楽しみにしていたジブリ映画「思い出のマーニー」見てきました!
(以下、ネタバレありです)
原作のイギリスの児童文学
『思い出のマーニー』を読み終えてから、映画を楽しみにしていました。
作品終盤に判明する思いもよらなかった二人の関係が、映画でどう描かれるのか、
それから、原作では舞台がイギリスの海辺の村なのですが、映画では日本の北海道へと変わり、
その描かれ方が気になっていました。
映画が始まると、小説の印象が強烈だったためか舞台が日本であることの違和感でいっぱいになり、
「あ~どうしてイギリスじゃダメだったの?マーニーが釧路にいるなんて変でしょ!」
と、残念な気持ちが沸いてきてしまいました。
でも…映画が進んでいくと、その画像の素晴らしさもあって徐々に物語に惹きこまれていきました。
海の映像が、もうため息が出そうなくらい美しいのです!
(画像はすべて映画「思い出のマーニー」公式HPより)
他人と上手に関係を作れない主人公の杏奈(原作のアンナ)が転地療養先で出会ったのがマーニー。
不思議な魅力で杏奈を惹きつけ、二人は大の仲良しに。
二人がお互いに「あなたが羨ましい。」と言い合うところは、二人の関係性を表す伏線でした。
でも、サイロへ行った嵐の夜を境に、二人の仲は疎遠になってしまいます。
もう会えなくなるという最後の日、マーニーは杏奈にこう叫びます。
「お願いだから。許してね!
あんなふうに置き去りにするつもりはなかったの。
あれからずっと、ここにすわって泣いてたんだから。
ね、許してあげる、って言って!」
マーニーに対して怒りを持っていた杏奈は、けれどもこう答えるのです。
「わかったわ!よくわかったわ!
もちろん、許してあげる!大好きよ、マーニー!
あなたのこと忘れない、絶対に!」
この二つの言葉がこの映画のすべてだと思うのです。
親に顧みられず淋しい幼少期をこの屋敷で過ごしたマーニーは、成人して結婚し女の子を産みます。
けれども体が弱くて入退院を繰り返し、娘は施設に預けられて育てられました。
成人した娘は、家に帰って来たマーニーに「あんたなんか親とは思わない!」と決別、
ある男性と二人で暮らし、女の子(杏奈)を産みますが、夫婦で交通事故死していまいます。
おばあちゃんとなったマーニーは、独りぼっちになった孫の杏奈を引き取って育てますが、
マーニー自身もその翌年、病死してしまいます。
その後、幼い杏奈は親戚のおばさんに引き取られて成長します。
孫の杏奈を一人残して死んでしまったマーニーは、ずっとそれが心残りだったのでしょう。
あまりに幼くて自身の境遇をわかっていなかった杏奈は、
幼い自分が握りしめていたというこの湿っ地屋敷の写真を見て今までのすべてを悟ります。
杏奈は、おばあちゃん(マーニー)、そしてお母さんから「愛されていたんだ」と実感し、
自己肯定感を得て思春期の鬱屈から抜け出すのです。
家族の愛が持つ力に深く感動しました。
子どもだけではなくどんな人にも、「愛しているよ」とか「大好きだよ」とか「大切だよ」
といった言葉が、思っている以上に大切だし必要なのかもしれません。