shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

キャンディーズ メモリーズ FOR FREEDOM

2015-11-29 | 昭和歌謡
 この時期は日が落ちるのが早いせいか時の経つのがとても速く感じるが、気が付けば今年も残すところあとわずかである。最近は仕事から帰ると例のビートルズのブルーレイやバビロン5のDVDシリーズ(←90年代の作品なのに16:9で制作されてたとは驚き!)を観ながらテレビの前で過ごすことが多かったが、ここにきてもう一つ私をテレビに釘付けにするDVDセットを手に入れた。それがこの「キャンディーズ メモリーズ FOR FREEDOM」である。
「キャンディーズ メモリーズ FOR FREEDOM」ダイジェスト!


 恥ずかしながら私がこのDVDセットのことを知ったのは発売日のわずか数日前だった。やっぱり大好きなアーティストのリリース・インフォメーションには常日頃から目を光らせておくべきだったと反省しきりだが、オークションが忙しくなるとどうしても新作情報までフォローできなくなってしまうのだ。ラッキーなことにたまたまネットでこのお宝アイテム発売のことを知り、慌てて色々調べてみるとどうやらソニー・ミュージックの通販限定商品らしい。
 早速HPを覗いてみると... なにぃ?「ファイナル・カーニバル」の完全版だとぉ...!? 「レッツゴーヤング」や「夜ヒット」etc歌番組出演時の映像を大放出だとぉ...!? 伝説の蔵前ライヴも初商品化だとぉ...!? これはエライコッチャである。オークションなんぞにうつつを抜かしている場合ではない。今を逃せばあっという間に完売してプレミアが付くこと必至である。私は大慌てで即注文したのだが、オーダーが殺到して生産が追い付かず、発送は11月20日頃になるとのこと。アマゾンでは早くも3万円を超える高値で取り引きされているようだが、少し我慢すれば定価で買えるのだ。ということで大人しく待つこと2週間、ちょうど3連休の初日にこの待ちに待った「キャンディーズ メモリーズ FOR FREEDOM」が届いた。
「キャンディーズ メモリーズ FOR FREEDOM」映像第3弾!


 ディスク1はNHKの映像で「レッツゴーヤング」から14曲と「ひるのプレゼント」から12曲を収録。NHKの歌番組は歯が浮くようなクサい演出が嫌で滅多に見なかったが、キャンディーズが出る「レッツゴーヤング」だけは別で新聞の番組欄をチェックして欠かさず見るようにしていたので記憶に残っている映像も多い。レコードよりも少しテンポを上げた躍動感溢れる「年下の男の子」や逆に超スロー・テンポでしっとりと歌う「アン・ドゥ・トロワ」など、見どころ満載だ。「ひるのプレゼント」の方は初めて観る映像ばかりだったが、スタジオ・ライヴということで他の歌番組とは違い専属バックバンドのMMPを大きくフィーチャーしたライヴ感溢れるキャンディーズの歌が楽しめて言うことナシ(^o^)丿 森田公一のピアノに合わせて素晴らしい三声ハーモニーを聴かせる「あなたに夢中」を聴くだけでも彼女達が凡百のアイドル達とは激しく一線を画すスーパー・コーラス・グループであったことが分かるだろう。
キャンディーズ 年下の男の子 - 黄色衣装

わな キャンディーズ 1977

キャンディーズ デビュー曲 あなたに夢中

キャンディーズ危い土曜日


 ディスク2はフジ系列の「夜のヒットスタジオ」、そして今や伝説と化した蔵前国技館の「キャンディーズ・カーニバルVol.2」の映像だ。まず「夜ヒット」の方だが、数ある歌番組の中で私が最もよく見ていたのがこの「夜のヒットスタジオ」だったので、ここに収められた映像はめっちゃ懐かしいものばかり(^.^)  中でも「やさしい悪魔」を初めてこの番組で見た時の衝撃は今でも忘れられない。アンルイスがデザインした衣装といい、カッコイイ振り付け(←デビルサインが最高ですな...)といい、吉田卓郎が作った楽曲の素晴らしさを究極にまで引き出した視覚効果は絶大で、この曲以降キャンディーズは私にとって他の歌手とは違う “別格” の存在になったのだ。
キャンディーズ やさしい悪魔


 1976年に蔵前国技館で行われた「キャンディーズ10,000人カーニバルVol.2」に関してはアルバム「キャンディーズ・ライヴ」で全18曲を聴くことが出来るが映像作品は出ておらず、音だけで我慢するしかなかった。そんなファン垂涎の超お宝映像を収録したフィルム(←当時のフィルムコンサートで使用されたものらしい...)が偶然(!)渡辺プロで発見され、わずか6曲24分とはいえ拝めるのだ! 結果として「ファイナル・カーニバル」への伏線となったこの蔵前ライヴもファン必見の映像と言えるだろう。
キャンディーズ 蔵前2 春一番


 ディスク3はTBS系で、お馴染みの「8時だョ!全員集合」、「歌のグランプリ」、そして「ザ・ベストテン」を収録。中でも彼女達がそのキャリアを通じて準レギュラー的に出演していた「8時だョ!全員集合」はデビュー曲「あなたに夢中」から「微笑みがえし」まで、シングル全17曲すべてを楽しめるのがいい。ついでに私が大好きだった “さぁラン、笑って!” の名シーンも貼っときます。やっぱり昭和の笑いはエエなぁ...(^o^)丿
ドリフ キャンディーズ特集

ドリフのコント キャンディーズ 沢田研二 志村けん


 これらのDVD3枚だけでも大枚をはたく価値は十二分にあるのだが、このセットの目玉はディスク4と5に収録された「ファイナル・カーニバル」の完全版だ。2枚併せて何と全50曲、キャンディーズの3人がファンと共に完全燃焼した怒涛の3時間半にも及ぶコンサートを大画面の美麗映像でたっぷり堪能できるのだからこれ以上の幸せがあるだろうか? ブックレットの解説によると、2008年に TBSの倉庫からマスターテープが発見されたとのことだが、これはもう大袈裟ではなく世紀を揺るがす大発見ではないか! そしてその映像を7年かけて(!)レストアし、音声の方もモノラルながらソニーのスタジオで丁寧にリマスタリングしたというのだから凄い。ビートルズのブルーレイと同様に、このキャンディーズのDVDボックスも望みうる最新のテクノロジーを駆使して最高の音と映像にブラッシュアップされた20世紀の音楽遺産なのだ。
 この2枚のDVDにはアイドルとしての人気とアーティストとしての音楽性を高い次元で両立させながら当時グループとしての絶頂期を迎えていたキャンディーズが最高の状態のままそのキャリアに幕を下ろす歴史的な瞬間が記録されているのだ。これ以上一体何を望めるというのだろう? この「キャンディーズ・メモリーズ FOR FREEDOM」を観終えた今はただ、ランちゃん、スーちゃん、ミキちゃんの3人に “夢をありがとう!” というしかない。それ以外に言葉が浮かばない。キャンディーズと同じ時代に生きることができた幸運をかみしめながら、この家宝とも言えるDVDセットを心ゆくまで楽しみたいと思う。
キャンディーズ ファイナルカーニバル 微笑みがえし

Beatles 1+ [Deluxe Edition]

2015-11-22 | The Beatles
 前回はディスクユニオンの開店セールに行った話だったが、歩き疲れて家に帰るとアマゾンから「ビートルズ1+」が届いていていっぺんに疲れが吹き飛んだ。発売日に届くとはさすがはアマゾンだ。あれからもう2週間になるが、毎晩のように2枚のブルーレイ・ディスクを取っ換え引っ換えしながらHDの美麗映像で動くビートルズを楽しんでいる。この盤は何と7種類ものフォーマットで発売されたのだが、“ブルーレイ2枚狙い” の私は迷うことなくデラックス・エディションをチョイス。輸入盤も送料を考えるとそれほどお買い得感は無かったし、ポールやリンゴによる曲目解説(←あんまり大した内容じゃなかったけど...)の字幕とかもあった方がラクチンなので今回は珍しく国内盤を買うことにした。9月半ばに注文した時には10,584円だったものがアマゾンの予約価格保証とやらで(←映像付きは絶対に下がりますね!)最終的には7,896円と、当初の価格設定よりも2,689円も安く買えて大喜びだ(^.^)
 視聴した感想としては、まず当然ながら画質がめっちゃ綺麗ということ。私はプロモ・ビデオをコンパイルしたブートDVDを数種類持っているが、この「ビートルズ1+」と比べると月とスッポン、天と地ほどの差がある。誰かさんが言った “ゴミになります!” というのはこういう時にこそ使うべきフレーズだろう(笑) 前半の白黒フィルムのパートですら既存の映像に比べるとかなりクリアになっていて “中々やるなぁ...” と感心しながら見ていたのだが(←特に「イエスタデイ」を歌うポールの玉のような汗がめっちゃリアル...)、「ペイパーバック・ライター」以降のカラー・フィルムになるとその差は歴然で、思わずTV画面に釘付けになってしまったほどだ。
 中でも「ペイパーバック・ライター」「レイン」「ハロー・グッバイ」「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」「ヘイ・ブルドッグ」といった66~67年頃の映像の美しさは圧巻で、「ゲット・バック」や「レット・イット・ビー」(←レンズに付着してる糸くずみたいな埃のレストアが不完全!)といった69年のものよりも遥かにクッキリハッキリした鮮明な映像なのだ。古い方がキレイって何でやろ???と不思議に思ったが、ディスク2を観て納得した。ちょうど曲目紹介のタイムカウンター画面で撮影フォーマットが出るのだが、35mmのと16mmのと2種類あったのだ。そこで一つ思い当たるフシがあった。
 私はスタートレックの大ファンでその全作品をコレクションしているのだが、過去のスタトレTVシリーズがDVD / BD化された時に、90年代の「ザ・ネクスト・ジェネレーション」「ディープ・スペース・ナイン」「ヴォイジャー」3シリーズよりも60年代の「宇宙大作戦」の方がめっちゃ綺麗にレストアされて蘇えっていたので不思議に思ったものだった。後で聞いたところによると90年代の3作品が16mmフィルムで撮られたのに対し、60年代の作品は35mmフィルムで撮られたからだという。画質の粗さで言うと、VHSビデオの標準速と3倍速ぐらいの差が感じられるのだ。ビートルズのこのディスクでもその差は一目瞭然で、HD化によって35mmフィルムをレストアした作品の美しさがより際立った(←映画「レット・イット・ビー」は元々TV用に16mmで撮影されたもの)ということだろう。
Strawberry Fields Forever - Restored HD Video


 2枚併せて全54トラックの大半はブートやYouTubeで見たことがあるものだが、中には初めて見てビックリしたものもある。まず悪い意味で驚かされたのは「カム・トゥゲザー」だ。何じゃいあの新興宗教のプロモーションみたいなふざけたCGは!!! ニヤケたジョンが “変なおじさん” みたいな踊りをするところなんかもう怒りを通り越して殺意が沸々とこみ上げてくる。せっかくの名曲が台無しやないか!!! ビートルズをナメんなよヽ(`Д´)ノ この曲のプロモ・ビデオは存在しないのでCDの曲をすべて映像で収録したかったのは理解できるが、こんなアホバカCGを一体誰が喜ぶと言うのか! こんなゴミ以下の映像を入れるぐらいなら「ロックバンド」ヴァージョンを入れてくれた方がまだ浮かばれるというものだ。とにかくこの「カム・トゥゲザー」だけは絶対に容認できない。大袈裟ではなく、これを採用したアップルの制作責任者は万死に値すると思う。
 逆に良い意味で驚かされたのは「エイト・デイズ・ア・ウイーク」で、曲とは関係のないシェア・スタジアムの映像が使われているのだが、コレがめっちゃキレイでビックリ(゜o゜)  アップル、まだまだ隠し玉持っとるなぁ... (≧▽≦) 出し惜しみせずにぜひともシェア・スタジアムの完全版をオフィシャルのブルーレイ盤で出してもらいたいものだ。できれば日本公演の完全版も、どうか私の目の黒いうちに... アップルさん、お願いします、たのみます、おがみます...m(__)m
 とまぁこのように映像のことばかり書いてきたが、もう一つ特筆すべきは音声の素晴らしさだ。私は何ビットとか何ヘルツとかいったPCM関連のテクニカル・タームはサッパリわからないが、さすがはブルーレイというべきか、音声の方も素晴らしい。こんな良い音でビートルズの映像を、しかも大画面で見れる時代が来るとは正直思わなんだ。長生きはするもんやね...(^o^)丿 それと、「リアル・ラヴ」のようにギターのミックスがオリジナルとは違うものもあり、ファンは要チェックだ。
 因みにCDの方はまだ2回しか聴いてないけど、あの音作りは私が聴いてきたビートルズのサウンドとはハッキリ言って全くの別モノだ。作業用BGMにはちょうどいいかもしれないが、スピーカーに対峙して聴く気にはなれない。まぁブルーレイ目当てで買った私にとってはこのCD自体最初っから有っても無くてもいいオマケみたいなモンなのでどーでもいいことなのだが...
 2015年時点でのありとあらゆる最新テクノロジーを駆使して最高の音と映像にブラッシュアップされたこの「ビートルズ+1」はファンにとってはまさに家宝と言える必須アイテムだ。今から40年前にビートルズのフィルム・コンサートで動くファブ・フォーを観て興奮していた頃を思い出すと隔世の感がある。いやはやまったくテクノロジーの進歩はめざましい。あと2~300年もすれば自宅でビートルズのホログラム映像を楽しめる、そんな時代が来るかもしれない。
Restoration of The Beatles 1 Video Collection: Part 1/5

Restoration of The Beatles 1 Video Collection: Part 2/5

Restoration of The Beatles 1 Video Collection: Part 3/5

Restoration of The Beatles 1 Video Collection: Part 4/5

Restoration of The Beatles 1 Video Collection: Part 5/5

ディスクユニオン大阪店のオープンセールに行ってきた

2015-11-14 | John Lennon
 ここのところ仕事が忙しくてストレス溜まりまくりだったので、先週の金曜日の昼から有休を取ってディスクユニオン大阪店の開店セールに行ってきた。ターゲットはもちろんこの3ヶ月ほどずーっと買いまくっているオールディーズの7インチシングル盤という超マイナーな分野なのであまり大きな成果は期待できないが、それより何よりユニオンの大阪進出の様子をこの目で確かめてみたいという好奇心によるところが大きい。場所はアクトスリービルで、開店セールに合わせたかのように同じビル内で開催される梅田レコードCD市とハシゴできるのも効率的でいい(^.^)
 その日は午後3時過ぎにお店に着いたのだが、店舗は昔ディスクJJがあった向かい側の、ちょうどジャズ喫茶があったあたりだ。中に入るととにかく人、人、人で、その異常なまでの人口密度の高さのせいで中々奥へと進めない。入って正面から右側に展開するCDコーナーの方はまだマシだったが左手側のアナログ・コーナーは押し合いへし合いの大人気で、その凄まじい熱気に圧倒される。そのほぼ全員がオッサン(外国人の女性が2~3人いたが...)でしかも目が血走っているというのが笑えるが、大阪でこーゆー光景を見るのはホンマに久しぶりである。私の記憶では15年ぐらい前に行ったジャズ廃盤祭りが確かこんな感じだった。
 私は人の波をかき分けて何とか左手一番奥のこじんまりしたシングル盤コーナーに辿り着き、早速猟盤を開始。店は東京の各店舗に比べるとかなり狭い感じで(←ガラガラのクラシック・コーナーはスペースの無駄やろ...)在庫数もそれなりだ。特にこの7インチ盤コーナーは辺境そのもの(笑)という感じで大賑わいのLP盤コーナーとは雲泥の差だが、その方がかえってゆったりと探せるというものだ。
 事前の予想通りあんまり目ぼしいものは無いなぁ...と思いながらエサ箱を漁っていたところ、何やら見覚えのあるデザインの盤が... おぉ、これはドルトン・レコードのカンパニー・スリーヴではないか! ドルトン・レコードと言えばもちろんベンチャーズである。彼らのシングル盤はあまり売れなかったせいかeBayオークションにもほとんど出てこないのだが、オリジナルLP盤をも凌ぐその音圧の凄さは「ウォーク・ドント・ラン」や「10番街の殺人」のシングル盤で実証済みで、大袈裟ではなくリスニングルーム全体が地鳴り鳴動せんばかりのラウドな音がスピーカーから飛び出してくるのだ。
 しかもラッキーなことに私が引いたのはその週末にeBayでスナイプを予定していた「ファジー・アンド・ワイルド」(邦題は「ワイルドで行こう」)で、それが720円とeBayの約半値で買える計算だ。ベンチャーズというとどうしても “テケテケ♪” 専門のお気楽サーフ・インスト・ロック・バンドと思われがちだが、60年代後期の彼らはファズをギンギンに効かせたバリバリのガレージ・ロックを演っており、ジミー・ペイジやエリック・クラプトン、エディ・ヴァン・ヘイレンといったギタリスト達に多大な影響を与えたというのは有名な話。そして彼らのファズ・ロックの代名詞ともいえるのが他でもないこの曲で、「シンク・フォー・ユアセルフ」のファズ・ベースの音が大好きな私は前々から45回転シングルの音でこの曲を聴いてみたいと思っていたのだ。帰って実際に聴いてみたところ、私の予想を遥かに上回るラウドなロックンロールが聴けて大満足だ(^.^)
The Ventures - Fuzzy And Wild


 ベンチャーズのシングル盤を片手に俄然テンションが上がってきたところで次に見つけたのがジョン・レノンの「イマジン」UKオリジナル・シングルのマト1盤。しかもそれが何と617円というもってけドロボー価格だ! ビートルズ・メンバーのソロ・シングルに一旦手を出してしまうと歯止めが効かなくなってしまうのが自分でもよく分かっていたのでeBayオークションでも意図的に見ないようにしてきた私にとってはまさに “禁断” の領域である。70年代以降はもちろんステレオ盤なので50~60年代のモノラル盤ほど強烈な違いはないかもしれないが、それでもやはりUKオリジナル・シングルの音を一度は聴いてみたいという誘惑はシングル盤に手を出した時から常に私の頭の中にあった。まぁジョンの場合は厳密に言えばNY移住以降はUS盤がオリジナルということになるのだが、ビートルズに関してこれまでUK盤至上主義を貫いてきた私(←60年代キャピトル盤のエコーかけまくりアホバカ・ミックスがトラウマになってる...)はどうしてもUKの2文字には抗えない。それがたったの617円である。私は迷わず買いを決め、とうとう魔界に足を踏み入れてしまった。
 帰って早速同じUKオリジナルのLP盤との聴き比べを開始。「イマジン」が音圧とかエネルギー感を味わうような曲ではないのは百も承知だが、それでも整然と整ったLPの音に比べ、シングルの方はクラウス・フォアマンのベースもアラン・ホワイトのドラムスもより力強く響くような音作りがなされており、「イマジン」でコレやったら「インスタント・カーマ」とか「パワー・トゥ・ザ・ピープル」とかもっと凄いんちゃうか...(^o^)丿と今後に大いなる期待を抱かせられた。因みにこの「イマジン」をきっかけにして1週間でジョンのソロ・シングルを既に10枚ほどゲットしたのだが、届くのが今から待ちきれない。いくら使ったかは考えないことにしている(笑)
 シングルのエサ箱を見終わった後、興味本位でビートルズのオリジナル盤コーナーも覗いてみたところ、「レット・イット・ビー」のUK 1stプレス写真集付きボックス・セットの75,000円にビックリ(゜o゜)  何かもう完全に骨董的価値を持った美術品的な扱いになっているような感じがする。結局ユニオンでの収穫はシングル2枚だけだったが、レジに行くと整理券を渡され(←440番でした...)番号を呼ばれるまで15分ほど待つハメに... みんなLPを脇にごっそり抱えて中国人も顔負けの爆買いをしているので時間がかかっているのだろう。会計を済ませて会員証と乾電池(?)を貰い、ディスクユニオンを辞した。
John Lennon - Imagine (45rpm)

ビートルズ・ルーツ特集⑧Chuck Berry-5

2015-11-03 | Oldies (50's & 60's)
①Back In The USA [Chess 1729]
 この「バック・イン・ザ・USA」という曲は言わずと知れたビートルズの「バック・イン・ザ・USSR」のパロディー元ネタとして有名だ。原曲に出てくる “摩天楼” “ドライヴイン” “ハンバーガー” “ジュークボックス” を “ウクライナやモスクワの女の子” や “バラライカの音色” へと置き換え、“ジョージア”と“グルジア”を引っ掛けたポールの作詞センスはもう見事という他ないし、インドでの作曲時にインスピレーションを与えてくれたマイク・ラヴへのささやかなお返しといえるビーチ・ボーイズ風コーラスも最高だ(^.^) そう言えば “ビートルズはビーチ・ボーイズがチャック・ベリーのコピーをしていることのイミテーションをした” という趣旨の評論をどこかで読んだ覚えがあるが、言い得て妙だと思う。
The Beatles - "Back In The USSR" Mono


 チャック・ベリーのオリジナルは1959年にリリースされたものの折からのロックンロール退潮期と重なったせいか全米チャートでは37位までしか上がらなかったが、曲自体の出来は素晴らしく、ニューヨークやロサンゼルス、デトロイト、シカゴといった地名がポンポン飛び出してくるアメリカ賛歌として大いに楽しめる。バックの演奏もノリノリで、特にジョニー・ジョンソンのグルーヴィーなピアノなんかもう最高だ。このレコードはeBayで$9.99(約1,200円)でゲット、VG+表記だったので少し心配だったがプレイ・グレードはNMクラスでめっちゃラッキーだった(^o^)丿
CHUCK BERRY back in the usa tv 1959


 この曲のカヴァーは何と言ってもリンロン・ヴァージョンにトドメを指す。このノリ、このグルーヴ、最高ではないか! チャック・ベリーの黄金フレーズを見事に再現したダン・ダグモアのギター、コロコロと転がるようにスイングするドン・グロルニックのピアノ(←これホンマに凄いです!!!)、そしてパワフルな歌声を聞かせるリンロンと、まさに絵に描いたような名曲名演だ。
Linda Ronstadt - Back In The USA


 リンロンは1986年にセントルイスで行われたチャック・ベリーの生誕60年コンサートの時もゲスト出演して御大と共演しており、バックに回ってギターとコーラスを担当するキース・リチャーズも含めゴージャスな顔ぶれに圧倒される。御大がダック・ウォークでリンロンの周りをまわったり、歌詞の一節 “Just to be at home back in ol' St. Louis♪” で大盛り上がりするオーディエンスの様子など、この曲は映画「ヘイル・ヘイル・ロックンロール」の中でも大好きなシーンの一つになっている。
CHUCK BERRY, KEITH RICHARDS, ROBERT CRAY - Back in the U S A


②Let It Rock [Chess 1747]
 この曲を初めて聴いた時は一瞬「ジョニー・B・グッド」のセルフ・コピーか何かだと思った(笑) チャック・ベリーの曲には似通ったものが多く、例えば「メイベリーン」と「サーティー・デイズ」のバック・トラックなんてほとんど同じリズムだし、「スクール・デイズ」と「ノー・パティキュラー・プレイス・トゥ・ゴー」の2曲はまるで一卵性双生児と言ってもいいぐらいそっくりだ。前回取り上げた「リトル・クイニー」と「ラン・ルドルフ・ラン」に至っては歌詞が違うだけで全く同じ曲である。極論すれば、チャック・ベリーはいくつかのお気に入りフレーズを組み合わせて曲を紡ぎ出していくのだが、私は彼のフレーズが全部好きだから、出るたびに “あっ、また出た(^o^)丿” といって喜ぶのである。だからこの「レット・イット・ロック」も「ジョニー・B・グッド」のオルタネイト・ヴァージョンとして何も考えずに楽しんでいる。尚、このシングルはアメリカのレコ屋からの一括購入でVG++盤を$9.00(約1,100円)でゲットした。
Chuck Berry - Let It Rock (1960)


 数ある「レット・イット・ロック」のカヴァーの中ではストーンズのヴァージョンが断トツに素晴らしい。これは71年のスティッキー・フィンガーズ・ツアー時のリーズ大学でのライヴ音源で、シングル「ブラウン・シュガー」のB面に収められていたものだが、バック・トゥ・ザ・ルーツを標榜していたこの時期のストーンズらしいストレートアヘッドな演奏がチョーサイコー(≧▽≦) 特に水を得た魚のようにチャック・ベリー・フレーズを弾きまくるキースのノリがハンパない。やっぱりストーンズはこうでなくっちゃ!
ROLLING STONES - Let It Rock (Mono Single Version)


 ストーンズ以外ではヤードバーズのヴァージョンも好きだ。63年のライヴ音源でヴォーカルの弱さが玉にキズだが、バリバリ弾きまくるクラプトンのギターが聴けるだけでもこのレコードの価値がある。クラプトンは誰が何と言おうとラウドなギターをガンガン弾きまくっている時がベストなのだ。
Yardbirds- Let It Rock