【寒中水泳】

【寒中水泳】

JR山手線に、車内液晶表示スクリーンのついた車両が増えてきた。
 
最近の液晶表示では、車両運行に関する情報も提供され、それはそれで便利なのだけれど、収入源となる有料コンテンツは工夫が足りなくて退屈である。天気予報は平板だし、文字ニュースは順次表示される紙芝居方式なのだ。とはいえ紙芝居であっても興味のあるニュースには思わず見入ってしまう。

「松井秀喜は…」

で終わった次のページが

「フィギュアスケート、フリーの演技で…」

などと、とんでもないページが表示されたりする。スポンサーには迷惑な話で、「(だからパソコンで PowerPoint なんか使う気がしないんだよなぁ)」などと思ってしまう。ページ順を間違えて配信しているのである。
 
ときどき動画の広告も表示されるのだけれど、こちらはもっと手抜きで、見慣れたTV-CMをそのまま流している。音声がないのでタレントは皆、口をパクパクさせているだけで気味が悪い。音なしの TV-CM は異様であり、スポンサーにとっては百害有って一利無しという気もする。

ところが最近、秀逸な紙芝居式広告を見た。
スポンサーがどこなのか確認し忘れたけれど、季節にちなんだ英語のクイズを出してくれるのである。

「【雪合戦】は英語で何と言いますか?」

と出題され、画面に■■■□□(5・4・3…)と回答までの残り時間が表示される。
「うーん、わかんない( Star Wars にひっかけて Snow Wars なんて答えたら笑われちゃうだろうなぁ)」
などと考え込んでいると、

「 Snow Ball Fight 」

と正解が表示される。

「【寒中水泳】は英語で何と言いますか?」

と出題され「うーん、わかんない(それにしても、英米人も寒中水泳なんてするんだ~。白いふんどし姿で浜に上がり、婦人部が差し入れた甘酒を震えながら飲んだりするのかなあ…)」
などと馬鹿なことを考えていると■■■□□(5・4・3…)と時間になり、

「 Polar Bear Swim 」

と正解が表示される。
「へぇー(ホッキョクグマ泳ぎかぁ。英米人にとって寒中水泳に精神鍛錬なんていう馬鹿げた思い入れはないんだろうなぁ)」
などと感心しているうちに有楽町駅で降り損ねて、列車は新橋駅のホームにさしかかる。

(閉鎖した電脳六義園通信所 2003 年 1 月 25 日、19 年前の今日の日記に加筆のうえ再掲載。)

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