軽いPTSD


D850 + SIGMA 35mm F1.4 DG HSM

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Dlifeを見ていると、けっこうショッキングなシーンが平気で放映されることに驚く。
遺体や血、内臓などは日常茶飯事で、嘔吐するシーンも多く、食事中だと気分が悪くなることもある。
米国のテレビ番組はそういうシーンを流しても問題ないのだろうか。
日本の方が規制が厳しいのか、過激なシーンを見ることは少ないが、そのせいか日本のドラマはぬるま湯に浸かっているような印象を受ける。

既にかなり古い作品であるが、「ER緊急救命室」を何度も再放送している。
この番組では、次から次にそういうシーンが流れる。
リアルな映像をテレビで流す番組のはしりかもしれない。

その中で医師のひとりであるロバート・ロマノが、自分の腕を切り落としてしまう強烈なシーンがあった。
ヘリコプターの後部ローターに誤って接触してしまい、片腕がスパッと切断されるのだ。
口は悪いが実力のある医師で、憎まれ役ではあったが、長く番組に出ていて、こちらもそれなりに親しみを持っていた。
そこでいきなりこのシーンなのでショックが大きい。

屋上のヘリに患者を運び込む際、風で書類を飛ばされてしまい、それを拾って立ち上がったところで腕がローターに接触してしまう。
血しぶきが周りにいた人たちの顔に飛ぶ。
切断された腕がドスンと地面に落ちる。
ロマノ医師はショック状態に陥りその場に倒れる。
他の医師たちが大慌てで血の吹き出す傷口を押さえ、切断された腕とともに手術室に運び込む。

思わず画面に見入ってしまったが、それゆえに軽いPTSDになってしまったようだ。
以降そのシーンが目に焼きついてしまった。
しっかりと人格のある登場人物であり、ゾンビが頭を飛ばされるのとは訳が違う。
その事故で亡くなりはしなかったが、結果的にロマノ医師は片腕をなくし、それをきっかけに人生も狂っていく。

それから数日後、同チャンネルで料理番組を見ていた。
鮭を調理していたのだが、胴体の真ん中で二つに切った鮭の尾びれの方を、ドスンとまな板の上に置いた。
その瞬間ギョッとなった。
同時に気分が悪くなった。
頭にはあの腕のシーンが思い浮かんだ。

こういうシーンは、若い頃は見ても何とも思わなかった。
学生時代にはスプラッター系はむしろ好んで見ていたのだが・・・
やはり歳とともに駄目になるのか。

親しみのある登場人物をいきなり失うのは、単に視覚的なものだけではなく、精神面でも打撃を受けるのでショックが大きい。
「NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班」のシーズン2の最終話で、ケイトリンが狙撃され額に穴が開くシーンもきつかった。
あれだけ視聴者が親しみを持った女性が、油断した瞬間にいきなりである。
それを見て以降、しばらく気持ちが晴れなかった。

恐らく役者当人が降板したいと言い出したとか、予算の都合でその人が使えなくなった時などに、そのキャラクターを殺して終わりにしてしまうのだろう。
しかし何も殺さなくてもいいだろうに・・・

と思ったが、子供の頃見ていた「太陽にほえろ!」でも、登場人物を定期的に殉職させるのは常套手段だった。
今日○○が死ぬ・・という噂がちゃんと伝わっていて、皆学校を早く帰って見た。
このやり方は日本でも昔からあるのだな。
たまにスパイス替わりに誰かを殺さないと、視聴率が維持出来ないのだろう。
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