いぶろぐ

3割打者の凡打率は7割。そんなブログ。

Rebirth通信:2003年7月号

2003-07-01 15:48:14 | Rebirth歴史資料館
10年という歳月は微妙だ。
ついこの間のようにも感じるが、
あまりにも色んなものが変化していることに驚かされもする。
もっとも、15歳の振り返る10年前と、
30歳のそれとではかなりの差があるだろうが。
体感上の歳月の流れは指数関数的に速くなっていくという。
y=x2乗だな。
1993年なんて昨日の様だが、
よくよく考えてみると当時は携帯もメールもネットも無かった。
待ち合わせには時刻と場所を綿密に決めておく必要があったし、
遅れると連絡に苦労した。
それが今や「着いたら電話して」というとっても楽ちんな時代だ。
確かに便利だがそれに慣れてしまうと、
携帯を持たない時の無力さを忘れる。
そしてこれが落とし穴になる。

先日、うっかり携帯を忘れて外出してしまった。
よくやるんだが。
その日の深夜にスタジオでシュンスケと作業することになってはいたが、
まあ大丈夫だろうと高をくくっていたら何と電車が事故で止まってしまった。
しかも終電間際。
復旧までには1時間以上かかるというので接続を調べようと思ったが携帯がねえ。
仕方ないので中止の連絡をしようと公衆電話へ向かう。
シュンスケの番号すらわからない。
まずは自宅にかけてと。十円玉がねえ!
テレカが欲しいが駅の売店は閉まってるし、
外へ買いに出ようにも改札には怒号渦巻く人だかりが出来ていて苦労しそうだ。
ましてや両替なんて。
渋々百円玉を投入する。
シュンスケの番号聞くのに1分。
釣りは出ない。軽いめまい。

次にもう百円入れてシュンスケに電話。
ぷるるるる。かちゃ。もしもし?
「ただいま電話に出ることが出来ません…」
しまった!着信留守電だ!
20秒間に濃縮した非常連絡を吹き込む。
「これ以上録音できません」
ぷつん。これで200円。
血圧が300を越えたのがわかった。

次にスタジオ…が、電話番号の末尾が思い出せない。
2だったか4だったか。2に賭ける。
「ぴ~ごろごろ…」FAXだ………。
これで300円。
鼻血が出た。
とにかくシュンスケに話をつけないと…というわけでもう百円。
今度はつながったが、計400円。牛丼に卵とみそ汁。
全身の毛穴が開いたのがわかった。割とすぐ閉じた。

その後も俺はホームで電車を待ち続け、
家にたどり着いたのは深夜1時をまわっていた。
携帯で再びシュンスケに連絡した後、
引き出しから使いかけのテレカを3枚出し、
財布にそっと忍ばせたのだった。
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