shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「With The Beatles」のラウドカット 1G盤も買ってしまった ②

2022-02-28 | The Beatles
 「With The Beatles」ラウドカット 1G盤を手にした私は急いで帰宅。前の日と同じように2回超音波クリーニングを施し、その間にマッキンの240をしっかり温めておいて、システムを万全の状態にして針を落とすと、これまで聴いた中で最高の「With The Beatles」がスピーカーから迸り出てきた。前日の「Rubber Soul」の時と同様に、オルトフォンのモノ・カートリッジがオリジナル盤の1Gスタンパーに感激したのだろう。圧倒的なスケールで迫ってくるサウンドは極上と言ってよく、まるでビートルズのスタジオ・ライヴをかぶりつきの特等席で聴いているかのような生々しさだ。
 そしてもう一つ嬉しかったのは、針と溝の相性が余程良かったのか、お店で聴かせていただいた時よりもノイズ感が更に少なく、EX~EX+レベルの音でラウドカットが楽しめたこと。お客さんにはビートルズのレコードを聴いて良い思いをしてほしいと常々仰っているSさんのグレーディングはとにかくコンサバで自分に厳しく、このレコードも例に漏れずVG++ だったが、少なくともウチのシステムではノイズなんかほとんど気にならないEX+レベルの素晴らしい音で鳴ってくれた。
 そこでふと浮かんだ疑問は “他のラウドカット盤と音がどれほど違うのか?” ということだ。手始めに「Money」のクレジットが Dominion表記の盤(マザー/スタンパーは 3RDG/3DGA)と聴き比べてみたところ、Dominion盤の方は音のデカさは申し分ないものの、ヴォリュームを上げていくとさすがの私でもちょっとうるさく感じてしまうのに対し、この 1G盤の方はそれがなくて大きな音でも気持ち良く聴けるのだ。更に前者は1回聴いたらもうお腹一杯という気分になるが、後者の方は何度でも聴き返したくなる不思議な魔力が音に潜んでいる。音のクオリティーが高いのでいくら音がデカくなっても耳に優しいのだろう。 “ラウドカットならみな同じ”、というワケではないのだ。
 続けて今度はクレジットが Jobete表記のスタンパー 1AH盤、そして次は例の “1L爆美音盤” と、「With The Beatles」を取っ替え引っ替えターンテーブルに乗せて聴き比べてみる。あぁ、何と贅沢なラウドカット・パラダイス(≧▽≦)  上記のDominion盤に比べるとこれら2枚のJobete盤の方はかなり良い線を行っており、特に “1L爆美音盤” は 1G盤と比べさえしなければこれで十分という感じのクオリティーの高さだ。しかしとてつもなくラウドでありながら同時に音に深みもあるという唯一無二の質感は 1G盤でしか味わえないもの。私としては思い切って買って大正解だった(^o^)丿
 すっかり有頂天になった私がSさんにお礼の電話を入れたところ、どうやら2日連続で私に散財させたことを気にされていたようなので “めちゃくちゃエエ音で鳴ってくれてホンマに嬉しいです!” と言うと “一番ラウドカットが好きな人の所へお嫁入りできてあのレコードも幸せでしょう。よかったよかった。” と大変喜んでくださった。“いえいえ、感謝したいのは私の方です、こんな一生モノのお宝盤を売っていただいて... これからすーっと大事に聴いていきます。” とお礼を言って電話を切り、リスニング第2ラウンドに突入した。当分の間はラウドカット・パラダイスで過ごせそうだ (^o^)丿

「With The Beatles」のラウドカット 1G盤も買ってしまった ①

2022-02-26 | The Beatles
 「Rubber Soul」のラウドカット 1G盤に続いてとうとう「With The Beatles」のラウドカット 1G盤まで買ってしまった。「With The Beatles」も「Rubber Soul」と同じくそのラウドカット盤を初めて聴いた時に頭をガツン!とやられたような衝撃を受けた超の付くスーパーウルトラ愛聴盤で、2年前にB-SELSで買った “1L爆美音盤” も含めてUKのラウドカット盤だけで既に3枚持っていたのだが、スタンパーが1Gとなると話は別。とにかく「Rubber Soul」の 1G があまりにも凄かったので、B-SELSで気になっていたもう1枚のラウドカット 1G盤「With The Beatles」を手に入れるチャンスをみすみす逃せば後で絶対に後悔すると思ったのだ。
 この「With The Beatles」も「Rubber Soul」と同様に以前一度聴かせていただいているのでどんな音だったかはよ~く覚えている。てゆーか、あんな凄い音を忘れられるワケがない。商品説明ポップには “UKモノの最高峰 1G 大迫力!” と書いてあるが、まさにその通りの凄まじい音だった。この2ヶ月ほど必死で自制してきたのだが、「Rubber Soul」1G盤でその自制心が木っ端微塵に吹き飛んでしまい、私は2日連続で B-SELSに行くことになった。

 私:まいど。
 Sさん:あれーっ、shiotchさん、今日はどうしやはったんですか?
 私:今日は早朝勤務でその分早く解放されたんで、チャンスと思って来ちゃいました。
 Sさん:それはそれは... ありがとうございます。昨日の「Rubber Soul」はどうでしたか?
 私:今まで聴いた中で最高の「Rubber Soul」でした!
 Sさん:それは良かったです(と満面の笑み)
 私:で、早速ですが聴かせていただきたいレコードがあるんですけど...
 Sさん:どれですか???
 私:(壁面を指差して)この「With The Beatles」 1G盤です。
 Sさん:ほぉ...(とかなり驚かれた様子)
 私:昨日いただいた「Rubber Soul」の 1Gがウチのシステムでこれまで聴いたことがないような凄い音で鳴ったんですよ。それでいてもたってもいられなくなっちゃって... 前から気になってた「With The Beatles」の 1Gをもう1回聴きたいと思ったんです。
 Sさん:わかりました。じゃあ早速聴きましょうか。盤質は昨日の「Rubber Soul」より少しだけキズが多いです。ほとんど音には出ませんが...
 私:(A①「It Won't Be Long」がかかる)おぉ、実に力強い音ですね。ラウドカットの王道をいく音ですよ、これは。
 Sさん:ありがとうございます。
 私:このA面のマザー/スタンパーは 2GOですけど、昨日仰ってた “1G盤の裏面は何故かスタンパーの実力以上の凄い音がする” っていう説、これにも当てはまりますね。凄く良い音ですよ!
 Sさん:そんなに喜んでいただけるとは... (やがてA面が終わって)じゃあ次いよいよB面いきます。
 私:う~ん、楽しみ...♡
 Sさん:B①「Roll Over Beethoven」のイントロが一瞬微かにかすれるように聞こえるんですよね。
 私:そんなん全然平気ですよ。このガンガンくるアグレッシヴさが最高じゃないスか。ロックンロールかくあるべし、と言える音です。あぁ気持ちエエ... (≧▽≦)
Sさん:音量はこれでいいですか?
 私:もっと上げてもらっても私はOKですけど、苦情来るでしょ?(笑)
 Sさん:(別のお客さんが来られたので黙ったままB面ラストまで一気に聴いてから)以上です...
 私:ありがとうございました。やっぱり最高ですね... これいただきます。
 Sさん:えーっ、ホンマに???
 私:もちろんです。
 Sさん:だって昨日の今日ですよ。
 私:実を言うと、今日はこれを買うと決めて家を出たんです。
 Sさん:いやぁ... 何と言っていいのか... 売る方も売る方かもしれませんが、買う方も買う方ですよ(笑)
 私:何言うてはるんですか... だいたいラウドカットの 1G盤がゴロゴロしてるお店の方がおかしいですよ(大爆笑)
 Sさん:ハハハ... 本当の本当にいいんですね?
 私:もちろん! 男に二言はありません。
 Sさん:(満面の笑みで)ありがとうございます!!! まさか2日連続でラウドカットの 1G盤が売れるなんて夢にも思いませんでした。B-SELS始まって以来ですよ。
 私:私の方こそ嬉しくて嬉しくて... 帰ってこれ聴くのが待ちきれませんよ!!! (つづく)

「Rubber Soul」の最高峰、ラウドカット 1G盤ゲット\(^o^)/ ②

2022-02-21 | The Beatles
 私がB-SELSに行くのはたいてい夕方以降なのだが、そんな日は朝から気合いが入る。早よ仕事を済ましてB-SELS行くぞ!とアドレナリンが出まくるのだ。ちょうどその日は無能な同僚のせいで非効率的な仕事に付き合わされて普段ならブチギレるところだが、頭の中は「Rubber Soul」一色なので全然気にならない... というか仕事なんてどうでもいい(笑) 私は勤務時間終了とともに速攻で職場を出てB-SELSへと向かった。比較用に手持ちの「Rubber Soul」ラウドカット盤を何枚か携えて。
 お店に入り、Sさんに “もう1回あの 1G盤聴かせて下さい。” とお願いすると “もちろん!” と二つ返事でOKしてくださった。商品説明ポップには “UKモノの最高峰 1G!!! スゴイ音” と書いてある。ワクワクドキドキ感がハンパない。

 私:今日はA面から聴かせていただけますか?
 Sさん:いいですよ。ただ、盤質は 1GのB面の方が良いんですけどね...
 私:(A①「Drive My Car」がかかる)おぉ、これはめっちゃエエ音してるじゃないですか! これのどこがアカンのですか? VG++どころかEX+レベルですよ。
 Sさん:このあたりは問題ないんですよ。
 私:マザー / スタンパー は 4RMですけど、ラウドカットのお手本て言っていいくらいエエ音で鳴ってますね。
 Sさん:そうなんです。体験的に言って、1G盤の裏面ってスタンパーの実力以上の音がすることが多いんです。何故かはわからないんですけど。
 私:へぇ~、そうなんですか。アナログはホンマに奥が深いですね。このA面は今のところ盤質もエエですし、これでB面の 1Gがこれより盤質良かったらもう大当たり盤ですやん。
 Sさん:いやいや、内周のA⑦「Michelle」でノイズが出たと思います。
 私:(問題の「Michelle」にさしかかって)曲のエンディング部分でちょっとチリパチが目立つくらいですね。この程度なら私は全然OKですよ。A面、私の予想以上でした。
 Sさん:それは良かったです。じゃあB面いきましょう。
 私:B①「What Goes On」ってどのレコードで聴いてもラウドカットみたいな爆音で鳴りますけど(笑)そんな中でもこいつは別格といえる凄まじい音ですね。
 Sさん:ハハハ...
 私:このB②「Girl」、前回聴いた時にも思ったんですが、説得力が違いますね。歌っているジョンの表情まで見えるような感じとでも言えばいいのか... これが 1Gの実力なんでしょう。
Sさん:(笑顔でうなずく)
 私:B③「I’m Looking Through You」のギターのストローク音が他の盤とは違いますね。何か別テイク聴いてるみたいな感じです。
 Sさん:確かに。B④「In My Life」も違いがハッキリ出ますね。
 私:これは価値ありますわ。
 Sさん:盤質も良いでしょ?
 私:いやぁもう文句なしに良いですよ。EX++かNMと言っていいんじゃないですか。
 Sさん:喜んでいただけてよかったです。
 私:B⑦「Run For Your Life」なんかもう汗出てきましたわ(笑)(最後まで聴き終わってから)いやぁ~、ホンマに凄かったです。どうもありがとうございました。ところで今日は手持ちのラウドカット盤持ってきたんですよ。一体どれくらい違うのかを同じ装置の同じ音量で聴き比べてみたくって。
 Sさん:やりましょう。(私がカバンからUKの 1N-3GA盤、バトルロイヤル優勝のデンマーク盤、インドの 1G盤を次々に取り出すのを見て)ハーッ ハッ ハッ ハッ(と大笑いしながら)一体何枚ラウドカットが出てくるんですか... ドラえもんのポケットやあるまいし...(と腹を抱えて悶絶... どうやらSさんの笑いのツボに入ったようだ...)
 私:そんなにウケるとは思いませんでしたわ。とりあえずUKの 3GA盤からお願いします。
 Sさん:これは状態良いですね。とっても良い音してます。
 私:ありがとうございます。でもこのB②「Girl」を聴いて、1G盤とは紙一重の差があるのがよぉわかりましたわ。
 Sさん:確かに違いありますね。
 私:じゃあ次デンマークのラウドカットお願いします。
 Sさん:この音はよく覚えてますよ。何度聴いてもものすごい音ですね。
 私:手前味噌になりますが、こいつは強烈ですね。でもよぉ考えてみるとこれってめっちゃ贅沢な聴き比べじゃないですか。
 Sさん:確かに。じゃあ次、インド盤いきますか?
 私:いやぁ、もう十分です。これ、買います。
 Sさん:エエんですか?
 私:もちろん! この音は借金してでも買う価値ありますよ。一生モノです!!! 先週は IMAX の大画面で「ルーフトップ・コンサート」観れたし、今日は夢の又夢だった「Rubber Soul」の 1G盤を買えたし、ホンマにエエ1週間になりましたわ。
 Sさん:人生を満喫しておられるようで羨ましいです(笑)

 家に帰った私はメシも喰わずにこのレコードを2回(!)超音波洗浄してからターンテーブルに乗せ、はやる心を抑えてA面から聴いていった。う~ん、やっぱりエエ音しとるわ。お店で聴いた時と同じく「Michelle」のラスト数秒以外は文句ナシの状態でラウドカットの爆音が楽しめた。
 そしていよいよ待ちに待った 1GのB面にいく。静寂を破ってスピーカーから飛び出してきたのは間違いなく自分史上最高最強の「Rubber Soul」。あんまり良い音なのでメシも風呂も忘れて3回連続で聴いてしまった。血湧き肉躍る「I'm Looking Through You」や「Run For Your Life」、そしてゾクゾクするような「Girl」や「In My Life」に圧倒される至福の時間はまさに priceless! この音をこれからずーっと聴いていけると思うと嬉しくってしかたがない。これを聴けば仕事の疲れも、ディズニーへの怒りも(笑)みんな吹き飛んでしまう、そんな音である。何度も何度も繰り返し聴きたくなるような、魂を揺さぶる至高の音である。Sさん、素晴らしいレコードを売っていただき本当にありがとうございました!!!

「Rubber Soul」の最高峰、ラウドカット 1G盤ゲット\(^o^)/ ①

2022-02-19 | The Beatles
 私にとって “ビートルズの全アルバムの中で一番好きなレコードは何?” という質問ほど答えに困るものはない。1枚1枚のアルバムにそれぞれ強烈な個性があって、その時の気分で好きな順位がコロコロ変わるからだ。ただ一つ確かなのは、いついかなる時であっても「Rubber Soul」がトップ3から落ちることは決してない、ということだ。
 私がそれほどまでに「Rubber Soul」を愛してやまない理由は、イマジネイションをかき立てる歪んだジャケット・アートワークや、「Norwegian Wood」「Nowhere Man」「Girl」「In My Life」といったジョンの傑作中の傑作が入っていることなど、挙げていけばキリがないが、一番の理由はUKモノラルのラウドカット盤を初めて聴いた時の衝撃が今でも忘れられないから... これに尽きる。
 とにかくあの時はホンマにぶったまげた。レコードに針を落として静寂の中からいきなり「Drive My Car」のイントロがスピーカーから飛び出してきた時の驚きを何と表現しよう? まるでダース・シディアスのフォース・ライトニングの直撃を浴びたかのような凄まじさで、全身に電気が走るような衝撃にマジで腰を抜かしそうになった。
 その時以来、私は “ラウドカットに非ずんばレコードに非ず” “三度のメシよりラウドカット” を標榜するラウドカット原理主義者として生きてきたが、B-SELSでマザー/スタンパーの重要性を教えていただいて「Please Please Me(金パロ)」や「Revolver」、「White Album」などの “スタンパー 1G盤” の音を実際に自分の耳で聴いてからというもの、「Rubber Soul」ラウドカットのベスト・オブ・ザ・ベストと言うべき “両面 1G盤”を手に入れることが私の究極の夢になった。
 手始めに過去18年間にeBayで落札されたUK「Rubber Soul」の両面 1G盤を調べてみたところ、出てきたのはマト5通常盤がほとんどで(←それでもわずか8枚しか出品されてないが...)マト1ラウドカットの 1G盤となると驚いたことにたったの1枚(それも 5PA / 1G という片面のみ)しかない。それを考えれば “両面 1G” なんて夢のまた夢... この地球上に存在するのかどうかすらわからないレベルの稀少性と言っていいかもしれない。
 そして去年の11月、ちょうど私が HumminGuruの超音波レコード洗浄機の購入で大騒ぎしていた頃、B-SELSの11/19付「日記」コラムに “「RUBBER SOUL」UKモノラル初盤、マトリクス1/1、ラウドカット 1G!!!!! 極美品” という記事が登場した。私としては “おぉ、ついにきたか!” という感じだったが、値段を見ると18万円... そりゃそうやわな... 超稀少な「Rubber Soul」ラウドカット 1Gの、しかもNM盤なのだからそれでも安いくらいだろう。とてもじゃないが貧乏コレクターの私に買える代物ではない。私はSさんが “怪物級の音” と表現されたこのレコードを泣く泣く諦めた。
 しかし凄いのはここからである。年の瀬も押し詰まった12月半ば、上記の18万円盤の出品からまだ1ヶ月も経ってないというのにSさんは又別の「RUBBER SOUL」UKラウドカットの 1G盤を出品されたのだ!!! 12/16付の「日記」のタイトルは “『RUBBER SOUL』 UKモノラル1ST. ラウドカット 1G 再び!”... 全世界ネットワークのオークションであるeBayで18年間に1枚しか出てこなかったスーパーウルトラ稀少盤をわずか1か月のうちに2枚も出品されるとは... まさに B-SELS恐るべしである。日記には “先の18万円盤ほどの極美品ではないが、音は素晴らしい... モノ針で聴けば気になるほどのノイズはほとんど無く、大迫力のラウドカット盤の中でも最高クラスの迫力の音が楽しめるだろう...” と書かれている。
 本来なら速攻で買いに行きたいところだが、年末に家のトイレがぶっ壊れて25万円が出て行ったばかりで、更にBMWのオイル漏れ(←ホンマによぉ壊れよる...やっぱり車は絶対国産に限ると思うわ... もう手遅れやけど...)修理代にいくらかかるかわからず弱気になっていた私は “とりあえず音だけでも聴かせてもらお...” と思い、B-SELSに出かけて行った。
 その日はあまり時間がなかったので 1GのB面だけ聴かせていただいたのだが、いやはやまったく凄まじい音だった。B①「What Goes On」からもう異次元の音で頭がクラクラするし、B②「Girl」での微妙なニュアンスまで伝わってくるようなジョンのヴォーカルにゾクゾクさせられて、うわぁ... これはヤバい... まじヤバい... と感動しながらBラスまで聴かせていただき、Sさんに丁重にお礼を言って B-SELSを後にした。
 本当はそれでキッパリと諦めるつもりだったのだが、情けないことに “あの音” が耳に焼き付いて離れない。日中はレコードを聴いたり映画を見たりして気を紛らわせていても、夜ふとんに入るとどうしてもあの 1Gの音が繰り返し脳内再生されてしまって中々寝付けない。私は “もう1回だけ、今度はA面も含めてじっくりと聴かせてもらってどうするかはその時に考えよう。” と心に決めた。 (つづく)

SWファン必見!「クローン・ウォーズ」

2022-02-17 | Star Wars
 去年の11月にビートルズの「ゲット・バック」見たさで加入したネズミー・プラス... 当初の予定では1ヶ月経ったら即やめるつもりだったのだが、解約直前に例の「マッカートニー 3,2,1」配信決定でもう1ヶ月延長することになり、更に正月休みの暇つぶしに観始めた「マンダロリアン」にどっぷりハマってしまったこともあって「スター・ウォーズ」(以下SWと略します)熱が再燃。同系シリーズの「ボバ・フェット」や「バッド・バッチ」などもイッキ観するなど、完全にネズミさんの術中にハマって今も契約継続中なのだが、そんなSWスピンオフ・シリーズの中でも特に面白かったのが「クローン・ウォーズ」だ。
 これまで何度も書いてきたように私はSWが大好きで、2年前の在宅ワークの時なんかこのブログもSW一色(←「スカイウォーカーの夜明け」レビューと例の「SGTペパーズ・パロディ」対訳シリーズ)になってたくらいだが、この「クローン・ウォーズ」に関してはアニメ作品ということで “どーせ子供向けのTVシリーズやろ...” と勝手に決めつけ、これまで眼中になかったのだ。
 しかし今回は “せっかく金払ってるんやからSW系で観たことのないやつ全部観たろ...” という軽い気持ちで「クローン・ウォーズ」をクリックすると、何と第7シーズンまで計133話もあるではないか! 試しに第1話を観てみたところ、これがめちゃくちゃ面白い。1話30分完結という手軽さと休み中でヒマということもあって第2話第3話と止められなくなり、気が付けば3日間で第1シーズン22話をすべて観終えていた。
 私が「クローン・ウォーズ」にハマった一番の理由は、時系列的に「エピソード2・クローンの攻撃」から「エピソード3・シスの復讐」までの時期にスポットを当てていることで、私が全エピソード中で最も好きな「シスの復讐」の映画ではカバーできなかった側面を詳細かつ見事に描き切っているところに魅かれたのだ。それにアニメと言っても高品質3D CG作品なのですぐに慣れて違和感なく楽しめる。
 「クローン・ウォーズ」はTVシリーズということでジェダイやシスだけでなく個々のクローンや賞金稼ぎといった脇役たちのキャラの掘り下げも実に上手く行われており、SWファンとしては観応え十分のハイ・クオリティーな作品に仕上がっている。最初のうちはアナキンとオビワンが当然主役だと思って観ていたが、第3シーズン途中ぐらいから “ひょっとするとアナキンのパダワン(弟子)であるアソーカ・タノという女の子が主人公ではないか...” と気が付き、ファイナル・シーズンのエンディングでダース・ベイダーがアソーカのライトセイバーを手にするシーンを見るに至ってあっそうか(笑)と腑に落ちた次第。極論すればこのシリーズはクローン戦争を通してアソーカが一人前のジェダイへと成長していく過程を描いた物語と言っていいだろう。
『スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ』の物語を4分で振り返る


 このシリーズは全133話もあるので様々な切り口で楽しめるが、私的には何と言ってもCGを駆使した激しいライトセイバー戦がそこかしこで繰り広げられるのが何よりも嬉しい。そんな中でも断トツに好きなのがダース・シディアス vs ダース・モール&サヴァージ・オプレスという超極悪同士の戦いだ。私は昔から“善vs悪”よりも“悪vs悪”の構図の方が見応えがあって好きなのだが、その極めつけと言える “シス vs 元シス” のバトルが見れるのだからこれはたまらない。ジェダイが束になってかかっても軽く跳ね返す獣性をもった2人をヘラヘラ笑いながらいたぶってボコボコにするシディアスの凄みを存分に見せつける名バトルだ。
シディアスVSモール兄弟


 この「クローン・ウォーズ」には「マンダロリアン」や「ボバ・フェット」、「バッド・バッチ」といった他のスピンオフ作品やもうすぐ配信で登場するであろう「オビワン・ケノービ」「アソーカ」といった期待作への重要な伏線が満載なので、SWファンなら絶対に観ておいて損はないと思う。ジョージ・ルーカスがSWで表現したかったすべてがここに詰まっていると言っても過言ではない傑作シリーズだ。
Top 10 Star Wars The Clone Wars Fights


 このように個人的には大満足の「クローン・ウォーズ」なのだが、敢えて残念な点を挙げるとすれば、コミックスでは描かれていた “ダース・シディアス&ドゥークー伯爵&グリーバス将軍 vs マザー・タルジン&ダース・モール” という “シス連合 vs 魔女軍団” の映像化がディズニーのルーカス・フィルム買収によってボツになってしまったこと。シーズン7(←急げブルーレイ化!)の中盤でつまらん姉妹のエピソードを入れるくらいならこの超豪華なヴィランズ祭りの方を映像化してほしかった。シディアス・ファンの私としてはこのエピソードをフル3D CG動画で観てみたいのだが、何とかならんもんかね...
Darth Maul: Son of Dathomir Full Audio Comic Movie [Star Wars Audio Comics]

「Get Back」ブルーレイが発売延期に...

2022-02-15 | The Beatles
 昨日の夕方、アマゾンから「ご注文商品のキャンセルについて」というメールが届いた。一瞬何のことかわからずにメールを開くと、先週予約したばかりの「Get Back」ブルーレイについて販売元から発売中止の連絡がきたとのこと。IMAXの大画面で「Get Back」を観て大コーフンし、ブルーレイへの期待がマックス・フェルスタッペン状態だった私は我が目を疑った。それも発売 “延期” ではなく “中止” って一体どーゆーこっちゃねん?
 焦ってアマゾンで検索したところ、輸入版は購入不可になっており、代わりに「ザ・ビートルズ:Get Back Blu-ray コレクターズ・セット」という国内版が出てきたのだ。しかも驚いたことに16,500円というえげつない値段が付いている。16,500円??? 当初の輸入版の予定価格が4,700円だったから12,000円も高いことになる。販売元であるウォルト・ディズニー・ジャパンは日本のビートルズ・ファンをバカにしてるのか? あぁ嘆かわしい。草葉の陰で創始者のウォルト・ディズニーが泣いているぞ。こんな悪どい商売をしとったらいつかきっとしっぺ返しを食らうだろうに。驕れるネズミは久しからず、だ。
 アメリカでは今回の販売停止の指示がしっかりと徹底できていなかったらしく、当初予定されていた発売日に手に入れたファンが嬉々としてYouTubeに動画をアップしている。本当なら我々も今頃こんな風に「Get Back」のパッケージを解いて悦に入っていたかもしれないのに... あのげっ歯類がからむとなぜこんな簡単なことすらできなくなってしまうのか... 因みに上の写真はアメリカの転売屋がeBayに出品したものだが、日本円にして約116,000円というふざけた値段を付けている。
Beatles Get Back Blu Ray packaging - Feb. 9, 2022


 ディズニーを糾弾するのはこれぐらいにして、話を「Get Back」に戻そう。ビートルズ・ファンとして取り得る選択肢は、①意地でも「輸入版」(くれぐれもリージョンに注意!)を買う、②巨悪に屈しておとなしくボッタクリ価格の「国内版」を買う、③けったくそ悪いので買わない、の3つしかない。
 ①の場合、アマゾン以外のルートを見つけるのは一苦労だが丹念に探せば何とかなるだろう。ただ、当初付く予定だった日本語字幕の有無は念のために確認した方がいい。この点に関してはまだ情報が錯綜している。
 ②の場合は被害を最小限にするためにHMVの割引き等を利用する手もあるが(←約3,000円OFF)、“キャンセル不可” というのが難点。今後事態が二転三転した時に対応できなくなってしまうからだ。例えば一定時期を過ぎてもうこれ以上利益が上がらないとわかると「ディレクターズ・カット」と称して未発表映像を追加した商品を販売してファンに二度買いを迫る、などという汚い手を使わないとも限らない。。
 ③は私に関する限りは絶対にあり得ない。そもそもディズニーごときのせいで「Get Back」を諦めるなんてのはビートルズ・ファンとして本末転倒。買わないという選択肢はないのだ。私としてはとりあえず情報収集しながらUS版狙いでいこうと思うが、何かいまいちスッキリせぇへんな。

【2.20追記】eBayに出品されてるUS盤の裏面写真を拡大してよくよく見ると、“English SDH, Spanish, and French Subtitles” ってなっとった。US盤に日本語字幕が付いてなさそうな、嫌な予感がする...

【3.4追記】16,500円という値付けの前例を発見。ウォルト・ディズニー・ジャパンはスター・ウォーズのスピンオフ・アニメ作品「反逆者たち」のシーズン2と3のブルーレイに今回の「ゲット・バック」と同じ16,500円という値段を付けてUS盤から日本語を削除した前科があった。スター・ウォーズやビートルズなら日本人は高くても買うやろという商魂がミエミエで吐き気がする。クサレ外道カンパニー、ウォルト・ディズニー・ジャパンはこの世から消えてなくなれ!!!

【おまけ】こんな時は頭の中を空っぽにして笑い飛ばすに限る。ということで、ジョージの “I'll play whatever you want me to play.(君の望み通り何でも弾いてやるよ)” 発言をネタにしたパロディ動画でも観て楽しんで下さいな。ポールの “彼はジョージ・ハリスンで、アレクサじゃないよ。”(1:58あたり... リヴァプール訛りの再現度高っ!!!) がジワジワくる。更にルーフトップの警官やピーター・ジャクソン監督まで登場、最後のオチはお約束のヨーコ・ネタでした。
THE BEATOONS * GET BACK special * (@alvar0rtega official)

「Queen Greatest Hits」各国盤特集③ ~独自系~

2022-02-13 | Queen
 「Queen Greatest Hits」各国盤特集の最終回はUKともUSとも違う独自選曲で我が道を行くドイツ、ウルグアイ、イスラエル、日本の4枚だ。

⑨ドイツ盤(78 044-A-0 / B-0)
 「Queen Greatest Hits」のドイツ盤はUK盤17曲に加えて「Spread Your Wings」まで加えた全18曲入りの超お買い得盤だ。片面それぞれ9曲ずつ入っているので音がショボいんちゃうかと思って聴いてみたところ、思っていた以上に重低音が響き渡ってビックリ(゜o゜)  A②「Another One Bites The Dust」のベースラインなんかズンズン腹にくる感じで気持ち良かった。
 それともう一つ、このドイツ盤の大きな特徴として、メンバー写真ではなく茶色地にただアルバム・タイトルが書かれているだけの味もそっけもないジャケットが挙げられる。12枚並べてみると1枚だけ異質な感じで、確かアバのベスト盤「Gold」もこんな感じだったと思うが、もーちょっと何とかならんかったんか?

⑩ウルグアイ盤(手書きでEMTV-30-A / -B)
 「Queen Greatest Hits」のウルグアイ盤の第一印象は音のデカさ、これに尽きる。繊細さとか倍音の美しさとかは二の次で(笑)とにかく大らかでごっつい音の奔流にのみ込まれる感じが独特な、他国の盤では味わえない音体験だ。細かいことは気にせずにクイーンのビッグ・ロックを楽しもうぜ!という感じの音作りで、B③「Now I'm Here」のロジャーのドラミングなんてまるで重戦車のようだし、A⑦「Don't Stop Me Now」やB①「Crazy Little Thing Called Love」なんかもう楽曲自体のノリに拍車がかかったような凄まじさで超気持ちイイ(^o^)丿
 もう一つの特徴は選曲・曲順がUK盤と微妙に違っていることで、裏ジャケの曲名がスペイン語なので気付かなかったが、A①「Bohemian Rhapsody」、A②「Another One Bites The Dust」と聴き進めていって、3曲目に「Killer Queen」がくるとばかり思っていたらいきなり「Love Of My Life」のライヴ・ヴァージョンがかなりの大音量で流れてきたのでビックリ(゜o゜)  これも各国盤蒐集の楽しみの一つと言えるだろう。因みにもしやと思って調べてみたら同じ南米のブラジルやアルゼンチンも同じ「Love Of My Life」入りだったが、一方でペルーやベネズエラ、コロンビアといった国々はUK盤と全く同じ選曲・曲順だった。他国ではA③にくることが多い「Killer Queen」はB⑤「Play The Game」とB⑦「Flash's Theme」の間のB⑥に追いやられており、代わりに「Seven Seas Of Rhye」が選曲から落とされている。

⑪イスラエル盤(EMTX -30 AQ / EMTV 30 B-3:)
 「Queen Greatest Hits」のイスラエル盤はUK盤の17曲に加えてAラスに当時の最新ヒット曲「Under Pressure」を収録したUKとUSの良いとこ取りハイブリッド選曲が売りだ。音作りの方向性としてはUKともUSとも違う中庸路線で無難なまとめ方をしてあるのだが、イスラエルならではのクリアーなベースラインは健在で、A②「Another One Bites The Dust」の押し出し感は中々のものだ。B面はA面と違ってUKマザーが使われており、A面よりもクリスプなサウンドになっているのが面白い。又、ジャケット右上にヘブライ語で何か書いてあるのも異彩を放っている。

⑫日本盤(P-6480E1 K1P 1-B-1 / P-6480E2 1-A-8)
 「Queen Greatest Hits」各国盤特集のラストを飾るのはもちろん私がリアルタイムで買って(←確か2,000円で曲がいっぱい入ってて大喜びした記憶がある...)擦り切れるほど聴きまくった日本盤だ。全17曲というのはUK盤と同じだが、「Bicycle Race」と「Seven Seas Of Rhye」が外され、代わりに「Under Pressure」と超目玉曲「Teo Toriatte」が収録されている。極私的な好みで言うと「Good Old-Fashioned Lover Boy」「Play The Game」「Flash's Theme」といったゆる~い曲の代わりに「Keep Yourself Alive」「Ogre Battle」「Tie Your Mother Down」といったオラオラ系(?)のハードロックを入れてくれれば最高なのだが(←「'39」も絶対に外せません!)まぁこの日本盤に関する限りは選曲がどーの音質がこーのなどという野暮なことは言わずに、彼らが日本のファンのために作ってくれた珠玉の名曲「手をとりあって」を思い入れ一発で聴くのがファンたる者の正しい姿なのかもしれない。
手をとりあって 和訳字幕付き クイーン Teo Torriatte (Let Us Cling Together) Queen 1979 Tokyo × Remastered 2011


【おまけ】クイーンといえば何はさておき空耳である。"横目がスケベくさい” や "ゴールじゃない” など笑撃の傑作が目白押しだが、最近気に入ってるのがこの「Don't Stop Me Now」で、いきなり “スープ吸ったの幾つですかぁ?” で大笑いし “カニ味噌バレンタイン” で腹筋崩壊... さすがにその発想はなかったわ(笑) “そーでもねぇ”にもクッソワロタ(^o^)丿
カオスな空耳に映像をつけて更にカオスにしたdon't stop me now

IMAX「Get Back:ルーフトップ・コンサート」を観に行ってきた

2022-02-10 | The Beatles
 今日、シネマサンシャイン大和郡山までビートルズの「Get Back:ルーフトップ・コンサート」を観に行ってきた。上映は19:10からで、職場から15分ほどで行けるので余裕を持って到着。ロビーは年配の人達で溢れかえっており、みなさん入れ代わり立ち代わり「Get Back」のポスターをスマホで撮影している。パンフレット類は無く、代わりにポスターを売っていたが(1,650円)、巻いた状態で2種類ごっちゃに置いてあって店員さんにもどっちがどっちかわからず(←エエ加減な商売やな...)“後姿のヤツが欲しいんやけど間違いないやろな!” と詰め寄るお客さんと揉めていた(笑)
 19:00に入場開始になったが、正直言って「Get Back」で長蛇の列ができるとは思ってもみなかった。奈良にもこんなにビートルズ・ファンがいっぱいおったんやねぇ...と感心しながら自分も列に並び、特典のB5サイズ・ミニポスターとステッカーをもらって入場し、席に着く。映画マニアの同僚の言った通り、I列の真ん中は絶好の視聴ポジションだ。本編上映前にお決まりの映画宣伝がいくつか入るのだが、今回はいきなりディズニー・プラスの “「Get Back」独占配信中!” というCMが目に飛び込んできて俄然テンションが上がる。
 そしていよいよ本編がスタート。ディズニー・プラス版のPart 1と同じく「In Spite Of All The Danger」で始まって「Hey Jude」までバンドの歴史を駆け足でダイジェストし、そこから一気にPart 3のDay 21に飛ぶという構成だ。もちろん内容は何度も何度も繰り返し観ているが、実際にIMAXの大画面で観ると感動のレベルが異次元だ。迫力が段違いなのは言うまでもないが、パソコンのちっこい画面では見逃していたような細かい所まで(←ジョンにカンペ見せながら一瞬の早業でタバコ吸うアシスタント君とか...)目に飛び込んでくるので実に新鮮なのだ。横三分割画面が実に見やすいのも嬉しい。
 音の方もIMAX用に作り込んであり、これまでパソコンの貧弱なスピーカーで聴いていたものがいきなり大音量で前後左右から押し寄せてくるのだからコーフンするなというのが無理。1曲目の「Get Back」が始まると同時に私はモーリーンと化し(笑)いつもB-SELSでしているのと同じように頭を振り、手足でリズムを取って全身を揺らしながらビートルズの演奏に没入していった。
 そうこうしているうちにこの楽しく濃密な時間はあっという間に過ぎ去り、エンディングの「Get Back」に突入。切られたアンプのスイッチを入れ直すジョージがカッコイイ(^.^)  画面に大写しになったモーリーンを見てはっと我に返り周りを見渡すと、みーんなオノヨーコのように微動だにせず画面を見つめている。こんなノリノリの「Get Back」を聴いても身体が揺れないなんて、アンタらは地蔵かよ... と思いながら私は最後までモーリーンと一緒に頭を振り続けたのだった。メンバーの嫁さん4人の中では一番知名度が低いモーリーンだが、私はこの映画を観てファンの鑑のような彼女にめっちゃ親近感を覚えた。Thanks, Mo!
 これであっという間に1時間の映画が終了。不思議なことにたったの1時間という短さに対する残念さよりもビートルズのド迫力ライヴ映像を満喫できた充実感の方が遥かに大きく、コーフン状態のまま映画館を出て車に戻り、そこからB-SELSのSさんに電話(笑)、“今終わったんですけどめちゃくちゃ良かったですよ! Sさんも行かはったらエエのに...” とまくし立て、大笑いされてしまった。家に帰ると今度はおかんに “何かエライ楽しそうやな。両国から帰って来た時と同じ顔してるわ。” と笑われてしまった。何だか笑われてばっかりの1日になったが、ビートルズ・ライフが絶好調なのでこれでいいのだ。
 というわけで、めっちゃ良かった「Get Back:ルーフトップ・コンサート」。もしあなたがビートルズ・ファンなら悪いことは言わないから観に行っておいた方がいいと思う。見逃したら後で絶対に後悔すること間違いなしだ。私は今回のことで大画面の良さを再認識したので、いつか 65インチテレビを手に入れてやろうと心に決めた。もうすぐ発売される「Get Back」のブルーレイを大画面で観るために。
『ザ・ビートルズ Get Back: ルーフトップ・コンサート』|予告編|Disney+ (ディズニープラス)


※1/10に英米日のアマゾンで一瞬購入可能になり、その後ずーっと “一時的に在庫切れ。入荷時期は未定” 状態が続いていた「Get Back」のブルーレイだが、お気に入りに入れて毎日チェックしていたところ、2/7に突然予約可能になったので速攻で予約完了(ただし発送日は未定らしいが...)。現時点では “ベストセラー1位” ながら再び “在庫切れ” になってしまっているようだ。早く確実に手に入れたい人は毎日こまめにチェックするのがいいかもしれない。

【2.14追記】突然アマゾンから「Get Back」ブルーレイのキャンセル・メールが届いた。は? 何それ? あんまり腹が立って今はちょっとマトモな文章が書けそうにないので、とりあえず一言だけ:ディズニーはこの世から消えてなくなれ!

「Queen Greatest Hits」各国盤特集② ~US系~

2022-02-04 | Queen
 「Queen Greatest Hits」の各国盤には前回取り上げた17曲入りのUK系グループの他にもう一つ、曲数は2~3曲少ないものの、最新ヒット曲「Under Pressure」を収録したUS系グループがある。具体的に言うとUS、カナダの14曲収録盤と、それに「Tie Your Mother Down」を加えた15曲入りのオーストラリア、ニュージーランド盤だ。今日はそんなUS系の4枚を取り上げよう。

⑤US盤(B-16142-A10-RE 5E-564-A-10-SH-AR-RE+ / 5E-564-B-RE-ED-SP)
 私はビートルズから各国盤蒐集を始めたのでこのブログでもUS盤の音を一部の例外を除いてボロクソにけなしてきたが、クイーンのUS盤は一味違う。それも “悪くない” どころか “めちゃくちゃ良い” のだからアナログは面白い。もちろんUK盤の音も悪くはないが、少なくともこの「Queen Greatest Hits」に関する限り、曲数が少なくて音溝に余裕があるせいなのか、それとも両面に入っているSTERLING刻印のなせるワザなのか、とにかくUS盤の方がUK盤よりも遥かに力強い音がするのだ。音圧で言ったら2割増しぐらいパワーアップしている感じだし、音のクリアネスに関してもUS盤の方が勝っている。今回聴き比べた「Queen Greatest Hits」の中でもトップ・クラスと言えるサウンドだ。
 それともう一つ興味深いのがUK盤との選曲の違いだ。UK盤から「Good Old-Fashioned Lover Boy」「Seven Seas Of Rhye」「Save Me」といったポップな曲を外して「Keep Yourself Alive」というイケイケのアッパー・チューンを入れているのは何となくわかる気がするが、「Don't Stop Me Now」や「Now I'm Here」みたいなアメリカ人受けしそうなノリノリの曲まで外されているのが謎だ。どこをどう聴いてもオープニング・ナンバーのイメージしかないB⑦「Play The Game」をアルバムのラストに持って来る感覚も私には理解できない。

⑥カナダ盤(X5E-564-A / B)
 カナダ盤はUS盤と曲目曲順が全く同じなのでてっきりUS盤と同一マザーだと思っていたが、今回の特集でマトをちゃんと確認するとUSともUKとも違う独自マトだった。音の傾向はUS盤と同じくダイナミックでクリアーなサウンドと言ってよく、高中低と全帯域にわたって非常にバランスの取れた音作りだ。敢えてUS盤との違いを挙げればカナダ盤の方がやや音の重心が低く感じられることで、A③「Crazy Little Thing Called Love」なんかはスピード感重視のUS盤に対し、重厚感溢れるカナダ盤といった対比が楽しめる。私的にはUS、カナダそれぞれに良さがあって甲乙付け難いというのが正直なところだ。

⑦オーストラリア盤(♀ MX199181 5E564-1 / ♀ MX199182 5E564-2)
 オーストラリアとニュージーランドという2枚のオセアニア盤に共通する特徴はUS・カナダ盤でA面ラストに置かれていた「Under Pressure」がアルバムの締めくくりであるB面ラストにまわされ、その代わりに他のどの国の盤にも入っていない「Tie Your Mother Down」がAラスに入っていることだ。「A Day At The Races」からの1stシングルであるこの曲はブライアンが大暴れするゴリゴリの疾走系ハードロック・ナンバーで、私はこの曲が大好きなのでこの選曲はめちゃくちゃ嬉しいし、B面ラストに「Play The Game」ではなく「Under Presuure」が来るというのもアルバム全体として据わりが良い。US系のクリアー&ダイナミックなサウンドも素晴らしく、OZ盤は完全無欠... と言いたいところだが、どういうワケか「Tie Your Mother Down」がシングル・ヴァージョンではなくアルバム「A Day At The Races」のオープニングを飾る大仰なイントロ付きのアルバム・ヴァージョンが収録されており、A⑤「Fat-Bottomed Girls」→A⑥「Bicycle Race」と続いたアルバム全体の流れを分断してしまっているのが惜しい。

⑧ニュージーランド盤(5E 564 A / B)
 私にはオーストラリアとニュージーランドってほとんど兄弟国というイメージがあって、どうせOZ盤とNZ盤の中身も同じだろうと思っていたのだが、念のためにデッドワックスを見てみると全く違う独自マトでまずビックリ。アメリカとカナダの場合もそうだったが、これだから各国盤は面白い。実際に聴いてみるとこのNZ盤は他のどの国の盤よりも倍音がよく出ており、伸びやかで奥行きを感じさせるそのサウンドはクイーンお得意のコーラスワークと相まってまるで万華鏡のようなめくるめくクイーン・ワールドを出来させる。乱暴に言うとロック系の曲ならUS、ポップ系の曲ならNZの音が合うという感じだ。
 それと例の「Tie Your Mother Down」だが、OZ盤では場違いなアルバム・ヴァージョンが採用されていたのに対し、このNZ盤ではちゃーんとシングル・ヴァージョンが収録されているのにビックリ。これをさすがはNZと褒めるべきか、それともただ単にOZがアホなだけと切って捨てればいいのかはわからないが、とにかくこの一点だけをとってもOZ vs NZ対決はNZ盤の勝ちと言っていいと思う。
Queen - Tie Your Mother Down (Official Video)