shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ロッカーたちの「ビー・マイ・ベイビー」カヴァー特集

2015-03-28 | Wall Of Sound
①Graham Bonnet
 強面で鳴らすロッカーたちの中にもキャッチーなポップスをこよなく愛する者は意外に多い。あのリッチー・ブラックモアがアバの大ファンだというのはその筋では有名な話だが、そんなリッチー率いるレインボーの2代目ヴォーカリストとして活躍し、そのユニークな “血管ブチギレ・シャウト” で「オールナイト・ロング」や「ロスト・イン・ハリウッド」といった不滅の名作を残した “ハードロック界のやっさん” こと、グラハム・ボネットも見かけによらず(失礼!)歌モノ・ポップスが大好きなようだ。
 西城秀樹もカヴァーした「孤独のナイト・ゲームズ」が入っている81年リリースのソロ・アルバム「Line-Up」はそんな彼の嗜好がよく表れた好盤だが、ポップな選曲の中でもとりわけ異彩を放っていたのがこの「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーだ。4オクターブといわれるハイトーン・ヴォイスで “ウォ~ウ ウォ~ウ ウォ~♪” とこめかみに青筋を立ててシャウトするグラハムと、一聴してそれとわかるコージー・パウエルの爆裂ドラムのコラボで聴くヘヴィーなロネッツ・カヴァーというのも中々オツなモノだ。
Graham Bonnet - Be My Baby(The Ronettes cover)


②Blue Oyster Cult
 ブルー・オイスター・カルトという名前を聞いてすぐに音が浮かんでくる人は少ないだろう。特に日本のリスナーにとっては “名前だけは聞いたことあるけど、曲は聴いたことがない” バンドの一つではないか。そもそも “青い牡蠣の教団” などという怪しげな名前だけで良識ある音楽ファンは眉をひそめそうだし、“ヘヴィー・メタルの元祖” というキャッチ・コピーも敬遠される一因になっているのかもしれないが、彼らの音楽はヘビメタというよりも “重厚でちょっと翳りのあるアメリカン・ロック” という感じで、アイアン・メイデンやジューダス・プリースト的なメタル・サウンドとは全く違う。私は “アメリカ版モット・ザ・フープル” 的な捉え方をしている。
 1977年にリリースされたアルバム「Spectres」はメロディアスな楽曲が多く収録されているのでBOC入門盤に最適な1枚だと思うのだが、同アルバムのCD化にあたってボーナス・トラックとして追加収録されたのがこの「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーだ。深~いエコーのかかったイントロ、やる気があるのかないのかよーわからん浮遊ヴォーカル、気怠さ満点の揺らめくバック・コーラスと、何度も繰り返し聴くうちにクセになる麻薬のような中毒性を内包した、文字通りカルト的魅力横溢のロネッツ・カヴァーになっている。
Blue Oyster Cult - Be My Baby


③Ultima Thule
 ウルティマ・トゥーレは「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーを色々集めていて偶然見つけたスウェーデンのロック・バンド。基本的にはストレートアヘッドなガレージパンクなのだが、ポップ・メタル色が強いので結構楽しめる。カスケーズの「リズム・オブ・ザ・レイン」やボックス・トップスの「ザ・レター」のカヴァーなんかめっちゃエエ感じで、まだまだ世界には未知の良いバンドがいっぱいおるなぁ... と改めて実感した次第。
 この「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーはYouTubeで見つけたもので(←最近このパターンばっかりやな...)、彼らが1992年にリリースした「För Fäderneslandet」(←読み方わからへん...)というアルバムに入っているのだが、何と言ってもイントロから炸裂するエッジの効いたギターのシャープなリフが最高に気持ち良いし、ビシバシ決まるパワフルなドラムの響きも痛快無比で、初期のシーナ&ザ・ロケッツを想わせる荒削りでアグレッシヴな音作りがたまらんたまらん...(≧▽≦)  パンキッシュなロネッツ・カヴァーならコレでキマリ!と言いたくなるカッコ良い演奏だ。
Ultima Thule - Be My Baby


【おまけ】YouTubeの自動再生でこんなん↓見つけました。最近の素人さんはレベル高いですね(←シンセは余計やけど...)。エッグマラカスを振ってる女の子の笑顔がめっちゃキュートです(^.^)
The Ronettes / Be my baby 2015 Rock version!
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ユニークなアレンジで聴く「ビー・マイ・ベイビー」カヴァー特集

2015-03-22 | Wall Of Sound
①Leslie Grace
 「ビー・マイ・ベイビー」で色々YouTube検索していて偶然見つけたのがレスリー・グレースという女性シンガーによるこのロネッツ・カヴァー。面白そうなのでオフィシャル・ビデオを視聴してみるとイントロからカスタネットが鳴り響くバリバリのウォール・オブ・サウンドで、歌詞も英語とスペイン語が交互に出てきてエキゾチックな薫りがムンムン...(^O^) これは中々エエ雰囲気やなぁと悦に入っているといきなりコンガが乱入してきて一気にラテン・ムード全開のコモエスタな世界へと突入... 何とも摩訶不思議な「ビー・マイ・ベイビー」である。
 調べてみると彼女はドミニカ系アメリカ人ということで、シュレルズの「ウィル・ユー・スティル・ラヴ・ミー・トゥモロウ」のバチャータ風カヴァー(←こっちもコンガのアメアラレ攻撃が凄まじい...)で大ブレイクしたとのこと。オールディーズのカヴァーにコンガの乱れ打ちというのは私的にはどうしても違和感を覚えるし、伸びやかな良い声してるんやから出来ることならオーソドックスなアレンジで聴いてみたいという思いもあるが、いつの間にかこのミスマッチ感覚が病み付きになりついついリピートしてしまう。困ったものだ...(-。-)y-゜゜゜
LESLIE GRACE - Be My Baby (Official Video HD)

LESLIE GRACE - Will U Still Love Me Tomorrow (Official HD Video)


②Steve Tyrell
 最近YouTubeに自動再生という機能が加わった。要するに一つの動画を見終わって10秒間放置しておくと勝手に次の関連動画が始まるというおせっかいな機能なのだが、そのおかげで知ったのがこのスティーヴ・タイレルだ。私はこれまで色んなロネッツ・カヴァーを聴いてきたが、まさかあの「ビー・マイ・ベイビー」をこんなジャジーなアレンジで聴けるとは思わなんだ。彼は60年代の終わり頃にレコーディング・プロデューサーとしてB.J.トーマスやディオンヌ・ワーウィックらと仕事をしていた人で、それが1999年にジャズ・シンガーへと転身してスタンダード・ナンバーを歌ったアルバムをリリース、その後もシナトラ集やバカラック集なんかを出しているクルーナー・タイプの歌手だ。
 この「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーはコンコード・レーベルから先月リリースされたばかりの「ザット・ラヴィン・フィーリング」というアルバムに収録されているのだがこれが意外な拾い物で、ジャジーなギターのイントロに始まり、ジョージ・シアリング・クインテットを想わせるような軽妙洒脱なコンボ演奏(←特に1分55秒からのシアリング風サウンドにはクソワロタ...)をバックに歌うタイレルの渋~いヴォーカルがめっちゃエエ感じ...(^.^)  男の哀愁を漂わせるハスキー・ヴォイスで聴くガール・グループ・クラシックスというのもオツなモノだ。聴けば聴くほど味わい深い “大人の” 「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーである。
Steve Tyrell: Be My Baby


③Mix Market
 あの「ビー・マイ・ベイビー」をあろうことかパンク・カヴァーするという暴挙に出たのがミックス・マーケットという日本のロック・バンドだ。私はインディーズ・シーンには何の興味関心もないので彼らの事は名前すら知らなかったが、大好きな「ビー・マイ・ベイビー」を演っているということで興味本位で購入。雰囲気としては以前取り上げた 6% is MINE によるジブリのパンク・カヴァー集に近いモノがあるが、説得力溢れるヴォーカルとアグレッシヴな演奏が鮮烈な印象を残した 6% is MINE盤に比べると、このミックス・マーケットの方はヴォーカルも演奏も軽量級でいまいちインパクトに欠ける。曲を単なる素材として扱っているだけのような感じがして、オリジナルへのリスペクトや愛情といったものがあまり伝わってこないのだ。歌詞の一言一句をしっかりと歌い、演奏の重心を下げればもっとクオリティーの高い作品になったかもしれない。まぁカタイことを言わずに「ビー・マイ・ベイビー」のパンキッシュな珍品カヴァーとしてサラッと楽しむのが正解なのかもしれないが...
Mix Market - Be My Baby
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Dedicated To The One I Love / Linda Ronstadt

2015-03-17 | Cover Songs
 このブログの読者のみなさんはよくご存じのように私はオールディーズのカヴァー・ヴァージョンが大好きなのだが、50's~60'sポップ・クラシックスのカヴァーを歌わせたらリンダ・ロンシュタットの右に出る者はいない。エルヴィスの「ラヴ・ミー・テンダー」(←私の友人のサムが “hauntingな歌声” だと絶賛してた...)をはじめ、バディ・ホリーの「イッツ・ソー・イージー」や「ザットル・ビー・ザ・デイ」、チャック・ベリーの「バック・イン・ザ・USA」、ロイ・オービソンの「ブルー・バイユー」、エキサイターズの「テル・ヒム」、マーサ&ザ・ヴァンデラスの「ヒート・ウエイヴ」、ドリス・トロイの「ジャスト・ワン・ルック」など、ノリノリのロックンロールからしっとりとしたスロー・バラッドに至るまで、抜群の選曲センスと絶妙なアレンジ、そして何よりもその卓越した歌唱力と表現力によって楽曲の魅力を余すところなく引き出し、オリジナルに勝るとも劣らない素晴らしい作品に仕上げている。さすがは “カヴァーの女王” リンロン様だ。
 彼女はその長いキャリアにおいてカントリー、ロック、ジャズ、ラテンと様々なジャンルのアルバムを出してきたが、そんな彼女が1996年にリリースしたのがこの「デディケイテッド・トゥ・ザ・ワン・アイ・ラヴ」(邦題:愛の贈りもの)というララバイ・アルバム。 “子守唄集” ということもあってか一般の音楽ファンにはあまり知られていないようだが、私はこのアルバムが大好きだ。
 まずは何と言っても②「ビー・マイ・ベイビー」と⑤「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」というロネッツの名曲カヴァーが2曲も入っているのが嬉しい。大好きなロネッツの曲を、大好きなリンロンのウィスパー・ヴォイスで聴ける幸せを何と表現しよう? ウォール・オブ・サウンドというコーティングを取っ払い、曲の髄を見事に引き出したリンロンのハートウォーミングなヴォーカルと幾重にも織りなす美しいコーラス・ハーモニーが聴く者をやさしく包み込む。こんな「ビー・マイ・ベイビー」が聴けるなんて、さすがのフィル・スペクターも想像すらしなかっただろう。フランク・ミルズの「愛のオルゴール」みたいなイントロが面白い「ベイビー・アイ・ラヴ・ユー」も実にユニークなアレンジで、リンロンとバック・コーラスの絡みがたまらんたまらん...(≧▽≦)  それでは心にポッと灯がともるような癒し系女性ヴォーカルで聴くロネッツ・トリビュート2連発をどーぞ。
Linda Ronstadt - Be My Baby

Baby I Love You / Linda Ronstadt


 ロネッツの2曲以外にもジョン・レノンもカヴァーした⑦「エンジェル・ベイビー」やクイーンの⑧「ウィー・ウィル・ロック・ユー」を見事にララバイ化しているが、私が特に気に入っているのがビーチ・ボーイズの③「イン・マイ・ルーム」とビートルズの⑪「グッド・ナイト」の2曲で、どちらも彼女のウィスパー・ヴォイスを上手く活かした繊細なアレンジによってオリジナルに勝るとも劣らない名カヴァーに仕上がっており、入眠剤がわりに聴けば安らかな眠りに誘われること間違いなし。いや~、これはホンマにたまらんわ(^.^)  やっぱりリンロンはエエですなぁ...
Linda Ronstadt - In My Room (Davey Boy) HQ

Linda Ronstadt - "Good Night" (Beatles Cover)
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EPIC DAY / B'z (Pt. 2)

2015-03-11 | B'z
 私がこのアルバムの中で最高に気に入っているのがアルバム・タイトル曲の⑥「EPIC DAY」だ。初めて聴いた時は “これ、パープルの「バーン」やん!!!” と思わずイスから転げ落ちそうになったが、もうそんなことなどどーでもよくなってしまうぐらいカッコ良い疾走系ハードロックに仕上がっているのだから嬉しくってたまらない(≧▽≦)  タマホームCMでもお馴染みの古典的リフをベースにして煌めくような必殺フレーズを次から次へと紡ぎ出していくリッチー松本(笑)のラウドなギターが圧巻だ。
 見方を変えれば “パクリ論争” に燃料を投下する1曲とも言えるが、これって自分達のルーツであるハードロックへの愛情と敬意に満ちた松本さんならではの遊び心そのものではないか! 私には、そういった批判がくることを計算ずくで、敢えてそれと分かる形で “ディープ・パープル好きです大会” をやっているとしか思えない。
 そもそも B'z というのはゼップやパープルに代表される古き良きブリティッシュ・ハードロックのサウンドを21世紀の現在においてもしっかりと継承し、それを日本人ならではの感性で再構築して完璧なテクニックで再現してくれる邦楽史上最強のロック・ユニットであり、彼らの魅力はその一点に尽きると私は考えているので、この曲を聴いた時はもう飛び上がりたいぐらいコーフンした。
 ハッキリ言って今のパープルがどんなに頑張ってもこれだけのオリジナル・パープル像は再現できないだろう。 “パープルそっくり、いや、パープルそのまんまやないか!” という批判に対して “それがどーしたソー・ホワット???” と胸を張れるだけの完成度がここにある。聴く者のアドレナリンをドバーッと噴出させること間違いなしの血湧き肉躍るイントロ、ジョン・ロードが憑依したかのような増田さんのキーボード・ソロ、リッチー特有のゴツゴツ感を見事に再現した松本さんのアグレッシヴなギター・ソロ、そしてそんな二人のバトルにドカドカと乱入してきてそのままバトルロイヤル状態へとなだれ込むシェーンのツーバス・ドラムと、まさに “深紫より出でて...” を地で行く出藍の誉れ高き70'sブリティッシュ・ハードロックが楽しめるのだから痛快そのもの(^o^)丿  私的には文字通り10年に一度出会えるかどうかのエピックなキラー・チューンだ。松本さん、リッチーの次はマイケル・シェンカーなんかどうでしょうか(笑)
エピックデイ

木村拓哉 タマホーム CM 「日本の家は高いの?」篇


 上記3曲がこのアルバムの私的トップ3だが、B'zバラッドのお約束といえる雄大なスケールで迫る③「Exit To The Sun」、アルバム「RUN」の頃を想わせるファンキーさが懐かしい④「NO EXCUSE」、たたみかけるような後半部の盛り上がりが気持ち良い⑧「Black Coffee」、“コレデイイノダ~♪” という奇天烈なリフレイン(笑)が耳に残るスルメ・チューン⑩「Man Of The Match」など、他の曲も聴き応え十分だ。
 付属DVDは2012年の大阪城ホールでのライヴを収録したもので、約2時間にわたって全20曲が完全収録されているのが嬉しい。初のライヴ映像化となる③「ゴー・フォー・イット・ベイビー」で仁王立ちする稲葉さんは全盛期のロバート・プラントを彷彿とさせる凄まじいオーラを放っているし、最後に待っていたサプライズといえる「HEAT」のビデオ・シューティングでの異様な盛り上がりも必見。①「愛バク」、③「ウルソ」、⑬「ダンガン」、⑭「ジュース」、⑰「ホーム」の英語詞ヴァージョンが聴けるのもこの時期のライヴならではだし、⑥「Easy Come, Easy Go」、⑦「Motel」、⑧「もう一度キスしたかった」、⑨「愛しい人よGood Night」、⑩「ZERO」、⑪「ミエナイチカラ」、⑫「ねがい」と懐かしいナンバーが続く中盤のセトリにも涙ちょちょぎれる。B'zってホンマにエエ曲書くよなぁ... と改めて実感させてくれるこんなに素晴らしいライヴDVDが特典盤やなんて、ホンマにエエんかいな。そりゃーライヴグッズやアナログレコードも欲しいけれど、どれか一つを選べと言われれば絶対にこのライヴDVD付きに限ると思う。ただし初回限定特典なので、ファンの人は手に入るうちに買っときましょうね。
B'z / DIGEST「B'z LIVE-GYM 2012 -Into Free- EXTRA」

EPIC DAY / B'z (Pt. 1)

2015-03-09 | B'z
 アマゾンで予約しておいた B'z のニュー・アルバム「EPIC DAY」が届いた。前作の「C'mon」がどこか重苦しい雰囲気でハードロック色が希薄だったこともあって3年8か月ぶりとなるこの新作には期待半分不安半分というのが正直なところだったが、いざ実際にアルバムを聴いてみると私の予想を遥かに上回る素晴らしさで、“やっぱり B'z はエエなぁ...(^o^)丿” と大コーフン。最近ガール・グループばかり聴いてユルユルな精神状態だった私にガツン!と一発食らわせる王道ロックのアメアラレ攻撃に完全KOされてしまった。
 この「EPIC DAY」は (1)CDのみの通常盤、(2)ライヴ DVDが付いたロングボックス仕様盤、(3)トートバッグやマフラータオルといったライヴグッズが付いたスペシャルボックス仕様盤、そして(4)アナログレコードという4種形態での発売だが、私は迷わず(2)ライヴDVD付きロングボックス仕様盤をチョイス。無意味なロングボックスは資源の無駄遣い以外の何物でもないアホバカ企画だが、新作とライヴDVDがセットで5,261円だなんて超お買い得だ。
 アルバム収録曲は全10曲でトータル43分23秒、しかもCDの曲名表記が SIDE-A と SIDE-Bに分けられており、明らかにアナログLPを意識した作りになっている。私的には1枚のアルバム作品で60分も70分も入っているのは集中力が続かず好きではないので、これぐらいの長さがちょうどいい。
 まずアルバム1曲目を飾る①「Las Vegas」だが、“空のF1” と呼ばれるレッドブル・エアレースのテーマ曲になっており、松本さんのラウドなギターとゴージャスなホーン・セクションが生み出す圧倒的なグルーヴが快感そのもの(^o^)丿 サビの “ラスベガ~ス♪” が脳内リフレインを起こすこと必至のキャッチーなナンバーで、もう1曲目からいきなりテンション上がりまくりである。名盤「LOOSE」のサウンドを更にパワー・アップさせたようなダイナミックなビッグ・ロックがたまらんたまらん(≧▽≦) やっぱりB'zはこうでなくっちゃ!
B'z / Las Vegas


 アルバムからの先行シングルとなった②「有頂天」を初めて聴いたのは昨年暮れに放送されたミュージック・ステーションで、どういうわけかステージの音響がおかしかったせいもあっていまいちインパクトが弱かったのだが、年明けに届いたCDシングルを聴いてビックリ...(゜o゜) どっしりと腰の据わったリズムに乗ってエッジの効いた松本さんのギターが炸裂するめちゃくちゃカッコ良い曲ではないか! こんなゴリゴリしたロックを聴くのはホンマに久しぶりだ。稲葉さんのヴォーカルは絶好調と言ってよく、その変幻自在な歌声に耳が吸い寄せられる。間奏中に挿入される “ハイ ハイ ハ~イ ハァ~イ♪” もめっちゃクール。隠し味的に使われているストリングスの絶妙なアレンジにも唸ってしまう。聴けば聴くほどクセになる麻薬的な魅力を内包した1曲だ。下に貼り付けたのは日テレの LIVE MONSTER に出演した時の映像だが、何回観てもホンマにカッコエエわ(≧▽≦)  (つづく)
B'z 有頂天 LiveMonster

It's The Girls / Bette Midler

2015-03-04 | Cover Songs
 Divine Miss M(素敵なミスM)こと、ベット・ミドラーは現役女性シンガーで私が最も好きな一人である。初めて彼女の歌を聴いたのは1979年の「ザ・ローズ」で、当時バリバリのハードロック・ファンだった私でさえも “何ちゅうエエ曲や...” とこうべを垂れて聴き入ったものだった。それから10年ほど経ってちょうど湾岸戦争が激しさを増していた頃、今度は彼女が平和への祈りを込めて切々と歌う「フロム・ア・ディスタンス」に感動し、私の中では“ベット・ミドラー = 素晴らしいバラッド・シンガー” というイメージが出来上がっていった。
 そんな私の固定観念を良い意味で打ち砕いてくれたのが2003年にリリースされた「ベット・ミドラー・シングス・ザ・ローズマリー・クルーニー・ソングブック」で、バリー・マニロウとのデュエット曲「オン・ア・スロー・ボート・トゥ・チャイナ」を聴いてその軽妙洒脱なヴォーカルがめちゃくちゃ気に入り、その次に出た「シングス・ザ・ペギー・リー・ソングブック」と共に “古き良き時代のアメリカン・ポピュラー・ミュージック” をコンテンポラリー感覚で楽しめる粋なアルバムとして愛聴してきたのだ。
 そして去年の12月、ビートルズのUKシングル盤蒐集が一段落して次のターゲットを物色していた時にたまたまネットで見かけたのが彼女の最新アルバム「イッツ・ザ・ガールズ!」のジャケットだった。これってどこをどう見てもベット・ミドラー版 “一人ロネッツ” ではないか! これで面白そうだと思わなければガールグループ・ファンではない。 “おぉこれは...” と色めきたった私は早速 YouTube でチェック、そこで見つけたのがこの↓ trailer(ダイジェスト編集の予告編)だ。
Bette Midler - It's The Girls Album Trailer


 エキサイターズの「テル・ヒム」、シフォンズの「ワン・ファイン・デイ」、ロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」、ビートルズもカヴァーしたシュレルズの「ベイビー・イッツ・ユー」、コーデッツの「ミスター・サンドマン」、そしてスプリームズの「ユー・キャント・ハリー・ラヴ」と、まるで私のために選曲されたかのように我が愛聴曲が並んでいる。しかもこれらのガール・グループ・クラシックスが持つウキウキワクワク感をこれ以上ないと思えるぐらい見事に表現しているのだからたまらない(≧▽≦)  私はすぐにこのCDを注文した。
 それにしても何という名曲・名唱の数々だろう! ベット・ミドラーってたしか70歳近かったと思うのだが、年齢的な衰えを全く感じさせない声量で “音楽が最高に楽しかったあの時代” の名曲の数々を現代によみがえらせている.。下に貼り付けたのはアメリカのTVショーに出演してこのアルバムからのリード・シングルである「ビー・マイ・ベイビー」を歌うベットの動画だが、彼女の表情や歌い方からコーラス隊の振り付けに至るまで、どこをとってもオリジナルに対する敬意と愛情に満ち溢れていて嬉しくなってしまう(^o^)丿 何よりもベット自身がまるで10代の頃に戻ったかのように嬉々として歌っているとことがいい。音楽ってこんなに素敵なものだったんだ... と改めて実感させてくれる素晴らしいパフォーマンスだ。曲が終わった後、司会者がロネッツの振り付けをマネしながら “僕にもコレやらせてよ” と言ったのに対して間髪を入れずに “I have been waiting for you!” と歌詞の引用で切り返す彼女の機転にも感心させられる。さすがは超一流のエンターテイナーやね。とにかくこのベット・ミドラー・ヴァージョンこそが私の知る限り最高の「ビー・マイ・ベイビー」カヴァーだと断言したい。
Bette Midler Performs 'Be My Baby' │LIVE On Today Show│


 収録されている全15曲はそれぞれ入念なアレンジが施されており、アルバム1枚聴き通しても全く飽きさせない工夫がなされている。ダーレン・ラヴとのデュエットで聴かせるクリスタルズの⑥「ヒーズ・シュア・ザ・ボーイ・アイ・ラヴ」なんてオリジナルを聴き込んだ人は思わずニヤリとさせられようなアレンジだし、トロピカルな味わいがたまらない⑦「ミスター・サンドマン」も素晴らしい出来ばえだ。ブルーグラス風にアレンジされた⑫「ユー・キャント・ハリー・ラヴ」も “あのモータウン・サウンドがこんな風に化けるのか...” と思わず唸ってしまう逸品だ。
 リンロンもカヴァーしていた⑤「テル・ヒム」なんかもう完璧と言ってもいいぐらい見事なヴォイス・コントロールだし、私の大好きなシャングリラスの⑬「ギヴ・ヒム・ア・グレイト・ビッグ・キス」も理屈抜きの楽しさに溢れている。マーベレッツの隠れ名曲⑨「トゥー・メニー・フィッシュ・イン・ザ・シー」なんかもうノリノリだ(^o^)丿 やっぱりガール・グループ・クラシックスのカヴァーはこうでなくてはいけない。
BETTE MIDLER THE DIVINE MISS M TELL HIM DECEMBER 15 2014

Bette Midler Give Him A Great Big Kiss

Better Midler - Too Many Fish In The Sea │LIVE On Today Show 2014│


 このアルバムは上記のような王道ガール・ポップス・ナンバー以外にもアンドリュース・シスターズの③「素敵なあなた」やボスウェル・シスターズの⑮「イッツ・ザ・ガール」といったいわゆるひとつの “シスターズ系” コーラス・グループのジャジーなナンバーがさりげなく収められているところもいい(^.^)  やっぱり50~60年代前半というのはアメリカのポピュラー・ミュージックの黄金時代やったんやなぁ... と再認識させてくれるこのアルバムを聴いて、私はガール・グループのオリジナルUSシングル盤蒐集という底なし沼へとハマり込んで行った。
Bette Midler - It's The Girl + Lyrics
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大ショック! レナード・ニモイ氏死去

2015-03-01 | TV, 映画, サントラ etc
 昨日、ポールのチケットが取れてルンルン気分でヤフーのトップ・ニュース欄を見ていたら衝撃的なタイトルが目に飛び込んできた。 “NASAや大統領、スポック追悼” という記事である。スポック追悼って、もしかしてレナード・ニモイ氏が亡くなったのか??? 慌ててそのタイトルをクリックすると、そこには “ミスター・スポックのレナード・ニモイさん死去” とある。うわー、コレは大ショックだ。大好きなスポックが亡くなったなんて...
「ミスター・スポック」のレナード・ニモイさん死去(15/02/28)


 私は熱狂的なトレッキー(←スタートレック・ファンのこと)であり、スタトレ全シリーズ中で最も好きなキャラが「宇宙大作戦」という邦題が付けられていた初代シリーズでエンタープライズ号副長兼科学主任を務めるスポックだった。一般ピープルがスタトレと聞いてまず最初にイメージするのはエンタープライズ号でもカーク船長でもなく、ニモイ氏が演じる “耳の尖ったバルカン人” ではないか? とにかくこのスポックというキャラのインパクトは強烈で、熱しやすくて感情的なカーク船長よりも常に冷静で論理を重んじるスポックの方に強いシンパシーを感じながらスタトレにのめり込んでいった。
宇宙大作戦 日本版オープニング


 感情がなく常に論理に従って行動するという “コンピューターのように非人間的” なキャラはその後のスタトレ・シリーズにおいても必要不可欠な存在となり、「新スタートレック」のデータ少佐(アンドロイド)、「ディープ・スペース・ナイン」のオドー(流動体生物)、「ヴォイジャー」のセブン・オブ・ナイン(元ボーグ)など、彼らがいなければエピソードそのものが成立しないのではないかと思えるぐらい魅力的なキャラが作られていったのだが、そのルーツこそがレナード・ニモイ氏演じるスポックだった。
 ニモイ氏はあまりにもスポックがハマり役だったので私はいつしか彼をスポックと同一視してしまっており(←ちょうどピーター・フォーク=コロンボ、田村正和=古畑任三郎みたいな感じです...)、ニモイ氏もバルカン人なみに長寿(←ドラマではバルカン人の寿命は200歳以上という設定)なんだと勝手に思い込んでいたのだ。彼の死は私にとってジョン・レノン、ジョージ・ハリスン、そしてアイルトン・セナに次ぐ衝撃度だったと言えばそのショックの大きさが分かってもらえるだろう。
 スポック絡みの名シーンは数えきれないぐらいあるが、非常に印象に残っているものの一つが映画版「スタートレックⅡ ~カーンの逆襲~」で自らを犠牲にして艦を救うシーンだ。異変に気付いて駆け付けたカーク船長とのやり取り “Don't grieve, Admiral. It is logical. The needs of the many outweigh...” “... the needs of the few” “... or the one.” はSF映画史上屈指の名シーンだろう。スタトレ以外では刑事コロンボの傑作「溶ける糸」でのメイフィールド医師役が印象に残っている。スポック・ファンとしては帝人のCMも忘れられない。
Spock's Death and Funeral

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 スポックを語る上で外せないのがバルカン式挨拶「長寿と繁栄を」(Live long and prosper)だが、享年83歳ということでニモイ氏は長寿を全うされたと言えるかもしれない。確かにファンとしてはめちゃくちゃ悲しいが、スポックなら多分 “死は万人に等しく訪れるもの。悲しむのは非論理的です。” と言うだろう。ひょっとすると今頃はあの世でドクター・マッコイ役のデフォレスト・ケリー氏とロミュラン・エールでも酌み交わしながら昔話に花を咲かせているかもしれない。
R.I.P. Spock. Your memory will live long and prosper...

Spock - McCoy banter and friendship Part 1
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