今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

「本が好き♪図書館ブログ」からタイトル変更

19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

書籍データベース化

2009-02-26 | 司書室より
映画「おくりびと」アカデミー賞受賞の記事が満載だった24日の新聞に、
新聞の下1/3を占める大きさでこんな「法定通知」が載っていました。

「書籍の著者、出版社、または書籍や執筆物の著作権を有しているその他の人物である場合には、
貴殿の権利に、グーグルの書籍および執筆物のスキャンおよびその使用に関する
集団訴訟の和解案が影響することがあります。」

米Googleが世界各国で公表したこの告知広告が波紋を呼んでいます。
グーグルにはGoogleブック検索(Google Book Search)というのがあります。
これは、Googleが書籍本文をデジタル化(スキャン)し、内容を検索できるようにしたサービスです。
日本語版の説明によると、現在700万冊以上の書籍の全文を検索できるそうです。

利用者としては、便利で手軽で安くて有難いものです。
まして、発行部数が少なくてなかなか手に入らない本や、
もう絶版になってしまった本などを、
古本屋や国会図書館などで1冊ずつ手作業で探すことを考えたら、
その恩恵ははかりしれません。
データベース化されていれば、いつでもどこからでも読むことができます。

でも、著者の立場に立ったらどうでしょうか?
まさしく著作権侵害!
アメリカの著作者団体・米出版者協会(AAP)などが2005年にGoogleを提訴し、
Googleは著作権侵害を否定して争いましたが、
訴訟は昨年10月に和解に至りました。

ここまではアメリカ国内だけの問題だったのですが、
和解したことによりその効力が日本の著作者にも及ぶことになるのだそうです!
もしデータベース化されるのが嫌だったら、
著作者らが自ら申請をしなければ、米国内でのデータベース化を拒めないとか。
日本の作家たちはびっくり!!

しかもこの告知文、じっくり読みましたがわかりにくい。。。
英文を翻訳してあるのでしょうが、細かい字でびっしりと書かれているのです。

音楽も、CDを買う人が少なくなり、ネット配信が増えてきています。
本の世界も、データで手に入れる時代が遠からず来るのでしょうか?
ちょっと淋しくなります。
グーグルストリートビューといいグーグルブックといい、
世界中をデータ化してしまうのではないでしょうか。。。
グーグル恐るべし!!

アカデミー賞

2009-02-23 | いろいろ
20日に日本アカデミー賞の発表があり、
滝田洋二郎監督の映画 「おくりびと」 が最優秀作品賞に選ばれました。
なんと10部門で最高賞に!

▽最優秀作品賞 ▽監督賞=滝田洋二 ▽主演男優=本木雅弘 ▽助演男優=山崎努 
▽助演女優=余貴美子 ▽脚本=小山薫堂 ▽編集=川島章正 ▽撮影=浜田毅 
▽照明=高屋齋 ▽録音=尾崎聡、小野寺修 

この映画は、今まで私が見た邦画の中でもかなり良かった♪と思っていました。
ただ、今回主演女優賞を獲得していないのからもわかるように、
残念ながら主演女優がいま一つだったのです。。。
その時のブログ記事はこちら

そして今日、アメリカのアカデミー賞でも「外国語映画賞」を受賞しました!!
1959年度に外国語映画賞が設けられて以来、
日本作品の受賞は初めての快挙だそうです。
タイトルの英語名は「デパーチャーズ」(旅立ち)。

「生の賛歌と死への畏敬」「家族と愛」が良く描かれていました。
暗く重いだけではなく、ユーモアとコメディも含まれています。
「死」というものに対する日本独特の考え方や風習もよくわかります。
そんなことろが評価されたのでしょうか。
映画で主役の父親を演じた峰岸徹さんは上映中の昨年10月に病死されました。

主役の本木さんは納棺師の青木新門氏の著書『納棺夫日記』を読み込み、
現役納棺師の特訓を受けたそうです。
機会があったらこの本を読んでみたいです。



雪景色

2009-02-20 | 学校のこと
今朝、起きたら雪景色でした♪
夕べ遅くから降り始めたようです。
積もったのは今年初めて。
スタッドレスタイヤの威力を発揮する時!とちょっと嬉しかったのですが、
出かける頃はもう雨で融け始めていました。
ちょっと残念。。。

上の写真は家の北側にある日本庭園ですが、
南側の洋風庭園の方が雪が積もっていました!
なぜ?



学校は、朝から一日予餞会でした。
卒業生を送る会です。
午前中は各部活動の発表で、チアリーディング・書道・ダンス・吹奏楽部が登場しました。
その他、甲子園での野球応援歌をみんなで歌ったり踊ったりしてとても盛り上がったそうです。
午後は毎年お笑い系のゲストを呼んでいます。
今年は「ザ・パンチ」・「しずる」・「タカダ・コーポレーション」が登場!!
生徒は「面白かった♪」と言っていました。
私は、残念ながら書店さんとの打ち合わせがあって見られず、残念でした。。。
学校のHPに写真入りの記事がありますのでご覧ください!
こちらです。

浅間山

2009-02-18 | いろいろ
家の近くから見た浅間山です。
一昨日午後、また小規模な噴火があったそうなので写真に撮ってみました。
頂上付近から噴煙が上がっているのが見えます。
1月頃、とても寒かった時にはすっかり雪で覆われていましたが、
数日前の暖かさで雪が少なくなりました。

今月2日、浅間山で噴火が発生しました。
噴煙の高さは約2000メートルに達し、風向きによるものなのかこの近辺には何も飛んできませんでしたが、
関東南部や東京まで降灰があったそうです。

この写真は携帯電話のカメラでズームで撮ったのであまりはっきりしませんが、
噴火により噴石や火山灰が降ったあたりは雪がとけています。
冬は姿の美しい浅間山がすっきりと見えます。
煙をずっと出し続けているのを見ると、
地球は生きているんだなと、あらためて感じます。

チョコレート

2009-02-14 | 司書室より
今日はバレンタインデーですが土曜日で学校は休みです。
なので、昨日チョコレートを私にくれた生徒がいます。
手作りのエクレア♪とっても上手にできていました!
中のクリームはコーヒークリームです。
美味しかったです~~~ご馳走様♪

バレンタインデーにチョコレートをプレゼントするようになったのは
お菓子業界の作り出した日本独自の習慣なのですが、
やはりその流れに乗ってしまう私を含めた日本人。
最近は「本命チョコ」「義理チョコ」だけでなく
「友チョコ」や「逆チョコ」まであるようです。

私は我が家の男性陣にチョコレートケーキを。。。
買ってきました、ハイ!




成田空港

2009-02-12 | いろいろ
今日は(今日も?)個人的な話題で恐縮です。。。

成田空港へ行ってきました。
娘がパリの大学に留学するのでその見送りに。
1年間フランス語とフランス文化の勉強をする予定です。

今、某携帯電話のTVCMで同じようなシーンがありますよね。
両親が「しっかり頑張るんだぞ!」とお嬢さんを空港で見送り。
その後、友人たちも見送りに来ていて「頑張りすぎるなよ♪」

娘の友人たちも朝早いのに日暮里の駅に集まってくれていて、
「いってらっしゃ~い!!」と見送ってくれました。
夏に我が家でお泊り(合宿?)をしたあのメンバーです。
娘も私も感激してしまいました。

空港に着くと、カメラのフラッシュを浴びてインタビューされている人がいました。
サッカー選手みたい・・・と思ったら松井大輔選手でした!
昨日、日本での試合を終えて、またフランスへ帰るところでした。
同じ飛行機だったみたい!!



成田空港で旅立つ人を見送りした後の帰りの電車は、
取り残されたような淋しいような複雑な気持ちになります。。。

映画 「いのちの食べかた」

2009-02-10 | いろいろ
学校のU先生が映画のDVDを貸して下さいました。
タイトルは「いのちの食べかた」
ドイツ・オーストリア合同製作で、映画の原題は"OUR DAILY BREAD"(私たちの日々の糧)

効率化を追求した食料の生産現場が、
現在どのようになっているかを映したドキュメンタリー映画です。
ナレーション、インタビューなどは一切なく、音楽、効果音、説明の字幕もなく、
固定カメラで撮影された画面と、同時録音されたらしい現場の音だけで作られた映画です。

これには16種類の食物が出てきます。
穀物(小麦粉)、ひまわり(油)、岩塩(塩)、豚(豚肉)、鶏(鳥肉)、牛(牛肉・牛乳)etc・・・
その原材料から食品になるまでが実に淡々と何の感情も意見も盛り込まれず、
事実だけが実に淡々とした調子で映像が流れます。
そこで働く人々も、毎日の当たり前の仕事として無表情に正確に仕事をこなしていきます。
機械化され、オートメーションの中で生きているものが食品になっていく様は、
まるで工業製品が作られているかのような気さえしてきます。

どれも知識として原材料が何か子供でもわかっているものです。
そして、食品もスーパーなどでよく見かける一般的なものです。
ただ、私たちはこの映像のような中間の部分があるということを
いつもほとんど気にしていないような気がしました。
ひよ子は塊となってベルトコンベアーを流れ、鶏・豚・牛は足でつるされてされる。
種を取るために、薬をかけて早く枯れさせたひまわり。

食品になるために生まれ、命を絶たれていくものたち。
生きていくということは、他の命をもらっているということです。
日本語の「いただきます」という挨拶は、他の生物の命をいただくという意味なのです。
それを忘れてはいけないと思いました。

日本は食料自給率が39%と、先進国の中でも断トツの低さです。
それにもかかわらず、世界中で最も食べ物を捨てている国でもあります。
1年に約2000万トン。。。
大人1人が1食に500gを食べるとすると、1日に300万食捨てている計算になるのだそうです。
あの牛やひよこの命が無駄になっているかと思うと辛いです。

演奏会

2009-02-08 | いろいろ
オーケストラの演奏会へ行ってきました。
今日の演奏会は「オーケストラ・ワークショップ」

母体は埼玉交響楽団。
このオーケストラが地元の楽器を演奏する小中学生と一緒に、
パート練習から合奏練習を経てステージでの演奏までを1日で行い、
そのステージ発表を一般の観客が聴くというものです。

アマチュアのオーケストラと子供たちですが、
演奏した曲は本格的なクラシックでした。

1 シベリウス 交響詩「フィンランディア」序曲
2 シューベルト 交響曲第7番「未完成」より第1楽章
3 ワーグナー 歌劇「ローエングリン」第1幕への前奏曲
4 ハチャトゥリャン 組曲「仮面舞踏会」よりⅠ.ワルツ、Ⅲ.マズルカ、Ⅴ.ギャロップ

どれもよく知られている曲です。
特に「仮面舞踏会」の第1楽章はフィギアスケートの浅田真央選手が今年の演技に使っています。

小中高校生がオーケストラと一緒に演奏する機会はなかなかないと思います。
個人的に弦楽器を習っているとか、学校の吹奏楽部に所属している子どもたちなのでしょう。
大人に混じって、一生懸命な演奏です。
客席にお友達も聴きに来てくれているようでした。
「緊張してドキドキで心臓が飛び出しそうだった!」と言っている高校生もいました。
プロのように完璧な演奏ではありませんでしたが「頑張っているよ!」と感じられました。

こういう機会をきっかけに、もっと練習に励むことでしょう。
そして、いつかオーケストラの団員として演奏することを目標にする子も出てくるかもしれません。
指揮者が「本番が一番上手にできました♪」と嬉しそうに語っていました。

コミック 『ヘタリア』 日丸屋秀和

2009-02-05 | 本の紹介
最近、生徒がよく本を貸してくれます。
嬉しいことです♪

先日、図書委員の2年生がカウンター当番に来たときに、
「先生、『ヘタリア』っていうコミックご存じですか?
 面白いので、今度よろしかったらお持ちしますので読んでみて下さい。」
(という言葉遣いのできる女子なのです♪)
と、翌日持ってきてくれました。

このタイトルの意味は何?と思ったら、
「ヘタレ(だめ)なイタリア」の略なのだそうです。
どれくらいヘタレかというと、イタリア軍は砂漠で貴重な飲み水を使ってパスタを茹でていた――
遊び好きで女好き、逃げ足の速いヘタレだが、愛すべきイタリア!
世界の様々な国固有の風俗、風潮、気風、風土等を
人型に模したキャラクター達が織り成す国擬人化歴史コメディなのです。
ステレオタイプ化した「イタリア人」「ドイツ人」「日本人」etc・・・

国ごとのキャラクターが面白いです♪
日本:黒髪の小柄な青年 周りの空気を読み自分の意見をはっきり言わない
イタリア:陽気で人懐こい典型的ラテン気質に加え、臆病で泣き虫 偉大なローマ帝国が祖父
アメリカ:ハンバーガーとお菓子、映画、ゲーム、ヒーロー、自由、正義が好き
ドイツ:生真面目で融通が利かない 仕事も休暇も真剣だがビールを飲むと人が変わる
イギリス:大国だったスペインを海賊をけしかけて破り私掠行為などを繰り返したため、元ヤン呼ばわりされる 
・・・etc・・・などなど

歴史上の出来事や最近の国相互の関係などが、
人同士のものとして描かれていて思わず笑ってしまいます。
例えば
アメリカ:「地球温暖化を救うためにでっかいヒーローを作ろう!どう思う?」
日本:「私はアメリカさんと同じでいいです。」
スイス:「またか日本!自分の意見を言え!」

もともとは作者がネット上で公開していたウエッブコミックです。こちら
そこで大人気となりコミック化されました。
年末に第2巻が出て、累計60万部突破だとか!!
今や小説もコミックもネット上が先になりつつあります。

その後、本家版CD、商業版CD、モバイルアニメになり、
先月地上波TV番組で放送される予定でしたが「放送局の都合」で中止になりました。
その本当の理由はアジアのある国で自国のキャラクターの設定について
「○国を侮辱している」としてネットを中心に批判の声が上がり、
国会で取り上げられるほど問題になったからだそうです。

私としては忘れていた世界歴史の復習にもなるし、
世界各国の特徴がよくわかってとても面白かったです。
ただ、書籍化にあったっては絵や文字をもっと丁寧に編集してほしいし、
コミック1冊1000円という値段で出した出版社にちょっと苦言を。。。
う~~~ん、幻○社!!

『悼む人』 天童荒太

2009-02-03 | 本の紹介
図書館便り「LIBRARY NEWS 2月号」を発行しました。
こちらです。
今日はこれを読んで「この本借りたいです。」とたくさんの生徒・先生方が来てくれて嬉しい日でした♪
今月号の特集は「第140回芥川賞・直木賞発表!!」です。

今日、直木賞受賞作の天童荒太著『悼む人』を読了しました。
前作のベストセラー『永遠の仔』から7年がかりの作品だけあって、
力作でどっしりとした読後感です。

(以下、内容にかかわる部分があります。)

全国を放浪し、死者を悼む旅を続ける坂築静人。
彼を巡り、夫を殺した女、 人間不信の雑誌記者、末期癌の母らのドラマが繰り広げられます。
何の報酬も受けず、誰かから頼まれたわけでもなく、ニュースで知る故人は知人でもなく、
野宿しながらほとんど徒歩で亡くなった場所へ行き死者を「悼む」だけ。
彼の行動に他の登場人物も、この私も理由を求めたくなります。
なぜそんなことをしているのか?
そうすることによって何が変わるのか?
結局最後まで、完全な答えは彼の口からは語られません。

「その人は、誰に愛されたのでしょうか。
 誰を愛していたのでしょう。
 どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか」

これを尋ねてそれをもとに個人を覚えておく=「悼む」なのです。
繰り返しこの言葉は出てきます。
この言葉と一緒に主人公の行動を追っているうちに、
人生の中で誰でも「愛する・愛される・感謝される」のだと思えてきます。
そして、その形は一人一人違い、それぞれがかけがえのない一つの命であったのです。

ある新聞に、天童荒太がインタビューに答えている記事がありました。
今、図書館の掲示板に貼ってあります。
その記事の中の言葉が、この作品を理解する一端になると思います。

「着想は01年にアメリカで起きた9・11同時テロ。
その犠牲者は盛大に式典で悼まれたのに、
米軍のアフガニスタン10・7報復爆撃の死者たちは悼まれなかった。
人の死は平等に訪れるのに、その扱いに軽重をつけてきた。
そういう世界を問いたかった。
死者を等しく悼むことが多くの悲劇や、むごい現実と対峙する砦になるのではないか。
そんな人が存在したら、この世界は生きるに値するのではないかと思ったのです。」

映画「おくりびと」につながる部分があると思いました。