不審者


D850 + AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G

大きな画像

一泊だけして帰ってきた。
福島の義兄の家に初孫誕生のお祝いに行き、お昼過ぎには東京に向かって出発した。
雲ひとつない青空であった。

朝近所でひとり撮影していたら、例によって地元の人の不審尋問を受けた。
見知らぬ男が何やら写真を撮っているので、何者かを確かめにきたのだ。
恐らく江戸時代かそれ以前から、日本の地方の村落で続いている風習である(笑)

今回は近所の農家のつなぎを着たおじさんであった。
通りがかりに僕を見たのだろう。
確かに家の裏の細い道で撮影しているのだから、知らない相手であれば不審者と考えるのが普通である。

「おはようございます」
最初はにこやかで友好的な挨拶から始まる。
僕も笑顔でおはようございますと返した。

その笑顔のままでおじさんが聞いてくる。
「え・・・と、どちらさん?」
予想通りの質問である。
にこやかな表情を変えないのが凄い。

「そこの〇〇のものです」
とMrs.COLKIDの実家の苗字を言った。
そう言えば済むかと思ったが、おじさんは一瞬無言になった。
「ええと・・〇〇というと・・・」

最初は僕のことを不審者と決めつけて、地元の関係者だと言っても信用してくれないのかと思った。
しかし考えてみたら、この集落は〇〇という名前の家がズラッと並んでいるのだった。
どこの〇〇か分からず混乱しているようだ。

そこでMrs.COLKIDの名前を言い、その夫であることを告げた。
おじさんは一瞬考えていたが、理解したようで
「ああそう、〇〇ちゃんの旦那さんね、それで写真を撮っているのね」
と言った。
僕は集落ではよく写真を撮りに行く婿さんとして有名なのだ。

「勝手に撮ってすみません」
「いえいえ、いいんですよ。どうぞどうぞ」
そう言っておじさんはそのまま通り過ぎて行った。
嫌疑は晴れたようだ。

実家に帰りその事を報告した。
その場合は「△△屋の〇〇」と言うようにと言われた。
それぞれの家に屋号がある。
右も左も〇〇家ばかりなので、地元では屋号で区別しているのだそうだ。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )