いぶろぐ

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鉄道少年の憩

2007-10-19 02:14:53 | favorite songs
長い間、意味がわからなかった詩が、
ふっと心の隙間に入り込んできて、
その隠された真意を明かしてくれる瞬間が、ある。
それはもちろん僕の解釈が成立するというだけに過ぎないのだが、
作者の意図を越えたところで、
詩の世界とつながりを持てる瞬間が気持ちいい。
これが詩の面白さだし、深さだ。
しかし、本当にものすごい詩を書く人がいるもんだ。

ーーーー

『鉄道少年の憩』   /まんが道(大槻ケンヂ)

少年鉄ちゃんの正体は、
鉄道病患者なのである。
現実逃避願望の強さのあまり、
肉体はここにありながら、
心だけがレールの上を汽車となって走り回るという、
幻の病だ。

ダメだよ鉄ちゃん、
鉄道は終点ってもんがあるんだよ。
どんなに遠くへ行ったって、
足がぺたりとくっついている。
君の嫌いなこの土地と、
そこだって地続きだ。

鉄ちゃん、鉄ちゃん、ダメ鉄ちゃん。
それじゃあダメだ、とっつかまるぞ。
レールたどって追いかけられて、
君の肉体にとっつかまるぞ。
ヨタリヨタリと遅くとも、
肉体は君に追いつくぞ。
いつか必ず、追いつくぞ。

心は再び箱の中、
薄桃色の肉の檻、
心はまたまた肉の奴隷
精神性など午睡の夢だ。
どちらを向いても肉肉肉肉……四方八方肉肉肉…二×九=十八。
えっ! 鉄ちゃん、来年で十八かい?
大きくなったなあ、おとうちゃんにヨロシクな、じゃ、またな。

なんだい先生もう行っちまった。
へっ、先生もわかってねえなあ。
オレは御覧の通りの「ピーッ」だから、
心と肉体を二つに分けて、
自分同士で恋をするのさ。
イカシタ恋をエンジョイするのさ!

それじゃあ出発ヨウッポッポウ!
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