音楽ファンなら「恋はみずいろ」のあの有名なメロディーはどこかで耳にしたことがあるかもしれないが、ヴィッキー・レアンドロスという名前にはピンとこないという人が案外多いかもしれない。私も数年前にフランスやイタリアを中心としたヨーロピアン・ポップスにハマるまで彼女のことは全く知らなかった。時を遡って後追いせねばならないというハンデ、しかも比較的情報の少ないヨーロッパ系ということで、とりあえずどんな歌手かを知るために手頃なベスト盤CDを1枚買って気に入ったらオリジナル・アルバムをどんどん聴いていくようにしていたのだが、彼女のこのベスト盤CDは期待を遥かに上回る素晴らしさで、その後彼女のオリジナル・アルバムを eBay で獲って聴き狂ったものだった。
彼女はギリシア生まれのドイツ育ちで、64年に15才でデビューしたが、彼女の名を世界的に有名にしたのは67年のユーロヴィジョン・コンテストにルクセンブルグ代表として参加し、「恋はみずいろ」で入賞したことである。この曲は他のアーティスト達もこぞって取り上げ、翌68年にはポール・モーリアのインスト・ヴァージョンが5週連続全米№1という大ヒットを記録するほどの人気だったのでそちらの方をご存知の方も多いだろう。そーいえばB’zのライブで松本さんも「もう1度キスしたかった」のエンディングにこの曲の一節を引用されていた。その哀愁漂うマイナー調のメロディーは日本人の心の琴線を震わせずにおかない必殺の旋律に溢れており、1度聴いたら忘れられない。こういうのを絵に描いたような名曲というのだろう。そんな「恋はみずいろ」も素晴らしいが、水も滴るようなヴォーカルで曲の魅力を見事に引き出した弱冠18才のヴィッキーも素晴らしい。彼女はその美貌からアイドルとして語られることが多く、その歌唱力は過小評価されているように思えるのだが、低域から高域まで気持ち良く伸びる歌声でまるで昭和歌謡のように情感を込めて歌い上げる表現力は特筆モノだ。しかも彼女の場合、フランス語、英語、そして日本語(←めちゃくちゃ上手い!)の3ヶ国語で歌えるのも大きな強みだろう。このベスト盤CDには全19曲が収められているが、どれもこれも甘酸っぱくて懐かしく、そして素晴らしい。彼女の代表曲①「恋はみずいろ」以外では、説得力溢れる歌声でビージーズのオリジナル・ヴァージョンを完全に凌駕した③「星空のマサチューセッツ」、彼女の切々としたヴォーカルが胸に食い込んでくる名唱④「思い出のなかで」、とても外国人が歌っているとは思えないような流暢な日本語で歌うコテコテの昭和歌謡⑦「時の流れのように」、哀愁舞い散る歌声でメリー・ホプキンとタイマンを張れそうな⑧「悲しき天使」、小さなスナックでシャンソンを歌っている女性版ひとりパープル・シャドウズのような⑩「悲しみが去ってしあわせが」、「届けてくれた忘れ物 だけどお礼は言わないの あなたが半分食べちゃった 私の好きなチョコレート~♪」って...何ともシュールな歌詞にモナリザも微笑みそうなザ・タイガース風GS⑪「私の好きなチョコレート」etc、名曲名唱の波状攻撃に圧倒され、時の経つのも忘れるほどだ。そこには洋楽も邦楽もなく、ただただ素晴らしい音楽が存在するのみ。最近の音楽はメロディーが希薄で思わず鼻歌で口ずさめるような良い曲が少ないなぁ...(>_<)とお嘆きのポップス・ファンにオススメな1枚だ。
Vicky Leandros - L'amour est bleu
彼女はギリシア生まれのドイツ育ちで、64年に15才でデビューしたが、彼女の名を世界的に有名にしたのは67年のユーロヴィジョン・コンテストにルクセンブルグ代表として参加し、「恋はみずいろ」で入賞したことである。この曲は他のアーティスト達もこぞって取り上げ、翌68年にはポール・モーリアのインスト・ヴァージョンが5週連続全米№1という大ヒットを記録するほどの人気だったのでそちらの方をご存知の方も多いだろう。そーいえばB’zのライブで松本さんも「もう1度キスしたかった」のエンディングにこの曲の一節を引用されていた。その哀愁漂うマイナー調のメロディーは日本人の心の琴線を震わせずにおかない必殺の旋律に溢れており、1度聴いたら忘れられない。こういうのを絵に描いたような名曲というのだろう。そんな「恋はみずいろ」も素晴らしいが、水も滴るようなヴォーカルで曲の魅力を見事に引き出した弱冠18才のヴィッキーも素晴らしい。彼女はその美貌からアイドルとして語られることが多く、その歌唱力は過小評価されているように思えるのだが、低域から高域まで気持ち良く伸びる歌声でまるで昭和歌謡のように情感を込めて歌い上げる表現力は特筆モノだ。しかも彼女の場合、フランス語、英語、そして日本語(←めちゃくちゃ上手い!)の3ヶ国語で歌えるのも大きな強みだろう。このベスト盤CDには全19曲が収められているが、どれもこれも甘酸っぱくて懐かしく、そして素晴らしい。彼女の代表曲①「恋はみずいろ」以外では、説得力溢れる歌声でビージーズのオリジナル・ヴァージョンを完全に凌駕した③「星空のマサチューセッツ」、彼女の切々としたヴォーカルが胸に食い込んでくる名唱④「思い出のなかで」、とても外国人が歌っているとは思えないような流暢な日本語で歌うコテコテの昭和歌謡⑦「時の流れのように」、哀愁舞い散る歌声でメリー・ホプキンとタイマンを張れそうな⑧「悲しき天使」、小さなスナックでシャンソンを歌っている女性版ひとりパープル・シャドウズのような⑩「悲しみが去ってしあわせが」、「届けてくれた忘れ物 だけどお礼は言わないの あなたが半分食べちゃった 私の好きなチョコレート~♪」って...何ともシュールな歌詞にモナリザも微笑みそうなザ・タイガース風GS⑪「私の好きなチョコレート」etc、名曲名唱の波状攻撃に圧倒され、時の経つのも忘れるほどだ。そこには洋楽も邦楽もなく、ただただ素晴らしい音楽が存在するのみ。最近の音楽はメロディーが希薄で思わず鼻歌で口ずさめるような良い曲が少ないなぁ...(>_<)とお嘆きのポップス・ファンにオススメな1枚だ。
Vicky Leandros - L'amour est bleu