もう数ヶ月、跛行を繰り返している2歳馬。
一時はかなり速い調教までできていたらしい。
そういう経過だと肩のOCDは考えにくい。
肩関節に成長期(当歳馬や1歳馬)に特有の問題があれば、なかなか速い調教までできるようにならない。
が、肩のx線検査をしてくれ。との依頼。
疫学的にもっとも疑われる繋靭帯近位付着部にのX線撮影はやってみたが異常なし。
跛行も「前に出ない」ということなので・・・・
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肩のx線撮影をしたが、やはり異常なし。
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肘のX線撮影をしたら、上腕二頭筋の遠位付着部に裂離骨折と骨吸収像が認められた。
これで、症状、経過と画像診断が一致した。
反対側も撮影したが、症状がない側にはこのような病変は認めなかった。
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前肢の跛行をきちんと診断すれば、「肩」跛行は減る。
どこかの成書に書いてあった。
名言だ。
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ひっそりと石碑があった。
帰らなかった
父よ
子よ
夫よ
兄よ
弟よ。
あやまちはくりかえしませんから。ということだと思う。
ひどくなくても、癖のように歩幅にかすかな左右差のある馬はみかけますが。
どこをどの角度で撮影するかは簡単ではないように思います。
MRIでは推測を検証するばかりではなく、今まで診断のつかなかった病気や怪我もみつけられたりするのでしょうね。
成長期の馬に、その馬にとって強すぎる運動を繰り返し課したとき。に起こるのだろうと思います。
画像診断は有力な診断法ですが、ほんとうはそういった変化が起こってしまう前に気づいて休ませたり、治療できると良いのでしょうね。
ところが、痛いところがなくても跛行することがあるんですよね。それもまた難しい診断になります。