建物の作り


D850 + AF-S NIKKOR 35mm f/1.4G

大きな画像

僕の住んでいる古いマンションは、駅に隣接したビル街にある。
ゴチャゴチャして騒がしい街の中だ。
電車がすぐそばを通っているし、駅のアナウンスも聞こえてくる。
また選挙の時などは、建物の眼前で拡声器で大音量の演説が始まる。

そのため40年近く前に購入する時は、こんな場所では騒がしくて住めないのではないかと心配の声もあった。
当事はここまで便利な場所にあるマンションは少なかったので、値上がりが予想され、転売目的で買わないで欲しいと言われた。
戸別に申し込んで抽選で決める方式だったが、競争率が非常に高かったのを覚えている。

そういう場所にあるために、かなり気を遣って建物を作ったようで、防音にはそれなりにコストがかけられている。
今まで電車の音がうるさいと感じたことは一度も無い。
窓を閉めてしまえば、カタンカタン・・という小さな走行音と、遠くで話すような駅のアナウンスが僅かに聞こえる程度である。
さすがに選挙の演説は少しうるさいが、それは一時的なものだ。

建物全体がそういう作りのためか、隣の家の騒音が聞こえることはまず無い。
稀に上の階で子供が走り回る足音がする程度だ。
普段は生活音はほとんど聞こえず、静かなものである。
その上気密性が高いために室内温度が安定しており、暖房器具はほとんど必要ない。
マンションって住みやすくていいものだなと思っていた。

しかし知り合いのマンションに行ったり意見を聞いたりしていると、自分の家と少し違うことがわかってきた。
案外隣接する家の騒音にみな悩まされているようだ。
我家よりずっと立派でモダンな作りでも、意外に壁が薄くて隣の部屋の音がまともに聞こえたりする。
互いに気を遣いながら生活しなければならず、これでは住んでいても疲れてしまうだろうと思う。

自宅の壁や柱などを改めて観察してみると、住居というよりビルに近い作りになっている。
太くて厚みがあり、コストダウンの技術がまだあまり無い時代の作りに見える。
ただ昭和56年の新耐震基準以前の建物なので、物量投入型の作りではあっても地震に強いわけではない。
実際の地震には、現在の壁の薄い建物の方が強いのかもしれない。

その辺を心配して、引っ越そうかと悩んだこともあった。
しかし駅やデパート、コンビニは近いし、食事もいつでもできるし、便利さで比較すると結局今のところの方がいいという事になる。
しかも静かで気楽に生活が出来るとなると尚更である。
近い将来リフォームも考えているのだが、果たしてこのままずっとここに住み続けることになるのだろうか・・・
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )