shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

恋の気分で / 平山みき

2008-11-24 | 昭和歌謡
 今日もミキティーである。この「恋の気分で」のキャッチコピーは “自身のオリジナル曲を含むヒット曲をジャズにアレンジしたジャズ・テイスト・アルバム” とのこと。彼女のジャズ・アルバムは87年の「キャバレー・ガール」以来なので大いに楽しみだ。①「イエスタデイ」、いきなりシンセサイザーが支配するバックのサウンドがうっとーしい。「ジャズ・テイスト・アルバム」を謳うならシンセなんか使うなよ...(>_<) これは④「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」にも⑧「オーバー・ザ・レインボウ」にもいえることだが、雰囲気は完全に悪しき80年代和製フュージョンだ。アホか!プロデューサーの音楽的センスの無さには呆れるしかない。彼女の持ち歌②「マンダリンパレス」では一転、ミディアム・テンポでスイングするピアノ、瀟洒なブラッシュ、軽妙なギター・ソロ、と文句なしのバッキングを得て、平凡なJ-Popsがバリバリのジャズ・ヴォーカル・ナンバーに昇華する快感を味わえる。ナット・キング・コールで有名な③「プリテンド」、彼女のヴォーカルは雰囲気抜群で、ピアノ・トリオの伴奏もいうことなし。上手いなぁ...やっぱりジャズ・ヴォーカルはこうでなくっちゃ。そういえばこのジャケット、キング・コールの「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」にソックリだと友人の plinco さんが喝破された。さすがだ(≧▽≦) 彼女最大のヒット曲⑤「真夏の出来事」、まるで鼻歌でも歌うように軽快にスイングする彼女の歌声がめっちゃエエ感じ。バックの演奏形態が変わっても曲の「髄」をしっかり引き出す彼女のワザはさすがと言う他ない。⑥「恋の気分で」、ピアノをバックにストレートに歌い上げるのはヴォーカリストとしての自信の表れか。この盤で一番気に入っているのが⑦「ユー・アー・ザ・サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」で、スティービー・ワンダーの名曲が見事にジャズ化されている。彼女のヴォーカルはバックのピアノトリオと渾然一体となってめちゃくちゃスイングしており、「平山みきのジャズを聴いている」感がマグマのように押し寄せる。庄野真代の大ヒット⑨「飛んでイスタンブール」は、その独特の歌い方で完全に「みき・ワールド」に引き込んで見事に料理している。ラストはクニ河内の⑩「そっとおやすみ」、クロージングにピッタリのナンバーで、しみじみ感溢れるアコーディオンがめっちゃエエ味を出している、。①④⑧を除けば、昭和歌謡とジャズが見事に融合した聴きごたえのあるアルバムだ。

サンシャイン

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