いぶろぐ

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中華人民共和国について(加筆)

2008-04-27 04:01:34 | この国の憂鬱
僕は、中華料理が大好きだ。
昭和の小学生男子多くに共通だろう、
ジャッキーチェンら中国拳法の映画も大好きだったし、
史記、項羽と劉邦、三国志などなど、
ドラマチックな中国の歴史も、
含蓄深い古典も趣があって大好きだ。

僕は中華文明というものを尊敬している。
これらを生み出した中国人もまた尊敬すべき人民だと思う。

しかし、だ。

誠に残念ながら、現在の「中国」はおおよそ尊敬できる対象にない。
共産主義に名を借りたエリート独裁が続き、
あれほど批判していたはずの覇権主義、帝国主義に傾き、
メンツのためなら人命など枯れ葉ほどにも思わない。
経済発展の味を覚え、環境問題など歯牙にもかけず、
ひたすらに毒ガスと毒液を空と海に垂れ流し、
知らんぷりしている。
国の思想統制下にある教育の恐ろしさで、
多様な価値観を認める懐の深さを持ち得ないから、
偏見と思いこみと過剰な被害者意識と歪んだ民族意識が全てを支配している。

哀れな国だと思う。

世界に誇れる文化と歴史を持ちながら、
その全てに泥を塗るかのような低俗な現状に甘んじている。
まるで・・・そう、まるで、
日本のようではないか。

2000年の歴史、侍の美意識、優れた技術力、勤勉な国民性、
これら世界から尊敬されるような美点を数多く持ち、
日露戦争までは驚嘆と賛美と敬意をもって世界に迎えられていた我が祖国も、
過剰な自意識で、メンツにこだわった結果、戦争で自滅し、
世界の顰蹙国家に陥った。
続いて奇蹟とも言うべき高度経済成長を経て、
世界第2位の経済大国にのし上がりながら、
「エコノミック・アニマル」とバカにされた。
自分の国がそう呼ばれているウチは何故そうなのかが理解できなかった。
白人の差別意識だろうと思っていた。

しかし、今の中国を観ているとよく解る。
こういう感覚だったんだろう。
つまり、羨ましいとか妬ましいのではない。
浅ましいのだ。
あまりのえげつなさに、文化も歴史も吹っ飛んで、色褪せて見えるのだ。

誇り高い中国人は、怒る。
今の状況もまた、「批判」ではなく「侮辱」と受け止めるのだろう、怒る。
そりゃもう怒る。
しかし、それは子供の態度に近い。
自分のワガママを咎められて、客観的に自らを省みることなく、
ただ言われたことが気にくわないからと感情を爆発させただけの、
何も知らないがゆえの怒りなのだ。

しかし、これを彼らの民族性や、
ましてや能力などというもので解釈してはいけない。
彼らが無知なのは彼らのせいではないのだ。
彼らが十分に物事を考え判断できるだけの情報は与えられていないし、
そもそも彼我の違いを客観的な態度で分析するだけの余裕を与えられていない。
共産党の価値観だけが絶対とされる、
一方的で偏見に満ちた教育しかそこにはないからだ。
誇り高く、現状に無知な人間は、つまり独善となる。
彼らが日本人を嫌うのも十分に日本という国を知ってのことではないだろう。
歪んだ、偏った情報と教育によって、そう信じ込まされているだけだ。
同じ中華民族でも、その気風は大陸と香港と台湾とではまったく違うだろう?
彼ら(中華人民共和国)にもし十二分な情報と知識とがもたらされていたなら、
不幸な過去も乗り越えて、日本との関係ももっと成熟していたかも知れないのだ。
そもそも、どうして太平洋の彼方にある、
文化も価値観も天と地ほどに違う、
しかも原爆を二度も落とした国にこびへつらってなくてはならないのか。
付き合いの長さ深さを考えれば、日本が本当に友好を築くべきは中国だろう。
残念なことだ。

日本人は中国人を嫌うという。
中国人もまた日本人を嫌うという。
そうやって国の名前を挙げて、どこそこの国の人がキライだという。
都道府県名や学校名などを挙げて、~~のヤツラはキライだと宣う御仁もいる。
僕はそういう人々こそキライだ。
個々人の差異を無視して、わかりやすい共通項で強引にまとめ、
何か解った風な口を利く、何だかスッキリしたような錯覚に陥る、
そういう態度こそ無知蒙昧と言うべきだ。
そんなことを断言できるほど、君はその人々に深く関わったのか。
そこに属する人々のほとんどすべてと言えるほど、数多くと関わったのか。
たいていは、ありえない。
たったひとりにこっぴどくフラれただけで、
「男は」「女は」信じられないと言う、
その程度のものに過ぎない。
よく知りもしないくせに、いや、よく知らないからこそ、
パッと見で、一口の味見で、かじり聞きで、嫌う。
集団でまとめて嫌う、あるいは集団でまとまって何かを嫌う、
非常に醜くて、バカバカしい行いだ。

僕は違う。
僕は嫌いなものは独りで嫌う。
他の誰が、それこそ僕以外の全員が好きであっても別に構わない。
嫌うときはそこだけを析出して嫌う。
「女は…」「○○人は…」「**卒は…」
というくくり方をしない。
嫌うのはその個人であって、その集団ではないし、
その集団に属しているほかの人のことを僕は知らないからだ。
人間の評価は個人単位で行うべきだ。
知りもしない大多数をもまとめて評して悦に入るなんて、
足元だけを見て地球は平らなお盆だと言うに等しい妄動だ。

かつてどっかのバカなおばちゃんがブログで「いぶろぐ」を評して、
「これだから有名大卒は・・・」とやったことがあるが、
あまりにも的外れすぎて笑ってしまった記憶がある。
僕を嫌うなら僕だけを嫌えばいいと思う。
僕の関わる色んなものをごっちゃにしないで貰いたい。
僕は決していわゆる「勉強できた人」の典型ではないし、
誇れるような成績も取ったことがない。
そもそも学校の勉強(=与えられた課題に過ぎない)が出来たかどうかなんて、
くだらないことしか自慢の種がないような、
それだけを自分の恃みにするような、貧しい人間と一緒にしないで貰いたい。

僕の知人友人には東大やら外国の大学やら、
それこそ僕なんかが到底及びもつかないような知の巨人が多くいるが、
僕の知る限り、本当に知に余裕のある人間は、
学歴や成績なんかはまず話題にしない。
そんなものに拠らずとも、豊かな識見と話題があるし、
そもそも語るまでもない自信と、
より優れた人を多く知るがゆえの謙虚さがあるからだ。
だいたい学歴やら成績やらを自慢するのは、コンプレックスの裏返しだったりする。
今の環境で十二分に自分が評価されていないと感じる者、
自己実現がはかれずにいらついている者、
そもそも自分を過大評価している者に多い。
いわく、~~大だけど本当は~~大にも受かる偏差値が出てた…だの、
地元の高校ではトップクラスだっただの、
国語だけは異常にできただの
(なぜか努力に拠らない国語の成績を頭の良さのバロメータとカンチガイしている人間は多い)、
今だにそういう話題を恥ずかし気もなくやらかしちゃうヤツ、
居酒屋で見かけるでしょう(笑)。

早稲田大学を卒業した人間がいったい、何十万人いると思っているのか。
そのうち何%を知っているというのか。
中には総理大臣もいりゃあ犯罪人もいる、
森元首相だってスーパーフリーだっているのだ(笑)。
一流企業の社長もいりゃあ、フリーターもいるだろう。
裁判官もいりゃあ検事も弁護士も、そして被告人だっているだろう。
Rebirthのメンバーや、俺のクソ親父だっているのだ(笑)。
これらを全部ひとくくりにしてモノを言うことの愚かさを知れと言いたい。
教授なんか手鏡と痴漢でつかまってんだぞ(笑)。
そこまで括って「エリートの闇」とかやらかす気か?
性犯罪に走れば…田代まさしもエリートか?(笑)

話を戻せば。

たかだか数十万人にすぎない大学OBにしてからがこれだ。
それを「日本人は…」「中国人は…」「欧米人は…」と括ることが、
いかにバカバカしく的外れなことか解るだろうか。
「中国人は信用できない」なんて、軽々しく言うべきではない。
十数億人いるんだぞ。
友人知人全部ひっくるめても、
その数億分の一の規模の人間関係すら築けていないような一個人が、
テレビや雑誌の文言に踊らされて、知りもしない中国人について語る、
格好悪いと思わないか?
情報にあふれた日本にあってなおこれだ。
共産党政権に都合の悪い情報はカンペキに封鎖され、
一方的な国家宣伝だけが垂れ流される中国に、
客観的な態度を求めるのが間違いというものだ。
中国人に罪はない。
本当の罪は彼らに世界的に恥をかかせ続けている中国共産党政権にこそ、ある。

だからこそ。
中国人は、今こそ謙虚になるべきではないのか。
近世以降の「屈辱の歴史」を雪ぐために、
報復的な外交姿勢に陥るべきではない。
アメリカに代わりうる、誇り高きアジアの盟主として、
輝かしい栄光を取り戻すべきではないのか。
そのためにも、情報は公開するべきだ。
教育は公正であるべきだ。
いつまでも国民を赤子のように扱わず、
百家争鳴のお国柄なのだから、自由に論評を開放し、啓蒙を進めるべきだ。
カネだけをかき集めて、強引に一足飛びに北京五輪なんてやったって、
うまくいくはずがない。
現に聖火ひとつ、歓迎されていないじゃないか。
あれを現在の中国に対する世界の本音と知るべきだ。
チベットだけの問題じゃない。

残念で、ならない。
いち中国ファンとして、本当に、残念でならない。

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