とても心に響く作品でした。
読み終えて、その余韻が何日も続いています。
初版は5年前に発行され、その当時大変話題になり書店で平積みにされていました。
その後、文庫として出版され、またまたベストセラーとなっていましたが、
何となく手に取りづらかった本です。
いわゆる「戦争物」なので敬遠していました。
でも、今年の「本屋大賞」にこの作者の『錨を上げよ』がベスト10入りし、
この作家のデビュー作を読もうと思って、ついに『永遠の0』を読みました。
読んでみたら、最近読んだ中で一番心に残る本となりました。
あらすじは・・・
「生きて妻のもとへ帰る」と生への執着を臆面もなく口にし、
仲間から「卑怯者」とさげすまれたゼロ戦パイロットがいた……。
人生の目標を失いかけていた青年・佐伯健太郎と、フリーライターの姉・慶子は、
太平洋戦争で戦死した祖父・宮部久蔵のことを調べ始める。
健太郎と慶子はついに六十年の長きにわたって封印されていた驚愕の事実にたどりつく。
はるかなる時を超えて結実した過酷にして清冽なる愛の物語!
読み終えて、特攻隊の哀しさが胸に迫りました。
ゼロ戦闘機の代わりは無くても、人の命の代わりはいくらでもあるという軍部の考え方です。
そんな厳しい場での、主人公の宮部隊員の純粋で清冽な人間性に心を奪われます。
ちょうど今放映中のNHK朝ドラ「おひさま」、主人公陽子の茂樹兄さんも、
海軍予科練の航空隊です。
「一緒に飛んで帰ってこなかった仲間もたくさんいる。」と言っていました。
「だから、絶対に負けられない。」と・・・
この後、ゼロ戦に乗ってしまうのでしょうか?
太平洋戦争からもう60年以上たって、
ほとんどの日本人にとって戦争は体験したことのないこととなっています。
学校で学ぶ歴史の中では、勝つ見込みのない無駄な戦争だったと教えられましたが、
その当時は、普通の人が戦争に駆り出されたらもうやるしかなかったのですね。
我先に特攻隊に志願して「天皇陛下万歳!」と喜んで突撃したなんてウソなのでしょう。
後から「あの戦争は間違いだった。」と言っても、もう亡くなった人は帰ってこないのです。
言い古されていることですが、
この方たちの尊い命と引き換えに、今の平和な日本があることを忘れてはならないと思いました。
だから「無駄な死だった。」なんて絶対に言えません。
戦地へいった方々に本当に感謝しなければなりません。
こんな美味しい物をいただけるのも幸せなことです。
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ご馳走さまでした♪