少し前のことなのですが、映画「怒り」を観てきました。
吉田修一著の
原作も読み、犯人とその動機がわからない不気味さに上下巻を2日で読み終えた記憶があります。
映像としてみるのはどうかな?とちょっと逡巡したのですが行ってきました。
監督は李相日氏、同じく吉田修一原作の映画「悪人」と同じ監督です。
キャストは、渡辺謙 森山未来 松山ケンイチ 綾野剛 広瀬すず 高畑充希 宮崎あおい 妻夫木聡、
と、実力派俳優さんたちがずらりと勢ぞろいです。
この映画の役づくりのために、宮崎あおいさんは7Kgも体重を増やしたそうです。
また、役の感情をより深く知るために、
妻夫木聡さんと綾野剛さんはストーリーと同じように一緒に暮らした時期もあったとか!!
そして森山未來さんの演じる狂気が、息が出来なくなるほど本当に恐ろしい…R-12指定です。
この映画にかける俳優さんたちの熱い思いと、そのプロ意識に頭が下がりました。
映画は、原作に忠実に良く作りこまれていました。
そのため私も映画に入り込みすぎてしまい、結末はわかっているのに殺人犯の狂気が心底恐ろしく、
気持ち悪くなってしまい途中で出ようかと本気で思ったくらいでした。
正体不明の3人の男性が、東京・千葉・沖縄に現れます。
それぞれ周りの人と人間関係を作っていき、そこに愛情も生まれますが、この中に殺人犯はいるのか?
思ってみれば、肉親以外は生まれてから全てのことを知らない人ばかりです。
素性のわからない人と、近くに住んだり、知り合いになったり、友人になったり、恋人になったり、
関係が深くなっていくのはその人を信じているから。
元になっているのは、その人が自ら語る話であり、共に過ごす時間があるだけで、もしかしたら全て噓かもしれない。
他人を信じることは難しいし、怖いことなのかもしれない、そんなことも思いました。
小説を読んだ時には、殺人を犯す狂気の理由がわからず怖い思いだけが残りましたが、
映画を見て「人を信じるということ」について考えさせられました。
もしかしたら、監督に強い思い入れがあったのかもしれません。
原作がベストセラー小説である映画が続々公開されます。
直木賞受賞作『何者』(佐藤健くん♪)、ミリオンセラー『海賊と呼ばれた男』(岡田准一さん♪)、
ラングドンシリーズ『インフェルノ』(安定のトム・ハンクス♪)、などはぜひ見たいです♪