shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

B'z “HOME” session

2020-04-30 | B'z
 おとといの朝のこと、いつものように朝食を終えて台所で洗い物をしているとリビングからB'zの「Home」が聞こえてきた。ビックリして見に行くと、朝のワイドショーで “B'zが自宅から名曲をセッション” と題して、お二人がそれぞれ自宅からリモートセッションしてYouTubeのB'zチャンネルにアップしたB'z屈指の名曲「Home」の動画を取り上げていたのだ。不意を突かれた私がテレビの画面に釘付けになったのは言うまでもない。
 今は全国で緊急事態宣言が出され、娯楽施設はおろか普通のお店も軒並みシャッターを下ろし、街はどこへ行ってもガラガラだ。道を歩いていて人とすれ違う時も2mのsocial distanceを意識して距離を取るようになってしまったし、電車やバスなんて怖くてとてもじゃないが乗る気がしない。というか、他人がみんなコロナ保菌者に見えてしまって反射的に “こっち来んな!” と思ってしまう自分が悲しくなってくる。
 テレビもネットもコロナ関連のネガティヴなニュースばかりだし、F1やプロ野球といった娯楽スポーツ観戦で気分転換することもできない。仕事の方も新しい職場はめちゃくちゃ楽しいのだが先週から慣れない在宅ワークが導入され、仲良しの同僚とアホな話しをしてキャッキャッすることもできなくなり(←何しに行ってるねん!)ストレスが溜まる一方だ。前にも書いたようにeBayの海外セラーたちもコロナでレコードどころじゃなさそうだし、これまで毎週のように通っていたB-SELSにも行けなくなってしまい、ないないづくしで気が滅入っていたのだ。
 そんな時に目にしたB'zのこの動画、ファンとしてはお二人の自宅が見れて興味津々で、後ろに飾ってあるジミヘンの肖像画がめっちゃ渋いし、ギブソンのTシャツを着てギブソンのギターを弾く松本さん(←裸足!)や、圧倒的なオーラを放つ稲葉さんのカッコ良さとか、見どころ満載の2分46秒なのだが、やはり何と言ってもこれからGWに突入しようというまさにこのタイミングで、敢えて「Home」と言う曲を選んでお二人の心意気に感動する。ブツクサ文句を垂れるだけで他人の批判しかできない連中が多い中で、あくまでも音楽を通して人々にメッセージを届けたいというお二人の姿勢がたまらなくカッコ良い。それにしても2日間で200万回視聴って凄いな...
 稲葉さんはこの曲をリリースした当時のインタビューで「自分の中のよりどころ、ゆるぎないもの、それがあれば何が起きても大丈夫」と Home という言葉への思いを語っておられたが、そんな稲葉さんが「Home」を歌い始めると、コロナで疲れ切った心にまるでポッと灯がともったように感じる。心が温かくなる。音楽ってありがたいな... そう思える瞬間だ。この曲の “あいつをいじめたって そんなのまるで 答えにゃならないよ...♪” という歌詞はコロナでギスギスした日本社会への警鐘として心に響く。お二人が伝えたかったのは、みんなが辛いこんな時こそ “深呼吸をひとつして” 冷静になり、自分らしさを見失わずにこのパンデミックを乗り切ろう、というポジティヴなメッセージなのだと思う。
 音楽とは希望である。生きていることの喜びである。そしてB'zのお二人はCD、ライヴ、そして今回のような動画を通してその喜びを私達に与えてくれる。彼らの曲を聴くと “もうちょっと頑張ってみよう...” という気持ちになれる。だから私はB'zが大好きなのだ。彼らのファンであることを心から誇りに思うし、これからもずっと彼らの音楽を聴き続けていきたい。このGWは自宅でゆったり寛ぎながら “自分だけのHome” を見つけるとしよう。
B’z “HOME” session


【5/1追記】昨日、B'zのサポートメンバー達が海外から参加した“バンド・セッション” ヴァージョンが新たにアップされたので貼っときます。バンド・サウンドで聴く「Home」もエエなぁ...(≧▽≦)
B’z “HOME” Band session


STAY HOME。B’z “HOME” session オンラインライブ!一発撮りでこれは凄すぎ。【リアクション動画】〔#220〕

「Revolver」インド盤2種聴き比べ

2020-04-29 | The Beatles
 「Revolver」に関しては UK盤が最強という結論が出たのは前回書いた通りだが、実を言うとこの話には続きがある。その次に B-SELSを訪れた時のこと、いつものようにビートルズ談義に花が咲き、ちょっと休憩ということで私はお店のトイレをお借りした。するとトイレのドア越しに「Taxman」が聞こえてきたのだ。それも何とも言えぬ良い音で、である。私は “日本盤やUS盤がこんなエエ音するはずないし、UK盤の音ともちょっと違うなぁ。店頭に並んでる「Revolver」で他にこんな音のする盤あったっけ???” などと考えを巡らしながら用を足し、トイレから出るなり “これどこの盤ですか?” と伺うと “インド盤です。この前仕入れたんですよ。” とのこと。
 「Revolver」のインド盤ってこんなエエ音してたっけ??? と思いながらジャケットを見せていただくと、悲惨なくらいにボロボロながらもしっかりとコーティングされている。私の盤は確かUSキャピトル盤みたいにジャケ写真を貼り付けただけの味もそっけもない作りだったはずだ。マト番は同じっぽいが、私のとは明らかに違う良い音なんである。好奇心に火がついた私が “次回私のインド盤を持って来ますから聴き比べさせていただけませんか?” と言うとSさんも “いいですよ” と快諾して下さった。
 そしてその1週間後、B-SELSで2種類のインド盤「Revolver」の聴き比べが始まった。音を出す前にまずジャケットを見比べたところ、裏ジャケの下半分のデザインが全然違っていてビックリ。これはどう見てもコーティング有りの方が1stプレスだろう。私のレコはいかにも廉価版っぽい作りで、貧相なジャケットがその安っぽい音質を体現している感じ。因みに盤の重さは1stプレスが162gで2ndプレスが176g ... 同じイエロー・パーロフォン・レーベルで同じマト番だというのに、えらい違いだ。
 まず最初に私の2ndプレスから聴いていくが、当然ながら少し前にここで聴いた時と同じ平凡なサウンドで、A面を少し聴いたところで “もう十分” ということになり(笑)、音の良い 1stプレスにチェンジ。おぉ、やっぱり全然違うやん...(^_^) スタンパー・コードをよくよく見ると、両面共にGだ。そりゃあエエ音しますわな。ではここからはいつものようにSさんとの会話形式で...

 私:まず2ndプレスの方ですが、インド盤にしては盤質も良いですし音も悪くはないんだけれど、UK盤やDK盤を聴いてしまうと格落ちというか、明らかに劣りますね。
 Sさん:そうですね。それに比べて1stプレス盤の方は音圧も高いですし、高い音も低い音もよく伸びてます。特にA①「Taxman」のギターの音が違いますね。
 私:A③「I'm Only Sleeping」のイントロの “バシャ~ン” も全然違いますね。細かい音までしっかりと表現できてるのはやはりプレスの差でしょう。 
 Sさん:A⑥「Yellow Submarine」のアコギの鳴りも明らかに違いますね。
 私:B②「And Your Bird Can Sing」もめっちゃスピード感ありますし。何と言えばいいのか、とにかく聴いてて気持ちいいんですよ。UK盤のようなガチの超高音質というのとはちょっと違うんだけど、何て言えばいいのかな... その、何度も聴きたくなる音ですね。
 Sさん:そうそう、仰ることはすごくよく分かります。他のどの盤とも違う独特な音作りですね。
 私:今これを聴いてて思うのは、「アナログ・ミステリー・ツアー」の本で湯浅さんが絶賛されてたのはこの1stプレスだった可能性が非常に高いということです。絶対にあの2ndプレスの音を褒めるはずがない(笑)
 Sさん:「Imagine」もそうでしたが、インド盤って中々奥が深いですね。
 私:今まではマトが同じならそんなに音は変わらんやろと思ってましたが、こうやって同じマトでプレス違いの2枚を聴き比べてみると、スタンパーとかプレスの差を痛感させられますね。このインド盤2枚の聴き比べはホンマにエエ勉強になりましたわ。
 Sさん:世界広しと言えど、インド盤のプレス違いの聴き比べをやってるとこなんて他にありませんよ(笑)
 私:ハハハ、確かに...(^.^)

尚、このレコードの音がどうしても忘れられなかった私は、後日この「Revolver」インド盤 1stプレスを身請けさせていただきました。

「Revolver」各国盤バトルロイヤル②

2020-04-24 | The Beatles
前回は3枚中2枚がハズレという惨憺たる内容でしたが今回はちょっと凄いです。私もSさんも判定に迷うくらいスーパー・ウルトラ・ハイレベルな三つ巴戦となりました。

④オーストラリア盤(1/1, 161g)
 Sさん:これは良いステレオですねー
 私:いやぁ、文句のつけようがないですね。それにしてもA①「Taxman」のこのベース、ホンマに凄いなぁ。これもうほとんどリード・ベースですよ。一番目立ってる...(笑)
 Sさん:これはレベル高いですねー。A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスなんて実にキレイな響きです。
 私:A⑥「Yellow Submarine」も実に細かい音までしっかり出てますね。
 Sさん:ステレオの値打ちがありますよね。これもう完璧やと思います。B①「Good Day Sunshine」のドラムの響きが良いですねー
 私:有象無象の国内盤やUS盤とは根本的に違う音ですよ、これは。特に低音の出方が違います。
 Sさん:高音は似せれても低音はUKマザーが飛び抜けてますね。これは確実に優勝候補の一角ですね。
 私:細かくあーだこーだ言うのがバカらしくなってくるくらい良い音ですよ、これは。

⑤デンマーク盤(1/1, 161g)
 私:何だかお互いに口数が減りましたね、前回のインド、ドイツとは真逆の意味で...(笑)
 Sさん:思わず聴き入ってしまいました。次は?
 私:デンマーク盤です。
 Sさん:おぉ、これも良いですねー
 私:今までで一番音圧が高いですね。これはヤバいわ(≧▽≦) ヴォリューム触ってないですよね。
 Sさん:いいえ、とんでもない。明らかに音がデカいですね。
 私:しかも音がデカいだけじゃなくてクオリティーもかなり高いですよ、これ。
 Sさん:B面は音質が更に良くなってますよ。特にベースの音。
 私:B⑥「Got To Get You Into My Life」のベースの圧が凄いですよ。圧倒されます。これOZ盤と続けて片面ずつもう1回聴きましょか。
 Sさん:それは良い考えですね。でもその前にUK盤を聴きませんか?

⑥UK盤(1/1, 166g)
 私:わかりました。これは去年手に入れたばかりなんですが、例の「Dr.Robert」表記のアーリープレスでスタンパーもめっちゃ若いヤツです。
 Sさん:うわー、これも凄いなぁ。A①「Taxman」のベースがめちゃくちゃ太い。
 私:めっちゃ立体的に聞こえますよね。音像が目の前にすっくと立ち上がる感じ。
 Sさん:A④「Love You To」のシタールもエエ音してるし。
 私:A⑥「Yellow Submarine」の波の音なんか超リアルでビックリです。
 Sさん:UK盤はすごいなー、やっぱり。
 私:B⑦「Tomorrow Never Knows」、もう鳥肌立ってきた...(≧▽≦) もう1回片面ずつ聴きましょう。

【延長戦】
《OZ盤B面》
 私:じゃあさっきまでの流れもあるんでB面からいきましょう。
 Sさん:OZ盤はまず何と言ってもヴォーカルが良いですね。
 私:そうそう、ヴォーカルだけですごい圧をかけてきますよね。
 Sさん:ヴォーカルに限って言えばこれがベストかも。
 私:少なくともさっき聴いたUKとは互角ですね。それとB②「And Your Bird Can Sing」のベースの重いこと! 他のUKマザーの盤はスピードと切れ味で勝負という感じだったのでこの重厚感とは好対照ですね。どちらも捨てがたいんだけど。
 Sさん:B③「For No One」のバックのピアノの音もキレイですよ。
 私:これは悩ましいですね。前回聴いたノルウェー盤を基準とすると、ノルウェーA面が95点でB面105点、それに対してこのOZ B面は120点あげたいです。じゃあ次はもう一度UKのB面を...

《UK盤B面》
 Sさん:ひょえ~、ドラムの音が凄い。
 私: これはまためちゃくちゃ解像度の高い音ですね。
 Sさん:圧倒されますよね。
 私:OZは独自性が感じられる音なのに対し、こっちはマスターテープに一番近い音という感じ。とにかく実に生々しい音です。
 Sさん:同じUKマザーのノルウェー盤と比べても、音の傾向は同じなのにこっちの方が音が大きいですよね。
 私:UKのB面には130点でも140点でもあげたいくらいです。
 Sさん:わかります。でもOZ盤は私の好みの音なので審査員特別賞あげて下さい。
 私:同感です。じゃあ次はDK盤のB面を。

《デンマーク盤B面》
 Sさん:やっぱり音のデカさはこれが一番ですね。
 私:う~ん、何回聴いてもこれは凄いわ。
 Sさん:ただ、ベースの音に限って言うとUKの方が若干上かな。
 私:そうそう、音そのもののクオリティーという点ではUKが勝ってますね。やっぱり鮮度の差かな?
 Sさん:ポールが聴いたらUK盤の方が喜ぶかも...(笑)
 私:難しいけど、これも120点かな。UK盤にはちょっと届きませんね。じゃあ次はOZ盤のA面いってみましょう。

 《OZ盤A面》
 Sさん:やっぱりUKマザーなのにUK盤とはちょっと違いますね。でもこの音、個人的には大好きです。
 私:この違いはオーディオ的にも実に興味深いです。
 Sさん:UKは鮮度の高い音、こっちはロックっぽい音、とでも言うのかな。後期の音に近いです。このベースの音、ポールは結構好きやと思いますよ。
 私:言い換えればモダンな音、ですね。
 Sさん:楽器の鳴りが良いですね。A④「Love You To」なんか、インド盤よりもシタールの音がキレイですもんね(笑)
 私:目の前でシタール弾いてるみたいな感じですね。A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスもキレイですし、A⑥「Yellow Submarine」のアコギの響きもたまりません。OZ盤ってレベル高いなぁ... う~ん、125点!

《デンマーク盤A面》
 Sさん:音が変わりましたね。生々しい。
 私:相変わらず凄い音圧ですね。目の前に迫ってくるような感じです。A②「Eleanor Rigby」のアグレッシヴなストリングス、凄いなぁ... めっちゃ厳しいというか、辛口のサウンドですね。
 Sさん:迫力はこっちですね。A④「Love You To」のタブラが凄い! でもシタールの鳴りはOZ盤の方が良かったです。倍音がよく出てるのがOZ盤の一番の長所ですね。A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスもOZ盤の方が一枚上手です。
 私:迫力のDK盤 vs 優雅さのOZ盤といったところかな。
 Sさん:A⑥「Yellow Submarine」のスネアの音の抜けの良さもOZ盤の方が上ですね。
 私:A⑦「She Said She Said」、めっちゃ迫力あるなぁ...
 Sさん:ベースがデカいですね。
 私:トップ・シンバルのバシャ~ン!も強烈ですね。これもA面と同じ120点かな。

《UK盤A面》
 私:これはもう何て言うか、解像度こそが大正義なんやなぁと痛感させられる音ですね。
 Sさん:A①「Taxman」のベース・ラインですが、太さとスピード感を高い次元で両立してますね。
 私:A②「Eleanor Rigby」もめっちゃ力強いですし、もう何も言うことないです!
 Sさん:はい、これはホンマに素晴らしい音です。A⑥「Yellow Submarine」の左chのギターの音なんかもう凄いですよね。最も鮮度の高いアナログでしか聴けない極め付けの音です。OZ盤も物凄く良かったけど、こっちはちょっと別格やなぁ...
 私:これはもう150点あげてもいい。最高の音ですよ。これ聴いたら他はもうエエわ、って言いたくなるくらい凄いです。まさに本家の意地を見せつけられた、という感じ。「Revolver」ステレオLP部門の優勝はもちろんこのUK盤、審査員特別賞はOZ盤ということで決まりですな。

「Revolver」各国盤バトルロイヤル①

2020-04-18 | The Beatles
 久々の各国盤バトルロイヤル・シリーズは「Revolver」だ。モノラルは 1G/1R盤を手に入れて以前にこのブログでも取り上げたが、あんなに凄い音を聴いてしまうと各国盤のモノラル「Revolver」を聴いても全然物足りなくて何枚も聴き比べをする気が起きない。変な例えで恐縮だが、何千円もするうな重を喰った後に回転寿司で廻ってるパサパサのウナギを喰う気になれないのと同じようなものだ(←ちょっと違うか...笑) ということで聴き比べはステレオ盤のみ行うことにした。

①インド盤(1/1, 176g)
 私:まず最初はアナログ・ミステリー・ツアー本で湯浅さんが“「Revolver」世界最強盤はインド盤と決めつけたくなるほど。”と絶賛されていたインド盤からです。どうですか、これ?
 Sさん:案外普通やな... と思いました。楽器の響きはイマイチかな。
 私:音のバランスは中域寄りですね。
 Sさん:A④「Love You To」のシタールの音もそれほど良いとは思いませんし、A⑤「Here There And Everywhere」のコーラスやギターもクッキリ感が足りませんね。
 私:ベースもズッシリと響いてきませんし。これでも一応UKマザーなんですけどねぇ...
 Sさん:私に言わせればこのインド盤は “普通の音” です。
 私:A⑥「Yellow Submarine」も平凡ですね。聴いててハッとさせられるところが全く無い。
 Sさん:B④「Doctor Robert」のベースの音もこれではちょっと物足りませんね。
 私:ベースの音が丸みを帯びちゃってる...
 Sさん:これ以上言いようがないですね。

②ドイツ盤(145g)
 私:次はドイツ盤でいきましょう。私のドイツ盤に対するイメージは「SGTペパーズ」だけがすごく良くてそれ以外は×なんですが、これどう思います?
 Sさん:ホワイト・ゴールド・オデオン・レーベルですか。以前ブルー・オデオン・レーベルのを聴いたことがありますが、音は良くなかった記憶があります。
 私:これも音がこもってますよ。さっきのインド盤の方がまだマシですわ。
 Sさん:う~ん、確かにこれはちょっと...
 私:全然音に魅かれませんもん。ただ鳴ってるだけ、っていう感じ。
 Sさん:もうちょっとエエ音出てもよさそうなのに... 何でかなぁ? ちょっとヴォリュームを上げてみましょう。
 私:変わりませんね。ハッキリ言って論ずるに値しない音です(*_*) とにかくアナログの良さが全然無いですよ。こんなんやったらCD聴いてた方がよっぽどマシですわ。
 Sさん:何なんですかね、これは? マスターが悪かったのかな?
 私:B面も相変わらずクソみたいなこもった音ですね。ダメだこりゃ(呆れ)
(Sさんは完全に音に興味を失ったのか、途中からジャケット・デザインの比較を始められた... 私も早よこれ終わって次の盤いきたいなーとばかり考えてた...)

③ノルウェー盤(1/1, 164g)
 私:盛り下がってきましたので(笑)次はUKマザーのノルウェー盤で “お耳直し” を...
 Sさん:おぉ、音がシャキッとしましたね。ドイツ盤とは全然違う...
 私:音がスピーカーから飛び出してきますよね。
 Sさん:そうそう、元気がありますね。
 私:低域がしっかりしてますからA②「Eleanor Rigby」のストリングスがリズムセクションの働きを立派に果たせてますもんね。ストリングス・アレンジでジョージ・マーティンが意図した効果が存分に出ています。高域もシャープに切り込んでくるし。A③「I'm Only Sleeping」も演奏が生々しいですよね。
 Sさん:ベースがよく聞こえます。
 私:A⑦「She Said, She Said」の説得力が違いますね。
 Sさん:さすがはノルウェー盤! B①「Good Day Sunshine」のイントロのピアノもコーラスも文句なしです。
 私:あれ? これってA面より良くないスか?
 Sさん:ええ、A面も良かったですが、B面の方が良いですね。
 私:B②「And Your Bird Can Sing」なんかもうめっちゃ生々しいですよ。
 Sさん:音のキレが更に良くなりましたね。ベースも良いです。ノルウェーのB面凄いなぁ...
 私:ヴォーカルもハッキリとよく聞こえますね。A面よりも音が深いです。
 Sさん:B⑤「I Want To Tell You」のベースが強烈ですね。
 私:ズンズン響きますね。とにかく音が良いからこの曲の作り込みの凄さがよくわかりますね。
 Sさん:そうですね。B⑥「Got To Get You Into My Life」なんてホンマに生々しい音ですよ。B面はヴォーカルが特に良いですね。
 私:う~ん、これは凄い...
 Sさん:この息もつかせぬ展開はインドやドイツには無かったですね。やっぱりビートルズはこうでなくっちゃ!(つづく)

【追悼】志村けん

2020-04-12 | TV, 映画, サントラ etc
 コロナウイルス感染による世界の死者数がついに10万人を突破したらしいが、一番ショックだったのは何と言っても志村けんさんの死だった。彼の死を知ったのは3月30日の朝で(命日は3月29日... 奇しくも私の父と同じ日だ)、親しくしている顧客から「志村けん亡くなりましたねぇ... ショックですよ。」と聞かされ、「えっ、ウソでしょ...」と自分の耳が信じられなかった。もちろんコロナで入院してICUに入っていることはニュースで見て知ってはいたが、まさか1週間かそこらで亡くなるなんて夢にも思わなかったからだ。その後、ネットは彼の死のニュース一色になったが、あまりにも急な死だったこともあって、私は “悲しみに暮れる”というよりは “まだ実感がわかない” というのが正直なところだった。
 それから数日経ったある日の夜中のこと、YouTubeのオススメ動画でたまたま “志村けんのバカ殿” シリーズでも一番好きだった由紀さおりとの年齢詐称ネタを集めた動画を見つけたので何気なく見始めたところ、これがもうめちゃくちゃ面白くて真夜中なのに何度も大声で笑ってしまい(3:23の「オカマのあとは養老院か!」なんかもう腹筋崩壊ですわwww)、気がついたら夜の3時を回っていた。その時初めて “あぁ、もうこの人はこの世にいないんやな...” とその死を現実のものとして受け入れると同時に、強烈な喪失感に襲われた。緊急事態宣言による外出自粛で日本中が暗く沈んだ気持ちになっているこんな時にこそ志村さんの笑いが必要なのに、その本人が真っ先に逝ってしまうなんて何という悲劇だろう? コロナは我々日本人から “人間国宝” と言っても過言ではないコント界のスーパースターを奪ってしまった。
バカ殿様 由紀さおり 年齢詐称


 私が持っているレコードで志村さん関連の盤は「ヒゲのテーマ」のシングル盤1枚きりで、それも何年か前にヤフオクで同じセラーから何枚かシングル盤を買った時にたまたま100円で出ていたのを見て“おぉ、懐かしいやん... 送料変わらんし、100円やったら買うとこか...” という軽い気持ちで買ったものだ。さっき久々に針を落として聴いてみたが、例のメロディーが鳴り出すと同時に自然と身体が動いてあのダンスせずにはいられない。困ったものだ(笑)
8時だョ!全員集合「ヒゲダンス グレープフルーツ刺し」


 志村さんはガチのビートルズ・ファンとしても有名で、66年のビートルズ武道館公演だけでなくポールの東京ドーム公演にも足を運び、ラジオ番組でその時の喜びを大コーフンしながら語っていたが、言葉の端々からビートルズ愛がビンビン伝わってくるのが嬉しかったし、特に“「Something」のウクレレの時に泣いちゃった...” というくだりにはめっちゃ共感してしまった。私にとっては “不世出のお笑いの天才” であると同時に “ビートルズ・ファンの同志” でもあったのだ。ひょっとすると今頃天国でジョンとジョージに会ってアイ~ンとかやって2人を大笑いさせてるかもしれない。
 ドリフターズ解散後の志村さんの活躍を想うと、ちょうどビートルズ解散後にウイングスを率いて再び世界制覇を成し遂げた頃のポールの姿がダブってくる。だから私なりにドリフターズをビートルズに例えると、天才型の加藤茶がジョンで努力型の志村けんがポール、仲本工事がジョージで高木ブーがリンゴにあたるのではないかと思っている。いかりや長介はさしずめジョージ・マーティンといったところか。
【芸々】 志村けん「ポールマッカートニービートルズを熱く語る」


 志村さん、今までたくさんの笑いを本当にありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。R.I.P.

ヤフオク大決戦③

2020-04-06 | Jazz Vocal
 先週書いたように、久々のオークション大バトルは5戦して “4勝1放棄試合” という上々の結果(^.^) 発送も早くて2日後にドドーン!とLP4枚が届いた。コロナが怖くて自主隔離中(←戒厳令の大阪や京産クラスターの京都に隣接する奈良の感染者数が30人弱なワケがない... 奈良県の隠蔽体質にはウンザリやわ...)で手持ちの盤を聴きつぶしている最中の身には最高のご褒美だ。今回は早速その戦果を報告したいと思う。

①Souvenirs de Django Reinhardt Vol.2 [Swing:M. 33.315]
 このSwing盤10インチはジャンゴが新生クインテットを率いて1947年に録音したもので、エレクトリック・ギターで縦横無尽にスイングするジャンゴが圧巻だ。手持ちの英Vogue盤と聴き比べてみたが、薄皮を1枚剥いだようなリアルなサウンドという点でこちらの仏オリジナル盤に一日の長があるし、ジャケット写真に至ってはコピー写真感丸出しの英Vogue盤では全く勝負にならない。このレコードがヤフオクに出ていることを教えて下さった901さんに改めて感謝感謝である。それにしてもジャンゴのスイングはいつ聴いても強烈やなぁ... (≧▽≦)
Blues En Mineur


②Teddy Wilson And His All Stars [Dial:213]
 Dialというレーベルはジャズ・ファン、特にチャーリー・パーカー信者にとっては憧れともいえる存在だ。何百ドルもするパーカー盤を買う気は毛頭ないが、テディ・ウィルソンならいけるかもと思ってトライしたら3,000円かそこらで買えて大ラッキー(^.^) 因みにPrice Guideでは$250だからヤフオクさまさまだ。いつも元気溌剌絶好調なテディ・ウィルソンのピアノはもちろん良いのだが、A面B面でのドラマーの違いによるサウンド比較が何と言っても聴き物で、A面担当の鈍重なダニー・アルヴィンに対し(←スウィングしない「Love Me Or Leave Me」はアカンやろ...)バンド全体をスウィングさせるB面担当のシド・カトレットの圧勝だ。やっぱりジャズはリズムが命やね。

③Action / B'z [Vermillion:BMJV-8019]
 私は70~80年代ハードロックのカッコ良さに日本独自の歌謡曲的な哀愁エッセンスをプラスしたB'zの音楽が大好きで、このサウンドをアナログ・レコードで聴けたら最高やろうなぁ... と思っていたのだが、まさかその夢が実現するとは思わなんだ。しかもB'zの初アナログ体験が、彼らのアルバムでは五指に入る名作と信じて疑わない「Action」というのも嬉しい。ワクワクドキドキしながらレコードに針を落とした瞬間からCDとは明らかに違う腰の据わったサウンドに耳が吸い付く。全曲大満足だが、敢えて1曲と言われればこの「Friction」が一番好き。この疾走感こそがB'zのカッコ良さの原点だ。空耳 “シャリがうまいねぇ...♪” にも大笑いヽ(^o^)丿
B'z - Friction


④Helen Merrill In Tokyo [King:KC3007]
 「Helen Merrill In Tokyo」はWaveから出た再発ステレオ盤もかなり良い音でジャケットの作りなんかも非常に良く出来ていたのだが、このオリジナル・モノラル盤はそんな高音質Wave盤をも遥かに凌ぐ素晴らしさ。何よりもまず音のバランスが最高で中低域が充実しており、ヘレン・メリルのヴォーカルがゾクゾクするほど生々しい。ブラッシュの音にも立体感があり、ベースもズンズンくるからたまらない。盤質はNMといってよく、ほとんどノイズレス(←もちろん超音波洗浄済み)というのが何よりも嬉しい。まるでスタジオ・ライヴをかぶりつきの特等席で聴いているような、そんな感じのサウンドなのだ。内容の方も素晴らしく、ヘレン・メリルのリラックスしたハスキー・ヴォイスで大好きなスタンダード・ナンバーが楽しめる喜びを何と表現しよう? 猪俣毅とウエストライナーズの伴奏も出色の出来で(←このレコードは日本録音)、まさに音良し・歌良し・伴奏良しと三拍子揃ったヴォーカル・アルバムの金字塔と言っても過言ではない。大枚を叩いた価値は十分あったと大満足の、まさに “家宝” と言える1枚だ。
Helen Merrill ‎– Helen Merrill In Tokyo [ヘレン・メリル・イン・トウキョウ] (1963)

ヤフオク大決戦②

2020-04-02 | Jazz Vocal
 まずは先鋒のジャンゴ・ラインハルトの仏Swing 10インチ盤「Souvenirs de Django Reinhardt Vol.2」だが、〆切直前に5,000円でビッドすると(←ヤフオクはeBayと違って時間延長というクソしょーもないシステムのため、スナイプしても殆ど意味がないんやけど...)一気に値段が3,900円にハネ上がってビックリ。しかも他にも2人参戦してきてドロ沼のバトルロイヤル状態に突入(>_<)  結局4,800円で落札できたが、薄氷を踏むような勝利はヒヤヒヤもので、これでは先が思いやられる。
 次鋒のテディ・ウィルソンDial 10インチ盤は盤質がVG-ということでとりあえず2,000円付けて一旦トップに立ったものの、すぐに逆転されるなど一進一退の我慢比べを繰り返した結果、相手が先に投了し3,210円で落札。何とか2連勝はしたものの、この先に控える高額アイテムのことを考えると気が重い(>_<)
 しかもヤバいことにこの時点で残りの3アイテムの内、中堅B'zと大将ヘレンメリルの2つが2万円を超えてしまい、予算的にどう考えても3連勝は不可能だ。貧乏コレクターの分際で、あれもこれもは所詮無理。何かを潔く切り捨てる決断をしなければいけない。肉を切らせて骨を断つ(←この使い方であってるのかな?)しか方法はないだろう。私はここで泣く泣く中堅B'z4枚組を諦め、その分の予算を副将と大将の2枚に廻すことにした。
 そしていよいよラス前の副将 B'zの「Action」だが、B'zを聴く層がアナログ・レコードまで買ってるという事実にまずビックリ。元々定価5,093円で販売されていたものがSold Outになり、廃盤状態のところへ私を含めた10人が参戦して入札し合うという修羅場が展開されたのだが、渾身の2万円ビッドでライバルどもを蹴散らし、結局14,510円で落札。この「Action」というアルバムは大好きな曲がいっぱい入っているので、それらをアナログの生々しい音で聴けるのがめちゃくちゃ嬉しい。
 さて、いよいよ残すは大将のヘレン・メリル1枚である。このアルバムは94年にWAVEから再発されたステレオ盤(SKJ 5)しか持っていなかったので、ヘレン・メリル・マニアの私は “激レア MONO キング完全オリジナル 両面DG深溝 KC3007” というタイトルの文句に魅かれ、初めて見るレーベル写真に大コーフン! しかしこのセラーは“和ジャズ/国内独自盤企画” という謳い文句でもう1枚「ヘレン・メリル・イン・トウキョウ」を出品しており、困ったことにレーベル面の写真もそっくりだし(←ちゃーんと深溝もある...)背面も再発盤の青色ではなくオリジナル盤と同じ白色で、写真からは全く区別がつかないのだ。これって一体何なん?
 私は大いに迷ったが、オリジナル盤なら “国内独自企画盤” などという回りくどい言い方はせずにハッキリとそう書くはずだし、901さんが “このセラーは在庫も凄いけど商品知識もめっちゃ凄いで!” と仰ってたのを思い出し、きっと誤解を避けるために同時出品したんやろうなぁと推測。紛らわしいのでこの偽物盤(?)はウォッチ・リストから削除し、オリジナル盤1本で勝負だ。
 〆切まで10分を切った段階で24,000円だったので念には念を入れて4万円をブッ込んだところ、相手の闘志に火をつけてしまい(←これやからヤフオクは嫌やねん...)1対1のサドンデス・タイマン勝負に突入。この機会を逃せばこんな珍しいレコードには二度と巡り合えないかもと考えた私は全霊をかけて怒涛の5万円ビッドで勝負。相手もネチこく食い下がってきたが、49,200円で力尽きたようでようやくオークション終了となった次第。因みに同タイトルの “国内独自企画盤” の方は14,755円で終わったようだ。 (つづく)