shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Beach Boys Medley

2008-11-20 | Oldies (50's & 60's)
 音楽仲間内で「苦手な名盤」というのが話題に上ったことがある。世間の評価はめっぽう高いのに自分にはどうしてもその良さが分からない、いや、一体コレのどこがそんなにエエねん!と誰彼かまわず問い詰めたくなるような盤のことである。ジャズの世界では特に60~70年代のレコードに「マイナーな世界で自己満足に浸ってそんなに嬉しいか!」と言いたくなる様な “ワケの分からん名盤” がたくさんあって正直とても付き合いきれないのだが、ロック/ポップスの世界でも時々そういった迷盤に遭遇することがある。特にそれがビッグ・ネームの場合はやっかいだ。実は “ビーチ・ボーイズのサージェント・ペパー” の異名をとるほど世評の高い「ペット・サウンズ」こそが、ロックにおける私の “苦手な名盤” の最右翼なんである。
 このレコード、評論家もミュージシャンも一般のファンもほとんどの人が大絶賛しいるのだが、私の耳には「何コレ?」って感じでまったく楽しめない。私の唯一の味方(?)はブライアン・ウィルソン以外のビーチ・ボーイズ・メンバーたちで、彼らも私と同じように「ペット・サウンズ」をこき下ろしてるのだ。ブライアンが殆ど一人で仕上げたラフ・ミックスを初めて聴かされたメンバーのマイク・ラブが怒りをあらわに「誰がこんなの聴くんだ、犬か?!」(←そこまで言うか...笑)と言ったことから「ペット・サウンズ」というタイトルがつけられた、というエピソードは有名だ。
 じゃあお前の好きなビーチ・ボーイズは何やねん?と問われれば、初期のシングルは全部好き!と言いたい。「サーフィン・USA」はもちろんのこと、「ファン・ファン・ファン」「アイ・ゲット・アラウンド」「ヘルプ・ミー・ロンダ」「リトル・ホンダ」「夢のハワイ」「ダンス・ダンス・ダンス」「サーフィン・サファリ」「バーバラ・アン」「グッド・ヴァイブレーション」... 理屈ぬきで楽しい気分にさせてくれるこれらの名曲たちこそが私にとってのビーチ・ボーイズなのだ。この「ビーチ・ボーイズ・メドレー」は81年に例のスターズ・オン45が火をつけたメドレー・ブームに乗ってブライアン自らがテープにハサミを入れて上記のヒット曲群を繋ぎ合わせたもので、その鋭いセンスと見事な仕上がりに彼の天才を見る思いがする。楽しくなくて何のビーチ・ボーイズか!このレコードを聴くにつれ、その思いを強くするのである。

the beach boys medley