馬医者修行日記

サラブレッド生産地の大動物獣医師の日々

蹄葉炎の深屈腱切断術と蹄処置

2019-08-11 | 蹄病学

6月から両前肢が蹄葉炎になってしまった繁殖雌馬。

妊娠している。

今日は、先にデ・ローテーションさせた接着装蹄をしてから深屈腱を切ることになった。

手術を先にして蹄が濡れると、接着装蹄ができなくなるから。

しかし、わずかな時間とはいえ、深屈腱がつながっている状態でデ・ローテーションさせるので、良いアイデアかどうかわからない。

左前は装蹄が終わって、深屈腱を切ったところ。

右前はこれから接着装蹄するところ。

獣医師と装蹄師のコラボレーションの図。

左前は蹄内に感染巣があるのがX線画像でわかったので、蹄尖をかなり切ってもらって排膿させた。

Good Job !!

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きょねんの秋に球根を植えたユリが咲き始めた。

しかし、あまりに花がおおきくてケバイ。

園芸種として改良されてこうなんだろうけど。

野に咲く花の方が好きだな。

 

 

 



6 コメント

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Unknown (はとぽっけ)
2019-08-11 20:24:02
 餅は餅屋 で連携がうまくいったのですね。
 動画で蹄葉炎などへのいろいろな装蹄を見ますが、マテリアルもいろいろ。
 母子とも元気な出産となりますように。

 hig先生のとこ、林床にササユリらしい葉っぱが写っている画像がありましたけど、咲いていますか?見間違いかな?
 花粉が粉っぽくなる前に雄蕊を取ってあげると少しすっきるかも。
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>はとぽっけさん (hig)
2019-08-12 05:17:48
蹄病では獣医師と装蹄師が協力しあって対応する必要があります。お互い良い仕事をして認め合うことです。

ササユリらしきものは咲いていません。笹を刈りたいけど、エゾカンゾウも刈ってしまうのですよね。

雄芯って真ん中のヤツ?
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Unknown (はとぽっけ)
2019-08-12 06:04:56
 この画像でいうと赤っぽく写っているとこ。花びらと中心の間。先端にある花粉のところを花が開いたらすぐ取ると指に色が付かないしらくちんです。軽く引っ張るとすぐ取れます。天候不順にも負けず精いっぱい咲いてくれているお花たち、愛おしいです。
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>はとぽっけさん (hig)
2019-08-13 05:16:01
そのあと咲いたのを今日は見られるかも。楽しみ楽しみ。
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Unknown (宇宙少年)
2019-08-13 22:29:39
スチュワードクロッグですね
上手な装蹄だと思いました。

先生はテノトミーについて何回か取り上げておられますが
subcapal checkligament desmotomyについては取り扱われておられないように思います。
後天的な屈曲障害の馬に
subcapal checkligament desmotomy
をしたりすることはないのでしょうか?
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>宇宙少年さん (hig)
2019-08-15 04:25:18
専門的な質問ありがとうございます。
クラブフットでの深屈腱支持靭帯切断はかつてはけっこうやっていました。右上の検索ボックスで”クラブフット”とか”深屈腱支持靭帯”でブログ内検索していただくと記事が出てきます。しかし、近年はやる機会がめっきり減りました。牧場が気をつけるようになり、装蹄師さんたちも早めに処置するようになり、運動制限や飼養管理の変更などで重症化を防げるようになったのだと思います。腱を切る手術をすると売買は難しくなりますから。
一方で、やはりクラブフット気味で競馬をして苦労している競走馬や、クラブフットのまま繁殖入りして蹄を痛がっている繁殖雌馬も居ます。深屈腱支持靭帯切断という方法があることは忘れずにいてもらいたいですね。
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