今日、TVニュースで哀しい知らせを知りました。
「アンパンマン」の生みの親、やなせたかし氏がお亡くなりになりました。
本当にショックです。
享年94歳、ご高齢でいらしたので仕方ないのかもしれませんが、私にとっては大変な衝撃でした。
近づいてくる台風26号を吹き飛ばすような衝撃でした。
(ちなみに、明日は休校となりました。)
私は中学生時代からやなせたかし氏を知っていました。
必修クラブで「文芸クラブ」に入っていて、顧問の先生から文芸誌『詩とメルヘン』を紹介されました。
『詩とメルヘン』は1973年の創刊、それから30年間にわたり人気を博した文芸雑誌です。
素人が投稿した詩やメルヘンに、プロのイラストレーターたちが挿絵をつけて見開き2ページに掲載してくれるのです。
これを編集されていたのがやなせたかし氏でした。
やなせ氏が描く季節にあわせた表紙絵には、必ず寄り添う恋人が。
「いつかはこの『詩とメルヘン』に掲載されたい!」と、
夢見る文学かぶれの私は、毎月、中学生時代からしばらく詩(らしきもの)を投稿し続けましたが、
一番良くて「読者のコーナー」に載るぐらいで、結局夢の詩人デビューは叶いませんでした。
そしてこの中で、大好きな葉祥明さん(過去の
ブログ記事)を初め、
宇野亜喜良さん、林静一さん、黒井健さんなど多くのイラストレータを知りました。
当初は広告を一切入れない雑誌で、
この文芸誌に寄せるやなせ氏の「私財を投じてでも!」という熱い思いを感じたものです。
結婚するまでずっと買い続けて、しかも1冊も捨てられなくて、まだ残してあるものもあります。
やなせ氏の絵本も読んでおり、初期の頃の「あんぱんまん」は切ないものなのです。
餓えた人に自分の頭をつかませて食べさせる、というのは飽食の時代の子どもには理解されない、
イラストも可愛いものではなく評判は良くありませんでした。
それがアニメになり、ギネスに載るほど多くのキャラクターが出てきて、日本中の子どもたちの人気者に!
ほとんどの日本人がアンパンマンを知っているでしょう。
我が子たちも絵本やアニメや映画やグッズで育ち、
2歳の頃の娘のお願いは「アンパンマンと結婚できますように」でした。
「愛」「勇気」「正義」が子どもたちに届くよう、アンパンマンに託したやなせさん、
本当に本当にありがとう。
私の中にある大きな流れが終わってしまったような悲しさでいっぱいです。
あまりに哲学的で子供向けアニメの歌詞とは思えない「アンパンマンのマーチ」
「何の為に生まれて 何をして生きるのか 答えられないなんて そんなのは嫌だ!
今を生きることで 熱い心燃える だから君は行くんだ微笑んで
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえ胸の傷が痛んでも
ああ アンパンマン優しい君は 行け!皆の夢守る為
何が君の幸せ 何をして喜ぶ 解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
忘れないで夢を こぼさないで涙 だから君は飛ぶんだ何処までも
そうだ!恐れないでみんなの為に 愛と勇気だけが友達さ
ああ アンパンマン優しい君は 行け!皆の夢守る為
時は早く過ぎる 光る星は消える だから君は行くんだ微笑んで
そうだ!嬉しいんだ生きる喜び たとえどんな敵が相手でも
ああ アンパンマン優しい君は 行け!皆の夢守る為」
やませたかし氏がアンパンマンに込めた想いが伝わります。
自分一人ででも、自分の身を削ってでも、人を助ける・・・それこそが愛なのですね。
氏の出身地、高知県香美市にある「詩とメルヘン絵本館」「アンパンマンミュージアム」に、
いつか必ず行かなくては!!