shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Lupin ! Lupin !! Lupin !!! (ベスト・オブ・ルパンジャズ)

2008-11-10 | TV, 映画, サントラ etc
 凄いCDを見つけた。同一曲の全22ヴァージョン入り2枚組、しかもその曲というのがあの有名な「ルパン三世のテーマ」なのだ!日本人ならおそらく誰も知らぬ者はいないであろうこの国民的名曲を、作者の大野雄二さんがそれぞれ異なった編成、アレンジで22通りの解釈を聞かせてくれる... それも大半がジャズ・フォーマットというのが嬉しい(^_^) 私自身この曲の80年ヴァージョンをテレビで見て、いや聴いて衝撃を受けた覚えがあるのだが、それが「'80 New Mix」である。ビッグバンド編成で「ニュー・ヴァイブ・マン・イン・タウン」のゲイリー・バートンみたいなヴィブラフォンが例のメロディーをスインギーに奏でるわ、絡みつくようなピアノのオブリガートがめちゃくちゃカッコエエわで、文句なしの最強ヴァージョンだ。ジェリー・マリガンとシャーリー・スコットとミルト・ジャクソンが特別参加したような(笑)「'99 Version」は原曲がアニメ・ソングなんて死んでも言えないくらいコテコテのジャズに仕上がっている。これは痛快だ!ラテン・アレンジで歌う akiko のヴォーカルがめっちゃカッコ良い「Featuring akiko」、ラムゼイ・ルイスが憑依したかのような「Funky & Pop Version」、ソニア・ローザが気だるく歌うムード満点のボッサ「Featuring Sonia Rosa」、ケニー・バレルの「ミッドナイト・ブルー」そっくりのブルージーな世界が展開する「JAZZ Version」、キース・ジャレットもビックリのシビアなインプロヴィゼイションの応酬が凄まじい「PLAYS THE “STANDARDS” Version」、絵に描いたようなジャジーなヴォーカルが聴ける「Featuring Salina Jones」、ワルツのリズムに乗せてマイルス・デイビス風ミュート・トランペットが舞い踊る「Waltz Version」、シャカタクみたいなオシャレ・サウンドを再現したサバービアな「'97 Version」、フィリー・ジョーみたいなブラッシュに乗ってベイカーとマリガンがピアノレスでスイングするような「More Lupintic Version」と、実際に聴いてみればわかるが、とにかくバリバリのストレートアヘッドなジャズが満載で、ジャケットに騙されてこの盤をたかがアニメ・ソング・コンピレーションと侮っていたらその凄さに腰を抜かすだろう。偏見や先入観抜きで音楽を楽しむ人に超オススメの「羊の皮をかぶった狼」盤である。

ルパン '80 New Mix