行ってきました、話題の東京都美術館での展覧会「生誕300年記念 若冲展」!
連休初日、もちろん大変な混雑でした。。。
今年一番行きたい展覧会ですし、平日はお仕事で行けないので、混雑覚悟の上です。
ただ、毎週金曜日は夜8時まで開館しているので、祝日とはいえ昨日夜なら多少はいいのではないかと、
いろいろ策を練りました。
まずは、朝ゆっくり目に家を出て、お昼少し前に上野の東京国立博物館へ。
ここで「生誕150年 黒田清輝─日本近代絵画の巨匠」展覧会を見ました。
重要文化財「湖畔」で広く知られ、日本美術の近代化のために力を尽くした黒田清輝の生誕150年記念大回顧展です。
薩摩藩のお坊ちゃま→パリへ留学→帰国後西洋画の確立に奮闘→東京美術学校教授、帝国美術院院長、貴族院議員。
人は大勢いましたが、わりとゆっくり黒田の重要文化財3点を含む生涯にわたる作品群が時系列で見られ、
なんと、影響を受けたミレーの《羊飼いの少女》もオルセー美術館から特別出品されています!
他にも絵の師コランや、影響を受けたピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、バスティアン=ルパージュ、
そしてモネ、シスレーら同時期の印象派の作品まであわせて展示されていて見ごたえがありました!
その後、本館へ移動し、今年国宝指定となった「洛中洛外図屏風(舟木本)」を見ました。
街々に各種の階層の人々がうごめき、その数はおよそ2500人!ずっと見ていても飽きません。
活趣あふれる人物の諸態を見事に描き表した画家の名は不明ですが、岩佐又兵衛が候補にあげられています。
ここで遅めのお昼、ムキエビとアスパラのトマトパスタ♪
混雑のピークは過ぎているのでしょうが、それでも少し待ちました。
さて、ゆっくりして英気を養った後、いよいよ若冲展へ!
チケットはオンラインで買って、スマホのネットチケット表示を選択し窓口へは並ばずにOK♪
午前中は90分待ちの時もあったらしいですが、私が行った15:40には30分待ちの看板が、
それでも待つこと20分ほどで中へ入れましたので、なかなか良い作戦でした。
が、会場内の絵の前は5重ぐらいの人垣ができていて、最前列で見るためにはじっと我慢。。。
今回の目玉は、何といっても「動植綵絵」30幅!
通常は宮内庁の三の丸尚蔵館蔵にありますから、一般には見られないのです。
この30幅は、もう本当に素晴らしく、絵の前へ行くとずっと細かい部分を見ていたくなってしまうのです!
植物、動物、魚、鳥、虫、その一つ一つが身近なもので、愛情をもって描かれていて、
色、線、輪郭、構図、そのどれもが信じられないほど丁寧に、超細密に、緻密に心を込めて描かれていました。
裏彩色、たらし込み技法による筋目書き、没骨法、などを確認していて絵の前にいる時間が長くなってしまいます。
特に白の使い方は秀逸で、特に「老松白鳳図」は金色の羽が浮かび上がって見えますが実は金色は使っていません!
(下の画像の赤いポスターの絵 絵を描くのに絹布を使うことによって様々な技法が可能になるのですね。)
京都相国寺に寄進するために10年をかけて描いた30幅は釈迦三尊像を取り囲む動植物、ノアの箱舟のようです。
それをさらに強く感じたのは、1cm四方のマス目4万個の「桝目描き」技法を駆使した色彩豊かな「鳥獣花木図屏風」。
(上の画像は、入り口にあるチームラボによる大型アニメーション作品『Nirvana』、パノラマ撮影してみました。)
日本最初のデジタルアートともいえますが、その中に描かれているのは100種類近くの動植物。
命ある者たちへの賛歌ではないでしょうか!!
今、TVや雑誌などメディアで盛んに取り上げられていて、毎日のように様々な解釈を聞けます。
昨年、
「若冲と蕪村」展へ行きましたが、その際はそれほど混雑していず、水墨画が多かったです。
その時見た絵の中に水墨画の「果蔬涅槃図」「虎図」「亀図」があり、
今回の展覧会では後期に公開されるそうなので見ておいてよかった♪
人ごみの中でゆっくり十分見た後、グッズを見たり買ったりして、会場を後にしたのは6時過ぎ、2時間でした。
6時過ぎでも並んでおり20分待ち、これでは最後までゆっくり見られませんね。
若冲の絵に対する真摯な気持ちと生き物への愛情を痛いほど感じて、とても豊かな気持ちになれました。
見に行って本当に良かった、感動の展覧会でした!