shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Within Him and Without Him... G.Harrison Tribute

2009-11-30 | Beatles Tribute
 昨日はジョージ・ハリスンの8回忌ということで、私が “ハリスン・トリビュート” 盤の中でベストと信ずる「ヒー・ワズ・ファブ」を取り上げたが、日本時間では確か今日30日が命日のはずだったので、更にもう1枚、彼のカヴァー集で結構気に入っている盤を取り上げよう。。
 私が初めてこの盤の存在を知ったのは iTunes 検索で色々とビートルズ・カヴァーを試聴しまくっていた時で、たまたまこの盤を見つけ、聴いてみたら私の大好きな癒し系女性ヴォーカル!早速アマゾンやヤフオク、 HMV なんかで調べても全然出てこない。何でどこにもないねん、ひょっとして私の嫌いな DL 販売だけかいなと半ば諦めかけていたところ、eBay のローカル版 eBay UK にたまたまこの盤が出品されており速攻で落札、£7.98だった。後でわかったことだがこのアルバムはめちゃくちゃレアで、ネットでも滅多に見かけない。たまたまアドヴァンスト・サーチで eBay UK まで探って大正解、やっぱり執念で探せば見つかるモンやなぁ...(^.^)
 で、まずはこのジャケット、めっちゃ胡散臭いでしょ?いくら “ジョージ=インド” のイメージが強いとは言え、いくら何でもコレはちょっとヤリ過ぎ。このジャケ見て買おうと思うモノ好きはいないだろう。因みにインナーの絵はもっとエグくて手のひらに大きな目玉が描かれている... これはもうハッキリ言って水木しげるの世界だ。又 plinco さんや 901 さんに “よぉこんなん買うたなぁ!” と大笑いされそうだ...(>_<) 次にレーベル名が KLONE... クローンってこれまた怪しい。レコード屋で見かけても絶対にスルーしていただろう。
 肝心のアルバムの中身だが、ジェマ・プライスというイギリス期待の女性シンガーが全10曲すべてを歌っている。ジョージという人は、翳りのある太いシャウト・ヴォイスに恵まれ抜群の表現力を誇るジョンのような天才肌のシンガーとは違い、そのか細い歌声は何となく弱々しく聞こえることが多く、そのせいもあって私は前々からジョージの曲は素直な歌い方をする女性シンガーにピッタリだと思っていたが、今回このアルバムを聴いてその思いを強くした次第だ。
 曲別に言うとビートルズ中期の佳作①「イフ・アイ・ニーディッド・サムワン」や⑨「アイ・ニード・ユー」が軽快でポップな味付けがエエ感じの癒し系チルアウト・ヴァージョンに仕上がっているのに対し、⑥「ラヴ・ユー・トゥ」や⑧「タックスマン」では原曲のリヴォッた音のイメージが強すぎてイマイチ楽曲に切り込めていないように思う。⑧の後半部のスクリーミングともいえる雄叫びなんか、まるでケイト・ブッシュのようだ。実際彼女はケイト・フリークらしく、「ケイト・ブッシュ・トリビュート」という盤も吹き込んでおり、「バブーシュカ」なんかはケイト本人と間違えてしまいそうになるほどソックリだ。
 アレンジ面で巧いなぁと思ったのは③「シンク・フォー・ユアセルフ」で、原曲よりもテンポを落としてじっくりと歌い込んでいるし、アルバムのエンディングを飾る⑩「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」の哀愁舞い散る歌声もたまらない。「アビー・ロード」の2大名曲②「ヒア・カムズ・ザ・サン」と④「サムシング」ではストレートなアレンジが好感度大。バックの演奏はクローン・オーケストラ(笑)という謎のミュージシャンたちで、開き直ったように原曲とは比べ物にならないチープな音作りに徹しているところが面白い。特に⑤「マイ・スウィート・ロード」なんかもうスカスカで、改めてフィル・スペクターの偉大さ、 “ウォール・オブ・サウンド” がこの大名曲において如何に重要な働きをしていたかをハッキリと示している。私が感心したのは⑦「ギヴ・ミー・ラヴ」で、滅多にカヴァーする者もいないこの難曲をしっかりと歌いこなしている。スピーカーに対峙して全10曲通して聴くと金太郎飴的な単調さも露呈してしまうが、ながら聴きの BGM なんかには最適な1枚だと思う。

ギヴ・ミー・ラヴ

He Was Fab... A Loving Tribute to George Harrison

2009-11-29 | Beatles Tribute
 ビートルズのトリビュート・アルバムはそれこそ星の数ほど存在するが、解散後のソロ・ワークスのカヴァーはジョンの「イマジン」や「ラヴ」、ポールの「マイ・ラヴ」といった超有名曲を除けば意外と少ない。ましてやアルバム1枚まるごとカヴァーという、いわゆるトリビュートものはジョンの死後に何枚か出たものを除けばあまり聞いたことがない。当然ジョージのカヴァー集も私の知る限りほとんど無かったように思う。しかし8年前にジョージが亡くなってから、ビートルズ時代のものも含めて彼の作品をカヴァーした企画盤が何枚か登場し始めた。そんなジョージのトリビュート盤の中で、私が最も気に入って愛聴しているのがこの「ヒー・ワズ・ファブ ~ア・ラヴィング・トリビュート・トゥ・ジョージ・ハリスン~」である。
 このアルバムは主にアメリカのインディーズ系のパワー・ポップ・アーティストによるジョージのカヴァーを19曲コンパイルしたもので、原曲の良さを活かした素直なアレンジのストレートアヘッドな演奏が楽しめる。私は1990年以降の洋楽シーンは全く知らないので、恥ずかしながら参加アーティスト19組の中で名前を聞いたことのあるのは皆無なのだが、聴いてて思わず身体が揺れ、一緒に口ずさみたくなるような小気味良い演奏が多い。
 特に私が気に入ったのは、ドロウナーズというスウェーデンのパワー・ポップ・バンドの①「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」で、バリバリのギター・リフが快感を呼ぶパワフルなポップンロールに仕上がっており、粒揃いのこのアルバムの中でも特に素晴らしいトラックだと思う。リサ・マイコルズという女性シンガーの③「ユー」もめちゃくちゃポップで気持ちエエことこの上ない。元々ロニー・スペクターのために書かれた曲ということで女性ヴォーカルにピッタリ合っている。彼女のことは全く知らないが、弾けんばかりの若さ溢れる歌声が魅力的だし、ベースがブンブン唸る中、要所要所をビシッとキメるリズム・ギターと絶妙な味付けになっているシンセのキャッチーなサウンドもシンプルなメロディーを持ったこの曲を引き立てている。
 ザ・ローラスというアメリカのバンドがカヴァーした⑥「アイ・ニード・ユー」は原曲のアレンジを尊重しながらテンポをやや速めたのが功を奏し、聴いててめちゃくちゃ気持の良いパワー・ポップが楽しめる。ジョージへのリスペクトに溢れた歌と演奏だ。フィル・アンゴッティ・アンド・ジ・アイデアというアメリカのバンドの⑨「ヒア・カムズ・ザ・サン」も原曲の美しいメロディーを巧く活かした疾走感溢れるポップ・チューンになっており、アレンジにも随所に工夫が凝らされている。エンディングをウクレレでシメるところなんかもニクイなぁ...(^o^)丿 ア電話の呼び出し音のSEで始まる⑩「ドント・バザー・ミー」はイアン・マースキーという男性シンガーの歌うノリノリのロックンロールで。この人のヴォーカルは中々エエ味を出しており、特にダブル・トラッキングで迫るサビのヴォーカルなんかたまらない(≧▽≦) ジェレミーという男性シンガーの⑬「イッツ・オール・トゥー・マッチ」はジョージ独特のあのフニャフニャした感じを巧く表現しており、わざと似せたのか元々似ているのか分からないが、とにかくジョージへの愛が感じられるカヴァーになっている。
 私はパワー・ポップといえばこれまでビートルズのカヴァー集を出したスミザリーンズしか知らなかったが、上記の楽曲以外にも聴き所満載のこのアルバムは、様々なインディーズ系アーティストたちによってスミザリーンズ的なポップ・ワールドが全編にわたって展開されており、この手の音が大好きな私にはたまらない1枚だ。

ハリスン・トリビュート

The Alternate Revolver / The Beatles

2009-11-28 | The Beatles
 ビートルズの音楽には様々な楽しみ方がある。市販されているCDを聴いて楽しむだけでなく、UKオリジナル盤 1st プレスの生々しい音に酔ったり、モノ・ステレオ取り混ぜてミックス違いを楽しんだり、各国盤のジャケ違いを集めたり、未発表音源を探求したりと、これほど色んな切り口で楽しませてくれるグループは他にない。そんな中で最近私がハマッているのが “alternate takes” や “another tracks” といった、いわゆる “別テイク” をアルバム毎にまとめたシリーズで、それまで「アンソロジー」や様々なブートレッグにバラバラに収録されていたものをまとめて1枚のアルバムとして聴けるので、私のような整理整頓が苦手な人間にはめっちゃありがたいシリーズだ。
 この手のシリーズは昔からヤクオクや eBay にちょくちょく出品されていたが、最近はあまり見かけない。たまに出てくるのは Sweet Zapple の “Another Tracks” シリーズだが、鬼のようなボッタクリ価格の割りには既出の音源とかなり重複するので全く食指が動かない。出てこないならこっちから探しに行ったろうとネットで検索してみると、困ったことに各アルバム毎に2~3種類の “別テイク集” がそれぞれ違ったレーベルから色んな選曲・編集で出ていることが判明、しっかり下調べをしてからでないと “テイク○○がどーした、△△ミックスがこーした” といったデータが頭の中で錯綜してしまい、ワケがわからなくなってしまう(>_<)
 そんな私が “最初の1枚” に選んだのが「リヴォルヴァー」だった。初期のものはライブやスタジオ・セッションがゴチャ混ぜに入ってて聴きにくいし、後期のものは「ホワイト・アルバム」セッションであれ、「ゲット・バック」セッションであれ、「アビー・ロード」セッションであれ、1枚にまとめるのは無理なほど膨大な音源があるので、中期のものが手頃かなぁと考えたのだ。で、ネット上で網を張っていたら引っ掛かってきたのがこの「ジ・オルタネイト・リヴォルヴァー」だった。そもそも私の知っている「ジ・オルタネイト・リヴォルヴァー」は30曲入りの Pear Records 盤(モノクロ・ジャケ)と、私が手に入れた26曲入りWalrus Records 盤(カラー・ジャケ)の2種類があり、違いとしては前者が「ペイパーバック・ライター」と「レイン」の2曲を計7トラックも含んでいるということと “「アンソロジー」からのテイクは入ってません” というのをウリにしていることぐらいでそんなに大きな差はない。結局、ラッキーなことに後者を 1,200円ポッキリで手に入れたが、先月たまたまヤフオクでこの盤を見かけ、今の相場はどんなモンやろかと見ていたら 2,600円まで上がったのでちょっと嬉しかった(笑)。
 内容はというと、モノ・ボックスが出た今となってはありがたみの薄れたモノ・ミックスが多いが、これを買った当時は結構嬉しくてよく聴いたものだった。そんなモノ・ミックスが11曲、「アンソロジー2」から7曲、シングル「リアル・ラヴ」収録の2曲、USステレオ1曲、モニター・ミックスやデモ音源etc を他のブートレッグから掻き集めたようなのが5曲という構成で、1枚通して聴くと簡単にアルバム「リヴォルヴァー」の裏側が楽しめる仕掛けになっている。
 しかし結局それ以降 “別テイク集” CD には縁がなく、かといってコレクション中に散在する音源を整理することもせずにここまで来てしまったが、この前覚えた rar ダウンロードでこれらの alternate 音源がネット上にタダでゴロゴロ転がってることを発見、既に「ウィズ・ザ・ビートルズ」、「ア・ハード・デイズ・ナイト」、「ヘルプ」、「サージェント・ペパーズ」、「ヘイ・ジュード」を入手、「ラバー・ソウル」や「マジカル・ミステリー・ツアー」も年内にはゲットしたいと思っている。「ホワイト・アルバム」ぐらいは自分で作ろーかな...(^o^)丿

ということで9月から続けてきたこの “ビートルズ・マラソン” 、そろそろネタも尽きかけてきたので一応これで終了します。長々とお付き合いいただきありがとうございました。明日からは普通の女の子に... じゃなかった普通の音楽ブログに戻ると思います。しかしここんとこビートルズしか聴いてへんかったからネタあらへんわ(>_<)

トゥモロー・ネヴァー・ノウズ・マーク1.wmv
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The Beatles and the Great Concert at SHEA (Pt. 3)

2009-11-27 | The Beatles
 今日は昨日に続いてシェア・スタジアム・ライブの音源比較レポート・完結編です。
⑥「エヴリバディーズ・トライング・トゥ・ビー・マイ・ベイビー」
 映画ではカットされていたこの曲は「アンソロジー2」でめでたく復活。その元になった無修正ヴァージョンがコレで、聴き比べるとオフィシャル化するのにかなり音質補正してあるのが分かる。カットされた②とこの曲の映像は存在せぇへんのかなぁ...(>_<) 
⑦「キャント・バイ・ミー・ラヴ」
 ポールの MC 時にカメラが客席をパンするが、3階席までギッシリ埋め尽くされたその光景は圧巻で、B4 がまさに世界の頂点にあったことが実感できる映像だ。旧映画版ではポールのベースがオーヴァーダブされた “整形美人” ヴァージョンが使われていたが、この荒削りな生演奏が放つエネルギーの凄まじさは一度聴いたら病みつきになりそうなぐらい抗しがたい魅力に溢れている。
⑧「ベイビーズ・イン・ブラック」
 旧映画版ではギターがオーヴァーダブされていたが、確かにこの無修正ヴァージョンではヴォーカルと楽器類の録音バランスが悪く、特にリズム・ギターの音が小さすぎるので手を入れざるを得なかったのだろう。良い音でちゃーんと録音されていれば歴史に残る傑作ライブ音源になったのに...(>_<)
⑨「アクト・ナチュラリー」
 旧映画版は何とレコードの音に嬌声を被せただけという超フェイクものだったが、この生音源を聴くとリンゴのヴォーカルがやや不安定だし、ポールのマイクが完全にオフになっていて彼のバック・コーラスが聞こえないという “使えない” テイクとしてボツにされたのだと分かる。この日のビートルズの熱演は最高だが、録音エンジニアは最低だ。
⑩「ア・ハード・デイズ・ナイト」
 曲紹介の時のジョンのMC 、お得意のデタラメ早口言葉を連発したり急に笑い出したりでめっちゃ面白い。ホンマにこの日の彼はハイ・テンションやねぇ(^.^) 旧映画版ではメンバーのインタビューが被さっていたので、ネイキッドなヴァージョンの登場は実に嬉しい。しかもサウンドボード・レコーディングということで、嵐のような嬌声に邪魔されることなく彼らの演奏をダイレクトに楽しめて言うことナシだ(^o^)丿
⑪「ヘルプ!」
 旧映画版は完全な再録音ヴァージョン。それもそのはず、ポールの MC でマイクが急にオフになるなどヤバい兆候は既にあったのだが、致命的なのは演奏の途中に歌と演奏が13秒間もオフになる(←何も知らずに楽しそうに踊ってる兄ちゃんGJ!)という信じられない大失態(>_<) 修正するとかしないとか以前の問題で、全く使えないボツ・テイクになってしまった。せっかくの名演が台無しだ。責任者、出て来い!!!
⑫「アイム・ダウン」
 さっきも書いたがこの日のジョンのテンションの高さはハンパではない。そんな彼の “肘弾きオルガン・プレイ” のインパクトが絶大なこの曲、実は旧映画版ではベースとオルガンがオーヴァーダブされており、特にオルガンの音はこの演奏のイメージを決定づけるくらい大きくフィーチャーされていた。逆にベースの音はオーヴァーダブ前の方が圧倒的に迫力があり、ボディー・ブローのようにズンズン響いてきて気持エエことこの上ない(≧▽≦) 特にこの CD を車の中で聴くと防振対策をしたスピーカーから信じられないくらい量感豊かな重低音がブンブン唸るように迸り出てくるので思わずコーフンしてアクセルを全開にしたい衝動に駆られてしまう(笑)。

と、このように全曲聴いてみて、私は絶対ネイキッドな生音の方を取る。カッチリまとまった修正ヴァージョンでは決して聴けないビートルズの荒々しいエネルギーが充満しているからだ。それにしても当時の客席では嬌声にかき消されて聴けなかった “ビートルズの生音” をあれから40年以上たってから聴けるようになるなんて、エエ世の中になったモンやねぇ...(^o^)丿

"HELP" and "I'm Down" / The Beatles

The Beatles and the Great Concert at SHEA (Pt. 2)

2009-11-26 | The Beatles
 サウンドボード録音された “真の” シェア音源を初めて聴いた時は久々に大コーフンした。旧音源との一番の違いはその生々しさ。もちろんめちゃくちゃ不安定な録音バランスとか、音そのものの欠損とか様々な不具合もあるが、その臨場感溢れる演奏は何物にも代え難く、アンプのヴォリュームを上げると荒々しく圧倒的なエネルギーの迸りを感じさせる音の塊がスピーカーから飛び出してきて気持ちエエことこの上ない。これこそライブ演奏の醍醐味だ(≧▽≦) ということで今日は今日はシェア・スタジアム・ライブ音源比較レポートの前編(←1回では書ききれへん...)です;
①「ツイスト・アンド・シャウト」
 “Now, ladies and gentlemen, honored by their country, decorated by their Queen, and loved here in America, here are The Beatles!” というエド・サリバンの紹介でステージに上がった4人、サウンドチェックの後、 “Hello, Paul!” “Hello, John!” とお互いに声を掛け合い(←旧音源の映画版ではこの部分は残念ながらカットされてた...)演奏スタート、気合いの入った熱気溢れる演奏だが、悲しいことに録音バランスがめっちゃ不安定で、映画版や「アンソロジー」では8月30 日のハリウッド・ボウル公演の音声を被せて(← “カモン、カモン、カモン、カモン...♪” のジョンのヴォーカルがダブル・トラックになっとったで!)編集されていた。それにしてもこの日のライブ・レコーディングの責任者は一体何やっとったんや!!!
②「シーズ・ア・ウーマン」
 これは旧映画版ではカットされていた正真正銘の初登場音源で、映像は無し。ポールのベースが怒涛の勢いで迫ってくる。ポールが1番の歌詞で “give me presents” を “buy me presents” に変えて歌っているのが珍しい。ジョージのギターのチューニングがイマイチだったのでカットされたと聞いたことがあるが、それなら他の曲と同じように再レコーディングして音を被せればいいだけの話。映像的に何か問題でもあったのだろうか?
③「アイ・フィール・ファイン」
 これは新旧聴き比べてみると歌も演奏もかなり違うので、旧映画版はオーヴァーダブではなく完全な差し替えヴァージョンだったことが分かる。つまりこれも初登場音源ということだ。生ヴァージョンの方はジョンのマイクがオフ気味だったり、歌詞を間違えていたりするが、それらを補って余りあるノリノリの熱い演奏が楽しめる。ポールとジョージのコーラス・ワークがたまらない。
④「ディジー・ミス・リジー」
 旧映画版ではポールのベースがオーヴァーダブされたものが使われていたが、ネイキッドなこの新音源にも捨て難い魅力がある。特にジョンがノッている。ただ、この曲のイントロから音質が不安定になるのが返す返すも残念だ。
⑤「ティケット・トゥ・ライド」
 これも③同様聴き比べてみると、旧映画版では差し替えヴァージョンが使われているようで、これが初登場音源ということになる。ポールの MC でジョンとポールの二人が腕を回しながら曲紹介する仕草、そして1本のマイクに寄り添ってハモる二人の姿には萌えてしまうし(笑)、この頃は鉄壁のパートナーシップを誇ってたんやなぁと改めて実感、その後の二人の関係を想うとファンとしては複雑な気持ちになってしまう。(つづく)

The Beatles LIVE at the Shea Stadium [HQ] with ORIGINAL SOUNDTRACK

The Beatles and the Great Concert at SHEA (Pt. 1)

2009-11-25 | The Beatles
 以前このブログでシェア・スタジアムの旧音源ライブ(←要するにスタジオでオーヴァーダブしたヤツです)の DVD-R 盤を取り上げた時に、新発掘音源ヴァージョンのプレス盤をぜひ手に入れたいと書いたが、その後めでたく入手できたので、早速レポート。
 この “シェア新音源” は元々2年ほど前に Yellow Dog 系の His Master’s Choice (←His Master’s Voice のパロディ?)というレーベルからハードカヴァー仕様の2枚組CD(何と20ページのブックレット付!)で出されたものをベースにしたコピー盤が色々と出回っており、今回私が購入したのもジャケット・デザインの構図や色使いが YD にソックリで使われている写真だけが微妙に違うというもの(もちろん黄色い犬はいません...笑)で、 YD の CD 2枚に加え、当時 Darthdisc というレーベルからリリースされた綺麗なシェア・ライブ映像にその新発掘音源をシンクロさせた最新ヴァージョンを収録した超スグレモノ DVD が付いた 2CD+1DVD のプレス盤。いつ聴けなく(or 見れなく)なるかワカランような怪しい -R 盤とは違い、銀盤というだけで何となく安心感がある。しかしこの DVD 、ジャケットにもどこにもレーベル名は一切なしというのがやっぱり怪しい。まぁ怪しくないブートレッグなんてあり得ないのだが、多分日本のブートレガーが台湾あたりでプレスさせて作っているのだろう。帯も付いてたし...笑。
 オリジナルの YD 2枚組CD や misterclaudel というレーベルから出た似たような CD+DVD 3点セット(こっちは新音源は音声 CD のみ)がかなり高額で手も足も出なかったので、今回その流通価格の 1/3 の値段でプレス盤を買えたのは超ラッキーだった(^o^)丿 最近見つけたこの iOffer という商品売買コミュニティー・サイト、eBay とは違ってまだ FBI の取り締まりが緩いのか、結構な数のブートレッグが出品されており重宝している。取り引き相手は海外のセラーが中心だが、サイトは自動で日本語に変換される(変な直訳が多いけど...)のでめっちゃ使いやすいし、値引き交渉がヤフオクや eBay に比べてやりやすいのも嬉しい。
 話をシェア・スタジアム盤に戻そう。盤の構成は CD1が “ライン・レコーディング”、つまりオーヴァーダブetc で手が加えられていない純正サウンドボード音源で、ビートルズの演奏(12曲)に加えてキング・カーティスやブレンダ・ハロウェイといった前座の演奏(←聴かへんけど...)も入っている。CD2には前座のサウンズ・インコーポレイテッドの生音源の後にビートルズの“オリジナル 1966 BBC サウンドトラック”、つまり昔からずーっとシェアの音として馴染んできた、オーヴァーダブ音源(10曲)が入っており、更にオマケとしてライブ会場で大盛り上がりのファンたちのインタビューも収録されている。私はこれらの CD2枚のうちビートルズ演奏分だけを1枚の CD-R に焼いて楽しんでいる。
 DVD は前半に従来音源、後半に新音源がそれぞれ綺麗な映像とセットで楽しめるのだ。この米 ABC テレビの 35mm 放送マスターからダイレクトにデジタル・トランスファーされたという映像は、私が持っていた旧 DVD–R 盤の映像(こちらは1966年に英 BBC で放送されたものらしい...)に比べてめちゃくちゃキレイだし、コレを超えるにはアップルが本気出してオフィシャル決定版を出さない限り無理だろう。まぁ「アンソロジー」で半分使っちゃってるので当分あり得ないとは思うが...(>_<) とにかくブートでこれならお釣りがきそうな画質の良さだ。音質比較インプレッションはパート2で...(つづく)

Shea Stadium I Feel Fine (Raw)


The Making Of Sgt. Peppers (Pt. 2) / The Beatles

2009-11-24 | The Beatles
 今日は「メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ」の後半だ。④「ペニー・レイン」に入る前にポールが「ホェン・アイム・64」に関して “ビッグ・バンドが好きで、初めはロックよりシナトラに興味があった。ロックの作曲家を目指してたワケじゃないが、ジョンと組むようになって、二人でロジャース&ハマースタインを意識した。” と語っていたのにはビックリ。この人、やっぱりめちゃくちゃ音楽的素養が幅広いわ...(゜o゜)  「ペニー・レイン」に関してはこの曲のキモとでも言うべきピッコロ・トランペット奏者デヴィッド・メイソンが登場、カメラの前で実際に例のフレーズを吹いてくれるのだ。これは実に貴重な映像だと思う。尚、この超強力両A面シングルの全英1位を阻んだエンゲルベルト・フンパーティングの「リリース・ミー」をここで初めて聴いたけど、めちゃくちゃしょーもない曲やなぁ...(>_<) まぁ「木綿のハンカチーフ」が「泳げ!たいやきくん」に、「赤いハイヒール」が「ビューティフル・サンデー」に1位を阻止されたようなモンか...(>_<)
 ⑤「アビー・ロード・スタジオ」ではスタジオの中にカメラが入るのだが、何か体育館みたいにだだっ広い部屋で、バスケでも出来そうだ(笑) ⑥「アルバム “サージェント・ペパー”」では再びマーティンがコンソールの前でタイトル曲のサウンドを分析してくれる。ポールのロック・ヴォイス、4本のフレンチ・ホルン、観客のざわめきSE 、そして3人のコーラス・ハーモニーと、又々1トラックずつ聴けるのが面白い。⑦「ルーシー・イン・ザ・スカイ」では曲名の由来であるジュリアンの絵についてポールとリンゴが詳しく語っている。マーティンがこの曲のイントロを電子ピアノ(?)で弾きながら “ベートーベンが生きていたら書きそうな旋律だ...” だと。さすがクラシック畑の人は目のつけどころが違う。この曲に関してはついついサイケなサウンド・プロダクションに耳が行ってしまうが、言われてみれば確かにシンプルで美しいメロディーだ。
 ⑧「ドラッグ & ソングライティング」では彼らのドラッグに対する考え方が赤裸々に語られるが、中でもジョージの“マリファナはビールみたいなもんだが、LSD は月へ行くようなものだ。” という発言が実に分かりやすい。ソングライティングに関しては、ジョンとポールはハイな状態でどちらか一方の家へ出かけていき、二人で午後中かけて曲作りをしていたという。このように協力し合いながら、一方で競い合ってお互い成長できたのが良かったとポールは語っている。⑨「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ」はリンゴが歌いやすいようにたった5つの音を基調としたシンプルなフレーズで作られているらしい。さすがはレノン=マッカートニーやね。元々の歌詞は “調子はずれに歌ったら 君はトマトを投げつけるかい?” やったって、ホンマかいな?それにしても何でまたトマトなん?
 ⑩「プロデューサー・ジョージ・マーティン」では、マーティンの仕事はデビュー時には “仕事をうまく運ぶためのまとめ役” だったものが、ペパーズの頃には “彼らのアイデアの実現役” に変わったと言っている。それだけ彼らが音楽面で飛躍的に成長したということの証だろう。
⑪「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」ではジョージとラヴィ・シャンカールとの出会いから徐々にインド音楽への理解を深めていった件が語られる。ここでもコンソールの前でマーティンが各トラックの音を聴かせ、解説を加えている。インドのお香がトイレのマリファナの臭い消しにもなるというマーティン発言にはワロタ (^.^)  ⑫「ミスター・カイト」はビーチ・ボーイズの「ペット・サウンズ」に対するポールの賞賛で始まる。一体 “凧男” と何の関係があるんかなぁと思って見ていると、「ペット・サウンズ」ではバス・ハーモニカを多用しており、その辺の楽器の組み合わせ方のアイデアをこの曲で2,3拝借したという。前々から「ペット・サウンズ」と「ペパーズ」の関連性は指摘されてきたところだが、ポールの口からこう具体的に語られると辛いなぁ... 私の苦手な名盤最右翼の「ペット・サウンズ」、後でもう一度聴き直してみよう。
 ⑬「グッド・モーニング・グッド・モーニング」ではマーティンが彼らの作曲家としての急成長を絶賛、ここで何故かフィル・コリンズが登場、 “こんな事もできるのか、とレコードに対する見方が変わった。” と「ペパーズ」を評している。再びマーティンがこの曲の旋律解析からエンディングの動物連鎖まで解説している。⑭「プロセス & アートワーク」ではポールが “ヒットしそうな曲の寄せ集めより小説を書くような感じでアルバムを作った。” と上手いこと表現している。アルバムのカヴァー・アートについても拘りを見せ、著名なカヴァー・デザイナーに自分たちの抱いたイメージを具体化してもらったという。ここでもビートルズの伝説がまた一つ生まれたワケだ。
 ⑮「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」ではテイク1を聴きながらマーティンが2曲合体のプロセスを語っていくが、彼は余程この “シュガー、プラム、フェアリー♪” が好きなのだろう。「アンソロジー」の時と同じ微笑みを見せながらジョンの歌声に聴き入っている。フィル・コリンズ大絶賛のリンゴのドラミングが絶妙なアクセントになっている。⑯「ジェネラリゼイション」ではあの時代と「ペパーズ」の関連性が語られ、最後は “ビートルズは干上がった。5ヶ月もスタジオに入って何も生み出せない。”という当時の新聞の批判に対するポールの一言 “まぁ待ってろよ(You'll just wait...)” で番組は終わる。その後の展開は誰でも知ってるロック・ヒストリーだが、それにしても自信に満ち溢れたこのポールの表情、めちゃくちゃカッコエエなぁ... (≧▽≦)

The Making of Sgt Pepper (Part 3)

The Making Of Sgt. Peppers (Pt. 1) / The Beatles

2009-11-23 | The Beatles
 私は編集した CD-R や録画した DVD-R にタイトルや曲目を印刷するのが面倒でついついそのまま放置してしまい、我が家にはホワイト・ラベルのノッペラボー・ディスクが散乱している。で、いざ聴きたくなったり見たくなった時にはどこに何が入ってるのかサッパリ分からず、ちょっと探しただけで “もぉエエわ” ということになってしまう。このずさんな性格は昔から全然変わらない。更にやっかいなのは DVD よりも遥かに多いビデオテープの存在で、DVD レコーダーを買った 2003 年よりも前のテレビ放送はすべて VHS テープで残してあるのだが、タイトルを記したものはごくわずかで、VHS から DVD への移行の際にゴチャゴチャになってしまい、今では何百本もあるテープの大半は何が入っているのか分からず、昔録画した番組を見たいと思っても見れないという悲惨な状況だ(>_<)
 そんな行方不明テープの1つが 1992 年頃に WOWOW で放送された「メイキング・オブ・サージェント・ペパーズ」で、「ペパーズ」の制作過程をジョージ・マーティンが解説し、メンバーがインタビューに答えるという「アンソロジー」の先駆けみたいなドキュメンタリー番組だった。ビートルズは他のバンドと違ってその辺りの面白いエピソードがゴロゴロしており、初心者の頃は彼らの音楽を聴いたり映像を見たりしているだけで満足できたのだが、彼らについてより深く知れば知るほどそのアルバムが制作された背景とか、レコーディング秘話なんかに興味を持つようになった。特にスタジオ・バンドへと変貌し始めた「ラバー・ソウル」以降のアルバムのメイキング・ドキュメンタリーが面白くないワケがない。ましてやスタジオ芸術の極北ともいうべき「ペパーズ」を、ポールと共にアルバム制作の中心的役割を果たしたジョージ・マーティン先生自らが微に入り細にわたって解説しているのだ。まさにビートルズ・ファン必見のドキュメンタリーである。
 だからこのビデオが行方不明になり長い間見れなくてかなり凹んでいたのだが、ある時ついに捜索を諦め(笑)、ヤフオクで DVD を探すことにした。いつものことながら、困った時のヤフオク頼みである。当然正規販売はされていないのでテレビ番組を録画したブート DVD-R になるのだが、これまた様々な仕様でオークションに出ており、 “マスター・テープから直接デジタル録画した最高のクオリティー” などと謳っている直輸入ブート群には目もくれず、 画質はそこそこだが “字幕付き” の日本製ブートをゲット。確か1,480円やったと思うが、まぁチャプター付きやし、自分でビデオを探して DVD 化することを考えれば安いモンだ (^.^)
 元々この番組は 1992 年にイギリスの “サウス・バンク・ショー” で「サージェント・ペパーズ」の25周年を記念して放送されたドキュメンタリー番組で、ポール、ジョージ、リンゴはもちろんのこと、このアルバム制作に関わった様々な人たちが当時を振り返って非常に興味深い証言を聞かせてくれるのだ。又、ビートルズや他の音楽に関する私の知識もビデオで見ていた90年代に比べて格段に増えていたのでこの DVD の内容はめっちゃ面白かった。
 このDVDは約50分、16チャプターから成っている。まず①「イントロダクション」ではアルバム収録曲のダイジェストをバックに1967年という時代背景を物語る映像が流れる。②「ツアーの終わり」ではマーティンが、ジョンのキリスト発言によるバッシングやフィリピンで怖い思いをしたことなどがツアーをやめるきっかけになったと語るが、特にリンゴの “ツアーやってるとどんどん下手になっていく... 歓声が凄くてバンドの音が聞こえず、皆の背中を見てどこを歌っているか探った...” という言葉には実感がこもっている。
 ③「ストロベリー・フィールズ」ではこの曲の第1テイクをバックに、マーティンがアビー・ロード・スタジオのコンソールの前で4つのトラックを1トラック毎に詳しく解説しながら聴かせてくれるところが興味深い。更に完成テイクもリズム・トラックだけとか、ジョージがインドから持ち帰ったソードマンデルというハープみたいな楽器の音とか、シンバルの逆回転音とかを取り出して聴かせてくれるのだ。 “ブラスやチェロも効いてるが、全体を引き締めているのは打楽器だ!” と喝破するあたり、さすがという他ない。因みに私は時々この曲の右チャンの音を絞ってジョンのヴォーカルとリンゴのドラムだけにしてヴォリュームを上げて聴いている(←アホ?)のだが、これが結構イケルのだ。興味のある方はぜひお試しあれ。(つづく)

The Making of Sgt Pepper (Part 2)
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The Beatles Cartoons DVD

2009-11-22 | The Beatles
 「ザ・ビートルズ・ロックバンド」の映像は本当によく出来ている。21世紀のコンピューター技術は凄いなぁと改めて感心してしまうが、ビートルズのアニメといえば何と言っても「イエロー・サブマリン」が有名だ。しかしそのイエサブの原点となったアニメ番組は日本での露出が極端に少ないこともあって意外と知られていない。それが今日取り上げる「ザ・ビートルズ・カートゥーンズ」(邦題:アニメ・ザ・ビートルズ)である。
 私がこの番組の存在を知ったのは数年前のこと、以前取り上げたプロモ・ビデオ集 DVD「ザ・ビートルズ・バイ・ザ・ブッシェル」に収録されていない「ヘイ・ブルドッグ」や「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」、「ペイパーバック・ライター」屋外ヴァージョンetc の PV 映像を手に入れようとヤフオクで「ザ・ビートルズ・クロノロジー 1962-1970」という怪しげな DVD-R (正規版「ザ・ビートルズ・ファースト・US・ヴィジット」DVD と同じジャケを流用したブートレッグ)を手に入れ、その中に入っていた「エイト・デイズ・ア・ウイーク」の PV にアニメのビートルズが使われていたのを見たのが始まりだった。もちろん今から40年以上前の子供向けアニメなので「ロックバンド」とは比ぶべくもない稚拙な作りだったが、各メンバーの特徴を上手く捉えた実に味のあるアニメーションで、私はすっかり気に入ってしまった。
 早速ネット検索で調べてみると、原題が「Beatles Cartoons」で日本では「アニメ・ザ・ビートルズ」と呼ばれているらしい。Wikipedia の解説では “アメリカのキング・フィーチャーズ・シンジゲートの製作によるビートルズの音楽とギャグをちりばめたカートゥーン・タイプのコメディ・アニメで、1965年から1967年にかけて全39回78話(2話セットの30分番組)がアメリカ ABC の土曜朝の「サタデー・モーニング・カートゥーン・ショー」という番組の中で放映された。世界のスーパーアイドル、ザ・ビートルズが世界を旅して、事件、トラブル、ハプニング、そして行く先々で出くわすファンの女の子の軍団に追っかけられたりと彼らの日常と幻想と冒険をヒット曲を絡めてドタバタに描いた内容で、アイドル的ミュージシャンを描いた子供向けアニメの先駆けとなり、ビートルズの初期から中期のヒット曲(シングル中心だがアルバム曲もあり)を毎回2、3曲は流していた。” とのこと。この番組はアメリカで人気があり、プロデューサーがブライアン・エプスタインに同じスタッフで長編アニメの企画を持ちかけたのが映画「イエロー・サブマリン」になったらしい。つまりテレビでの様々な制約(何ちゅーても 10分で1話完結やからね...)から解放された制作スタッフたちが持てるアイデア、エネルギーを総結集して作り上げた芸術性の高い素晴らしい映像作品が「イエロー・サブマリン」というワケだ。尚、日本でもこの「アニメ・ザ・ビートルズ」は UHF 系の局で吹き替え版が放送されていたらしく、Youtube でも少しだけ見ることができるので興味のある方はどーぞ。ジョンの吹き替えをやっているのがあの伊武雅刀さんというのが凄い。
 このシリーズのオフィシャルな DVD は存在せず、字幕も吹き替えもないブートレッグ DVD が2枚組から8枚組まで色々出ていたので、とりあえず安くて信頼できそうなセラーから入手。ストーリー自体はホンマに超子供向け(リンゴがナイス・ボケ役です...)なので、私のようなエエ歳したオッサンが真剣に見るものではない。ただ、Sing-A-Long という “みんなで歌おう” みたいなコーナーがあったりとか、アニメのキャラが演奏するシーンがあったりとかでそういうのは見ていて面白いので、曲のパートだけ DVD-R に編集して楽しんでいる。でも、出来れば吹き替え版とやらをぜひ見てみたい。キッズ・ステーションあたりでやってくれへんかな~

↓2分6秒から演奏開始... 2分38秒に注目です(笑)
Beatles Cartoon STEREO - Eight Days a Week

The Beatles Rockband Songtracks DVD-R

2009-11-21 | The Beatles
 この「ザ・ビートルズ・ロックバンド・ソングトラックス」には2枚の CD-R の他に1枚 DVD-R が付いている。流通価格の半値とはいえ、DL で既に音源を持っていた私がこの盤を買ったのは DVD-R の映像に興味があったからだ。
①「ザ・ビートルズ・ロックバンド・プレミア」は 2009 Xbox メディア・ブリーフィングの映像で、アップルだかマイクロソフトだかの責任者がMCを務め、ゲストにジャイルズ・マーティン、ダニー・ハリスン、オリビア・ハリスン&ヨーコ・オノ(何故かハイテンション...笑)、そしてリンゴとポール本人までが登場する。ただ、みんな顔見せ程度で、特にどうというほどのモノではない。②「ET エクスクルーシヴ TV」では “ETスタジオ4” の女性キャスターがポールやリンゴに今回のゲーム企画についてインタビュー、ポールによると “ジョージはこんな動きはしない。” “リンゴはそんなドラミングはしない。” “僕はこんな風にギターを弾いていただろう。” という風にかなり細かい部分までポール本人がチェックして慎重に完成させていったとのこと。どうりで演奏シーンの雰囲気が見事に再現されているワケだ。又、同時に発売されたリマスター盤については “まるでセッションの場にいるようだよ。隣りでジョンが「ノーウェア・マン」を歌ってるような感じなんだ。ホントに凄いよ。” と答えている。③「プレビュー」では実際に素人さん4人組がカラオケ・ボックスみたいな部屋で画面を見ながら「ロックバンド」ゲームをプレイしてる映像で、へぇ~ こーゆー風にして遊ぶのね、と納得。一言で言えば完全に “バンド演奏・カラオケ” 状態ですわ。
 ④「ザ・ビートルズ・ロックバンド・トレイラー」はキャヴァーンからシェア・スタジアム、日本武道館を経てサイケ時代に突入、ルーフトップからアビー・ロードまで、この偉大なるグループの歴史をゲームの演奏シーン・ダイジェスト映像で編集したプロモ・ビデオ。 YouTube で簡単に見れます。⑤「ハイライツ・フロム・ロックバンド」も④と同じようなプロモ・ビデオだが、こっちはよりアニメチックな絵で、特にスター・ウォーズに出てくる帝国軍みたいなエンディングの映像にはワロタ(^.^)。⑥「カム・トゥゲザー TV AD」は以前「ザ・ビートルズ・ロックバンド・ミックシーズ・09・09・09」の DVD を取り上げた時(10/24)に貼り付けた4人がアビーロードを渡る姿が印象的な PV で、そのリアルすぎる映像はコンピューターCGだということを忘れさせるぐらいの衝撃性を持っている。ビートルズ・ファンでまだ未見の方はぜひご覧下さい!
 ここから先は「ロックバンド」の映像シーンの大盤振る舞いで、 YouTube で見れるとはいえ、こーやってDVD化してもらえるとテレビの大画面で見れるのでありがたい。曲目は、⑦「サージェント・ペパーズ~ウィズ・ア・リトル・ヘルプ」、⑧「バースデー」、⑨「ヒア・カムズ・ザ・サン」、⑩「ティケット・トゥ・ライド」、⑪「キャント・バイ・ミー・ラヴ」、⑫「オー・ダーリン」、⑬「レヴォリューション」、⑭「ツイスト・アンド・シャウト」、⑮「ドゥー・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」、⑯「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」、⑰「ハロー・グッバイ」、⑱「イフ・アイ・ニーディッド・サムワン」、⑲「アイ・アム・ザ・ウォルラス」、⑳「ディグ・ア・ポニー」、(21)「グッド・モーニング・グッド・モーニング」、(22)「ジ・エンド」の16曲。⑮⑳(21)(22)だけ音が悪い、というか誰か下手くそな奴がプレイしてる画面の映像を撮ったかのような変な感じだ。この辺は、所詮ブートレッグということか。
 (23)「ロックバンド・インストルメンツ」は「ジ・エンド」をバックにゲームに使う楽器(ヘフナー500/1、リッケンバッカー325、グレッチ6128、ラディック・オイスター・ブラック・パール)の映像が映し出されるだけ。(24)「LA ルーフトップ・パーティー」は酔っ払いみたいなビートルズ・ファンたちのカラオケ大会の映像。こんなん誰が見たいっちゅーねん!(25)「CD リマスター・トレイラー」は YouTube で何度も見たリマスターの宣伝 PV、(26)「ビートルズ・フォー・セール」と(27)「リヴォルヴァー」はそれぞれリマスター盤に入っていたミニ・ドキュメンタリー映像だ。特にこの DVD-R に入れる必要はなかったと思うけど...(>_<) (28)「ボックス・オブ・ヴィジョン」は CG によるボックスの宣伝で音声なし、イマイチ意味不明な1分15秒だ。
 とまぁこんな感じの、あったらあったでエエけど、個人的にはなくてもさして困らない類の DVD-R だった(笑)。こんな中途半端なモン作るヒマあったら、全46曲の CG 演奏シーンを完全収録した DVD を出してくれたらエエのに...(>_<)

The Beatles: Rock Band Press Conference Trailer

The Beatles Rockband Songtracks (Pt. 3)

2009-11-20 | The Beatles
 今日も昨日に続いて「ロックバンド」の Disc-2 でいってみよう。①「レヴォリューション」は囁くようなジョンのカウントにまず肩透かしを食う。私はてっきり例のプロモ・ビデオのカウントを流用するものとばかり思っていたので、この静謐なカウントは実に意外だった。数日前にディストーションがギンギンにかかった同曲の「ラヴ」・ヴァージョンを聴いたばかりの耳にはさすがに大人しいミックスに聞こえる。エンディングはそのまんまだ。②「バック・イン・ザ・USSR」はジェット音のSE と共にポールのカウントも入っており、エンディングは公式テイクと同じ。ただ、 YouTube の映像で見るとリンゴがドラムを叩いているが、ここはやはり史実に忠実にポールがドラムを叩く姿をCG で作ってほしかったところ(笑)。そーなると③「ディア・プルーデンス」もリンゴ抜きということになっちゃうからやっぱり無理か...(>_<) で、そのプルーデンスだが、ジョンのカウントからフルで聴ける貴重なヴァージョン。とにかくこの CD はこんなのが一杯入っているので楽しくて仕方がない。公式テイクよりもベース音を強調したミックスのおかげで音楽がすっくと屹立している。
 ④「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」は落ち着き払ったいかにもジョージらしいカウントから例のイントロが始まっていて中々エエ雰囲気だ。しかしこのテイクの最大の魅力はフェイド・アウトしないエンディングで、ギターが最後まで聴けるというのがめっちゃ嬉しい。しかもそのギターがクッキリハッキリと聞こえる大胆なミックスで、クラプトン大爆発だ。こんなん初めて聴いたわ。たかがゲーム用音源と侮っていると大損をこくだろう。
 ⑤「バースデー」からは私の大好きなハードロック怒涛の3連発だ。 “ワンッ、トゥッ、ワン、トゥ!” とポールの力強いカウントから一気に始まるこのヴァージョン、めっちゃエエなぁ...(^.^) カウントも立派な曲の一部なのだということを再認識させられる。⑥「ヘルター・スケルター」はカウントなしでいきなり切り込んでくるキレたギターが好きなのだが、このカウント付きも捨て難い魅力がありまんなぁ...(^.^) バックの “ダッダッダッダッ...♪” が大きくフィーチャーされて演奏全体の厚みも増しているように思えるし、曲途中のフェイドイン・フェイドアウトがないのも実に面白い。大好きな⑦「ヘイ・ブルドッグ」は公式テイクよりも長いヴァージョンというだけでもタマランのに、ポールのベースが大きくフィーチャーされておりドライヴ感抜群、エンディングの処理も面白くって、ジョンの“Quiet! OK? Quiet!”という雄叫びで終わっている。
 ⑧「ドント・レット・ミー・ダウン」はまるであくびをかみ殺したようなジョージのカウントが笑えます...(^.^) 演奏自体は別に変わったところはなさそうだ。⑨「カム・トゥゲザー」はカウントはカッコエエが、何故かフェイドアウトで終わっている。この曲だけ、どーして??? ⑩「サムシング」、⑪「オー・ダーリン」、⑫「オクトパス・ガーデン」、⑬「アイ・ウォント・ユー」といったアビー・ロードA面曲群はカウント以外はは特に変わった所は見当たらない。特に⑬のエンディングは何か変わった仕掛けがあるのかと思ったが、公式テイクと同じ処理だった。⑭「ヒア・カムズ・ザ・サン」のカウントは初めて聴くリアルなもので “トゥー スリー フォ...” という落ち着いたカウントに続く例のイントロが実に新鮮に響く。ジョージのヴォーカルに寄り添うようなバックのシンセが強調されて聞こえる面白いミックスだ。⑮「ジ・エンド」は私がこの「ロックバンド」にハマるきっかけになったナンバーで、メドレーの続きではなくカウントで始まるとこれまでとは又違った印象を受ける。しっかしどのヴァージョンで聴いてもこのギター・バトルには萌えるわ(≧▽≦)
 ゲット・バック・セッションものはブートレッグで色んなヴァージョンを耳にしてきたのでどっかで聞いたことのあるカウントが多い。⑯「ディグ・ア・ポニー」もそんな1曲だが、曲が終った後の “サンキュー、ブラザーズ...” というジョンの喋りは貴重だ。⑰「アイヴ・ガット・ア・フィーリング」はジョンの “ワァ~ン トゥ~ スリィ~ フォォォー” という気合の入ったカウントとギターのイントロがバッチリ合っててごっつうエエ感じ。⑱「アイ・ミー・マイン」は演奏の隅々まで見通せそうなクリアーなミックスで、細かいギターのニュアンスとかがよくわかって嬉しい。エンディングのオルガンが長いのも公式テイクでは聴けない貴重なものだ。LPヴァージョンを下敷きにした⑲「ゲット・バック」はゲーム用 SE が入ったアホバカ・ミックスで、せっかくのビリー・プレストンの熱演の後ろで “シャキーン、シュワーン” と耳障りなことこの上ない。ホンマにええかげんにせぇよ(>_<) 知らんかったとはいえ、「ソングトラックス」ではなく、「ソングス」を買えば良かったとも思うが、出たばっかりのブート CD の違いなんて誰も指摘してくれへんしなぁ... まぁDL 出来たから良しとしよう。⑳「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ/ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」を入れたのはジャイルズの「ラヴ」に対する自信の表れか... これも⑲ほどではないにしろ、 “シャキーン、シュワーン” が入っていて鬱陶しいことこの上ない。一体誰が編集したのだろう?
 この2日間駆け足で46曲分のカウントとエンディングを聴いてきた(笑)が、ミックスの仕上がりに好き嫌いはあるにせよ、公式録音曲の約1/5にあたるこれらの楽曲の新ミックスが聴け、特にその中のいくつかは本邦初登場といえるようなテイクが使われているなど、ビートルズ・ファンにとっては非常に楽しめるアルバムだ。でもどうせならブートレッグの CD-R 盤ではなく、オフィシャルなプレス盤で出してくれたらエエのになぁ...(^o^)丿

The Beatles Rock Band: Helter Skelter- Sight Read (99%)

The Beatles Rockband Songtracks (Pt. 2)

2009-11-19 | The Beatles
 今日は「ザ・ビートルズ・ロックバンド・ソングトラックス」の Disc-1 に入っている曲についての簡単な印象を書いてみたい。まず、①「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」、②「ボーイズ」は昨日書いたようにゲームの効果音が随所に入るトホホなミックスで、ご丁寧に歓声の SE まで入っている。DL 版は2曲ともマトモなヴァージョンやのに...(>_<) しかもこの2曲と(26)「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」だけにゲームの効果音が入るという中途半端な構成だ。因みに、店頭で試聴させてもらった MUSIC INN の店員さんも “初めて聴きましたけど、ゲームの音楽ですね、コレは...” と呆れておられた。①はカウントもエンディングもノーマル、②のエンディングは公式テイクとは違う怪しい終わり方で、それは⑤「アイ・ウォナ・ビー・ユア・マン」も同様だ。逆に③「ドゥー・ユー・ウォント・トゥ・ノウ・ア・シークレット」のフェイド・アウトしないエンディングはめっちゃ新鮮で、曲の余韻に浸れる感じがいい。コレは大いに気に入った。
 ④「ツイスト・アンド・シャウト」や⑥「アイ・ウォント・トゥ・ホールド・ユア・ハンド」、⑧「キャント・バイ・ミー・ラヴ」はカウント以外は公式テイクと変わらず。⑦「ア・ハード・デイズ・ナイト」の尻切れトンボなエンディングを聴くと、逆説的に公式テイクにおける12弦ギターによるアルペジオの繰り返しの絶妙なフェイド・アウトによる演出の素晴らしさを再認識させられる。⑨「アイ・フィール・ファイン」のエンディングはライブの終わり方と同じだが、これも⑦同様レコードのフェイド・アウトの方が似合ってると思う。
 私にとってこの Disc-1 の白眉と言えるのが⑧「エイト・デイズ・ア・ウイーク」で、ポールのカウントから入るフェイド・インなしのクリアな出だしがめっちゃ新鮮!ほんのちょっとしたことなのだが、そのビミョーな違いがファンにはたまらんのですわ(≧▽≦) ⑪「ティケット・トゥ・ライド」や⑫「デイ・トリッパー」のエンディングは手抜きとは言わないまでももぉちょっと何とかならんかったんかと思うような雑な作り。「ラバー・ソウル」からの⑬「ドライヴ・マイ・カー」と⑭「アイム・ルッキング・スルー・ユー」の2曲も新たにミックスし直して作ったものだと思うが、⑪⑫よりはずっと自然な感じに聞こえる。まぁ無理やりエンディングをでっち上げるにはこうするしかなかったという終わり方だ。⑮「イフ・アイ・ニーディッド・サムワン」はエコーがキツめで何となくチープな音作りに聞こえるのは気のせいか?
 カウントで始まる⑯「ペイパーバック・ライター」って何かカッコイイ!(←ミーハー丸出し...) エンディングは日本公演のモノらしいが、言われてみれば確かに歓声が似ている気がする。⑰「タックスマン」は今まで隠れていた純正のカウントが復活したのは非常に興味深いが、やはりあの咳払いやスタジオの雑音がないのは淋しいし、エンディングのキレたギター・ソロがないと “「タックスマン」を聴いた!” という感じがしない。因みにこの曲、ゲームでは4人が日本武道館のステージで演奏する映像になっているのが嬉しい。⑱「イエロー・サブマリン」のイントロは他とはちょっと違っており、まずギターが “ジャーン!” 続いてジョンが“ワン、トゥ・スリー...” とカウントを取り、リンゴがいつもの調子で “インザタァ~ン♪” と歌い出す。エンディングも同じくひと工夫されており、最後は鐘の音まで鳴らしてしまう。単調な曲ほどエンディングの処理には知恵を絞っているようだが、これはこれで面白い。⑲「アンド・ユア・バード・キャン・シング」はジョンの気合い十分のカウントが嬉しい。これ、めっちゃ合ってると思う。
 ⑳「サージェント・ペパーズ~ウィズ・ア・リトル・ヘルプ」のポールのカウント、これもめっちゃカッコエエなぁ... とここまで書いてきて気づいたのだが、アタマのカウントとエンディングのことばっかり書くって何か変な感じ...(笑)。まぁそれがこのCDのウリやからしゃあないか。(21)「ルーシー・イン・ザ・スカイ」のエンディングはただ音を絞っただけのように聞こえるし、(22)「ゲッティング・ベター」に至ってはあのタンブーラが鳴り響く中、コンガが絶妙なリズムを刻むエンディング・パートがそっくりそのままカットされてしまって淋しいったらありゃしない(>_<) 何とかもうひと工夫してほしかったな。
 (23)「グッド・モーニング・グッド・モーニング」はフェイド・アウトしてしまわずに最後まで聴けて、しかもエンディングでジョンの声が入っているという超お宝音源だ。ミックスそのものも違っているようで、ギターの入力バランスが大きいように思う。とにかくコレは必聴だ。(24)「ハロー・グッバイ」のエンディングは“何コレ?” と言いたくなるような変な作りで、それまでのスムーズな流れをブチ壊すかのような唐突な終わり方だ。(25)「アイ・アム・ザ・ウォルラス」にはカウントが入ってないけど何故だろう?エンディングも左右に音が飛びまくってて、ちょっとお遊びの度が過ぎたという感じだ。(26)は最初に書いたように耳障りな効果音入りで、あのエンディング一体どー処理すんねんやろ?と興味津々で聴き進んでいくと、何と堂々とフェイド・アウトしてしまう(笑)という、よくわからないトラックだ。まぁ玉石混交入り混じってはいるが、長年公式テイクに慣れ親しんできた者としては、色んな意味で非常に面白く聴ける1枚だ。

Beatles Rock Band - Good Morning Dreamscape

The Beatles Rockband Songtracks (Pt. 1)

2009-11-18 | The Beatles
 私がモノラルとステレオのリマスター BOX 発売で大いに盛り上がっていた 09.09.09 にもうひとつビートルズ絡みのアイテムが北米とヨーロッパで発売された。ビートルズの音楽ゲームソフト「ロックバンド」である。ネット上の情報でその存在を知ってはいたものの、Wii も PS3 も Xbox も持っておらずゲームをしない私にとって、「ロックバンド」は全く眼中に無かった。だからヤフオクでこの「ザ・ビートルズ・ロックバンド・ソングトラックス」という CD-R2枚+ DVD-R1枚のブートレッグを見た時も全く食指は動かなかった。
 ところが「アビー・ロード」の「ジ・エンド」絡みでみながわさんに教えていただいた YouTube 版「ロックバンド」の映像の面白さにすっかりハマッてしまい、他の映像も検索すると出るわ出るわ...(゜o゜) キャヴァーンやシェア・スタジアム、ブドーカンといったビートルズゆかりの地で様々な楽曲を演奏する4人のアニメ CG が楽しめるのだ。しかもその時に紹介していただいた DL サイトもこれまた強烈で、物凄い数のブート音源が無料で DL し放題(^o^)丿 そこに最新作のオススメ盤としてアップされていたのがこの「ザ・ビートルズ・ロックバンド」だった。私は早速 DL したのだが、ファイルの種類が rar とかいうややこしい奴で、どーやって解凍していいのか分からず、とりあえずは私のパソコンで簡単に解凍できた zip の音源(←こっちが大半でした...)を CD-R に焼いて聴き、「ロックバンド」関係は専ら YouTube で見て楽しんでいた。
 その後試行錯誤を重ねてやっと rar ファイルを解凍できたのが10月の半ばで、改めて全44曲を一気聴きしてみると、すべての曲がカウントで始まっていたり、逆にフェイド・アウトで終わるはずの曲がフェイド・アウトしなかったりと、一曲たりとも公式テイクと同じミックスのものがない!根が単純な私は一瞬 “えっ、コレって全部未発表テイクかぁ?”と思ったが、冷静に考えてみるともしそうならリマスター盤以上の大騒ぎになっているハズやし、曲によっては “何でコレにわざわざカウント付けてんの?何か変やなぁ...” というのもある。そもそも何で全曲カウント付きなん?... そこで YouTube で見た映像を思い出したのだが、確かゲーム参加プレイヤーが画面上の合図に合わせてギターやベース、ドラムスの形をしたコントローラーを操作していたっけ。ヴォーカルのマイクもあったなぁ... ということはつまりカラオケのロックバンド・ヴァージョンか?なるほど、どうりでカウントが要るワケや。エンディングもフェイド・アウトではなく、ハッキリとしたエンディングにせんとアカンわな。つまりこれはまず第一にゲーム参加プレーヤーのための音楽であるというのが大前提。ブートレッグ CD で音楽だけ取り出して聴いてどうこう言う筋のものではないのだ。とにかくこれでまず一つ謎が解けた(^o^)丿
 で、次に別ミックスについてだが、これはどう聴いても当時の未発表テイクとは思えないような、今回の企画で新たにリミックスして(←確かゲームの音楽を担当したのは「ラヴ」のジャイルズ・マーティンやったと思う...)作り出したようなものが多い。しかしそれがどーしたソー・ホワット!元々 “ビートルズの未発表テイク / 新音源発掘!!!” などとは一言も謳っていないし、そもそもゲーム用にアタマのカウントとフェイド・アウトしないエンディングが必要だったから作ってくっつけただけのこと。極論すればそのような細工は「アンソロジー」や「レット・イット・ビー・ネイキッド」、「ラヴ」でとっくにやっている。だからこれを偽物だ、フェイクだ、と言って非難するのは甚だ見当違いというものだろう。要は「ラヴ」の時と同じくそれが音楽として面白いかどうかの一点に尽きるのではないか。まぁたま~に???というものもあるが、そのほとんどは新鮮に耳に響くし、いくつか初登場音源らしきものもあって、私はこれらの “ニュー・ロックバンド・ミックス” を楽しく聴いている。
 それよりも気になるのは、DL ヴァージョンには入ってなかったこのゲーム独特の効果音が市販品 CD の何曲かに被さっていること。これ、ゲーム中や YouTube ならまだしも、スピーカーに対峙してちゃんとした音楽として聴こうとするとめちゃくちゃ耳障りで鬱陶しい。先月レコード・バーゲンのついでに立ち寄った MUSIC INN で試聴させてもらった時も1曲目からいきなりこのゲーム効果音が炸裂して思わず “もういいです!” と言って切り上げたぐらいだ。その後ヤフオクで市価の半値以下(!)で即決で出てるのを見つけ、DVD の内容が気になっていたこともあって買ってみたのだが、やはりこの耳障りな効果音が入っていた。「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」と「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」のトラックが一番わかりやすいと思うが、これは絶対に雑音の入らないDL ヴァージョンの方がオススメ!私の調べたところでは、DL 版(←多分CD2枚組オンリーの DVD なしで「ザ・ソングス」ってタイトル)は効果音etc 一切なしで44曲+11分近い「スタジオ・チャット」が入っているのに対し、世間に出回っている DVD付 –R盤3枚セットは数曲効果音アリで46曲(「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」と「オー・ダーリン」を追加、「スタジオ・チャット」は無し)となっている。この盤を狙っている方は曲目に注意して欲しい方をゲットして下さいな。ただ、純粋に音源狙いならタダで DL するのがベストだと思う。

Rock Band: The Beatles E3 2009 Trailer [HQ] (Rate This Game)
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The World's Best / The Beatles

2009-11-17 | The Beatles
 音楽ファンの中には “コレクター”と呼ばれる人達がいる。あるアーティストのレコードを全て集めるとか、某レーベルのレコードを番号順に全部揃えるとか、同じレコードの日本盤・アメリカ盤・イギリス盤はもとより、フランス盤・カナダ盤、オーストラリア盤、イスラエル盤(!)に至るまで、様々な国のジャケットで集めるとか、とにかくマネのできないような凄い執念でコレクションに勤しむ人達だ。
 私自身はいくら好きなアーティストと言えども曲が気に入らなければ絶対に買わないし、レコード番号で全部揃えようなどという雲をつかむような考えは微塵もないので、とてもじゃないが “コレクター” とは言えない。その代わりと言っちゃなんだが、自分が気に入った音源はどんな手を使っても必ず入手することを自らに課している。何年かかろうが、死ぬまでには絶対に手に入れて浴びるほど聴いてやるぞとあちこちに網を張っている。とにかく好きな曲が良い音で聴けさえすれば再発LPであろうがリマスターCDであろうがブートレッグであろうが全然平気で、 “オリジナル盤以外は全部偽物” などと眠たい事を言う考古学者みたいな連中の戯言を尻目に猟盤に明け暮れる毎日だ。
 ビートルズの公式テイクに関して言うと、今回のリマスター・ボックス・セットによってモノラル、ステレオ共に漏れ落ちなく聴けるようになったのでメデタシメデタシなのだが、問題なのは70年代から80年代前半にかけて発売されたいわゆるアナログ盤の類で、当時はいつでも聴ける、いつでも買えるからとすっかり油断し不覚にも買いそびれたままCD時代を迎えてしまったような盤である。もちろんそういった音源は未だにCD化されておらず、いざ聴きたいと思っても中々聴くことが出来ない(>_<) 私にとってそんな心残りな1枚が1982年に結成20周年記念アルバム「リール・ミュージック」のプロモ用に米キャピトルによって企画され、当時爆発的に流行っていた「スターズ・オン45」の二番煎じ(実際はビーチ・ボーイズやフックト・オン・クラシックスよりも更に後なので殆ど “出がらし状態” といえる企画だった...)みたいな感じの「ビートルズ・ムーヴィー・メドレー」だ。ただ単に映画に使われた曲を繋げただけのこのメドレー曲は驚くべきことに全米チャートで12位まで上昇するという大健闘を見せたのだが、当時の私は“本家がコピーを真似るなよ...(>_<)” とこの企画そのものを素直に喜べず、又いつでもTV録画したプロモ・ビデオを手軽に見れたので、わざわざシングル盤を買うまでもないとスルーしてしまったのだ。
 しかしそういう曲に限って妙に記憶の隅に残っていて不意に聴きたくなるもの(笑)。しかも悪いことは重なるものでこの曲はアルバム「リール・ミュージック」(←ジャケットあんまりやとと思いませんか?)には入っておらず、シングル盤はヤフオクでも滅多に出てこない。eBay でシングル盤を取ると、過去の経験から言って送られてくるのはたいていサンド・ペーパーで擦ったんかいなと思うようなガチャ盤だ。どないしょーかいなぁと途方に暮れていたのだが、ある時偶然見つけた別テイク集ブートレッグCD にこの曲が入っており、大喜びした(^o^)丿 それがこの「ザ・ワールズ・ベスト」で、他にも以前「リヴァプール・ボックス」の時に取り上げたトランペットで終わる「ペニー・レイン」、ハイハットのカウントで始まる「オール・マイ・ラヴィング」、イントロのギターが片チャンで始まる「デイ・トリッパー」、イントロと間奏が1小節長い「アイ・アム・ザ・ウォルラス」といった別ミックスはもちろんのこと、他にもイントロ前にノイズと話し声が入った「アイ・フィール・ファイン」やジェームズ・ボンド風イントロ付きの米版「ヘルプ!」、世にも珍しいブラジル版モノ・ミックスの「アクロス・ザ・ユニヴァース」(笑)、悪名高い日本版モノ・ミックス(?)の「レット・イット・ビー」など、全25曲が詰まった玉石混交の実に楽しい1枚で、音も抜群に良いのだ。これがCDシングル1枚の値段で買えるのだからヤフオクさまさまである。しかし私にとってはこの盤は何と言っても「ビートルズ・ムーヴィー・メドレー」に尽きる。当時は何気なく聴いていたが、今じっくり聴いてみると曲の繋げ方がさすがというか、プロの仕事やね。プロデュースはジョージ・マーティン... 何やかんや言うてもやっぱりビートルズ関係はこの人に限るわ(≧▽≦)

The Beatles Movie Medley

LOVE (Pt. 3) / The Beatles

2009-11-16 | The Beatles
 私がビートルズの楽曲の中で唯一苦手なのが「ラヴ・ユー・トゥ」や「ジ・インナー・ライト」といった、ロックンロールのノリとは無縁なガチガチのインド音楽だ。シタールやタンブーラといったインド音楽の楽器は「ノーウェジアン・ウッド」のようにスパイス的に使ってこそ活きてくるのであって、全編シタールまみれでは本末転倒も甚だしい。インド音楽が聴きたければ何もビートルズを聴く必要はない。ラヴィ・シャンカールでも聴いていればいいのだ。ということで、「サージェント・ペパーズ」を初めて聴いた時から B面1曲目の「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー」だけがどうしても受け入れられず、 “何でこんな陰気な曲が入ってるアルバムが最高傑作やねん?” と思いながらいつもB面2曲目の「ホェン・アイム・64」から針を落としていた。それはCD時代に入っても変わらず、スキップボタンで飛ばしていたのだが、この「ラヴ」の⑭「ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー / トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」を聴いてこの曲に対する見方が180°変わった。我が最愛の「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」のスリリングなビートが原曲の抹香臭さを一掃し、素晴らしいサイケデリック・ロックとして屹立しているのだ。それにしても何と斬新な発想だろう!エンディングのテープ・ループもこの曲にピッタリで、インド嫌いの私としては大コーフンのトラックだ。
 ⑮「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」は音がクリアなのはいいが、サビのリフレインに付随するバックのサウンドが大仰すぎて気持ち悪い。ここでも「トゥモロー・ネヴァー・ノウズ」のテープ・ループが登場するが、困った時のテープ・ループ頼みという感じでちょっと乱発しすぎだろう。私はこのトラックは好きになれない。「グッド・ナイト」のオーケストラをバックにしたスローな歌い出しの⑯「オクトパス・ガーデン」、途中からテンポはノーマル・スピードになり、様々なSEを絡めながら「サン・キング」へと続く流れはよく考えられていると思う。
 いきなり「ホワイ・ドント・ウィー・ドゥー・イット・イン・ザ・ロード」のイントロのハンド・クラッピングとドラムが鳴り響き、⑰「レディ・マドンナ」のコーラスがスルスルと滑り込んでくるこの瞬間の快感を何と表現しよう!更に「ヘイ・ブルドッグ」のギター・リフが炸裂し、何と「ホワイル・マイ・ギター...」のクラプトンのソロまで散りばめられている。更にエンディングでは左チャンネルに「アンソロジー2」ヴァージョンのサックス・ソロまでミックスされており、至れり尽くせりだ。このトラック大好き(^o^)丿
 ⑱「ヒア・カムズ・ザ・サン / ジ・インナー・ライト」はイントロがインドっぽくてコレはヤバイかな~と思っていると、「ヒア・カムズ・ザ・サン」の軽快なイントロが聞こえてきて一安心(^.^) リマスターされて躍動感もアップし、言うことなしだ。「ジ・インナー・ライト」は次曲とのつなぎ程度の無害な使われ方でこれまたホッと一安心だ。⑲「カム・トゥゲザー / ディア・プルーデンス / クライ・ベイビー・クライ」ではメインの「カム・トゥゲザー」を原曲をあまりいじらずにリマスタリングしてあり、ジョンのヴォーカルが生々しく響き、ポールのベースが強調されて全体的にライブ感が大幅アップしている。エンディングにクロスフェードしてくるのが「ディア・プルーデンス」、そしてすぐに「クライ・ベイビー・クライ」のポールのパートへと続く。そして暗闇を引き裂く稲妻のように炸裂するギターのディストーション... 泣く子も黙る⑳「レヴォリューション」だ!この凄まじいまでにへヴィーなサウンドはビートルズが筋金入りのロック・バンドであることを如実に物語っている。それは(21)「バック・イン・ザ・USSR」にも言えることで、このハードなロックンロール2連発は基本的には “何も足さず、何も引かず” で大正解!曲をいじくり回すだけがリミックスではないということをジャイルズ・マーティンはちゃんと分かっているのだ。
 (22)「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウイープス」は「アンソロジー3」に入っていたシンプルなデモ・ヴァージョンからオルガンを消して代わりにストリングスを加えたもので、いかにも正統派のジョージ・マーティンらしいアレンジだ。コレに関しては賛否両論あったようだが、私は素直にエエなぁと思った。 (23)「ア・デイ・イン・ザ・ライフ」は「アンソロジー2」収録の “シュガー・プラム・フェアリー♪” ヴァージョンで、これくらいの名曲名演になるといじりようがないらしく、ストレートに音を磨く方向で李マスタリングされており、ラストの “ガーン!” もハンパなしの大迫力だ。
 (24)「ヘイ・ジュード」は音が飛躍的に良くなっているのが実感できるトラックで、コーラスの厚みが増してライブ感満点!特に2分54秒でブレイクし、ポールの印象的なベース・ラインを際立たせるニクイ演出、そして次の(25)「サージェント・ペパーズ(リプリーズ)」へと続くスムーズな流れは絶妙だ。「ラヴ」を1枚のトータル・アルバムとして捉えた場合、ラス前の曲としてこれ以上のものはありえない。それにしてもこの曲のドライヴ感はいつ聴いても最高やわ(≧▽≦) ラストの(26)「オール・ユー・ニード・イズ・ラヴ」は「イエロー・サブマリン・ソングトラック」のヴァージョンよりも遥かに躍動感に溢れ、耳に自然に入ってくる。リミックスかくあるべしという見本のような音作りだ。そして聴き物は後半部分、2分48秒あたりから「ティケット・トゥ・ライド」、「ベイビー・ユー・アー・ア・リッチマン」、「レイン」、「サージェント・ペパーズ・リプリーズ」といった楽曲群の断片がサウンド・コラージュのように散りばめられ、渾然一体となった音のうねりがやがて「グッド・ナイト」へと収斂していく。そして最後はファン・クラブ向けのクリスマス・レコードから B4 のメッセージを被せて大団円となる。いやぁ~実に楽しいアルバムではないか!
 まずリマスターされたオリジナル・アルバムがあり、「アンソロジー」や様々なブートレッグで聴ける未発表音源があり、そしてこのように遊び心満載でリミックスされたアルバムもある。要するに広い心で全部楽しんじゃえばいいのである。こんな贅沢、他のバンドでは考えられない。ビートルズ・ファンでよかったなぁとしみじみ思う今日この頃だ。

The Beatles Lady Madonna Love Album