バラードとブルースの夜

2021-05-19 | 【断想】音楽

 マッコイ・タイナーのリーダー・アルバム「バラードとブルースの夜」は、その名が示すように、夜、心静かにジャズに耳を傾けたいときにお薦めの一枚である。
 1963年にインパルスからリリースされたもので、収録曲はすべてスタンダード・ナンバー、親しみやすく接することができる。
 「サテン・ドール」、「ウィル・ビー・トゥゲザー・アゲイン」、「ラウンド・ミッドナイト」、「フォー・ヘブンズ・セイク(お願いだから)」、「スター・アイズ」、「ブルー・モンク」、「グルーブ・ワルツ」、「酒とバラの日々」の8曲。
 「サテン・ドール」は、デューク・エリントン、「ラウンド・ミッドナイト」や「ブルー・モンク」は、セロニアス・モンクの作である。
 マッコイ・タイナーのピアノの音からは、アクの強いクセのようなものは感じられず、このようなスタンダード・ナンバーの演奏には特に向いているのかも知れない。
 彼は、禁酒・禁煙の菜食主義者で、家族を大切に守ったと言う。そのような性格と演奏に表れるものとは無関係ではないだろう。
 演奏のメンバーは、ピアノがマッコイ・タイナー、ベースがスティーブ・デイビス、ドラムがレックス・ハンフリーズの3人。