今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

「本が好き♪図書館ブログ」からタイトル変更

19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

新年会

2018-01-31 | いろいろ
1月も終わりますね。
2018年もあっという間に1か月が過ぎました。

遅ればせながら、先日、友人と「年末年始お疲れ様!新年会」をしました。
友人も私も、年末・年始を、親や夫、子どもたち、孫たちなど家族と楽しく過ごし、
「こうだったわよ~。」「あれが大変だったよー!」「こんなことあったのよ♪」と、
美味しいお料理も上の空になるほど話が大盛り上がり!

行きつけのフレンチのお店、全席予約で満席でした。

・アミューズブーシュ
・前菜:サーモンとじゃがいも、オマール海老のテリーヌ
    サーモンのニース風サラダ
・パスタorスープ:イカとズッキーニのトマトパスタ
         かぼちゃの温かいスープ
・メイン:牛肉のソテー 冬の野菜添え
・デザート:洋梨のタルト
・ミニャルディーズ 自家製パン コーヒー又は紅茶

以前もこのお店の方からお話があったのですが、
このお店で一緒にお仕事をしてくれる方を探しているそうです。
若者たちがなかなか長続きしないそうで、お店は大繁盛なのに人が足らずに困っているとか。
フロアーもキッチンも、高校を出たばかりでも1から教えてくれるそうです。
お店の味は保証付き!
将来フレンチのお店を持ちたい方など、いかがでしょうか?

別の日にも、地元の友人とお喋りしまくり・・・♪
 
私とは比べ物にならないほど長期間、滞在されたご家族のために奮闘されたそうで頭が下がります。
美味しいものとエンドレスの楽しいお喋り、これがどんなにストレス解消になることか!

今夜の皆既月食、綺麗に見えましたね♪
良いカメラを持っていないので、双眼鏡を使って自分の目に焼き付けました。
皆既状態の時の月って、深い紅色で立体的に見えて幻想的です。
今夜は皆既月食の「ブラッドムーン」、
更に、満月がひと月に2度訪れる「ブルームーン」、
さらには、満月が通常よりも最大14%大きく、30%明るく見える「スーパームーン」、
3つ合わせて「スーパー・ブルー・ブラッドムーン」!
1時間以上も皆既状態が続くのも珍しいことですね♪

たかさき絵本フェスティバル

2018-01-29 | 本の紹介
群馬県高崎市で開催中の「たかさき絵本フェスティバル」へ行ってきました。
昨年初めて行き、その内容の素晴らしさに感激したので、今年も開催を楽しみにしていました。

ずっと絵本が好きで、最近は孫たちとまた絵本を楽しむ時間を持てて嬉しい私には、楽しみなイベント♪
NPO法人「時をつむぐ会」という団体が主催なのですが、今年の内容も素晴らしい!!
メインの展示は「かこさとし絵本原画展」、だるまちゃんシリーズで有名なかこさとしの、
代表作『だるまちゃんとてんぐちゃん』他5冊全原画と、部分展示を合わせて200点余が公開されていました!
加古さん史上最大規模の絵本展だそうです。
絵本作家になったきっかけは、第二次世界大戦で生きる価値観が大きく変わったことだそうです。
子どもには本当のことを伝えたい、本当のことを言える子どもになってほしい、
91歳で現在なお活躍中のそのエネルギーの一端を知りました。
今月も新刊が3冊出版されます!!

もう一つ楽しみだったのは、今、とても人気のあるヨシタケシンスケさんと鈴木のりたけさんの、
ギャラリートーク&サイン会があったこと!!
このサイン会100枚の整理券を求めて配布1時間前に会場へ行ったのですが、すでに大行列!
でも、ぎりぎり100人に入るかな?と思って並んでいましたが私の2人前の方で終了ーーー!!
なんて残念なこと!残念すぎる〜〜〜。
ギャラリートークも大変な人の数でしたが、私は前から2列目に座ってごく近くで聴くことができました。
トークは「大好き!かこさとし ぼくたちもだるまちゃんだぁ」
大人気絵本作家のお二人が、かこさんの絵本を読んで育ち、どんな本をどのように楽しんだのか、
楽しく熱く語っていらっしゃいました。
かこさんは、お話系の絵本だけではなく科学系の絵本も多く、今までに600冊も出版されているそうです!
とても出来ることではないと、お二人は感嘆していらっしゃいました。
ヨシタケさんは、ご自身の絵本に登場する坊主頭の男の子に似ていらっしゃいました♪
その日の終わりに、会場入り口の大きなだるまちゃんにお二人はサインしてくださったそうです。

その後、高崎駅近くの新装なったデパートへ移動、新たに出店したカフェで遅いランチ。
 
このお店は、友人たちと行ったことのある、前橋の朔詩舎と同じグループのお店だそうで、
対応してくださったギャルソンの方は、そこからこのお店にいらしたのだそうです。

そして、同じく新装開店となり行ってみたかった隣の高崎オーパ(OPA)へ、
お洒落なお店が多く、デパートに比べると若者たちがいっぱいでした。
カフェやちょっと休める場所も多く、その中でも面白いと思ったのは時間制のbookcafe。
2時間、4時間、など利用時間によって料金が変わり、その間はカフェ内の飲食も無料みたいです。
食べた後、ゆっくり読書したり仕事したりしたい人には、心置きなく座っていられていいですね♪

歌舞伎座 「壽 初春大歌舞伎」

2018-01-27 | アート
開場130年目を迎えた歌舞伎座で「壽 初春大歌舞伎」を観劇しました。
幸四郎改め二代目松本白鸚、染五郎改め十代目松本幸四郎、金太郎改め八代目市川染五郎、
高麗屋三代同時の襲名披露公演にどうしても行きたくてやっとチケットを取りました♪

新年と襲名に歌舞伎座百三十年、おめでたづくしの「壽 初春大歌舞伎」の歌舞伎座は、
松飾りや繭玉、大凧、大きな鏡餅と、正月歌舞伎の風情たっぷりです。
 
襲名披露の口上を観たかったので、夜の部を観劇、もちろん満席です!

演目は・・・
・双蝶々曲輪日記 角力場
・二代目松本白鸚 十代目松本幸四郎 八代目市川染五郎 襲名披露 口上
・歌舞伎十八番の内 勧進帳
・舞踊二題 上:相生獅子 下:三人形

『角力場』は、片岡愛之助さんと中村芝翫さん、今何かと話題の相撲の八百長の話に、苦笑い…。
一番注目していた襲名披露の口上、祝幕が開くと舞台にずらりと並んだ22人の歌舞伎役者に圧倒され、
どよめきと鳴りやまない拍手の中、『襲名披露口上』が始まりました。
藤十郎さんの紹介を受けた白鸚さん、そして息子の幸四郎さん、そしてまだ12歳の染五郎さん、のご挨拶。
それに続いて有名どころの役者さんが次々にお祝いのお言葉を述べ、たくさんの役者さんに会え大満足です♪
『勧進帳』は染五郎が幸四郎となり弁慶に、相対する富樫は吉右衛門、義経に金太郎改め八代目染五郎、
弁慶が義経を打つ場面は父が我が子を打つことになり、そこに流れる親子の愛情も感じてしまいました。
染五郎さんの発声や動作などまだこれからでしょうが、初々しい役者ぶりにこれからが楽しみです。
舞踏の二題は、華やかでお正月らしい綺麗な舞台の終わりとなりました。

 
周りの方々と幕間におしゃべりすることが出来、皆さん大阪、京都、新潟、群馬、埼玉と、
遠くからいらしている方が多くてビックリしました。
お弁当は、この時この場でしか食べられない高麗屋三代襲名記念「襲名弁当」!
「赤飯と切りイカ」「唐揚げ」などご一家のお好みの品や、
「黒豆」「田作り」「海老」など縁起の良い料理も入る、おめでたいお祝いのお弁当でした♪

父、息子、孫の三代が同時に襲名し、同じ舞台に立つなど滅多にないことですし、
この先、私は見ることもないでしょう。
幸四郎さん改め白鴎さんは、息子、孫と一緒の舞台がどんなにか嬉しかったことか!
おめでとうございます!!

広辞苑 第七版

2018-01-26 | 本の紹介
1月12日に、第六版から10年ぶりに改訂された『広辞苑・第七版』(岩波書店)が発売されました。
本校も予約しており、図書館に入ってきました♪

広辞苑第七版の普通版は9,000円(6月30日まで8,500円)、図書館へ入れたものです。
字を大きくし、2冊+付録の計3冊を1組みにした机上版は14,000円(同13,000円)。
収録項目は、基礎語や日常語から外来語、専門語、そして新語や地名人名まで約25万語で、
このうち約1万語が今回新たに収録されました。
「定着した言葉だけを選ぶ。最先端の言葉を勇み足で採用しない」のだそうです。
今という時代を読み解くために将来不可欠と考えられる言葉を慎重に選んでいます。
例えば、「いらっと」「上から目線」「お姫様抱っこ」「口ぱく」「小悪魔」「ごち」
「婚活」「自撮り」「勝負服」「乗り乗り」「無茶振り」「スマホ」「クラウド」「フリック」…etc、
まだ入っていなかったの?と思う語もありますね。
逆に収録を見送られたのは「アラサー」「アラフォー」「アラフィフ」「がん見」
「ググる」「つんでれ」「ディスる」「ほぼほぼ」「ゆるキャラ」・・・10年後はどうでしょう?

第七版の本冊は第六版よりも140ページ増加した3,216ページ、厚さ8㎝は変わりません。
用紙・造本の質がさらに向上し、製本機械の限界8㎝に収まるようにさらに薄い紙を開発したそうです。
実際にページをめくってみると、手に吸い付くようなめくりやすい「ぬめり感」があり、
これだけ薄いのに裏映りもなく、本当に素晴らしい紙でずっと触っていたくなります。


予約特典として、三浦しをんさん著の小冊子「広辞苑をつくるひと」(文庫判)が付いてきました♪
三浦しをんさんと言えば辞書を作る仕事を題材にした小説『舟を編む』で2012年本屋大賞を受賞。
『広辞苑 第七版』製作の現場を訪ね歩いたルポエッセイになっています。
訪問先は、国立国語研究所、大日本印刷株式会社の秀英体開発部、古生物学者とイラストレーターのコンビ、
株式会社加藤製函所、牧製本印刷株式会社。
熱き仕事人たちを、温かく見つめ描いた入魂の作、お仕事話が好きな私にとっては実に面白い!

出版後、新たに収録された「LGBT」と「しまなみ海道」について、
岩波書店は解説文に誤りのあることが判明したとして、ホームページに新たな解説文を掲載しました。
広辞苑の編集は各分野の200人以上の外部専門家から追加すべき項目を募って執筆してもらい、
4,5回のチェックを経て印刷するそうですが、出版物の例にもれず誤記は出てしまうもの。
今後、版を重ねることで修正されていきますね。

映画 『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』

2018-01-25 | 映画
昨日は最低気温-7.1℃最高気温5.4度、今日は最低気温-4.2℃最高気温2.4度、
北海道では-31.3℃の町が!厳寒の日が続いています。
我が家の庭の雪はほとんど溶けていません。

今年初めての映画はジョン・スティーブンソン監督『プラハのモーツァルト 誘惑のマスカレード』
モーツァルト生誕260年生誕記念、「ドン・ジョヴァンニは愛のレクイエムだった」のキャッチコピー。
モーツァルトがプラハで名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」を初演したという史実から着想を得て、
プラハの上流階級を舞台に繰り広げられる、愛と嫉妬と陰謀にまみれた三角関係が描かれます。

映像は百塔の街プラハのエステート劇場やプラハ城、カレル橋など美しい街並みや建物など、
実際にモーツァルトが訪れた場所でロケされています。
18世紀の古都プラハが見事に再現され、蝋燭の照明で浮かび上がる装飾、衣装、オペラ上演場面、
その時代のモーツァルトの曲の楽しみ方、舞曲の踊りを見れたのも興味深かったです。

それから楽しみだったのはプラハ市立フィルハーモニー管弦楽団の演奏する音楽。
モーツァルトの「フィガロの結婚」がプラハでの公演をきっかけに高評価を受け、
プラハで名作オペラ「ドン・ジョヴァンニ」をモーツァルト自身の指揮で初演したという史実があり、
全編にモーツァルトの曲を中心にクラシック音楽がちりばめられています。


33年前(!)にアカデミー賞8部門を受賞した「アマデウス」(1984)は本格的なモーツァルト映画で、
その衝撃的な内容は今でも覚えているほどです。
それに比べると重厚さには欠けますが、音楽と映像を満喫しました♪

大雪

2018-01-23 | いろいろ
昨日は想像以上に雪が降りましたね!
降り出しがお昼過ぎだったので、予定通りに本校入学試験は実施できました。

何日も前から「雪」の予報が出ていても、昨夜のような大混乱になってしまうものなのですね。
前日の日曜日がポカポカ陽気だったため「本当に降るの?!」と、
油断もあったかもしれません。
それにしても、東京にはこんなにも人が集中しているものかと、
TVニュース映像の駅構内の写真を見て思いました。
(6年前の東日本大震災の夜もこれと同じような映像を見ました・・・。)
列車の間引き運転や、道路渋滞の影響ももちろんあったでしょうが、
大雪警報が出た時点で帰宅指示を受けて誰もが同時に駅に殺到すると、
通常時間の列車では間に合わず、許容量を超えてパンクしてしまうのですね。
こういう非常時にはダイヤを変更して本数を増やすことは難しいのでしょうか?
都内勤務の我が子たちは大丈夫だったのかなぁ…?と心配になりました。

雪の量が多くて午後からあっという間に道路も真っ白!
この近隣は、スタッドレスタイヤに履き替えていらっしゃる方が多いのですが、
(もちろん私も11月にスタッドレスに)
都内の道路で右往左往したり止まったりの乗用車、バス、トラック、危険です!
事故の危険はもちろん、一台の立ち往生で多大な迷惑をかけてしまうことも。
高速道路やトンネル内で何時間も動かなくなったら、と想像するだけで恐ろしく、
食糧や水やトイレ、どうされたのかしら?と心配です。
4年前の積雪80cm超大雪の時にはスーパーやコンビニの棚が空っぽでしたが、
今回は大丈夫でした。

それにしても、都心の電車は2.3分刻みで何百人もの人を乗せて走っていることを改めて思い、
東京はもろくて危うい均衡の上に成り立っていると、ちょっと怖くなりました。

道路の道はほとんど解けてひと安心ですが、
明日から記録的レベルの大寒波が長期間到来する予報、道路脇や日陰の雪はなかなか溶けないでしょう。
この雪で空気乾燥も少し和らぎ、先週から猛威を振るっているインフルエンザはひと段落するといいです。
今年はひときわ寒さが厳しいような気がして、暖かい日が待ち遠しい!

今日は、草津白根山の想定外の噴火でおいたわしいことに犠牲者が。
滑ったことのあるスキー場ですし、遠くないところ、危険はいつどこにあるかわからないものです。


埼玉県優勝!!

2018-01-21 | いろいろ
今日、都道府県対抗全国男子駅伝が広島で行われ、埼玉県が3年ぶり2回目の優勝!!
おめでとう!!

1区から7区まで、高校生→中学生→社会人→高校生→高校生→中学生→社会人の順で走り、
10位ー6位ー6位ー2位ー5位ー4位と上位から外れることなく、
アンカーの設楽選手まで襷が渡りました。
2区ではこの町の中学3年生が走り、区間6位と健闘しました。
アンカーの7区は最長13㎞、一昨年のリオデジャネイロオリンピック陸上男子1万mに出場した、
設楽悠太選手が4位で襷を受け取ると5㎞には先頭に立ち、区間トップの走りでリードを広げ、
埼玉が3年ぶり2回目の優勝を果たしました!
タイムは2時間19分10秒、埼玉県としては歴代トップの記録で優勝しました!
選手の皆さん、お疲れ様、そしてありがとう♪

上位8位までの入賞は、埼玉、長野、千葉、福岡、群馬、山口、神奈川、茨城、と、
関東がとても多いです。
人口も多いし、マラソンや駅伝が盛んだったり、実業団駅伝や箱根駅伝が身近なことも、
関係あるのでしょうか?

本校は明日が入学試験。
心配だった降雪はお昼からの予報で、始まりは予定通りになりそうでちょっとホッとしましたが、
受験生の帰りが心配です。
変更等が生じる場合は入学試験当日の午前6時にホームページにてお知らせいたしますので、
必ずチェックしてください。
受験生の皆さんが安心して受験できるよう、学校側は最大限の配慮をしております。
昨日土曜日は全校あげての大掃除、明日は試験の手伝いのための生徒もたくさん待機し、
緊急事態の対応のために、今夜、泊まり込みで待機している教員もいます。
落ち着いていつもの力が発揮されますよう、学校をあげて受験生の皆さんをお待ちしています。

本屋大賞ノミネート作発表!

2018-01-19 | 本の紹介
先日の芥川賞・直木賞発表、そして昨日の本屋大賞候補作発表と、出版界がにぎやかです。
一次投票が昨年11月1日より本年1月4日まで行われ、全国の504書店、書店員665人の投票があり、
その集計の結果、10作品が「2018年本屋大賞」ノミネート作品として決定しました!
対象は16年12月から17年11月に刊行された小説で、大賞作品は2次投票を経て4月10日に発表されます。

・伊坂幸太郎 『AX アックス』(KADOKAWA)
・辻村深月 『かがみの孤城』(ポプラ社)
・小川糸  『キラキラ共和国』(幻冬舎)
・知念実希人 『崩れる脳を抱きしめて』(実業之日本社)
・今村昌弘 『屍人荘の殺人』(東京創元社)
・塩田武士 『騙し絵の牙』(KADOKAWA)
・原田マハ 『たゆたえども沈まず』(幻冬舎)
・柚月裕子 『盤上の向日葵』(中央公論新社)
・村山早紀 『百貨の魔法』(ポプラ社)
・今村夏子 『星の子』(朝日新聞出版)

芥川賞候補作の『星の子』、雑誌ダヴィンチで1位の『かがみの孤城』、私の一押し『盤上の向日葵』と、
注目の作品ばかりです。
私は今のところ10冊中6冊を読みましたが、まだ読んでいない作品で話題になっているのが
俳優の大泉洋を主人公にした、完全あてがきの“主演小説”『騙し絵の牙』。
企画発案当初から映像化も視野に入れてスタートし、著者と出版社に加え、芸能事務所、
そして主演となる大泉との4者による綿密な打ち合わせと試行錯誤を重ねて誕生した、異色の文芸作品。
これから読むので楽しみ♪

ちょうど読み終わったのが原田マハ著『たゆたえども沈まず』(幻冬舎)、良かったです!!

1886年、栄華を極めたパリの美術界に流暢なフランス語で浮世絵を売りさばいた実在の日本人画商・林忠正。
時を同じくして天才画家フィンセント・ファン・ゴッホは、
放浪の末パリにいる画商の弟・テオの家に転がり込み、テオは兄の才能を信じ献身的に支え続けます。
林忠正の仕掛けた「ジャポニズム」の波に乗ったのが印象派の画家たち。
その後の「ポスト印象派」の画家たちも名を上げていきますが、どうしても評価されなかったゴッホ、
その悲しく辛い生涯が、弟のテオ、ゴッホの才能を見抜いていた林忠正、と絡めて描かれます。

作品のタイトルは、フランス パリ市の標語だそうです。
パリの紋章にはラテン語で”Fluctuat nec mergitur“と書いてあり、
これはフランス語に訳すと”Il tangue mais ne coule pas(揺れはするが、沈没はしない)”となります。
歴史的に多くの苦難や惨事、災害が起こったパリは、揺れても決して沈みはしない。

私はベルギー在住中に、オルセー美術館やクレラー・ミュラー美術館、ゴッホ美術館で、
たくさんのゴッホの作品を見てきましたし、絵の描かれた場所やゴッホとテオの墓地まで行きました。
一番好きな絵はアルルのカフェを描いた「夜のカフェテラス」でしたが、
ゴッホの生涯を詳しく知るうちに軽々にどの作品が好きと言えなくなっています。
今や億のお金で取引されるゴッホの絵が、あの頃せめて1枚でも今の値段で売れていたら、
今の世界的評価を知っていたら、と思わざるを得ません。
毎週見ているTVの「旅するフランス語」も、今、ちょうどゴッホを訪ねる旅となっています。

第158回芥川賞・直木賞決定!

2018-01-17 | 本の紹介
第158回芥川賞・直木賞の受賞作が昨夜、発表されました!
芥川賞は若竹千佐子(わかたけ ちさこ)さんの『おらおらでひとりいぐも』(文芸冬号)、
石井遊佳(いしい ゆうか)さんの『百年泥』(新潮11月号)、
直木賞は門井慶喜(かどい よしのぶ)さんの『銀河鉄道の父』(講談社)にそれぞれ決まりました。
おめでとうございます。

若竹さんは1954年、岩手県遠野市生まれ。
昨年受賞作で文芸賞を受賞しデビュー、そのデビュー作で候補となり受賞されました!
63歳での芥川賞受賞は史上2番目の年長受賞だそうです。
受賞作は老いがテーマで、タイトルは宮沢賢治の詩「永訣の朝」からとった言葉です。
「人生の終盤にこんな晴れがましいことが起こるなんて。」と率直な喜びがあふれていました。

石井さんは1963年、大阪府枚方市生まれ。
2年前からからインド・チェンナイにあるIT企業で日本語教師として働き、
昨年に『百年泥』で第49回新潮新人賞、芥川賞候補初めてでの受賞です。

お二人とも年齢がいってからの作家デビュー、そして間もなくの芥川賞受賞なので、
私は今まで読んだことのない作家さんたちです。
これからその作品を読むのが楽しみです♪

門井さんは1971年、群馬県桐生市生まれ。
2003年『キッドナッパーズ』でオール読物推理小説新人賞受賞。
直木賞候補は2年前の『東京帝大叡古教授』、昨年の『家康、江戸を建てる』に続き、
3度目の正直で受賞となりました。
前に候補となった2作品もとても面白かったです。
受賞作は予約した図書館からなかなか回ってこず、まだ読んでいないのが残念…。

<芥川賞候補作>
〇石井遊佳 『百年泥』 新潮11月号
・木村紅美 『雪子さんの足音』 群像9月号
・前田司郎 『愛が挟み撃ち』 文學界12月号
・宮内悠介 『ディレイ・エフェクト』 たべるのがおそいvol.4
〇若竹千佐子 『おらおらでひとりいぐも』 文藝冬号

<直木賞候補作>
・彩瀬まる 『くちなし』 文藝春秋
・伊吹有喜 『彼方の友へ』 実業之日本社
〇門井慶喜 『銀河鉄道の父』 講談社
・澤田瞳子 『火定』 PHP研究所
・藤崎彩織 『ふたご』 文藝春秋

直木賞の候補になっていた人気バンド「SEKAI NO OWARI」の藤崎彩織さんは選に漏れました。
他の候補作も良いものが多かったので、受賞するのは本当に大変なことなのだと思いました。

ムーミン谷はどこ?

2018-01-16 | 本の紹介
センター試験が終わり、生徒たちは私大入試、国公立大2次試験に向けスタートを切りました。
毎年、何かしら話題を提供するセンター試験の出題ですが、
今、地理Bの問題で出題された「ムーミン」が大学教授や大使館を巻き込む騒動になっています!

試験問題では「ノルウェーとフィンランドを舞台にしたアニメーション」として、
「ムーミン」と「小さなバイキングビッケ」が提示され、例示した両国の言語との正しい組み合わせを求める問題。
そもそも、地理の問題にフィクションである文学作品が出題されるのはどうなのかな?と思っていたのですが、
ある研究者が
「スウェーデン語系フィンランド人作家が、スウェーデン語で書いた物語の舞台は、架空の場所のムーミン谷」
と指摘したところから様々な意見が飛び交っています。
では、作家の出身地を問う問題にすれば良かったのか?とも思ったのですが、
この「出身地」というのも考え方によって、生まれた地か、育った地か、活躍した地か、現住所か、
特に国相互が陸続きのヨーロッパでは難しいこともあります。

私は、本校図書館にあるボエル・ウェスティン著『トーベ・ヤンソン 仕事、愛、ムーミン』(講談社)
の中から、「ムーミン」が初登場するあたりをさらっと読んでみました。
その頃は第二次世界大戦が始まり、ソビエト連邦がフィンランドに侵入した冬戦争のさなかで、
フィンランドはこの侵略に抵抗し、多くの犠牲を出しながらも独立を守りました。
以下、作品からの抜粋です。

「トーベは戦争が現実社会にどんな影響を及ぼすのかを、小さな子供たちに向けて物語の中で語り、
家族の崩壊、家探し、離散の脅威、そして安らぎを求める物語は、まさに戦争がテーマである。
こうして書かれたムーミントロールの不思議な旅の物語は、作者自身が満たされるための旅になった。
美しい陽の光が射し、花が咲き乱れ、果物がたわわに実る場所。
トーベはそこを「ムーミン谷」と呼んだ。」

ムーミンは平和な家族の物語と思っていましたが、実は作者の平和への希求が込められていることを知り、
幼い頃TVを見ながら何とはなしに感じていた淋しさや怖さの理由がちょっとわかった気がしました。

センター試験の国語の現代文では井上荒野さんの作品が問題文として出題されました。
問題文「キュウリいろいろ」は、長編『キャベツ炒めに捧ぐ』に収録されている章のひとつです。
井上荒野さんは10年ほど前に『切羽へ』で直木賞を受賞した私と同年代の女性の作家です。
私は彼女の作品を何冊か読んだことがありますが、食べ物をテーマにした作品も多いです。
今年も女性の作家さんの作品からの出題でした!!

今日、芥川賞・直木賞が発表されます。
どの作家さんかな?と、今から楽しみです♪