電脳六義園通信所別室
僕の寄り道――電気山羊は電子の紙を食べるか
◉雨のコンサート帰り
2019年5月21日(火)
◉雨のコンサート帰り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/89/b89eb2e05ea374cb2dce60d981018873.png)
月曜日、新しい週の始まり。macOS Mojave (マックオーエス モハベ OS10.14-)になってからファイル名に文字化け問題がある古い CD のマウントができなくなった。幸いなことにスーパードライブ内蔵の古い MacBook Pro が旧 OS のまま現役なので、読めるうちにハードディスクへ書き戻しておくことにした。入っているのは妻が手がけてきた絵本や詩集関係のデザインデータで、いずれ仕事をやめるとき若い編集者にすべて渡すのだそうだ。きちっとそれができるように手伝っている。
しかしながらこういう作業をしていてときどき思うのだけれど、昔はパソコンで作るデータのサイズが小さくてフロッピーディスクに収まってしまうのが当然だった。ソフトウェア自身フロッピーディスク一枚に収まってしまうものも珍しくなかった。どうしてこんなにデータサイズが大きくなってしまったのだろう。異様に思う。
清水の友人から電話があったので、面白い食べ物を考えて商売している人のことを思い出し、彼はどうしているかと聞いたら調理中に火事を出し、隣家もろとも店が丸焼けになったという。気の毒な話である。惜しい。
吉祥寺駅北口駅前 1 Nikor 1:1.8 f=18.5 mm
15時に仕事を切り上げ、毎朝録画している NHK クラシック倶楽部の収録場所として登場する武蔵野市民文化会館小ホールにエリック・マリア・クテュリエの無伴奏チェロ・リサイタルを聴きに行った。演奏プログラムは、
J.S. バッハ:無伴奏チェロ組曲第1番 ト長調 BWV 1007
ジョヴァンニ・ソッリマ:ラメンタチオ
ガスパール・カサド: 無伴奏チェロ組曲 第1楽章 プレリュード ファンタジア
J.S. バッハ:無伴奏無伴奏チェロ組曲第3番 ハ長調 BWV 1009
伊藤暁:Chains
ジョヴァンニ・ソッリマ:Alone
19時からのコンサート前に、渋谷区笹塚で創業 70 年という老舗ラーメン店に寄ってみた。開店は 15 時半のはずだけれど開いていなくて残念。この店は先日テレビで見て知った。高齢のご主人がお元気ならいいけれどと心配した。
すっかりラーメンのお腹になっているので、明大前で井の頭線に乗り換え、吉祥寺駅で下車し、北口のホープ軒に寄った。ホープ軒は 40 年ほど前、妻と二人で阿佐谷店によく通った。懐かしい味がした。
吉祥寺 1 Nikor 1:1.8 f=18.5 mm
ひと駅中央線に乗って三鷹駅へ。久しぶりの吉祥寺も三鷹も、駅北側の開発が進み、街が変貌していて驚いた。駅前の写植屋ご主人とネットで知り合い、亡くなるまで全国社会福祉協議会の仕事を手伝ってもらって親しくさせていただいたが、その会社があった場所も大きな再開発ビルが建っている。妻とふたりでデザインした卒展ハガキを印刷してもらった店もそのビルにあった。
コンサートは舞台から 7 列目端の席だったが、初めて生で聴く無伴奏チェロはとても良かった。とくに現代奏法を駆使した新しい曲は繊細な音が聞こえて感動した。生演奏ならではだ。
武蔵野市民文化会館小ホールのパイプオルガン 1 Nikor 1:1.8 f=18.5 mm
コンサートが終わって外に出たら雨になっており、バスで吉祥寺に戻り、電車を乗り継いで駒込に戻った。21 時半を過ぎていたので駒込駅東口で馴染みの居酒屋に寄った。四半世紀以上前から馴染みの店だが、なんだか様子が違う。仲の良いご夫婦が切り盛りする店だったが、ご主人が二月に亡くなられたという。奥さんがひとり気丈に店を開けており、店を開けていれば主人がいるみたいだから…と言う。
家に戻り、思い出話をし、泣きながら妻とふたり日付が変わるまで呑んだ。悲しい。いつのまにか雨が本降りになった。
(2019/05/21)
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お店の移り変わりは悲しいことが多いですよね。
いつの間にか閉店していたり、お店が変わっていたり。
三鷹駅北口に二年間だけ暮らしたのが懐かしいです。
駅ビルも町並みも画一化してどこも同じような顔になってしまいました。画一化した街は人の歴史が見えなくなりますね。個人商店にはまだ悲しみがあります。