメできる音作りだと思います。
 Sさん:B⑥「If I Needed Someone」のイントロの入りがジェントルですね。
 私:確かに。さっきまでラウドカット盤を立て続けに聴いてきたんで、余計にそう感じるのかもしれません。私はもう完全にラウドカットに耳が慣れてしまってるんで、ちょっと物足りないかな。“ラウドカットに非ずんば「ラバー・ソウル」に非ず” みたいな感じで...(笑)
 Sさん:ラウドカットではこの曲のベースがうるさいくらいに鳴り響きますからね。

⑧UKマト4盤(4/4)
 Sさん:折角なのでお店にあるUKマト4盤と聴き比べてみますか?
 私:おぉ、それは興味深い! ぜひお願いします。
 Sさん:(UKマト4盤をかけながら)どうですか?
 私:うわぁ、同じマト4マザーなのに聞こえ方がかなり違いますね。
 Sさん:UKのマト4はマト1に近い音ですね。ベースの音が深いです。
 私:低いところがしっかり出てるからダイナミックなサウンドになってますね。これに比べるとノルウェーの方はソフト・フォーカスに聞こえます。
 Sさん:そうそう、鳴り方が優しいですよね。でもマト1と比べるとマト4はベースの音が全然違います。だいぶん抑えてますね。A③「You Won't See Me」なんかめっちゃ自然ですもんね。
 私:つまりこれがリアルタイムでイギリスの人たちが聴いてた音なんですね。
 Sさん:A④「Nowhere Man」もマト1に比べるとベースがかなり抑えられてるんですが、ある意味これでちょうど良いくらいかもしれませんね。
 私:でもちゃんと低域で出るべきところはしっかりと出ているので多分そのあたりのサジ加減が絶妙なんでしょう。それにしても盤質エエですねぇ... (≧▽≦)
 Sさん:はい、“とにかく盤質の良いものを!” と仰るお客さんも結構おられますんで。
 私:なるほど。UKオリジナル盤でこれほど盤質の良いのをネットで探のは砂漠で針を探すようなもんですからね。A⑦「Michelle」のベースの響き具合も良いですねー
 Sさん:これくらいやったら歪まんのかなーっていうラインすれすれかな。
 私:いやぁ、これはエエもん聴かせてもらいました。  (つづく)