shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「悲しき天使」特集②【国内編】

2024-06-09 | 昭和歌謡

 「悲しき天使」特集パート2は国内編だ。1970年代前半に活躍した女性アイドルたちのアルバムには曲数を埋めるために洋楽ポップスのカヴァーが入っていることが少なくなかったが、「夢みるシャンソン人形」や「そよ風にのって」と並んで引っ張りだこだったのがこの曲だ。今回はそんな中から私のお気に入りのカヴァーをご紹介。

①麻丘めぐみ
 麻丘めぐみが1976年にリリースしたベスト・アルバム「ベスト・コレクション '76」は彼女のヒット曲とカヴァー・ポップスが絶妙な曲配置で並べられており、2枚組のベスト盤でありながらまるで1枚のトータル・アルバムを聴いているかのような錯覚に陥るレコードだ。そんな名盤のラストを飾るのが「悲しき天使」で、彼女の表現力豊かなヴォーカルとクールでありながらも歌心溢れるプレイを聞かせるピアノの絡みが最高だ。
麻丘めぐみ : 1976 : 悲しき天使


②南沙織
 南沙織の伸びやかで包容力がある歌声は “和製ジリオラ・チンクエッティ” という描写がピッタリだと思うのだが、そんな彼女が1971年に出したセカンド・アルバム「潮風のメロディ」はデビュー・アルバムからまだ3ヶ月(!)しか経っていなかったこともあってほとんどがカヴァー曲で占められており、私の好きな曲ばっかり入っていて嬉しくなってしまう。A面2曲目に収められた「悲しき天使」でも持ち前の歌唱力で他の歌手たちとは一味違う聴きごたえ十分なヴァージョンになっている。
Saori Minami (南沙織) - 悲しき天使 (1971)


③浅田美代子
 浅田美代子というとヘタクソだの音程が外れているだのと歌手としてはボロクソな評価しか聞いたことがないが、私は彼女こそまさに “ヘタウマ” の典型で、その舌っ足らずな歌い方で聴き手を彼女の世界に引きずり込んでしまうところが大きな魅力だと思っている。この「悲しき天使」でもザ・ワン・アンド・オンリーな “浅田美代子ワールド” 全開で一気呵成に聞かせてしまうところが微笑ましい。
♫ 悲しき天使 ~ 🎤浅田美代子 ~ 🎵Those Were The Days#洋楽のカバー


④木之内みどり
 私が中学生だった頃はブロマイド(←懐かしいなぁこの言葉)の売り上げがアイドル人気のバロメーターだったのだが、大したヒット曲もないのに(←失礼!)キャンディーズや山口百恵といったヒット・チャートの常連たちに勝るとも劣らない売り上げを誇っていたのが木之内みどりだった。映画「野球狂の詩」やドラマ「刑事犬カール」の影響力が大きかったのだと思うが、彼女のデビュー・アルバム「あした悪魔になあれ」のB面にズラリと並んだカヴァー・ポップスを聴くと歌の方も決して悪くはないとわかるだろう。この「悲しき天使」はいかにも70年代という感じの薄っぺらい演奏とダサいアレンジが難点だが(←特にギター)、私は彼女の声質が好きなのでヴォーカル一点集中で楽しんでいる。やっぱり美人の歌はエエよね。
悲しき天使 (THOSE WERE THE DAYS)
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