今日も一期一会

「本が好き♪図書館ブログ」のタイトル変更
本好きholyの覚え書き的日常のあれこれ

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19年目のholyのブログをそのまま残します。 同じ時は二度とやって来ない。これからも毎日を「一期一会」の心で過ごします♪

映画 『THE LEGEND & BUTTERFLY』

2023-01-31 | 映画
映画 『THE LEGEND & BUTTERFLY(レジェンド&バタフライ)』観てきました!
眼福・至福の3時間を過ごしました♡

コロナ禍以来、混雑する映画館は嫌なので公開から日にちが経ってから行っていましたが、
1年も前からずっと楽しみにしていたので、今回ばかりはそう我慢もしていられません。
流石に初日・週末は避けて行ったところ、もう先着プレゼントは終了していましたし、
映画公式グッズはパンフレットも含めて残念ながらすべて完売していました…
平日ながらいつもの映画館にしては結構な数の観客で、前後に人がいました。

映画は(以下ネタバレありですのでご注意を)・・・
タイトルの通り木村拓哉(サマ♡)演じる織田信長と、正室濃姫との物語、
時代劇映画を期待する方は、ちょっと違うのでお気を付けください。
始まりは、信長16歳の時に齋藤道三の娘濃姫が政略結婚で輿入れしてくるところから、
最期、明智光秀が謀反を起こして信長が本能寺で襲撃され自害して果てるまで。
やんちゃで考え無しの「うつけ者」の信長から、非情な征服者「魔王」となるまで、
変わってゆく信長の表情を体当たりの演技で表現し、目の表情が素晴らしかった!
濃姫を演じたのは綾瀬はるか、私は彼女のシリアスでハードな役が好きなので、
今回の文武に優れた強い濃姫はドンピシャ、その美しさも見とれるほどでした。
どこまでも上へ天下統一「天下布武」を二人の夢とする妻・濃姫との30年の軌跡、
そこに有名なエピソードや史実が挟まる感じなので、合戦シーン少な目です。
脇を固める中谷美紀、伊藤英明を始めとする俳優陣もとても良く、
素晴らしいキャスティングと脚本、豪華で大満足の映画でした!!

公開初週金土日動員37万1000人、興収4億9700万円をあげ、初登場1位に輝き、
8週連続首位だった『THE FIRST SLAM DUNK』は惜しくも2位になったそうです。
木村くんは映画の番宣のために(?)多くのメディアに出ずっぱりだったので、
その効果もあったでしょうね。

織田信長と言えばほとんどの日本人が知っていて、自分なりの信長像を持っているし、
今までに多くの俳優さんたちが演じてきて、それぞれ好みの俳優さんもあるでしょう。
その役を演じるというのは、かなりハードルが高いと思います。
今の大河ドラマ『どうする家康』は同じ脚本家によるもので、
大河ドラマでは白兎を狙う狼のような信長を岡田准一クンが演じています。
この信長もまた、とても面白いと思うのです。

木村クンの顔メインで映画を見続けたので、もう1回ちゃんと観ようと思っています。
映画の中で重要な道具となった香合「三足の蛙」、中国伝来で吉兆を呼ぶ縁起の良いもので、
本能寺の変の前夜、突然この「三足の蛙」が鳴き出し信長に異変を知らせたとされています。
今は本能寺の宝物殿に所蔵されていますが、私もミニチュアを持っています♪
ガチャ「戦国の茶器 弐 ―天正名物伝―」 中に正倉院御物の伽羅香木【蘭奢待】片が入っています。
 
蝶のように自由を求めた濃姫は、帰蝶とも胡蝶とも呼ばれていて、
華やかなデザインに惹かれて、コンビニ通販のオリジナル風呂敷を買いました。

新年会

2023-01-30 | 美味しいもの
仲良しさんたちとの遅ればせながらの新年会を兼ねたランチ会でした♪
前回の7月は38℃越えの気温が1週間も続いた猛暑、今は最低気温マイナス5℃前後の厳寒、
半年でこの気温の変化は、本当に身体に堪えます。

今回は和風レストランの個室に集まり、それぞれ好みのお食事をチョイス、
私はお寿司天ぷら御膳、たっぷりなのにとってもお得なお値段です。(画像はお店HPより)

いつもの4人で集まるのですが、とにかくいつも楽しくて心から笑い合えて面白すぎます。
今回は個室だったので、延々と心置きなくおしゃべりして盛り上がりました。
とはいってもそれぞれ何も抱えていないという訳ではなく、
「またね。」と言って本当にちゃんとまた会えるという事は幸せと話しました。
今を楽しく無事に過ごせていて良かったね、と。

お土産にいろいろいただきました。
香水の花とも呼ばれる「ヘリオトロープ」、部屋に甘い香りが漂っています。
 
たっぷりのハチミツと美味しい手作り味噌、どちらも日常的に良く使うので嬉しいです♪

次は、また半年後、みんなが元気で変わらずに楽しく集まれますように。

一穂ミチ 著 『光のとこにいてね』

2023-01-28 | 本の紹介
一穂ミチ 著 『光のとこにいてね』(文藝春秋)読了しました。
(画像はAmazonHPより)
心温まるとても良い作品でした。

第168回直木賞候補作、そして2023年本屋大賞にもノミネートされた作品です。
一穂さんの作品は、1年前に読んだ『スモール・ワールズ』以来2作目、
前作は短編集でしたが、今作は長編でじっくり物語世界に浸れました。

お互いに母親から愛されず育った二人の少女は、全く生活環境が違いますが偶然に出会い、
せっかく知り合え仲良しになれたのに唐突に別れることになってしまいます。
同じ高校に通えるようになりますが、ほんの短い出会いでまた別れ、
大人になってからまた再会することになります。

お互いに相手に対して思っていたのは、どうか「光のとこにいてね」。
別れと出会いを繰り返しながら忘れられず、心の支えにしながら過ごしてきます。
少女の頃からの友情、というより心の寄りどころ、さらには愛情とさえも思え、
それぞれに生き辛さを抱えながら、新たな道へと進む二人です。

似たような作品が同じく直木賞と本屋大賞にノミネートされた『汝、星のごとく』
どちらかが本屋大賞に選ばれるのでは?と思っています。
(まだ10作品すべてを読了してはいませんが・・・図書館の予約がいっぱいで…)

映画 『THE FIRST SLAM DUNK』

2023-01-26 | 映画
先日見たばかりの映画 『THE FIRST SLAM DUNK』、とっても良かったです!
井上雄彦の人気コミックを映画化したアニメーションで、監督と脚本は原作者の井上氏自身、
間違いなくその世界観で仕上がっているだろうな、と前からとても楽しみにしていました。
コミック『スラムダンク』には、高校の時にバスケットボール部に入った息子共々はまって、
何度も読んだし、息子は全セリフを言えるぐらい大好きでした。
お正月に帰省した息子に映画の感想を聞いたら「すごく良かった!」とも言っていたし、
なんといっても孫はイケメンスタメンの一人と同じ名前ですから…早く観たかった!

公開から日にちが経っているので座席はガラガラ、一番大きなスクリーンのど真ん中♪
映画は・・・(この後多少ネタバレありですのでご注意を)
ストーリーの主人公は、コミックではそれほど描かれなかったリョータ、
彼の幼い頃から今に至るまで、どのようにバスケットに関わってきたのかが描かれます。
この部分はコミックになかったのですが、インターハイ選に絡めて上手く出来ていました!
いわゆる平面的なアニメとは一味違う3DCGで、立体的でリアルに感じられます。
そして、バスケットのスピード感と、視線の先のスローモーションが絶妙に織り交ぜられ、
そのシーンとカッコイイ音楽が、バッチリなのです♪

試合の成り行きと結果はわかっているのに、最後までドキドキが止まらない!
原作の持つ力あってのものでしょうが、大スクリーンで見た彼らが素敵すぎました。
高校3年間のすべてをバスケットボールに捧げた息子のこともいろいろ思い出したりして、
感動と感慨にいまだ耽っています。
日本では12月3日の公開から51日間で興収89億円突破 610万人動員 8週連続動員1位、
韓国でも封切り2週間で100万人を突破し、近年にない日本アニメの大ヒットだそうです。

NBAワシントン・ウィザーズで活躍していた八村塁選手が、
名門チームのロサンゼルス・レイカーズに移籍したことにビックリしましたが、
さらに今日試合に出場して得点を挙げたということに更に驚きました!
BSでNBAを見ていた頃はロサンゼルス・レイカーズと言えばコービー・ブライアント、
応援していたマイアミ・ヒートでウエイドと共に活躍していたレブロン・ジェームズ、
コービーのいた名門チームでレブロンと一緒にチームメイトとして活躍するなんて!
またBSで見ちゃいそう。。。やってる?!今は配信?

最強寒波が来ている今朝の最低気温はマイナス7℃、今までに経験のない寒さです。
浅間山は一時の暖かさで少し雪が解けていましたが、今日は雪で真っ白!
 
赤城山もこちら側がこれほど雪が積もるのを見るのは、あまりありません。

最強寒波

2023-01-25 | いろいろ
昨夜から今日にかけて、日本列島は最強寒波に襲われました。
(画像はウエザーニュースHPよりお借りしました)

昨日夕方、この地は台風並みの強風が吹き始め小雪が舞い飛び、
夜遅くまで庭の大木がゴウゴウと鳴り続け、怖くなって全部の部屋のシャッターを閉めました。
空気はしんしんと冷え続け、昨夜は朝までエアコンを付けたまま寝ました。
今朝の最低気温はマイナス5℃、水道の凍結に備えて準備はしていたので、
水が出にくいぐらいしか被害は出ずに、何とかホッとしたものの、
晴れているのに全く気温が上がってこない!

関東地方の冬は90%ぐらいの確率で晴天なので、通常は朝晩は冷えても日中は暖かですが、
今日は晴れているのに最高気温は2度までにしか上がりませんでした。
そうなると、夜の冷え込みは一気に来ます。
どうか明日は日中の気温が上がりますように。

日本中各地でこの最強寒波による被害がたくさん出ました。
列車が一晩中動かない、道路の通行止め、丸1日以上の立ち往生、飛行機が飛ばない、
そんな大変な状況に逢ってしまった方には、心からお気の毒に思います。
予報は早くから出ていたので、社会全体として少し機能を抑えられたら良かったのに…
近ごろは強い台風の際には、列車の運行中止や、店舗の閉店、学校休校など、
通常通りでなくても良いとするようになっています。
何が何でも出勤、登校、開店、営業、しなければならない社会は窮屈です。
今日は非常時なので出来なくても仕方がない、
そんなゆとりある考え方が広まると良いのに、と個人的には思います。

奥田英朗 著 『リバー』

2023-01-24 | 本の紹介
奥田英朗 著 『リバー』(集英社) 656ページ読了しました!

奥田英朗さんの作品は『イン・ザ・プール』『空中ブランコ』(直木賞)『サウスバンド』
『無理』『我が家の問題』『沈黙の町で』『ナオミとカナコ』『向田理髪店』『罪の轍』etc…
などを読んだことがあり、読者を文章に惹き込ませる筆力は抜群と思っています。
この作品も、超大作でありながら物語の先が気になり、3日で読了しました。

物語は・・・
群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!
十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。
かつて容疑をかけられた男、取り調べを担当した元刑事、
娘を殺され執念深く犯人捜しを続ける父親、若手新聞記者、
一風変わった犯罪心理学者、新たな容疑者たち、が織りなす緊迫の群像劇です。
10年前の連続殺人事件、そして今回の事件の真相は・・・?!

身近な地名がたくさん出てくるので、場所を思い浮かべながらドンドン読めました。
県をまたいだ同一犯によると思われる事件を捜査するのは、
警察の組織としてとても難しく、さらに重大事件になると中央の警察庁も関わってきて、
さらに大変なようです。

先月から、関東地方の各地で凶暴な強盗事件が起こっていてニュースになっています。
住人がいても暴力を加えてまでも犯罪をやり遂げるということが何よりも恐ろしい…
広域にわたる犯罪なので、とても多くの警察官や関係者が動いていると思いますが、
どうか一刻も早く解決して、恐ろしいと思っている私たちを安心させてください。

今日の天候は、お昼過ぎまでは良く晴れて10℃を越える暖かさでしたが、
夕方4時くらいから急に冷たい風が吹いてきて曇って暗くなり、
風速10m近くの強風に小雪が舞い散って、急激に寒くなりました。
今夜から明日朝にかけてこの10年で一番の最強寒波到来だそうで、
寒さに関してこのように繰り返し注意喚起のニュースが流れるのも記憶にありません。
ゴウゴウと鳴る台風並みの強風、ピシピシ音がする感じで空気が冷たくなっています。
明日朝はマイナス6℃の予報、こういう予報は当たらないで欲しかった…

入学試験

2023-01-22 | 図書館
本校の入学試験が始まりました。
本日22日は単願推薦1・併願推薦1の学力試験と面接、明後日24日は合格発表と併願➁の試験、
この2日間で多くの中学生が受験します。
今朝は気温が低かったですが、風は無く日中は暖かで静かな日で良かったです。

受験生が戸惑わずに気持ち良く試験に臨めるよう、学校側はきめ細やかな準備をしています。
コロナ3年目の入学試験、今年もコロナ感染予防に配慮した準備&試験となりました。
金曜日は朝から全校あげての大掃除、でも今日の入学試験で生徒のお手伝いは無し。
試験場となる教室は机の数を減らし、間隔をあけ、消毒、常時換気、
受験する生徒にも、体調急変や安心のために別室を用意したりとコロナ対策は万全です。

今後、2月と3月にも入学試験があり、
まだまだ受験のチャンスはありますから、どうぞご相談ください。
24日受験の皆さん、体調管理に十分留意して明後日の入学試験に備えて下さい。
春、新たな出会いとなる生徒の皆さんを迎えるのは、本当に楽しみです。

高校3年生の大学入学試験も、先週末の大学入学共通テストよりスタートしました。
国語科の問題文は、第1問 評論文は
『視覚の生命力――イメージの復権』 柏木博 (岩波書店 2017年)
『ル・コルビュジエと近代絵画――二〇世紀モダニズムの道程』呉谷充利(中央公論美術出版 2019年)
第2問の小説は
『飢えの季節』 梅崎春生 (大日本雄弁会講談社・新鋭文学選書 1948年) 
からの出典となりました。
それぞれ3500字、4100字の文章量、読む力が試されます。
高3生の受験はこれからが本番、体調に気を付けて実力が発揮できるよう祈っています!

2023年本屋大賞ノミネート作発表!

2023-01-21 | 本の紹介
一昨日の芥川賞・直木賞発表に引き続き、昨夜2023年本屋大賞ノミネート作が発表されました!
全国の書店員が"今いちばん売りたい本“ を決めるのが「本屋大賞」です。
(画像は本屋大賞HPより)

2023年本屋大賞ノミネート10作(作品名五十音順)

『川のほとりに立つ者は』 寺地はるな (双葉社)
『君のクイズ』 小川哲 (朝日新聞出版)
『宙ごはん』 町田そのこ (小学館)
『月の立つ林で』 青山美智子 (ポプラ社)
『汝、星のごとく』 凪良ゆう (講談社)
『方舟』 夕木春央 (講談社)
『#真相をお話しします』 結城真一郎 (新潮社)
『爆弾』 呉勝浩 (講談社)
『光のとこにいてね』 一穂ミチ (文藝春秋)
『ラブカは静かに弓を持つ』 安壇美緒 (集英社)

私がすでに読了しているのは4作品、図書館に予約中なのが2作品、
読了した4作品の中で忘れられないのは『汝、星のごとく』、直木賞は逃したけれど…
「地図と拳」で第168回直木三十五賞を受賞したばかりの小川哲の作品の他、
何らかの賞を受賞している作品が多く、すでに書店に多く並んでいる本ばかりで、
「今いちばん売りたい本」というより、「すでに良く売れている本」が多いかなぁ。
今後、二次投票を経て大賞作品が決定するのが4月12日、大賞の発表が楽しみです♪

仕事柄話題の本は読むようにしているので、次に読む本の選定に困りません。
今は、奥田英朗の『リバー』(集英社)が面白くてかかり切りです。
656ページの「鈍器本」、ちょうど半分まで来たところでいよいよ佳境に!

第168回芥川龍之介賞・直木三十五賞発表!

2023-01-20 | 本の紹介
昨夜、心待ちにしていた第168回芥川龍之介賞・直木三十五賞の受賞作品の発表がありました!
(画像はYhooニュースより)

<芥川賞>
『この世の喜びよ』  井戸川射子 (群像7月号)
『荒地の家族』 佐藤厚志 (新潮12月号)
<直木賞>
『地図と拳』 小川哲 (集英社)
『しろがねの葉』 千早茜 (新潮社)

どちらも2作品ずつのダブル受賞となりました。

芥川賞の井戸川さんは兵庫県生まれ。
高校で国語科の先生をしながら執筆を続け、詩人として2019年に中原中也賞を受賞。
今回は初の候補で受賞となりました。
受賞作は、ショッピングセンターの喪服売り場で働く女性と少女らの触れ合いを描いています。
選考委員は「『あなた』という二人称の語りが実験ではなく、作品に即して使われ魅力的」と評しました。

佐藤さんは、仙台市生まれ。
書店員として働きながら17年にデビューし、今回は初の候補で受賞となりました。
受賞作は、東日本大震災で被災した男性が主人公。
選考委員は「震災後の10年の世界をリアリズムでまっすぐにてらいなく書いた」と評しました。
佐藤さんは「書店員として4作品が受賞ということも嬉しいです。」と話されていました。
芥川賞は新人による文芸作品なので、作家が本業でない人も多く面白いです!
芥川賞候補作はどれも未読、これから読むのが楽しみです。

直木賞の小川さんは東大大学院博士課程を中退、15年にデビューし、
2019年に候補作となった『嘘と正典』に続いて2度目の候補、満場一致で選ばれたそうです。
読売新聞日曜の読書面「本よみうり堂」で書評を書く読書委員も務めておられます。
受賞作は、満州(現中国東北部)の架空の都市を舞台とした、640ページの重厚長大な作品で、
巻末の参考文献が150冊超え!架空の都市の物語ではありながらリアルさに引き込まれます。
この作品だけまだ読んでいる途中で、登場人物たちが少しずつ繋がりを見せ面白くなっています。

千早さんは、北海道生まれ。
08年に『魚神いおがみ』で小説すばる新人賞を受けてデビューし、同作で泉鏡花文学賞を受賞。
今回3度目の候補での受賞、私は『あとかた』『男ともだち』『神様の暇つぶし』を読了しました。
受賞作は、以前記事にもしましたが、戦国時代末期からの石見銀山を舞台にした時代小説で、
この山に流れ着いた少女の成長と、鉱山で生きる人々の生と死を幻想的に描いた。
選考委員は
「幻想性と血と土のにおいがするような筆力を存分にふるった、千早さんでないと書けない作品」
と評しました。

私は直木賞候補作全てを読み、どれも面白かったので発表を楽しみにしていたところ、
結果は予想通りでした。
他の3作品はハートウォーミングで心に沁みてとても良かったのですが、
私小説的な作品でしたので賞には選ばれにくいのでしょうか。

今日は二十四節気の大寒でしたが、14℃まで上がる暖かい日でした。
来週から最強寒波到来と予報されているのが気がかりです。。。

映画 『荒野に希望の灯をともす』

2023-01-18 | 映画
隣市の蔵の映画館で映画 『荒野に希望の灯をともす』を観てきました。
ずっと観たかったドキュメンタリー映画、公開をずっと心待ちにしていました。

平日一番早い時間の上映でしたが、結構な観客の数です。
中村哲氏の尊い活動については以前から知っていましたが、
昨秋に『わたしは「セロ弾きのゴーシュ」 中村哲が本当に伝えたかったこと』(NHK出版)を読んでから、
さらに詳しく知りたいと思っていました。
本では紙面上で文字でしかなかった中村氏の姿が、現地で活動し語る映像となって見られて、
より現実味をもって感じられました。

アフガニスタンとパキスタンで35年にわたり、病や貧困に苦しむ人々に寄り添い続けた中村哲医師、
その優しく強く誠実な姿に、現地の人びとは信頼を寄せ、共に活動しようと力を合わせ、
誰もがとても成し遂げられないと思っていた、
広大な砂漠を緑豊かな実りの土地へと変えるという奇跡を生んだのです。

人々の病気を治療しながら病院をたくさん建設し、
病気の根源としてきれいな水が無いことから井戸をたくさん掘り、
大干ばつが起こると井戸が枯れてしまうので用水路を引こう、と次々と力を尽くします。
残念なことに2019年にアフガニスタンで武装勢力に銃撃されて亡くなってしまいますが、
今までの病院、医療スタッフ、井戸、用水路、用水路建設スタッフは、
中村氏亡き後もその偉業を引き継ぎ、拡大し、アフガニスタンの人々を救い続けています。
水が来て田畑で食べ物を作れるなら、お金のために戦闘部隊になど入りたくないと、
砂漠だった地に多くの人が戻ってきて、家族で楽しそうに働き食事をしています。
まさに「魚を与えるのではなく、魚の釣り方を教えよ!」です。

映画の中で何回も出てきた言葉
「人間は地球を支配しているつもりだが、自然から少しの恵みを分けてもらっているに過ぎない。」
の言葉がとても印象的でした。
驕らず、腐らず、人々の笑顔のために力を尽くす、圧倒的な善のあまりにもまばゆいお姿で、
現実の自分が何となく薄汚れているような気がして、我が身を振り返りました。
一人でも多くの方がこの映画を観て、今、世界に足りないものを感じてほしいです。
日本中、そして戦闘が終わらない世界中の方々に、観てもらいたい映画でした!