shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

B'z LIVE-GYM 2010 Ain't No Magic at TOKYO DOME

2010-07-29 | B'z
 待ちに待った B'z の最新ライヴDVDが届いた。アマゾンでかなり前に予約しておいたもので、運良く発売日前日のフラゲに成功だ(^.^) タイトルは「B'z LIVE-GYM 2010 “Ain't No Magic”at Tokyo Dome」で、 昨年末に発売されたアルバム「マジック」を引っ提げて彼らが今年の1月~3月に行った全国ツアーの中から最終日の東京ドーム公演の模様を約2時間半に亘って収録したものだ。今回は普通のDVD版とブルーレイ版の2種類が同時発売されたが、ブルーレイ・プレイヤーもハイヴィジョン・テレビも持っていない私は当然DVD版。そもそもブルーレイってそんなに普及してるんかね??? 普通のパソコンとの互換性もないし、画質にそれほどこだわりの無い私は今のDVDで十分満足だ。
 私は彼らのDVDは必ず買うことにしているが、とにかくそのライヴ・パフォーマンスの完成度の高さには毎回感心させられる。ロックの黄金時代だった1970~80年代、英米のハードロック系バンドはまずファンに凄いライヴを見せつけ、感激したファンがレコードを買い、また次のライヴにも足を運ぶというのが活動形態の基本であり、特にブリティッシュ・ロックの世界ではそれが小さな会場で行われていたためにバンドのカリスマ性をより増幅させる要因となっていたように思うのだが、B'z はその原始的とも言えるロック・バンドの基本的な方法論をこの21世紀に、ドーム級の巨大スタジアムで実践し続けているのである。これはもう凄いとしか言いようがない。
 彼らのライヴの魅力、それは稲葉さんのカリスマ性とシャープな動き(←ホンマにカッコエエわ...)、松本さんの音楽監督としての比類なき才能に加え、ハイ・クオリティーな楽曲の波状攻撃、ズバ抜けて高い演奏力、度肝を抜くようなアイデア満載のステージ・セット、と挙げていけばキリがないが、何よりもバンドが一体となって生み出す途方も無いエネルギーの奔流が5万人を超える大観衆を圧倒するのだ。
 以下、今回のライヴの簡単な感想です;
 ・いきなり①「DIVE」、②「Time Flies」とテンション上がりまくり。稲さんのグラサン+金ピカ・スーツ姿がめっちゃカッコエエわ(^o^)丿
 ・お二人同時の “B'z の LIVE-GYM にようこそ!” に至るまでの絶妙なやり取り、特に松ちゃん面白すぎ...(^.^) ファンは必見でしょう。
 ・上記の “ようこそ!” から間髪を入れずに我が愛聴曲③「MY LONELY TOWN」のイントロへとなだれ込む瞬間がタマランo(^-^)o
 ・バックの巨大スクリーンの3つの円がスティッチに見えるのは私だけ?
 ・④「今夜月の見える丘に」のイントロが何と「ムーン・リヴァー」だった... 松ちゃん、ニクイ演出やねぇ... (o^-')b
 ・④「今月」、⑤「PRAY」、⑥「TIME」、⑦「TINY DROPS」、⑧「OCEAN」という怒涛の歌い上げ系バラッド5連発はさすがにキツイ(>_<) 個人的には「夢の中で逢いましょう」とかを挟んでチェンジ・オブ・ペースを考えても良かったのでは?と思う。
 ・⑪「Mayday!」で、演奏しながらアリーナ席頭上を縦断するフライングステージは圧巻! B'z のライヴはスケールが違うわ(゜o゜)
 ・メンバー紹介時の松ちゃんの“サンシャイン60も スゴクイイケド、ココからの眺め もっとサイコーデス” 発言にはワロタ☆('-^*)/
 ・⑭「LOVE IS DEAD」に行く前に松ちゃんとサポメンが繰り広げるジャジーなセッション「JAZZY BULLETS」がめっちゃエエ感じ。このメンバー、ジャズもバリバリに上手いやん(o^-')b
 ・⑰「だれにも言えねぇ」の間奏で何故か「ゴッドファーザー愛のテーマ」をつま弾く松ちゃんとカメラ目線の稲さんのツーショット...役者やのぉ(^∇^)
 ・パワー・スポット “だれにも言えねぇ井戸” ネタが最高!松ちゃんのオトボケも絶好調やし、稲さんの井戸を覗き込む後ろ姿にも大爆笑。B'z のお二人面白すぎるわ。とにかく今回はいつも以上にリラックス・ムードが伝わってきて楽しいなったら楽しいなヽ(^o^)丿
 ・⑱「MOVE」の炎のリフ攻撃めっちゃカッコエエ(´∀`) 血湧き肉躍るとはまさにこのこと。
 ・⑳「long time no see」での稲さんの喋りにグッときた。この人いつもホンマにエエこと言うね... (;´Д`)ノ
 ・(21)「愛まま」で5万人のCメロ大合唱のシーンがタマラン!
 ・(22)「イチブトゼンブ」のバラッドverから通常verへの流れが絶妙!
 ・エンドロールで東京の夜景をバックに流れる「PRAY」がこれまた鳥肌モノ(≧▽≦)
とまぁ印象に残ったパートをサッと書き出してみたが、これまでのライヴとの一番の違いはとにかくユーモアたっぷりの演出で “自然と笑わせてくれる” 遊び心満載のステージに尽きると思う。それでいてキメるところはビシッとキメるのだから、ライヴであれDVDであれ十分に元を取ったという満足感で一杯だ。私にとって B'z のライヴはリアルタイムで体験できる “最高のロック・ショー” なのだ!!!

※今回のツアー映像はまだアップされてないようなので、過去のライヴ映像に音声をシンクロさせた【MAD】ヴァージョンで。この B'zMONSTER21 っていう職人さん、なかなかエエ仕事してまんなぁ...

B'z LIVE-GYM 2010 _Ain't No Magic_ at TOKYO DOME


【MAD】 Introduction ~ DIVE / B'z


【MAD】 PRAY / B'z

アニメンティーヌ / クレモンティーヌ

2010-07-26 | World Music
 フレンチ・ボッサの歌姫クレモンティーヌの魅力にハマってせっせと CD を買い集めて盛り上がっていたのが今年の5月、あれからまだ2ヶ月しか経っていないというのに早くも彼女の新作がリリースされた。これまでもジャズ、ボサノヴァ、シャンソンの名曲はもちろんのこと、スティーヴィー・ワンダーやビーチ・ボーイズ、ギルバート・オサリヴァンといった英米のヒット・ポップスから中島みゆきを始めとする邦楽に至るまで、その脱力系ウィスパー・ヴォイスでジャンルを軽く超越したカヴァーの数々を聴かせてくれた彼女のこと、“へぇ~、もう新作が出るんか... 次はどんな曲をカヴァーしてるんやろ?” と興味津々で曲目を見てみてビックリ...(゜o゜) 「ラムのラヴ・ソング」?「バカボン・メドレー」?... 何これ??? で、タイトルが「アニメンティーヌ」って...(爆) 賛否両論あるだろうが、少なくともアルバム・タイトルだけでつかみはOKという感じだ。
 まぁシリアスな音楽ファンなら歯牙にもかけないかもしれないが、アニソンをバカにしてはいけない。「ウクレレジブリ」や「ウクレレウルトラマン」の時に書いたかもしれないが、わずかな時間でリスナーの心をつかむことを要求されるアニソンの旋律には非常に優れたものが多く、 “アニソン=子供向け音楽” というのはあまりにも短絡的な発想だと思う。少なくとも私はメロディーが希薄で聴いてて全然面白くも何ともない凡百のオリジナル曲を聴かされるぐらいなら、鼻歌感覚で一緒に口ずさめるようなアニソンの方がずっと良い。このアルバムもネットで試聴してその楽しさの一端に触れ、即買いを決めた。
 原題は「ボッサ・ドゥ・アニメ」で CD オビの謳い文句が “パリジェンヌもアニメがお好き? ~1億3千万人が聴いた名曲アニメ・ソングをオシャレにボッサ・カヴァー~” ときたもんだ。確かにフランスでは日本のアニメを始めとするポップ・カルチャーが大人気で、パリで開かれたジャパン・エキスポが連日の超満員という記事をどっかで見た覚えがあるが、その時はまさか自分がクレモンティーヌ嬢の歌声でボッサ・アレンジのアニソンを楽しむことになろうとは夢にも思っていなかった。
 昭和テイスト溢れるいかにもなジャケットもアレだが、何と言っても収録曲が面白い。①「ラムのラヴ・ソング」、②「バカボン・メドレー」、③「崖の上のポニョ」、④「おどるポンポコリン」、⑤「風の谷のナウシカ」、⑥「はじめてのチュウ」、⑦「ロマンティックあげるよ」、⑧「サザエさん・メドレー」、⑨「ドラえもんのうた」、⑩「とんちんかんちん一休さん」、⑪「タッチ」、⑫「キャッツ・アイ」という全12曲がオシャレなボッサ・アレンジを施されてフランス語や英語で歌われているというのだから、ファンでなくても “どんなんやろ?” と聴いてみたくなるのが人情というものだ。
 どの曲もアレンジに工夫があってめっちゃ面白いのだが、一番の衝撃と言えばやはり②だろう。ボッサなギターのイントロをバックに例のメロディーに乗って “ボンボンバカボン バカボンボン~♪” と囁くクレ嬢のか細い歌声を聴いた時の不思議な感覚はとても言葉では言い表せない。それは③も同様で、彼女のウィスパー・ヴォイスで “ポーニョ ポニョポニョ~♪” と歌われるのだから、その脱力感はハンパではない(笑) ラテン・フレイバー全開の④も曲想とバッチリ合っているし、日本人なら耳タコの⑧がこんな風にボッサ化されるなんて目からウロコというか、とにかくこんなオシャレなサザエさんは聴いたことがない。超カッコ良いイントロで始まる⑨もオッシャレ~なのだが、1分5秒あたりで突如炸裂する彼女の “ハ~イ、タケコプター♪” にはワロタ(^o^)丿
 私的ベスト・トラックは⑪と⑫。あの「タッチ」にこんな哀愁が潜んでいるとは思わなんだ。間奏のアコギ・ソロにも涙ちょちょぎれるし、何と言ってもクレ嬢の歌声が曲の髄をコワイぐらいに引き出しているのが凄い。私としてはこの1曲のためだけに買っても損はないと思うぐらいの名演だ。「キャッツ・アイ」は杏里のオリジナルを聴いた時から大好きだった曲で、数多いアニソンの中でも「キューティー・ハニー」と並ぶ私的2大名曲の一つ。そんな超愛聴曲がパリのエスプリを感じさせるオシャレなフレンチ・ポップスに大変身するなんて... ホンマに長生きはするもんですな(≧▽≦)
 ①は彼女自身がオリジナルのアニメを常日頃から子供たちと一緒に楽しんでいるというだけあって何の違和感も感じさせずに実に自然なノリで歌っており、知らない人が聴いたら彼女の新曲だと思ってしまうかもしれない。実際私も⑥⑦は元になったアニメ(キテレツ大百科とドラゴンボール)を見たことが無く当然曲も初めて耳にするものだったが、オシャレなフレンチ・ポップスとして楽しめた。
 この「アニメンティーヌ」は届いたその日から家でも車でもスーパー・ウルトラ・へヴィー・ローテーション状態で聴きまくっているのだが全然飽きない。クレモンティーヌの軽やかな歌声が醸し出す洒脱な雰囲気と昭和のアニソンが持つキャッチーなメロディーとが絶妙に融け合って実に新鮮な感覚で聴けるのだ。和の食材をフレンチの鉄人シェフが見事に料理して仕上げたかのようなこのアルバム、違いの分かるグルメな音楽ファンに超オススメの逸品だ。

Touch


Bakabon Medley

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ウクレレ・バンバンバザール

2010-07-24 | Cover Songs
 連日35℃近い日が続く猛暑の中、自称 “北欧系” で暑いのが死ぬほど嫌いな私はすっかりバテ気味(*_*) 食べる物もそーめんとかお茶漬けのように軽~く流し込めるもんばっかり食ってるし、音楽も家ではウクレレとかヴァイブといった涼しい系(?)の楽器ばかり聴いている。いくら好きでもこの季節に暑苦しい胸毛系ハードロックを聴きまくろうとは思わない。ということで相変わらずウクレレ祭りは継続中... 今日はバンバンバザールの「ウクレレ・バンバンバザール」だ。
 このバンバンバザールというバンドは1990年に結成されたウクレレ2本とウッド・ベースを主体とする3人組ユニットで、アマゾンのアーティスト解説によると “ジャズ、ジャイヴ、ジャンプ、ブルース、フォーク、カントリー、ラテン、ハワイアンといったオールドタイミーでルーツの薫りのする音楽を独自の感性でブレンドした作品を発表し続けている” とのこと。ジャンルを選ばない柔軟な音楽性とアコースティックに拘ったユニークなサウンド、そして思わずニヤリとさせられるユーモアのセンスが私の嗜好にピッタリだ。
 この「ウクレレ・バンバンバザール」は既発曲6曲(「ウクレレジブリ」から④「海の見える街 ~魔女の宅急便より~」と⑫「世界の約束 ~ハウルの動く城~」、「ウクレレビートルズ」から⑤「プリーズ・プリーズ・ミー」、「ウクレレエルヴィス」から⑩「G.I.ブルース」、「ウクレレウルトラマン」から⑥「MATのテーマ」、「ウクレレ北の国から」から③「れいのテーマ」)に新録音6曲を加えた計12曲から成る変則ベスト盤。③を除く5曲はすでに持っているが、ゼッペリンやT-スクエア、スティングのウクレレ・カヴァーを含む新曲群に興味を引かれてネットで試聴し、すっかり気に入ったのでヤフオクでゲット、1,200円なら文句ナシだ(←最近定価で CD を買った記憶がない...笑)。
 まずはいきなり意表を突くゼッペリン・カヴァー①「ブラック・ドッグ」である。一体誰がハードロックの王者をウクレレでカヴァーしようなどと思い付くだろうか?しかも「天国への階段」ならまだしも、ヘヴィーなグルーヴがウリの “黒犬” である。アタマの入り方からしてニヤリとさせられるが、世界で最もユルいこのゼッペリン・カヴァーを聴いただけでも音楽に対する彼らの造詣の深さがよく分かる。
 そしてコレに続くのが前回取り上げたT-スクエアの F1 テーマ曲②「トゥルース」のウクレレ・カヴァーだ。初めて聴く F1 ファンはあまりの脱力感に打ちのめされること必至だが、クラシック・カーで田舎道をのんびりドライヴする時のBGMなんかに使えばぴったりハマりそうだ(笑)
 正直に告白すると私は「北の国から」というTV番組を見たこともないし全然興味もない。だから上記のウクレレ・シリーズで唯一持っていないのが「ウクレレ北の国から」なのだが、この③「れいのテーマ」はウクレレの軽やかな音色を巧く活かしていて中々エエ感じ。告白ついでに言ってしまうと私は「渡る世間は鬼ばかり」というTV番組も見たことがないのだが(←非国民?)、この⑪「渡鬼・オープニングテーマ」の醸し出す哀愁は心の琴線をビンビン震わせてくれる。原曲を聴いたことがないのでよくは分からないが、曲が良いのか、演奏が良いのか... 多分両方なのだろう。未知の曲との出会いという意味ではこのアルバム中一番の収穫だった。
 スティングの名曲⑧「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」もウクレレの持つスイング感によって原曲とは又違ったグルーヴが楽しめるところが良い。ただ、中途半端なバック・コーラスは余計やと思うけど...(>_<) RCサクセションのギタリスト仲井戸麗市の⑨「ティーンエイジャー」もラスタなアレンジが新鮮で⑧と同様に原曲とは違った味わいがあり、 “やっぱりカヴァーはこうでなくっちゃ!” と快哉を叫びたくなる名演だ(^o^)丿 
 このアルバムはマイナーな盤ゆえ紹介されることはあまりないかもしれないが、ウクレレ・ファンだけでなくゆったり&まったり系のアコースティック音楽が好きな人にもウケそうな1枚だと思う。

渡る世間は鬼ばかり - バンバンバザール


BAN BAN BAZAR TRUTH(T-スクエア)


海の見える街 / BAN BAN BAZAR



ウクレレジブリの森

2010-07-22 | TV, 映画, サントラ etc
 私は「となりのトトロ」の大ファンなのだが、「トトロ」以外のジブリ映画は見たことがない。だからまかり間違ってもジブリ・ファンとは言えない。しかし「トトロ」1曲を目当てに買った「ウクレレ・ジブリ」を聴いてそこで使われている音楽の素晴らしさに瞠目、もちろん「トトロ」がベストだったがそれ以外にも「もののけ姫」の哀愁舞い散るテーマ曲や「魔女の宅急便」の「海の見える街」と「やさしさに包まれたなら」、「風の谷のナウシカ」の「遠い日々」など、キャッチーで美しいメロディーを持った楽曲の数々に出会えて大満足だった。
 そんな「ウクレレ・ジブリ」の続編として2008年末にリリースされたのがこの「ウクレレジブリの森」である。たぶん映画「崖の上のポニョ」の大ヒットに便乗して2匹目のドジョウを狙ったんじゃないかと思うが、便乗であれドジョウであれ演奏さえ良ければ文句はない。前作はリコーダーの音がウクレレよりも目立っている曲がいくつかあったのだが、リコーダーというのは脇役に徹してこそ活きる楽器であり、あまり前面に出すぎると何か小学生の合奏を聞かされているようでちょっとカンベンしてほしい。「ウクレレ・ジブリ」を名乗る以上、主役はあくまでもウクレレなのであり、製作サイドもそのあたりを軌道修正してきたようで、今回は基本的にウクレレ主体のサウンドなのが嬉しい。
 このCDの目玉は①「崖の上のポニョ」(オーケストラ・ヴァージョン)らしく、アマゾンの紹介文にも “ウクレレ界のベストメンバーが集結!46人の大編成のウクレレ・オーケストラ・オブ・ジャパンによる「ポニョ」カバーは必聴!” とある。確かにウクレレで大編成のオーケストラを組むなんて発想は実に独創的で興味深いし実際に聴いてみてもコレはコレで面白いが、何となくマンドリンの合奏を聴いているみたいな感じで、ウクレレでやる必然性が感じられない。何よりも大編成で合奏することによってウクレレの美点であるホンワカした音色や独特のスイング感がスポイルされてしまっているように感じられるのが惜しい。まぁ話題作りという点では成功していると思うし、そのために1曲目に持ってきたのだろう。
 私がこのCDのベスト・トラックに挙げたいのは同じ「崖の上のポニョ」を①とは対照的にウクレレ・ソロでカヴァーした⑯だ。演奏者は私が日本一のウクレレ奏者と信ずるキヨシ小林氏。マヌーシュ・スウィング・ギタリストでもある彼の一番の魅力は他のウクレレ奏者たちとは激しく一線を画す絶妙なスイング感と、チャボロ・シュミットやロマーヌといった世界の超一流ギタリストたちが絶賛した歌心溢れるプレイだ。他のプレイヤー達が “楽器を弾いている” のに対し、彼は “楽器で歌っている” という感じなのだ。
 彼はこれまでも「ウクレレ・ビートルズ」の「オール・マイ・ラヴィング」、「ウクレレ・ビートルズ2」の「シー・ラヴズ・ユー」、「ウクレレ・ウルトラマン」の「ウルトラマン・エース」と、参加したオムニバス・アルバムの中で常にベストの演奏を聞かせて格の違いを見せつけてきた人だが、今回も上記の⑯と⑦「わたしのこころ ~魔女の宅急便より~」の2曲こそがこの CD のベスト・トラックであり、そのハートフルなプレイがジブリの名曲と見事にマッチして素晴らしいヴァージョンに仕上がっている。
 映画「耳をすませば」(←恥ずかしながらタイトルすら知らなかった...)の②「バロンの歌」はウクレレ・カフェ・カルテットによる見事なアンサンブルが聴き所。ツボを抑えた演奏が耳に心地良い。⑤「ねこバス」は①と同じウクレレ・オーケストラによる演奏で、イントロを聴いた時は思わずゼッペリンⅣの3曲目「バトル・オブ・エヴァーモア」を思い出してしまった(笑) ①とは違いこちらは大編成が功を奏したようで、アレンジもユニークな曲想にぴッタリ合っており中々楽しいトラックになっている。
 この手の続編というか Vol. 2 というのは多くの場合 Vol. 1 に比べると楽曲のクオリティーは落ちるのが普通で、この盤も前作に比べるとやや地味な印象は否めない。しかし愛らしいジャケットと突出した何曲かの名演のために、ず~っと手元に置いて聴き続けたい1枚になっている。

ウクレレジブリの森
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F-1 Grand Prix / T-スクエア

2010-07-19 | J-Rock/Pop
 今日は朝から峠にでも行ってみようかと出掛けてみたものの、いざ外に出てみると見渡す限り鬼のような渋滞ですっかり気が滅入り、ストレスで爆発する前に予定を変更して早々に帰宅。奈良は狭いくせに車だけは多いから困ってしまう。特に今日は三連休最後の日ということもあってどこへ行っても車だらけで中々エンジン全開というところまでいかない。阪奈道路でもフツーにポン!とアクセルを踏んだだけでのけぞるように加速(≧▽≦)...すぐに前の集団に追いついてしまう怒涛の直線番長ぶりだ。やっぱりドライヴは日中を避けて真夜中に走りに行くしかないか...
 ワイパー症候群(?)は相変わらずで今日も交差点で作動させてしまい、他車のイタイ視線を感じて余計に焦った挙句、ウォッシャー液まで噴射する始末。あぁ恥ずかしい(*_*) この車、ハンドリングも素直やしドライヴ・フィーリングも申し分ないので慣れればすぐに一般車スラロームが出来そうだが、そのためにもレバーやスイッチ類の位置を一日も早く身体に覚え込まさねば... とにかく今はドライヴィング云々よりもウインカー出す時の方が緊張してしまう...(笑)
 私はカーオーディオを変えた時はいつも色々な音源を持ち込み、とっかえひっかえして楽しむことにしているのだが、今回もオプションのハイファイ・サウンド・システムを堪能しようとお気に入りの疾走系ミュージックを何枚か持ち込んだ。昨日は B'z やアン・ルイスといったイケイケ・オラオラ系のロックンロールだったが、今日は久しぶりに、ホンマに久しぶりに車中で T-スクエアを聴くことにした。
 T-スクエアといえば誰が何と言おうと「トゥルース」である。彼らは元々フュージョンというジャンルにカテゴライズされていたこともあって軽薄な音が嫌いな私には無縁のグループだったが、F1グランプリ中継のテーマ曲になったこの「トゥルース」を聴いて F1 のスピード感を見事に体現した曲想がすっかり気に入ってしまった。そのサウンドはフュージョンというよりはインストゥルメンタル・ポップ・ミュージックという感じで、コレなら全然OKだ。
 この曲は日本でF1中継が始まった1987年から12年間の長きにわたって番組オープニング曲だったので、セナ・プロ時代に F1 を見始めた私のような人間にとっては思い入れもひとしおだ。いくら TAK松本やクイーンが好きな私でも、「ゴー・ファーザー」や「フラッシュ・ゴードンのテーマ」では「トゥルース」を聴いた時のような血湧き肉躍るあの高揚感は得られない。B'z の「FEAR」は最高にテンション上がって良かったけど...
 この「F-1 グランプリ」という CD は1980年代後半の3枚のアルバム「トゥルース」「リゾート」「イエス・ノー」からセレクトされたベスト盤で、ジャケット写真が中嶋悟のキャメル・ロータスというのが時代を感じさせる。ただ、選曲面では②「トゥルース」を筆頭に⑥「クライシス」や⑦「プライム」、⑩「オーメンズ・オブ・ラヴ」など、ドライヴのBGMにピッタリのアップテンポなナンバーが入っている一方で、それ以外の楽曲がインパクトに欠けるのは否めない。
 そこで “奈良のジョージ・マーティン(笑)” を自認する私は上記の疾走系チューンを中心に、アイルトン・セナのテーマ曲として忘れ難い「フェイシズ」、なぜベスト盤の選曲から漏れたのか解せないくらいノリノリの「オーヴァーヘッド・キック」、「トゥルース」そっくりの旋律が随所に出てきて微笑ましい「アーケディア」、そして T-スクエア以外にもスターティング・グリッド紹介時に効果的に使われていた D-CREW の「危険濃度」や大橋勇&テール・トゥ・ノーズの「バトル・フォー・ザ・チャンピオンシップ」などを1枚の CD-R に焼いて自家製 F1 コンピとして楽しんでいる。もちろんエンディングは佐藤準の「A Latchkey」でキマリ!窪田等氏の深みのあるナレーションが脳裏をよぎるこの曲は何回聴いてもグッとくるなぁ(≧▽≦)

トゥルース  T-SQUARE


Faces: T-Square


A Latchkey 【佐藤準】

今日から 135i ♪

2010-07-17 | その他
 昨日は 135i の納車前日ということで落ち着かない一日を過ごしたが、先代セヴンとの別れはさすがに万感胸に迫るものがあった。16年もの長きにわたって私の良き相棒として一緒に走り回ってくれたのだ。ドライバーの私にはセヴンが走る姿を客観的に見る機会は滅多になかったので、引き取りに来たマツダの人の運転で去っていくセヴンを見送るのは何だか妙な気分だったが、私は感慨に浸りながらもその姿をしっかりと目に焼き付けた。ありがとう、セヴン... 良い人に巡り合ってくれぃ(T_T)/~~~
 そして今日、BMWの方が 135i で迎えに来られ、私の運転でDラーに向かうことに。シート合わせもそこそこに、いよいよ出撃である。試乗せずに買ったのでホンマのホンマに初走行だ。このエンジン、アイドリング時でもボボボボ♪と結構大きな音がするが、先代セヴンのロータリーの音に慣れていることもあって、直6ツイン・ターボの野太いサウンドは格別な味わいだ。それにしてもテールパイプ太っ(゜o゜)
 走り出してまず戸惑ったのがギアの位置。バックギアが左奥にあるため1速と間違えそうでちょっと不安(-.-) まぁそのうち慣れると思うけど、それまでは慎重にギアチェンジしないといけない。しかも最初のコーナー左折時にウインカーを出そうとしていきなりワイパーを動かしてしまい、焦ってエンストするという大失態(恥) 日本車と外車ではウインカーとワイパーのレバー位置が左右逆やなんて全然知らんかったし、それは輸入右ハンドル車でも同じとのこと。私のは MT 車なので左手めっちゃ忙しいやん(>_<) コレも慣れるしかないが、身に染み付いたクセは中々直らず、Dラーに着くまでに何回もワイパーを作動させてしまった...快晴やというのに(笑)
 乗り心地はランフラットタイヤとは思えないぐらい快適で、それまでのトレノ改やセヴンに比べるとまるで高級サルーンという感じ。まだアクセルを全開にしていないこともあるが、それにしても車内は拍子抜けするぐらい静かで快適そのものだ。前がちょっと開けた時に右足にジワッと力を込めてみるとスルスルッと加速、セヴンのような暴力的な加速感(?)とは違い、その “速さを感じさせない速さ” に大器の片鱗が感じられる。さすがはアウトバーン仕込み、今後が大いに楽しみだ(^o^)丿
 何とか無事Dラーに着き、車の使い方について色々と説明を受ける。必要最低限のボタンしか付いていなかったセヴンと違い、スイッチ類が多すぎてアホな私には使いこなせそうにない(>_<) 特にオーディオ、ナビ、エアコンetc を一括して制御する iDrive システムは使い方が複雑でワケが分からないが、私はナビを使わないので CD さえちゃんと聴ければ問題ない。肝心のサウンドの方は、純正オーディオの音質がネット上でボロクソに言われていたのでかなり心配していたのだが、ラッキーなことにメーカーオプションのハイファイ・サウンド・システムにグレードアップされており、量感豊かな中低音にキレの良い高音と、予想していたよりも遥かに良い音が聴けて大満足だヽ(^o^)丿
 結局1時間弱で納車手続きは完了、帰路は少し慣れてきて一度もワイパーを作動させずに帰宅出来たが、それにしてもまるで装甲車にでも乗っているかのような(←乗ったことないけど...)凄い剛性感だ。華奢でしなやかな走りが身上のセヴンとの一番の違いはココだろう。それと、F1でも使われているブレンボというメーカー製のブレーキがこれまた強烈で、後続車のない所でブレーキ・テストをしてみたが、その効き方はハンパではない。全開走行が楽しみだ(^o^)丿
 そして本日最後の関門が車庫入れである。ウチは狭いガレージにアタマから突っ込む形でしかも斜めに止めるので、門扉やカーポートのピラーに擦らないように慎重にハンドルを切らねばならない。車幅感覚がセヴンとはビミョーに違うので正直ビクビクものだったが何とか成功。いくら何でも納車日に家のガレージで擦ったら世間の笑い物になってしまう。
 もう慣らしの必要も無いので3連休の残り2日でたっぷり走り込もうと思うが、近場ではアクセルを床まで踏み抜いてお馬さん306頭に全力疾走してもらう道がない...(>_<) やっぱり真夜中に京奈和道を走るしかないか(←エエ歳して走り屋かよ...)。でもその前にまず高性能レーダー買いに行こ(^.^)

※さっきオカンを迎えに行った時のこと、室内灯のスイッチを押し間違え、いきなりサンルーフが開いてビックリ(゜o゜) ハイテク装備は苦手やわ(*_*)

街乗りではほとんど無敵っぽいですね(^.^)↓
370z vs Cayman, 135i & s2000 400m Test
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135i がやってくる ヤァ! ヤァ! ヤァ!

2010-07-16 | その他
 車の売買契約書に判をついて以降、役所やDラー、そして大嫌いな警察を行き来して印鑑証明や車庫証明の申請といった面倒臭い手続きに忙殺される日々が続いた。車庫証明は4時半までに行かんとアカンので仕方なく有給取って行ったのだが、その時に冗談で “ケーサツに出頭してきますわ” って言ったら同僚に本気にされてしもうた。 “ワシは犯罪者か!” って言うたら “毎日スピード違反してるやん...” と言われグーの根も出なかった(>_<) まぁそんなこんなでついに明日 135i が我が家にやってくる(^o^)丿 まさにヤァ!ヤァ!ヤァ!である。
 それにしても16年ぶりに車を買い替えるということで、最初は見積りを見てもリサイクル料金がスベッただの、下取り代行費用がコロンだだのと、もうワケのわからんことだらけだ。昔はそんなモンなかったのに、それぞれが万単位で計上されているのにビックリ(゜o゜) 特に呆れたのが “希望ナンバー” という項目で、プレート取得に4,200円、代行手数料に10,500円と、併せて15,000円近くかかるらしい。あほくさ(-.-) よく街中で 11-11 とか 77-77 とかいうゾロ目を付けてイキがってるバカ丸出しのヤンキー(←死語か?)を見かけるが、あんな無意味なことに金を使う神経がわからない。
 しかしもっと凄いのが車庫証明取得代行手数料というヤツで、何と18,900円ときたもんだ(笑) 自分で手続きしたらタダやから完全なボッタクリ価格やね(>_<) コレって暴力バーの “頼んでもいないフルーツ盛り合わせ2万円” となんら変わらない。それでも何の疑問も抱かずに払ってしまう人、結構多いんやろなぁ... 外車Dラー恐るべし!車を買う時は蓮舫にでもなったつもりで無駄な出費はビシビシ仕分けしないといけない(^.^)
 で、肝心の 135i 本体は先々週の金曜に長野から奈良に届いており(←回送代4万円也...)、本契約を済ませた後にDラーの駐車場でその艶やかな御姿を拝ませてもらったのだが、約20台ぐらい置いてあるBMWはすべて白か黒で(←何でも赤は不人気色でリセール・バリューが低いらしい...)、その中で我がセドナ・レッド嬢は渋~い赤が夕陽に映えて一際目立っていた。聞くところによるとこのセドナ・レッド・メタリックという色は太陽光線の強さによって色合いが変わるらしいので今から大いに楽しみだ。内装の赤いレザーシートもめっちゃカッコエエし、もうテンション上がりまくり。担当セールスの方にも “そんだけ喜んでもろたら私も嬉しいですわ!” と笑われてしまった。
 お調子モンの私はあの日以降ますます妄想癖が悪化、 “メーカーの言う通り 25,000kmまでオイル交換不要なんやろか?” とか、 “ランフラット・タイヤってホンマにパンクしても走れるんかいな?” とか、“ iDrive ってゆうコンピューター制御システムに組み込まれてるカーオーディオは外してグレードアップできるんやろか?” とかいった素朴な疑問で頭が一杯になり、ネットでBMWオーナーのブログを読んだりアマゾンで専門誌を買ったりしてお勉強。すべてが未知の世界なので興味深いことだらけだったが、そんなこんなで明日いよいよ納車の日を迎えるのだ。
 そーいえばこの前友人から “レッドブルのセバスチャン・ベッテルみたいに新しい車に名前付けへんの?” と聞かれた。ベッテルは “船と同じように車にも女性の名前を付けようと思ったんだ。セクシーだしね。” と分かったような分らんようなことを言って自分のマシンに Kate's Dirty Sister(ケイトの淫らな妹)や Lucious Liz(官能的なリズ)、そして Randy Mandy(淫らなマンディ)といった名前を付けていたが、それも中々面白そうだ(←なんか “淫ら” ばっかりやん...)。私もこの3連休を使ってじっくり名前を考えてみるとしよう。

日本制作の名作CM「クルミ割りカラス篇」↓


こっちはアメリカ版CM↓

King Of The Surf Guitar / Dick Dale

2010-07-13 | エレキ・インスト
 曲そのものは色々な所で使われていて耳にする機会が多いはずなのに、そのタイトルや演奏者はあまり知られていない、というケースが結構ある。今日取り上げるディック・デイルの「ミザルー」もひょっとするとそんな1曲かも知れない。いきなり「ミザルー」と言われても、それこそ “見ざる、聞かざる” で何のこっちゃ?状態かもれないが、あのシビレるようなギターのイントロを聴けば “あぁ、あの曲か!” という人が多いだろう。
 この曲は元々ギリシャのポピュラー・ソングで、正式なタイトルは「ミシルルー」。 “エジプト女性” という意味らしいのだが、そう言われれば何となく中近東風な薫りの漂う旋律もあって、妖しげな魅力を振り撒いている。この曲を一躍有名にしたのはディック・デイル&デルトーンズのエレキ・インスト・ヴァージョンで、サーフ・インスト・ブーム前夜といえる1962年にリリースされウエスト・コースト・エリアでローカル・ヒット。私が初めて耳にしたのはそれから30年以上たった1990年代半ばのことで、当時人気があった格闘技 K1 を見ていてピーター・アーツの入場テーマ曲としてこの曲が流れてきた時はブッ飛んだ。まるでガレージ・パンク・バンドのようなスリリングなサウンドのインパクトが強烈で、誰が演ってんねんやろ?と気にはなったが、ジャズにどっぷりハマッていた時期だったこともあってそれ以上は追及しなかった。
 その数年後、映画「タクシー」の DVD を見た時にこの曲と再会、冒頭で主人公が宅配スクーターで街中を疾走するシーンとスピード感溢れる曲想がピッタリ合っていて感心したものだが、ちょうど時を同じくしてエレキ・インスト・ミュージックにハマっていたこともあって、色々調べてこのディック・デイル盤に辿り着いた。聞くところによると「パルプ・フィクション」という映画にも使われていたらしいのだが、そっちの方は見ていないのでよく分からない。
 届いた CD で早速この③「ミザルー」を大音響で聴いてみて、異常なまでのハイ・テンションで突っ走るギター、どこか哀愁を感じさせるホーンのメロディー、絶妙なグルーヴを生み出すドラミングと、他のエレキ・インスト・バンドとは激しく一線を画すそのアグレッシヴなサウンドに圧倒されてしまった。尚、他に私が知っているこの曲のカヴァーもすべてインスト物なのだが、2004年のアテネ・オリンピックの閉会式でギリシャ№1ディーヴァであるアンナ・ヴィッシがノリノリでこの曲を歌う姿は妙に新鮮だった。
 米ライノ・レーベルが編集したこの「キング・オブ・ザ・サーフ・ギター」には1961年から64年までの代表曲16曲と80年代の2曲を含めた全18曲が収められており、③「ミザルー」のようにシンプルでありながらエモーショナルなプレイが満載だ。60年代の演奏では②「シェイキン・ストンプ」、⑤「サーフ・ビート」、⑧「ハヴァ・ナギラ」、⑨「ライダーズ・イン・ザ・スカイ」、⑪「ナイト・ライダー」、⑫「ミスター・エリミネイター」、⑯「バンザイ・ウォッシュアウト」といった疾走系チューンがいい。意地悪い言い方をすればどれを聴いてもみな同じ金太郎飴的サウンドというか、「ミザルー」の焼き直しに過ぎないのだが、「ミザルー」好きの私としては大歓迎だ。
 しかしこの盤の真の宝は長~いスランプから復活した80年代録音の⑱「パイプライン」だ。ここで彼は何とあのスティーヴィー・レイ・ヴォーンと共演しているのだから SRV マニアの私としては居ても立っても居られない。何と言っても “サーフ・ギターの王様” と “夭折の天才ギタリスト” の迫力満点のギター・バトルである。耳に馴染んだベンチャーズやシャンティーズのテケテケ・サウンドとは一味も二味も違う重量級の「パイプライン」が圧巻だ。この夢のような共演が聴けるだけでもこの CD を買ってよかったと思う。それにしてもビデオクリップのスティーヴィー・レイ、いつ見てもホンマにカッコエエなぁ... (≧▽≦)

Taxi- Scooter Scene


Dick Dale & Stevie Ray Vaughan - Pipeline (hq audio)


Anna Vissi - Misirlou
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Live In Japan / The Mustangs

2010-07-11 | エレキ・インスト
 私はLP であれ CD であれ、ジャケットを人一倍重視する。もちろん音楽である以上、中身が主役なのは言うまでもないが、少なくとも音楽とその器であるジャケットが一体となって一つのパッケージ商品として流通している以上、両者は密接に結びついており、まさに不可分なものだと言えるだろう。「アビー・ロード」と言えば真っ先に頭に浮かぶのは個々の曲ではなく4人が横断歩道を渡る例のジャケットだし、「サージェント・ペパーズ」もあの絢爛豪華なジャケットなしには考えられない。「クリムゾン・キングの宮殿」の衝撃性はあのグロテスクなジャケットあってのものだし、ピンク・フロイドの「狂気」やディープ・パープルの「イン・ロック」、デレク&ザ・ドミノスの「いとしのレイラ」などは、ジャケットだけで既に名盤のオーラを発している。昨今流行りのミュージック・ダウンロードなどというものは、私に言わせれば音楽文化の破壊以外の何物でもない。
 ビートルズに比べるとベンチャーズのアルバム・ジャケットには “何じゃいコレは???” というものも無いことはないが、中にはキラリと光るジャケ名盤も少なくない。私が一番好きなのは、ヌッと突き出た3本のモズライト・ギターのヘッドとハトが豆鉄砲を食らったような表情の金髪美女とのコントラストがたまらない「ノック・ミー・アウト」で、バリバリと歪んだモズライト・ギターのサウンドが聞こえてきそうな名ジャケットだ。ライヴ盤では「ベンチャーズ・イン・ジャパンVol. 1」が断トツに素晴らしい。神社の前で蛇の目傘を持った着物姿の女性と談笑する4人の姿が印象的なこのジャケット、何と言ってもベンチャーズ自身が「ベンチャーズ1999-2006」(青盤)でセルフ・パロディしているぐらいだから相当気に入っているのだろう。
 そんなある時、 “エレキ共和国” という、エレキ・インスト・ファンの聖地のようなサイトを見ていて上記の「ベンチャーズ・イン・ジャパンVol. 1」のパロジャケと思しき CD を発見!それが今日取り上げるムスタングスの「ザ・ムスタングス・ライヴ・イン・ジャパン」である。彼らは1980年代から活躍しているフィンランドのエレキ・インスト・グループで、同じ北欧出身の先輩バンドであるスプートニクス直系の透明感溢れるサウンドが特徴だ。
 この「ザ・ムスタングス・ライヴ・イン・ジャパン」はほとんどの曲が3分以内なので一気呵成に聴き通せてアッと言う間に全22曲63分が過ぎ去っていく。のっけからザ・サウンズの①「エマの面影」、そしてベンチャーズ歌謡の定番②「二人の銀座」という哀愁の名曲2連発で一気に彼らの世界に惹き込み、その後は全盛期のスプートニクスが現代に蘇ったかのような北欧系エレキ・サウンドのアメアラレ攻撃で気持ちエエことこの上ない。特に哀愁舞い散る⑪「Ajomies」(霧のカレリア)なんかは絶品だ。
 ライヴの後半ではベンチャーズというよりも小山ルミで有名な⑯「さすらいのギター」、太田裕美の⑲「さらばシベリア鉄道」、そして加山雄三&ランチャーズの⑳「夜空の星」と、まさに怒涛のような昭和歌謡の嵐に涙ちょちょぎれる。この流れの中で聴くとロシア民謡の⑰「ダーク・アイズ」(黒い瞳)だって、聴きようによってはザ・ピーナッツの「恋のフーガ」に聞こえなくもない(笑) そういえば彼らは他の盤で黛ジュンのカヴァーなんかも演ってたし、私のような昭和歌謡好きのエレキ・インスト・ファン(←結構多いと思う...)は要注目のバンドだろう。
 パロジャケ盤は玉石混交で、これまでも面白そうなジャケットに釣られて買ってカスをつかむこともあったが、虎穴に入らずんば虎児を得ず(←そんな大袈裟な...)、このアルバムは買って大正解だった。ただ、録音がキレイすぎるのが玉にキズで、もっと野太い音で録っていれば60'sのバンドみたいなギザッとくるサウンドになったとは思うが、それ以外は文句ナシ。特に「さらばシベリア鉄道」~「夜空の星」と続く昭和歌謡版疾走系エレキ・インストの真髄が聴けるだけでこのアルバムは超愛聴盤なのだ。

The Mustangs - さらばシベリア鉄道


The Mustangs - さすらいのギター

Ventures On Stage

2010-07-08 | エレキ・インスト
 私は “日本の夏” といえば “金鳥の夏” と続けたくなるコテコテの昭和世代だが、エレキ・インスト・ファンにとっては “夏だ、エレキだ、ベンちゃんだ!” ということで、 “夏といえばベンチャーズ” がお約束。まぁ土用の丑の日が近づくとウナギが食べたくなるのと似ているのかもしれないが、私も毎年この時期になるとなぜか無性にベンチャーズが聴きたくなってくる。
 彼らが信じられないくらいのハイ・エナジー、ハイ・テンションを維持し、ロックンロールの王道を行っていた1960年代のアルバムはどれもこれも甲乙付け難い出来で、特に1965年前後のアルバムなんかもう神懸かり的とでも言えそうな物凄い演奏が目白押し。私はスリリングでグルーヴィーな彼らのプレイを大音響で聴きながらユルユルに弛んだ精神にカツを入れ、明日への活力にしている。
 数年前に plinco さんのおかげでナツメロ・サーフィン・インスト・バンドではなく超一流のロックンロール・バンドとしてのベンチャーズに開眼した私は、彼らのディスコグラフィーを参考にしながら eBay で彼らのオリジナル盤を集めていったのだが、この「ベンチャーズ・オン・ステージ」は大名盤「ライヴ・イン・ジャパン」と時期も曲目も殆ど被っていたこともあって、その “60's ベンチャーズ音源・根こそぎ(?)ゲット・プロジェクト” の最後の最後に買った1枚だ。落札価格はたったの $3.00で、ほとんど送料のみで入手できてめっちゃ嬉しかった。尚、このアルバムは当時日本だけで発売されていた「ライヴ・イン・ジャパン」が大ヒットしていたこともあり英米のみで発売され、日本ではここから3曲がEPとして出されたのみで、フル・アルバムとしてのリリースはそれから12年後の1977年になってからという非常にややこしい状況を引きずる1枚だ。
 LP のライナーによるとこのライヴ盤は1ヶ所で収録されたものではなく、A面の4曲①「ワイプ・アウト」、②「ジャーニー・トゥ・ザ・スターズ」、③「10番街の殺人」、④「キャラバン」が日本、B面前半の3曲①「ペダル・プッシャー」、②「アパッチ '65」、③「バンブル・ビー」がイギリス、後半の3曲④「ドライヴィング・ギターズ」、⑤「ウォーク・ドント・ラン~パーフィディア~ララバイ・オブ・ザ・リーヴズ」、⑥「イエロー・ジャケット」がアメリカでのライヴということになっている。 “へぇ~、日本公演以外のライヴも聴けるなんてラッキー(^o^)丿” と期待に胸を膨らませて LP に針を落とすと聞こえてきたのは明らかに不自然な拍手や歓声が被せられたベンチャーズの演奏で、特にB面の英米ライヴなんかもう断続的に黄色い歓声が乱れ飛ぶというめちゃくちゃなオーヴァーダブ(←ビートルズのパリ・オランピア・ライヴみたいな感じ...)が施されており、何か割り切れないものを感じながら聴いていた。もうちょっとマシな編集はでけへんかったんかねぇ...(>_<)
 その後、ベンチャーズ版「ウルトラ・レア・トラックス」というか「アンサーパスト・マスターズ」というか、いわゆるひとつの未発表音源集「イン・ザ・ヴォールツ」シリーズの Vol. 4 がイギリスのエース・レコードからリリースされ、その中でA②④B①③④⑤⑥の拍手・歓声ナシ “アンダブド・ヴァージョン” が聴けた時は大感激!寄せては返す波のような不自然な歓声のうねりに邪魔されずにベンチャーズの演奏が楽しめてめっちゃ嬉しかった。
 結局この「ベンチャーズ・オン・ステージ」はペギー・リーの「ビューティー・アンド・ザ・ビート」etc と同じく偽装ライヴ盤だったワケだが、この頃のベンチャーズは観客を前にしたステージ演奏であろうとノー・オーディエンスのスタジオ・ライヴであろうと関係なしに凄まじい演奏を繰り広げていたことは厳然たる事実。特にノーキー・エドワーズのスリリングなギター・ワークとメル・テイラーの爆裂ドラミングには言葉を失う。中でも「ライヴ・イン・ジャパン」に入っていないB①「ペダル・プッシャー」は必聴の名演だ。このアルバムは音質の面でも編集の面でも「ライヴ・イン・ジャパン」には遠く及ばないが、ベンチャーズ・ファンならこの1曲のためだけにでも買う価値はあると思う。

ペダル・プッシャー

ウクレレ・ベンチャーズ / U900

2010-07-05 | Cover Songs
 先週あたりからめちゃめちゃ暑くって、夏が苦手な私はかなり凹み気味。こんな時はウクレレの涼しげな音色に代表されるユル~い音楽がピッタリだ。ウクレレというと普通はキワモノというか決して主役を張れない楽器のように見られがちだが、少なくとも私のブログでは堂々の VIP 待遇で、これまでも「ウクレレ・ビートルズ」の1と2(←1の方はボロカスやったけど...)を始め、「ウクレレ・ジブリ」や「ウクレレ・ウルトラマン」など、数々のウクレレ盤を取り上げてきた。元カーズのグレッグ・ホークスによる「ビートルズ・ウキ」なんかは中々の傑作だと思うし、サンディーがウクレレ・サウンドをバックにオールディーズをカヴァーした「ウクレレ・ドリーミング」は超の付く愛聴盤だ。妖しさ満点のイエイエ娘・マレーヴァの「ウクイエイエ」もその筋系が大好きな人にはたまらない1枚だろう。
 とまぁこのようにウクレレ大好き人間の私が最近見っけた掘り出し物がこの「ウクレレ・ベンチャーズ」である。私が定期的にやっている “ベンチャーズ検索” の網に引っかかってきたのがこの CD で、編みぐるみのウサギとクマをフィーチャーしたジャケットがゆるキャラ好きな私の目を惹いたのだ。ベンちゃん・トリビュートのお約束である “STEREO” ロゴもファン心理をくすぐってくれる。ユニット名はU900(「ゆー・きゅうひゃく」と読むらしい...)で、ウサギのU(ウー)とクマの900(クレレ)のデュオで “ウクレレ” というオチである。 “また変な盤を見つけよったなぁ...” と思われるだろうが、珍盤・奇盤・怪盤の類を見つけて楽しむのが生き甲斐(?)の私はこーゆうおバカなアルバムが大好きだ。
 収録曲は全6曲で約17分のミニ・アルバムにミュージック・クリップ3曲収録(歌う編みぐるみがめっちゃカワイイ!!!)の DVD が付いて約960円、アマゾンでは CD に DVD が付くと再販制度の対象外ということで値引き率が高くなる(←CD オンリーよりも DVD 付きの方が安いなんて、何かワケのわからん制度やね...)のだが、コレなんか定価の約半額で新品をゲットできて超お買い得だった(^.^)
 “ワン、トゥ、スリー、フォー!”というユル~いカウントから始まる①「ダイアモンド・ヘッド」は “ウッ!” “ハッ!” という掛け声でも大いに和ませてくれるが、何と言っても “口(くち)テケテケ” には大笑い。もちろんウクレレの演奏も中々エエ味を出してはります。②「ウォーク・ドント・ラン」も正直こんなにウクレレの音色が合うとは思わなかった。コレ、めっちゃ気に入ったわ(^o^)丿 発売当時の邦題「急がば回れ」が鼻歌みたいなヴォーカルで “いそ いそ がば がば... まわれ” とサウンド・コラージュ的に処理されているところも面白い。
 コレに続く③「アパッチ」や④「テキーラ」も涼しげなウクレレの音色にバッチリ合ったアレンジで言うことナシ。コレはもう、以前取り上げた「津軽三味線・プレイズ・ベンチャーズ」と双璧をなす “異色ベンチャーズ・トリビュート” と言えそうだ。特に④で炸裂する “テキーラ!”→“素敵ーラ!”→“画期的ーラ!” 三段活用にはワロタ...(^o^)丿 ⑤「10番街の殺人」は例の必殺のイントロをウクレレで脱力コピー、 “口(くち)テケテケ” も全開だ。波の音の SE をバックに完全にハワイアンと化した⑥「パイプライン」も面白い。尚、2分47秒以降は別の曲(←よくワカランけど多分ハワイアンのスタンダード?)とメドレーになっている。
 ベンチャーズ全盛期の名曲を片っ端からウクレレ+脱力ヴォーカルでユル~くカヴァーしたこの CD 、疲れて帰ってきてシャワーを浴びてサッパリした後なんかに聴くと思いっ切り癒される、究極のリラクゼーション・アルバムだと思う。尚、7月21日にはこのノリでビートルズを脱力カヴァーした「ウクレレ・ミステリー・ツアー」がリリースされるらしいので今から大いに楽しみだ(^o^)丿

U900 -Diamond Head


U900 -Walk Don't Run

四代目は BMW 135i

2010-07-04 | その他
 外車というとまず頭に浮かぶのは「高いくせに壊れやすい」というネガティヴ・イメージ。いくらスタイルがカッコ良くってもしょっちゅう壊れていてはハナシにならない。そこでメーカー保証の付いた認定中古車に狙いを絞ることにした。中古車なら値段は国産とあんまり変わらんし(← GT-R や Z の新車より安い...)、保証付きだから万一故障しても安心だ。ただ、フランス車やイタリア車は理不尽な壊れ方をするし、アメ車はデカすぎるしで論外... となると狙いはやはりドイツ車しかない。
 私は1980年代からの F1 ファンで、特にポルシェと BMW に強い憧れがあり(←いくらシューマッハが乗っててもメルセデス・ベンツはオッサンかヤーサンの車というイメージしかない...)、とりあえずネットでこの両メーカーの車を検索。ポルシェ911は中古でもめっちゃ高いので予算的にアウト。ボクスターは不便な2シーターなので(←真っ赤なポルシェ~♪に乗ってみたかったけど...)泣く泣く除外した。そもそもポルシェの中古車はそのほとんどが左ハンドル。私には実用性を犠牲にしてまで日本で左ハンドル車を選ぶ神経が分からない。
 もう一方の雄 BMW は認定中古車一覧で “右ハンドル、MT” を条件に検索すると、私の予算内でこの条件を満たすのはわずか9台しかなかったが、その中に1台だけ “ハッとする” 車があった。クーペ・スタイルのコンパクト・ボディに 3.0Lの直列6気筒DOHC パラレル・ツインターボ・エンジンを搭載した 135i である。エンジンは7,000回転までストレスなく一気に回り、最大出力306馬力は先代の RX-7 (255馬力)をも軽く凌ぐというモンスター・マシンだ。しかも街乗りでは馬力よりも遥かに重要な最大トルクが驚異の40.8kgmで、しかもそれを1,300回転で発生し、5,000回転まで続くというから凄まじい。セドナ・レッド・メタリックと呼ばれる、ちょっとオレンジ・ブラウンがかった落ち着きのある赤色のボディに赤いレザー・シートの組み合わせもめっちゃシックでカッコイイ!!! やっぱり車は赤に限るね...(^.^)
 こーなるともう仕事なんか全く手につかない。頭の中は “絹のように滑らかに回る” と言われる “シルキー6” エンジンへの妄想で一杯だ(笑) ただ、私が目を付けた1台は取り扱いが長野のディーラーなので試乗しに行くにしてもめっちゃ遠いし、アフター・ケアとかを考えると色々とややこしそうだ。たまたま先週の金曜に有休が取れたので、とりあえず県内のディーラーを廻ってみることにした。
 最初に行った郡山の認定中古車センターは対応がイマイチだったので聞きたいことだけ聞いて早々に切り上げる。押しつけがましいセールスは大嫌いだ。しかし次に行った奈良本社のディーラーは中々エエ雰囲気で、対応してくれた方も律儀そのもの。BMW の MT は超希少で(←まぁ普通はオートマに乗るわな...)320i という車種が1台あるだけということだったが、残念ながらパワーは156馬力、最大トルクも20.4kgmしかない。つまり RX-7 から100馬力ダウンなワケで、コレではいくら何でも物足りない(>_<)
 そこでダメもとで他県ディーラーの車を取り寄せてもらえないかと打診してみたところ快く応じて下さり、上の方で話を着けていただいた。ホンマに言うてみるモンやねぇ...(^.^) 結局トントン拍子に話がまとまり、昨日本契約を済ませてきた。まぁ赤の 135i なら先代の FD も心おきなく引退できるだろう。これから四代目襲名、じゃなかった納車の日まで、色んな手続きやら何やらで忙しくなりそうだ(^o^)丿

BMW 135i


BMW 135i vs M3 E92 DRAG RACE

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三代目 RX-7 引退 ~ Thank you, FD!!! ~

2010-07-03 | その他
 このブログは基本的に自分がその時にハマっている盤を紹介する音楽ブログの形態を取っているが、自分の日記代わりの側面もあるのでたまには音楽以外のことも書いてみようと思う。ということで今日は音楽ではなく車の話です。興味のない方はスルーして下さい。
 私の愛車は赤の RX-7(FD)で、もうかなり長い間乗ってきたが、ついに車を買い替えることにした。正直言って1ヶ月くらい前までは買い替えなんてまったく考えてもいなかったのだが、先月京奈和道を走っていた時にオイル警告灯が点灯し、“2月に交換したばっかりやのに何で???” と思ってチェックするとオイル漏れが発覚(゜o゜) プーリーもヘタッてきててベルトが滑り気味やしマツダの脆弱な塗装のおかげで色も褪せてきているしで、試しに知り合いの車屋さんに部品交換+全塗装で見積もってもらうと40万近くかかるらしい。セヴンも新車で購入してから16年になり、走行距離も軽く10万キロを超えた。これまでも、まだ5万キロを超えたぐらいの時にエンジンブローしたこと(←レーシングカーじゃあるまいし...)やハンドブレーキのワイヤーが切れたこと(←あり得へん...)など、数々のトラブルを乗り越えて連れ添ってきたが、事ここに至ってはいよいよ潮時かもしれない。セヴンよ、これまで本当にありがとう(^o^)丿
 しかし最愛のセヴンの後継車となるとコレが非常に難しい。維持費を考えると国産車がベストに決まっているが、ネットで色々調べてみてもロクな車がない。私はスポーツカー以外は眼中にないので、今人気のエコカーやワゴン車なんかは最初から対象外だ。セヴンを買った1990年代には NSX や MR-2 のようにまだまだカッコイイ流線型の車が多く、どれにするか結構悩んだものだったが、今の日本車はどれもこれも判で押したように醜いズングリムックリなスタイルばかりでガッカリ。車を単なる移動手段と割り切れればそれでいいかもしれないが、私の車選びの基準はあくまでも “ハッとする” こと(←成長せぇへんなぁ...)。私にとってはクラウンもパジェロもダイハツミゼットも(笑)みな同じ鉄の塊にしか過ぎない。要するに “一目惚れ” するような車でないと大枚を叩く価値が無いのだ。極論だが(←このブログは極論・私見・偏見の塊やけど...笑)車はいくら速くても美しくなければ意味がないと固く信じている。
 メーカー別に言うと、まずマツダは正直言ってもうこりごり。雨が降った後にリアのトランクを開けるとそこに溜まった雨水がドッと車内に入ってくるという設計ミスとしか思えないような造りといい、ちゃっちくて壊れやすい内装といい、もしセヴンじゃなかったらとっくの昔に売り飛ばしていただろう。トヨタは全然カッコイイ車が無いのでパス。日産には GT-R やフェアレディZがあるが、いかんせんデカくて重いし、スタイルもあまり好みではないので×。ホンダはシビック・タイプRなんか V-TEC エンジンがめっちゃ良さそうなのだがやはりスタイルがイマイチなので×。NSX(←国産車では断トツの美しさだと思う...)の中古車も考えたが、悲しいことにウチの狭いガレージには入りそうにない。まさか車に合わせて家を潰すというワケにもいかないので諦める。スバルのインプレッサや三菱のランエボあたりが選択肢の中では一番マシなのだが、前から見た時の車の顔がどーしても好きになれない。こんなん乗るぐらいやったらセヴンを全塗装した方がいいとさえ思ってしまう。しゃあないので同額の予算で買える外車も一応調べてみることにした。 (つづく)

εfini RX-7 TV CM


Mazda RX 7 VS Nissan Skyline R34 GT R in a touge battle

Hello, Satchmo! / Louis Armstrong

2010-07-01 | Jazz Vocal
 空耳貢献アーティスト・シリーズ(?)もマイコー、プリンスに続いて3回目、今日はジャズ界随一の空耳アーティストで、サッチモの愛称でも親しまれているルイ・アームストロングでいってみよう。
 彼は1920年代から活躍していたジャズ・トランペッターの巨匠なのだが、一般の音楽ファンにとっては独特のしわがれ声のヴォーカリストとしての方が有名だろう。特に日本では彼のヒット曲「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド(この素晴らしき世界)」が1980年代にホンダ・シビックのCMソングとして頻繁にテレビで流れていたので彼の歌声を耳にしたことのある人も多いはずだ。又、1964年の2月1日から5月2日までの14週に亘って全米№1を独占したビートルズ(「抱きしめたい」~「シー・ラヴズ・ユー」~「キャント・バイ・ミー・ラヴ」)の連続記録にストップをかけた「ハロー・ドーリー」を歌っていたオッサンが他でもないこのルイ・アームストロングというのもビートルズ・ファンの間ではよく知られた話だ。
 彼の魅力は何と言ってもその温か味溢れる歌声にある。美声とは程遠いしわがれ声だし、それほど歌唱力があるようにも思えないのだが、彼が歌うとどんな歌でもハートフルな響きでもって聴く者の心にスーッと沁み入ってくるのだ。若い頃は彼の良さがあまり分からなかったが、最近になってやっとこのワン・アンド・オンリーな魅力に開眼した。ロック一辺倒だったのが様々な音楽を聴いて耳が肥えてきたのか、ただ単に人間が丸くなったのかは分からない。
 まぁどういう理由であれ今ではサッチモを楽しめるようになってメデタシメデタシなのだが、そのきっかけになったのが例によって空耳アワーというのだから人生何がどう転ぶか分からない(^.^) で、私をサッチモ・ファンにしたケッサク空耳が下に貼り付けた3曲で、それぞれ「オチ・チョ・ニ・ヤ」は1分23秒に “鼻から母乳~♪” 、「チーク・トゥ・チーク」は2分25秒に “できれば スパゲティ~♪” 、「エイプリル・イン・ポーチュガル(ポルトガルの四月)」は0分44秒に “あんさん、日本人~♪” と聞こえるのだ。モノは試し、空耳未体験の方は一度聴いてみて下さいな。
 何だかとんでもない紹介の仕方になってしまったが、そんなサッチモの決定版CDとなると活動時期が長い分迷ってしまうが、藤子不二雄が描いたジャケットの魅力でこの「ハロー・サッチモ」にしよう。①「ハロー・ドーリー」、②「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」はもちろんのこと、空耳3曲中⑯「オチ・チョ・ニ・ヤ」と⑬「エイプリル・イン・ポーチュガル」の2曲もちゃーんと入っている。「チーク・トゥ・チーク」はヴァーヴの名盤「エラ・アンド・ルイ」を買って、歌伴のお手本のようなオスカー・ピーターソン・トリオの粋な演奏も一緒に楽しむのがいいと思う(^.^)
 上記の曲以外で特に気に入っているのは、オールド・ジャズの楽しさ溢れる③「ホエン・ザ・セインツ・ゴー・マーチング・イン(聖者の行進)」、⑥「ジーパーズ・クリーパーズ」、⑦「キャバレー」、⑧「ラ・ヴィ・アン・ローズ(バラ色の人生)」、⑰「ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ」あたりで、どれもこれも彼の持ち味が良く出た名唱だ。一度サッチモの渋い歌声の魅力にハマると中々抜け出せない。
 音楽のスタイルだけで言えば確かに古臭さは否めないが、彼の滋味溢れる歌声には時代を超えて心に響くサムシングがある。そんなサッチモの魅力を凝縮したようなこの CD 、楽しいジャケットと相まって気に入っている1枚だ。

Louis Armstrong - Otchi-Tchor-Ni-Ya


Louis Armstrong & Ella Fitzgerald - Cheek to Cheek (Heaven)


April in Portugal