shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「Please Please Me」インド盤

2021-02-27 | The Beatles
 インド盤は同じタイトルであってもマトリクスやプレス時期によって音がかなり違うケースが多いので、みずてん買いはリスクが大きい。だから実際に自分の耳で確かめてから買える B-SELS の存在は本当にありがたいのだが、そんな B-SELS の2/19付の「日記」でインド盤の「Please Please Me」が取り上げられた。ビートルズのインド盤コンプリートを目指す私にとってコレは一大事である。Sさんがそこで書いておられるようにこのアルバムはインド盤タイトルの中でも最難関と言ってよく、ごくたまにeBayに出てきても Gレベルのガチャ盤が$400とか、その稀少性だけで凄まじいプレミアが付いているからだ。しかも “UKゴールドと同じメタルマザーが使用されているのだから、音が素晴らしいのは言うまでもないが、加えてこの盤質の良さ、プレス数の少なさなどから、かなり鮮度の高い良い音がしている。” とのこと。これは何が何でも手に入れなければならない。私は花粉でかゆい目をこすりながら B-SELS を訪れた。
 Sさん:今日は何にします?
 私:「Please PleaseMe」のインド盤を聴かせて下さい。
 Sさん:わかりました。セロテープの剥がし後があるのでジャケットはVG-ですけど、盤はキレイですよ。
 私:インド盤に美ジャケは求めてません(笑) 音さえ良ければそれでいいです。
 Sさん:(A①「I Saw Her Standing There」のイントロが流れる...)どうですか?
 私:おぉ、これはめっちゃエエですやん!
 Sさん:いいでしょ?
 私: ホンマにノイズ無いですねぇ... 溝の状態がエエんでしょうね。
 Sさん:スピンドル・マークもほとんど無いです。
 私:インド盤でこんなにキレイなのって初めて見ますよ。ネットに出てるのってGとかPばっかりで悲惨ですもん。
 Sさん:これ以上状態の良いのを見つけるのは難しいと思います。
 私:確かに。それにしても音のバランスがめっちゃ良くて聴きやすいですね。
 Sさん:サーフェス・ノイズが少ないので音の良さがよくわかります。
 私:UKマザーですが、UK盤のどぎつさを絶妙にコントロールして聴きやすい音に仕上がってますね。
 Sさん:角が丸みを帯びているというか...
 私:丸さが良い方向に作用してますね。キツさが緩和されて聴きやすくなってます。
 Sさん:そうそう...
私:それにしてもこのスピード感は凄いですよ。A①イントロの1, 2, 3, 4から一気に駆け抜ける感じがたまらんです。
 Sさん:気持ち良いですね。
 私:A③「Anna」のジョンのヴォーカルにも深みがありますし、A⑤「Boys」のベースの押し出し感も凄いものがあります。何て言うか、文句の付けようのない音ですね。
 Sさん:ありがとうございます。A面のマザー1は4thよりもゴールドに近い音ですね。この音はゴールドから3rdまでで、それからインドへ送られたんでしょう。
 私:B面はマザー無しか...
 Sさん:UKではB面のマザー無しは多分無いと思います。私の調べた限りではインド盤「Please Please Me」のマザー/スタンパー・コードはすべて “1A / - O” でした。
 私:このB面はA面とはまた違う音ですね。
 Sさん:ちょっと底チリありますけど...
 私:チリ音を抜きにしても微妙に違いますよ。どう表現すればいいのか難しいですけど...
 Sさん:UKなのにUKには無い音ですね。
 私:そうそう、その通り。
 Sさん:B③「Baby It’s You」のコーラスが良いんですよ。
 私:お見事!と言いたい音ですね。インド盤でこれだけの音が聴ければ上等ですよ。これ、いただきます!
 Sさん:毎度ありがとうございます。
 私:花粉がキツイ中、頑張って来た甲斐がありましたわ。

「Help!」UKステレオ 1G/1G盤

2021-02-20 | The Beatles
 私がB-SELSに通い始めてからかれこれ2年半くらいが経った。これまで店主のSさんからは様々なことを教えていただいたが、その中でも最も目からウロコだったのは “スタンパーの違いで音は大きく変わる”、これに尽きるのではないか。Sさんと出会うまでは “とにかく初回盤のマトリクスであればいい” という感じでオリジナル盤を買っていたし、実際のところ、eBayやDiscogsでも商品説明にマトリクスまでは書いてあってもマザー/スタンパー・コードにまで言及するセラーはほとんどいなかった。
 しかしB-SELSでSさんと一緒に実際に自分の耳でスタンパーの違う盤を色々と聴き比べてみてその “音の鮮度” の違いに大きな衝撃を受け、それ以降はスタンパーの若い1桁盤を探して手持ちの盤を買い替えるようになった。特に別格中の別格というか、考えうる限り最高峰の音が期待できる “スタンパー1G盤” に関しては金に糸目を付けずにオークションに参戦し、「Please Please Me」の金パロを筆頭に「Beatles For Sale」や「Revolver」、「White Album」の “1G盤”をゲット。その異次元とでも言うべき音の鮮度の高さが私を更なる1G盤探求へと向かわせた。
 そして2ヶ月ほど前、eBayで「The Beatles - Help! - UK 1965 Earliest 1st STEREO Press LP *1/G 1/G Stampers*」というのを見つけた。「Help!」のステレオ盤は既に“1GT/2RG”盤(A面が1個目のマザーの19番目のスタンパーでB面が2個目のマザーの21番目のスタンパーから作られたという意味)というかなり初期にプレスされた盤を持ってはいたが、 “1G/1G” となると話は別。愛聴曲満載の「Help!」を最高の音で聴けるかもと思うともうワクワクドキドキが止まらず、当時は£1=135円だったこともあって(←因みに今は145円です... ラッキー!)強気の£550(約75,000円)でスナイプしたが、結果は£375(約50,000円)と余裕で落札。Visual:VG+、Audio:EX+、Cover:EX、Labels:VG+、Inner-Sleeve:EXと、申し分のないコンディションの “両面1G盤” が届くのを一日千秋の思いで待った。
 そのレコードが届いたのは年が明けた1月3日。この日は他にもエディ・コクランのUKシングル盤やらクイーンのジンバブエ盤など、12月に獲ったレコードがドバーッと6枚も届いて大はしゃぎしたが、イの一番に梱包を解いたのは当然このレコード。セラーの説明通り盤もジャケもピッカピカでめちゃくちゃ嬉しい。「Help!」のジャケって結構傷んでるものが多いが、このレコードはめちゃくちゃ状態が良く、ソリッドなスパインを見ただけでニヤけてしまう。実際に音出ししてみたところ、私の予想を遥かに上回る生々しい音にビックリ(゜o゜)  死ぬまでこの鮮烈な音が聴けるのなら5万円など安いものだ。
 これはすぐにでもSさんにお聴かせせねばと思ったが、Sさんが南ローデシア盤やら南アフリカ盤やらベネズエラのラウドカット盤やらを立て続けに出されたこともあってそれらを試聴して買うのに忙しく、まぁ腐るモンでもないしエエやろ...ということで後回しになり、つい先日やっとのことで2人で試聴する機会に恵まれた。
 Sさん:今日は何か凄いの出てきそうですね(笑)
 私:えっ、わかります?(←この人ホンマにスルドイわ...)実は「Help!」の“両面1G盤” 持ってきましてん。
 Sさん:ほぉ~(とジャケットを手に取りながら)このキレイなジャケットでしかも“両面1G” だなんてスゴイですね~
 私:(A①「Help!」がスタート...)躍動感が凄いでしょ。
 Sさん:(右指でOKサインを作りながら)すごく力強いですね。ジョンのヴォーカルが凄いです。
 私:この疾走感がたまらんですわ。
 Sさん:音に艶があって何とも言えないエエ感じです。
 私:何回聴いても凄いとしか言いようがないですね。
 Sさん:音が伸びやかですよね。A④「I Need You」のジョージのギターが艶々してます。う~ん、素晴らしい。完璧ですね! こんな凄い「Help!」があるなんて...
 私:B面は更に強烈!!! えげつないほど生々しいですね。
 Sさん:音の再現度が違いますね。素晴らしい音です。
 私:これ聴いてしもうたら他の「Help!」では物足りなくなりそう...
 Sさん:(B④「Tell Me What You See」のドラムのアタック音を聴いて)今の音、初めて聴きました。凄いわ、フフフ...
 私:ヴォーカルも楽器の音もすべて今まで聴いてきた音と次元が違うっていう感じです。
 Sさん:(B⑤「I've Just Seen A Face」を聴いて)めっちゃ疾走感ありますねー
 私:ベスト・オブ・ザ・ベスト! 最高ですよ。
 Sさん:(B⑥「Yesterday」を聴いて)弦楽四重奏がまるでオーケストラのような厚みの音で鳴り響きますね。これはもうパーフェクト!!!
 私:思わず拍手しちゃうような、そういう音ですね。
 Sさん:間違いなく「Help!」ステレオの最高峰ですね。これ以上の音はあり得ないでしょう。
 私:盤質がめっちゃエエっちゅーのも大きいと思います。
 Sさん:両面1Gでこの盤質って、宝物を通り越して博物館に入れなあかんレベルですよ。
 私:大事にしますわ。

【 ラウドカット】ベネズエラ赤盤

2021-02-13 | The Beatles
 私がネットでレコードを検索している時に思わず目がいってしまう言葉がいくつかある。「1G」や「Factory Sample」などがそうだが、そんな中でも特に吸引力抜群なのが「ラウドカット」というパワー・ワードである。アホかと思われるかもしれないが、「ラウドカット」と聞くだけでまるでパブロフの犬のように条件反射でアドレナリンがドバーッと出まくるのだ。
 ラウドカット盤として最も有名なのはUK初回盤の「With The Beatles」(1N/1N)と「Rubber Soul」(1/1)だろうが、世界各国のレコードを色々と聴いていくうちに、UK以外の各国盤の中にも世間ではあまり話題に上らない “隠れラウドカット” 盤が存在することを知り、“おぉ、これもラウドカットやん!” と新たな発見に大喜びしたことが何度かある。
 先日、いつものようにB-SELSの日記を開くと“1962-1966(赤盤)ベネズエラ ラウドカット!!!” というタイトルが目に飛び込んできた。これって私の爆音好きを知っているSさんが「ラウドカット」に “!” を3つも付けて煽っておられるのだろうか?(←そんなアホな...) ウルグアイ以外の南米のレコードは音作りの面で私の嗜好と合わないケースが多いので普通ならベネズエラ盤なんてスルーするのだが、ラウドカットとなると話は別。しかも “2枚とも独自カッティングで大変音が良く大きいことに驚く” “盤は2枚ともEX以上で大変コンディションが良い” と書いてあるので音の方は大いに期待が持てそうだし、クソ高い送料を払ってようやく手に入れた盤が針飛びした... などという悲惨な体験をしなくて済むのもいい(←トラウマになっとるな...)。
 それと、そのレコードが「赤盤」というのも大きなポイント。人にはそれぞれ思い入れの強いレコードというのがあると思うが、私の場合、生まれて初めて買ったビートルズのレコードが「赤盤」であり、今の自分があるのは我が音楽人生の原点とでも言うべきこのレコードのおかげと言っても決して過言ではないのだ。そんな「赤盤」を大好きなラウドカットで聴けるチャンスをみすみす逃せるワケがない。
 ということでいつもならすぐにでもお店に飛んでいくところだが、実はその数日前から右膝が痛くて職場でもびっこを引いて歩いているぐらいなのでとてもじゃないが三条通りの長~い坂道をお店まで歩いていく気力はない。医者は死ぬほど嫌いだがこのまま放っておいてレコードが売れてしまっては元も子もないので仕方なしに整形外科を受診。“仕事に差し支えるので何とかして下さい。”と泣きつき(←まさかレコ屋に行けなくて辛いなんて言えへんわな...)膝に注射を打ってもらってようやく痛みがマシになったので、病院帰りに早速B-SELSへと直行。ご存じのようにB-SELSは雑居ビルの3Fにあるのだが、今までつかんだことのない手すりにつかまりながらえっちらおっちらと階段を上がり、ようやく3Fに辿り着くことができた。
 お店に入って “今日はベネズエラの「赤盤」を聴かせて下さい。” と言うとSさんは “???” という顔をされた。確かに最近は南ローデシアや南アフリカのモノラル盤ばかり立て続けに買っていたのにいきなり「赤盤」を聴かせてくれでは不思議に思われるのも無理はない。“ラウドカットと聞いてこの私が大人しくしてるわけないじゃないですか!” というとなるほどという顔をされ、レコードをターンテーブルに乗せられた。
 Sさん:これ、ホンマに音デカいですよ。
 私:なんかワクワクします。(A①「Love Me Do」のイントロが流れる...)うわぁ、音デカっ!!!
 Sさん:でしょ?
 私:これいつもと同じヴォリューム位置ですよね?
 Sさん:ええ、そうです。独自カットですけど、こんなラウドカットの赤盤なんて他に知らないです。
 私:僕もですよ。でも曲によってバランスが違いますね。
 Sさん:そうなんですよ。
 私:疑似ステ系の音はどうしても不自然さまで強調されてしまってて違和感があります。
 Sさん:確かに。
 私:A面ではA⑤「I Want To Hold Your Hand」が断トツに良いですね。ここから急に熱量が上がった感じがします。
 Sさん:B面気をつけて下さいね。いきなり凄い “ジャーン!!!” がきますから。
 私:(B①イントロ爆裂...)ひょえ~、これはエグい...
 Sさん:でしょ? 実はこのレコードはレーベルのデザインが通常盤とは逆なんです。だから初めてかけた時にグリーン・アップルの面に針を落として「Love Me Do」がかかると思って油断してたらいきなり「A Hard Day's Night」の “ジャーン!!!” がきたんでビックリしました(笑)
 私:ハハハ... 確かに「Love Me Do」のノホホンとしたイントロを待ってていきなり「A Hard Day's Night」の“ジャーン!!!”が爆裂したら腰抜かしますわ。しかも予想もしてないラウドカットで...(笑)
 Sさん:そうなんですよ。あの時はホンマにビックリしたなぁ...(苦笑)
 私:それにしてもこの「A Hard Day's Night」、めっちゃエエですやん!
 Sさん:気に入っていただけましたか。
 私:もちろん!!! B②「And I Love Her」やB⑥「Yesterday」もアコギをつま弾く指先に力強さを感じますし、B③「Eight Days A Week」のノリもハンパないです。A面と違ってこのB面はどのトラックも文句ナシですね。
 Sさん:ベネズエラ、独自路線を貫いてます。
 私:C面もエエ感じですね。日記に書いてはったように盤質もエエですし。
 Sさん:全体的に左チャンネルの音の方が強いので、曲によっては右チャンネルのヴォーカルやコーラスが埋もれがちになりますね。ただ、ベースは強烈です。
 私:D面いきなりD①「Nowhere Man」エグいです。それにしてもD面の曲の配列は見事としか言いようがないですね。自分は「赤盤」で育ったようなもんなんで、未だに「In My Life」の次は「Girl」、そして「Girl」の次は「Paperback Writer」の方がしっくりくるんですよ。
 Sさん:なるほど。
 私:いやぁ~、これめっちゃ気に入ったんで買いますわ。今日はホンマに無理して来てよかったです。脚引きずって歩いてきた甲斐がありましたわ。
 Sさん:えっ、どうされたんですか?
 私:膝関節症とかいうのになっちゃいまして。実は今日注射うってもらって何とかお店に来れたんですわ。
 Sさん:脚引きずって注射うってまでレコード買いに来る人なんていませんよ(笑)
 私:ここにいてますやん(笑) ビートルズ聴いてたら痛みなんて忘れますわ。私にとってはビートルズが最高の薬なんです。
 Sさん:ハハハ、shiotchさんらしいですわ。

「With The Beatles」南アフリカ盤

2021-02-06 | The Beatles
 前回はB-SELSで買った「Please Please Me」の南アフリカ盤について書いたが、あの話には続きがある。その日の晩、“ホンマにエエ盤買うたわ(^.^)” と大喜びしながら寝る前にネットをチェックしていると、何とB-SELSの日記が早くも更新されているではないか! “Sさんノリノリやなぁ...” と思いながらタイトルを見ると、そこには「WITH THE BEATLES 南アフリカ モノラル!!」とある。「Please Please Me」を出した翌日に今度は「With The Beatles」だと??? Sさんは南アのモノラル盤をレコードのリリース順に出していこうとでもいうのだろうか... 今年に入ってジャマイカ盤とかコロンビア盤とかも出してはるし、このお店の仕入れルートは一体どーなっておるのだ? そのうちグリーンランド盤とか南極盤とか(笑)出品しそうな勢いだ。
 冗談はさておき、以前お店で「With The Beatles」の 1L美爆音盤を買った時に比較対象として南ア盤の1stプレス(黒レーベル)を聴かせていただいたことがあって、その元気溌溂とした音はよく覚えていたのだが、今回の日記に書かれているのはそれとは別の2ndプレス(濃紺レーベル)で、盤質も黒レーベル盤より良いとのこと。南ア盤の1stプレスと2ndプレスの聴き比べのチャンスなんて滅多にあるものではないので、どちらか一方が売れてしまう前に聴きにいかねば... と思った私は翌火曜日の午後に有休を取ってB-SELSへと向かった(←最近このパターンばっかりやな...)。
 定休日を挟んで2日連続で私がお店に顔を出すとSさんは “えっ、今日はどうしやはったんですか?” と驚いておられたが、“日記に書いてはった南ア盤「With The Beatles」の黒レーベルと濃紺レーベルの聴き比べがしたかったんですわ。お願いできますか?” と言うとニッコリされ、盤質の良い濃紺レーベル盤の方から試聴させていただくことになった。
 A①「It Won’t Be Long」、A②「All I’ve Got To Do」、A③「All My Loving」と立て続けに聴きながら、“あれ? 前に聴かせてもらった黒レーベル盤とちょっと違うぞ...” という違和感を覚えた。黒レーベル盤がいかにもヴィンテージなモノラル・サウンドという感じだったのに対し、今聴かせてもらっている濃紺レーベル盤はより洗練されていてモダンな音になっているのだ。A面が終わったところで “B面に行く前に黒レーベル盤のA面を聴かせてもらえますか?” とお願いして聴き比べたところ、やはり明らかに音の傾向が違っていて実に興味深い。
  一言で言うと濃紺レーベルの音はクリアーで整っていてキレはあるがやや腰高な印象。黒レーベルの音は荒削りでもっさりしているが重心が低く感じられ、音圧も2割増しくらい高かったのだ。「007シリーズ」のジェームズ・ボンドに例えると、前者が最新版のダニエル・クレイグで、後者が初代のショーン・コネリーという感じ... 普通の人なら間違いなく盤質も良くて音もキレイな前者に軍配を上げるだろう。確かに “明朗快活” という言葉がピッタリの良い音だ。しかし、一にも二にも濃厚なヴィンテージ・サウンドを好む私はたとえ少々のノイズがあろうが(←とは言ってもラクラクVG++を超えるレベルなので普通に聴く分には全く問題ないのだが...)後者の方が気に入ってしまったのだ。
 結局2種類の南ア盤「With The Beatles」を比較試聴させていただいた後に私が出した結論は “盤質が少々劣る黒レーベルの1stプレス盤の方を買う” というものだった。その結果、日曜に続いて連続でB-SELSの南ア盤を購入させていただいたことになり、南ローデシア盤も含めるとこれで南ア・カッティングの初期~中期モノラル盤は完全制覇を達成。インド盤やイタリア盤と同様に、UKオリジナル盤とは一味違う親しみやすいサウンドで日夜私を楽しませてくれている。Sさん、今回も又々良い盤をありがとうございました(^.^)