shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

California Dreamin' / River City People

2008-11-30 | Cover Songs
 私は81年から91年までの約10年間、毎週全米トップ40と全英トップ20を聴いていた。後追いなら見逃してしまうようなマイナーな盤まで自分の耳でしっかりカバーできるのがリアルタイムで聴くメリットだ。ある時、いつものように全英チャートを聴いていると、突然「カリフォルニア・ドリーミン」の耳慣れたメロディーが流れてきた。えも言えぬ雰囲気を持った女性ヴォーカル、ビーチ・ボーイズみたいなコーラス・ハーモニー、絶妙なテンポで刻まれるビート... わずか2分余りの曲だったが私は完全にノックアウトされてしまった。リヴァー・シティ・ピープル? 全然知らないグループだ。当時はネットもなく、情報はラジオと雑誌のみ。このようなマイナー盤は一旦逃すとほぼ入手不可能になることを身をもって知っていた私はとにかく音源だけは確保しようと早速大阪のタワーレコードまで出かけていって幸運にもCDシングルを入手することが出来た。う~ん、実に素晴らしい。あの番組を聞いてなかったら多分一生知らないままだったろうと思うと余計に嬉しい。「カリフォルニア・ドリーミン」といえばオリジナルはもちろんあのママス&パパスだが、テンポもやや緩めだし、サウンド的にも今の耳で聞くと古臭さは否めない。その後、「ジョージィ・ガール」で有名なシーカーズやテケテケの王者ベンチャーズ、№1ジャズ・ギタリストのウェス・モンゴメリーなんかもこの曲をカヴァーしているが、個人的に一番気に入っていたのは、86年にビーチ・ボーイズがカヴァーしたヴァージョンだった。アメリカではシングル・チャートで57位までしか上がらなかったのであまり知られていないが、ビーチ・ボーイズの絶妙なコーラス・ワークがこの曲の持つ哀愁を見事なまでに引き出しており、もうこれ以上のカヴァーはあり得ないと思っていた。で、その4年後にこのリヴァー・シティ・ピープルである。何という瑞々しい歌声だろう!「オーザリーヴズァブラァン~♪」でいきなり水滴が飛び散り、寄り添うようにブリリアントなバック・コーラスが続く。これ以上の名演があったら教えてほしいぐらいの究極の「カリフォルニア」である。残念なことにアメリカでも母国イギリスでもヒットらしいヒットに恵まれず、2年ぐらいで解散してしまったらしいが、私の中では「素晴らしき一発屋」として忘れることのできないグループだ。

River City People - California Dreamin'