2009年に繁殖雌馬も蹄の手入れをしましょう!という記事を書いた。
まったく同じことを書くのは嫌なので、同じことはもう書かない;笑。
鼻孔に腫瘍ができた15歳の空胎馬。
以前から歯も悪い。
腫瘍は大雑把に切り落とすだけなら立位でできるし、歯の方も噛み出しは以前ほどひどくはない。
高齢馬なので、全身麻酔はリスクがある。
しかし、肉付き(Body Condition Score)もいまいちなので、来春受胎させるためにはできるだけのことをした方が良いだろうと判断した。
で、鼻の腫瘍摘出と、臼歯の鑢削は終わったのだが・・・・
あまりに蹄が伸びて変形しているので、削蹄した。
左後はまだ手を着けていない状態。
伸び過ぎて、蹄壁は剥がれつつある。
蹄踵部も伸びて巻き込んで潰れている。
蹄底は二重蹄底になっているのかとも思ったが・・・・
あ~こんなになるまで伸びるんだな・・・・
と感心した。
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以前見たこの蹄(右写真)がどうしてこうなったのか今まで理解できなかった。
が、今回わかった。
右の写真の馬は慢性蹄葉炎で削蹄できなかった(しなかった)のだそうだ。
そして蹄底はおかしな角質で覆われているが、実は蹄支がただ伸びたものだったのだ。
いや~勉強になったな~
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繁殖雌馬と言えどもこんなに蹄が伸びてしまうのは運動不足なんだろうと思う。
それは、例えば全身麻酔するときのリスク要因になるだろうし、
来春、受胎させるためにも、無事に分娩するためにも、そして子馬と一緒に駆け回るためにも望ましくない。
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繁殖雌馬にも蹄の手入れを!
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とれるもんなら、とってみれ!
・・・・って、ほんとに取ったら、足噛むゾ
オラ君、もしかして、写真を撮られるのは、大好きですか?
歩き易くなったと思います。
相棒は、実は写真を撮られるのは嫌いなようです。カメラを襲い、そのあと逃げていきます。
あそこに手術に行く前には削蹄しておかないと、という話にはならないのですか。
手術したついでに切ってもらえるなんて話になればそれこそ悲惨です。
関節の変形までには至っていないと思いますが、着地が変わるとしばらくもぞもぞしているんじゃないですかね(笑)
ポニーの蹄葉炎の率も相当なものなのではないかと心配しています。サラブレッドより皮膚が厚い馬は蹄質も硬いようですが、放牧というほど運動できていないポニーやドサンコも多いでしょう。
伸びすぎた蹄を恥じと思うくらいの馬飼い精神は残っているように思います。しかし、実利を説きたいですね。
肉用なので、ほとんどが重種でした。
驚いたのは、ほぼ全頭が蹄が長く伸びていたこと。
教科書に写真のあった、蹄が悪い状態になっている馬ばかりだったと記憶してます。
それは蹄葉炎を示す魔法使いの靴とか、アラビアの靴とかの状態だったのでしょうか。
蹄なくして、馬無し。no hoof, no horse. ほとんどの馬は大人しく削蹄させるんですけどね。
教科書でしか見たことが無かったのですが、まさかあんな実物にお目にかかるとは思ってもみませんでした。
経営者は「馬」とはあまり思ってなかった(ただの肉用家畜)ような印象がありました。
馬に食べさせ放題食べさせるとかなりの率で蹄葉炎になるようです。急性期にダメになることもあるでしょうから、肉馬としても危ないことだと思いますが・・・・・